調剤薬局業界のM&A動向とは?現状や事例を紹介

2024年8月30日

調剤薬局業界のM&A動向とは?現状や事例を紹介

このページのまとめ

  • 調剤薬局業界で収益減に対応したり人材確保したりするためにM&Aが注目されている
  • M&Aを実施する売り手のメリットは、後継者がいなくても薬局を残せる点など
  • M&Aを実施する買い手のメリットは、短期間で薬局を開業して軌道に乗せられる点など
  • M&Aを実施する売り手のデメリットは、患者や従業員の信頼を失う可能性がある点など
  • M&Aを実施する買い手のデメリットは、薬局の負の財産を引き継ぐ可能性がある点など

調剤薬局で課題を抱えていて、「M&Aを実施すべき?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。調剤薬局業界では、収益減に対応することや、人材獲得を目指すことなどを目的としてM&Aが実施されることがあります。

本記事では、調剤薬局業界が抱える課題や、M&Aを実施するメリットとデメリットを解説します。M&Aを成功させるためのポイントも紹介するので、参考にしてください。

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薬局のM&Aとは

一般的に、薬局のM&Aとは、薬局を買収することや、薬局を他社に売却することを指します。

M&A(エムアンドエー)とは、Mergers and Acquisitionsを略した用語で、企業の合併と買収のことです。また、「薬局」は調剤薬局のことを指します。

調剤薬局とは、病院や診療所に勤める医師の処方箋に基づき、薬を患者に渡す機関です。そのうち、保険適用されるように運用されている(保険調剤を取り扱いできる)機関を保険調剤薬局(保険薬局)と呼びます。

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調剤薬局業界の現状と課題

ここから、調剤薬局業界の現状と課題について説明します。

調剤薬局業界の現状

調剤薬局業界の現状を理解するうえで、以下のポイントが欠かせません。

  • 慢性的な薬剤師不足
  • 薬局の後継者不足

慢性的な薬剤師不足が発生していることが、調剤薬局業界の現状です。薬剤師の数自体は増加傾向にありますが、大手ドラッグストアとの人材獲得競争が激化し、十分な数を確保できないケースがあります。

また、後継者不足が深刻であることも、調剤薬局業界の現状です。個人で薬局を営む経営者は、子どもに事業承継の意思がない場合に、廃業を選択することがあります。

さらに、調剤薬局業界の現状を理解するうえで大切なポイントが、調剤報酬の点数です。薬局で支払う代金は、厚生労働省が定めた調剤報酬点数に従って計算されます。

調剤報酬点数を構成する要素は、以下のとおりです。

  • 調剤技術料(調剤基本料・調剤調整料・各種加算料)
  • 薬学管理料
  • 薬剤料
  • 特定保険医療材料料

上記の合計点数(1点=10円)が高いほど、金額も高額になるため、各薬局は後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用割合を高めるなど、調剤報酬点数の加算料を意識しつつ経営しなければなりません。

2018年度の調剤報酬改定では、大型門前薬局などへの調剤基本料が下がっています。そのため、今までと同じように経営していると、1処方あたりの点数が下がり、売上も下がる可能性が高いです。

なお、2018年度以降も調剤報酬は定期的に(2年に1度)改定されています。たとえば、2020年度はかかりつけ機能の評価(かかりつけ薬剤師に関する点数の引き上げ)、2022年度は薬剤調製料の新設、2024年度は調剤基本料の引き上げや特別調剤基本料の引き下げなどが主な変更点です。

調剤薬局業界が抱える課題

2018年度の調剤報酬の改定をきっかけに、いかに点数を稼ぐ経営ができるかが調剤薬局業界の課題になりつつあります。今後も調剤報酬の改定で調剤基本料などがさらに下がると、従来型のビジネスモデルでは経営を続けることが難しくなるでしょう。

収益力を強化するためには、「かかりつけ薬剤師指導料」が加算される、かかりつけ薬局への移行も検討しなければなりません。

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調剤薬局業界でM&Aに注目が集まる理由

近年、とくに大手調剤チェーンやドラッグストアによる個人薬局へのM&Aが進んでいます。調剤薬局業界でのM&Aに注目が集まっている主な理由は、以下のとおりです。

  • 収益減に対応するため
  • 人材獲得を目指すため
  • 経営者の高齢化・後継者不在を解消するため

ここから、各理由について詳しく解説します。

収益減に対応するため

2018年度の調剤報酬改定などが原因で収益源に悩まされている薬局が、課題を解消するためにM&Aを検討することがあります。大手薬局チェーンやドラッグストアとのM&Aを実施すれば、スケールメリットにより収益力の改善を期待できるでしょう。

たとえば、調剤報酬以外の多角的な事業展開により、増収につながる場合があります。また、大手薬局チェーンとの共同仕入により、仕入価格を下げやすくなる点もメリットとして考えられるでしょう。

人材獲得を目指すため

人材獲得につながる点も、調剤薬局業界でM&Aに注目が集まる理由です。

買い手はM&Aを実施することにより、対象の薬局に勤める薬剤師(人材)を獲得できる場合があります。「かかりつけ薬剤師指導料」を考慮し、M&Aで買収する対象としてとくに注目されているのが、個人経営による薬局です。

かかりつけ薬剤師指導料とは、かかりつけの薬剤師が保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握し、服薬指導料などを実施した際に算定できる指導料のことです。個人経営による薬局は、かかりつけ薬局としてすでに地元の患者を一定数抱えている可能性が高いため、M&Aを実施することで「かかりつけ薬剤師指導料」の加算を期待できます。

また、売り手側も、M&Aが人材獲得につながることがあります。たとえば、大手薬局チェーンやドラッグストアとのM&Aを実施すれば、そのブランド力を活かして採用活動がしやすくなるでしょう。

経営者の高齢化・後継者不在を解消するため

経営者の高齢化や後継者不在の解消につながることも、調剤薬局業界でM&Aが注目されている理由です。親族内承継や従業員承継の選択肢がなく、後継者不在の悩みを抱えている高齢の経営者は、M&Aで薬局を第三者に売却することで、従業員の雇用を継続できます。

また、廃業を選択すると、設備の処分費用や登記手続きに関する費用などがかかるため、収支がマイナスになるでしょう。それに対し、M&Aを選択して廃業を回避すれば、手続きにかかるコストを削減できるうえに売却益も得られるため、薬局を手放す際の収支がプラスになる可能性があります。。

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調剤薬局のM&A事例7選

近年の調剤薬局におけるM&A事例は、主に以下のとおりです。

  • 日本調剤とヤジマメディカルブレーンなど
  • ウエルシア薬局と金光薬局
  • アインHDとファーマシィHD
  • NSSKとクラフト
  • スギHDとI&H
  • MSNとファーマシフト
  • メディカル一光と京寿薬品

ここから、7つの事例について詳しく解説します。

日本調剤とヤジマメディカルブレーンなど

2021年11月、日本調剤株式会社(以下、日本調剤)が、100%子会社である有限会社ヤジマメディカルプレーン(以下、ヤジマメディカルプレーン)と有限会社(デュオン)を吸収合併することを発表しました。

ヤジマメディカルプレーンもデュオンも、薬局を営む会社です。日本全国で調剤薬局チェーン展開を進める日本調剤は、調剤薬局事業として一元管理を狙うことや、経営の効率化を図ることを目的に合併を決断しました。

参照元:日本調剤株式会社「連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

ウエルシア薬局と金光薬局

2022年6月、ウエルシアホールディングス株式会社(以下、ウエルシアホールディングス)は、ウエルシア薬局株式会社(以下、ウエルシア薬局)が金光薬品株式会社(以下、金光薬品)を合併することを発表しました。

ウエルシア薬局も金光薬品も、ウエルシアホールディングスの完全子会社です。ウエルシアホールディングスグループは、本部機能の効率化や従業員の交流などを通じて経営資源を有効活用することや、中国地方の売上シェアの拡大を図ることを目的に、本件合併を決断しました。

参照元:ウエルシアホールディングス株式会社「完全子会社間の合併に関するお知らせ

アインHDとファーマシィHD

2022年5月、株式会社ファーマシィ(以下、ファーマシィ)とその全株式を保有する株式会社ファーマシィホールディングスは、株式会社アインホールディングス(以下、アインHD)のグループに参画することを発表しました。

ファーマシィは、発表時点で100の薬局を抱える会社でした。一方、アインHDは全国約1,100店舗の薬局を運営しています。

ファーマシィは、経営理念や企業風土に多くの共通点を持つアイングループの一員になることで、自社が描くビジョンをより確実に実現できると判断し、参画を決断したとのことです。

参照元:株式会社ファーマシィ「アイングループへの参画に関するお知らせ

NSSKとクラフト

2022年10月、日本産業推進機構グループ(以下、NSSK)は、クラフト株式会社(以下、クラフト)の全株式を譲り受けるために、株式譲渡契約書を締結したことを発表しました。

クラフトは「さくら薬局グループ」ブランドで、首都圏・関西圏・東海地方を中心に約900店舗の調剤薬局事業を営む会社です。一方、NSSKは金融商品取引業者として、第二種金融商品取引業や投資助言・代理業を営んでいます。

NSSKは、独自の経営支援パッケージや国内外のネットワークなどを活用・提供することで、クラフトが次のステージに向けて成長するための施策の立案・実行を支援していくとのことです。

参照元:株式会社日本産業推進機構「さくら薬局グループのNSSK による譲受に係る株式譲渡契約の締結について

スギHDとI&H

2024年2月、I&H株式会社(以下、I&H)がスギホールディングス株式会社(以下、スギHD)との間で株式譲渡契約を締結したことを発表しました。I&Hは同年8月30日に普通株式を譲渡し、スギHDの連結子会社となる見込みです。

I&Hは、総合ヘルスケア企業として、調剤事業や介護・福祉事業、ヘルスケア事業などを営んできました。「調剤薬局」を軸とするI&Hと「調剤併設型ドラッグストア」を軸とするスギHDグループは異なるフォーマットやバックグラウンドを持ちますが、ともに「人を、社会を、幸せにできるヘルスケア企業」を目指していくとのことです。

参照元:I&H株式会社「スギホールディングス(スギ薬局)グループ入りのお知らせ

MSNとファーマシフト

2023年11月、株式会社メディカルシステムネットワーク(以下、MSN)が株式会社ファーマシフト(以下、ファーマシフト)を完全子会社化することを発表しました。

ファーマシフトは、かかりつけ薬局化の支援事業を営む会社です。もともと、株式会社デジタルホールディングスの100%子会社である株式会社リテイギ(以下、リテイギ)とMSNによる合弁会社として設立されました。

今回の完全子会社化にあたって、合弁契約を解消し、リテイギが保有するファーマシフトの全株式をMSNが取得するとのことです。あわせて、リテイギの100%子会社である株式会社RePharmacy によるLINE 公式アカウント「つながる薬局」に関連する事業をファーマシフトが譲り受けることも発表しています。

参照元:株式会社メディカルシステムネットワーク「合弁会社(連結子会社)の合弁契約解消及び株式取得並びに連結子会社による事業譲受に関するお知らせ

メディカル一光と京寿薬品

2024年4月、株式会社メディカル一光グループ(以下、メディカル一光G)の連結子会社である株式会社メディカル一光(以下、メディカル一光)が、株式会社京寿薬品(以下、京寿薬品)の全株式を取得して子会社化することを発表しました。

メディカル一光Gは、三重県に本社を構え、メディカル一光を中心に調剤薬局94店舗(発表時点)を展開する会社です。一方、京寿薬品も京都府南部を中心に調剤薬局5店舗を展開しています。

本件株式取得により、メディカル一光グループは三重県に次ぐ重要拠点として京都エリアを位置付け、ドミナント戦略の展開や規模の拡大を図り、企業価値の向上につなげていくとのことです。

参照元:株式会社メディカル一光グループ「当社連結子会社による株式会社京寿薬品の株式取得に関する協議開始のお知らせ

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調剤薬局M&Aのメリット

調剤薬局におけるM&Aを実施するメリットについて、売り手と買い手の立場に分けて解説します。

売り手にとってのメリット

M&Aを選択することで、親族や従業員に後継者がいなくても、薬局を承継できる点がメリットです。

家族や従業員に承継の意思があったとしても、経営者としての素質を備えているとは限りません。M&Aであれば、大切な薬局を存続させる経営手腕があるか見極めながら候補先を選定できます。

また、オーナー経営者は、創業者利益を得て新規事業の立ち上げ費用や、リタイア後の生活資金にあてられる点もメリットです。M&A手法のうち、とくに株式譲渡を選択した場合は、実施時に売り手株主が売却益を得られます。

さらに、大手薬局チェーンやドラッグストアとのM&Aを実施して、人材などのリソースを獲得したり、仕入額の抑制につながったりする点もメリットです。

買い手にとってのメリット

買い手は、比較的短期間で薬局を新規開業できる点がメリットです。

今まで薬局を営んでいたとしても、新たなエリアに進出する際はさまざまな手間がかかります。なぜなら、進出するエリアの特性を理解したうえで、ニーズにあったサービスを提供しなければ経営を続けることが困難なためです。

その点、該当エリアですでに営業している薬局に対してM&Aを実施すれば、必要な設備や仕入先、患者などを確保してスムーズに事業を軌道に乗せられます。

薬剤師不足の課題を解消できる点も、買い手にとってのメリットです。薬剤師を多数採用している薬局に対してM&Aを実施すれば、採用や人材育成にかかるコストを軽減しつつ、必要な人材を確保できます。

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調剤薬局M&Aのデメリット

調剤薬局のM&Aを実施するデメリットについて、売り手と買い手の立場に分けて解説します。

売り手にとってのデメリット

買い手の評判が悪い場合、今まで築き上げてきた薬局の信用を短期間で失う可能性がある点が売り手にとってのデメリットです。M&A実施後に患者が離れたり、薬剤師が退職したりすることがありえます。

従業員や患者に不安を与える点も、売り手のデメリットです。M&Aにより労働環境や経営方針が変わることを、関係者が心配する可能性があります。

買い手にとってのデメリット

薬局のマイナス財産を引き継ぐ可能性がある点が、買い手にとってのデメリットです。代表例として、簿外債務や訴訟リスクなどが挙げられます。

簿外債務とは、売り手の貸借対照表に記載されていない債務のことです。簿外債務に気づかずM&Aを実施することを防ぐためには、綿密なデューデリジェンスを実施しなければなりません。

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調剤薬局のM&A相場・価格算出方法

ここから、調剤薬局のM&A相場に関連する項目や、価格の算出方法について、詳しく解説します。

価格相場に関連する項目

M&Aでは、主に以下の項目が売買価格を左右します。

  • 時価純資産額
  • 立地
  • 集客力
  • 成長見込み
  • 従業員数(薬剤師の数)

また、薬局の場合は毎月の技術料や処方箋応需もM&Aにおける価格を左右する大切な要素です。買い手は、対象薬局の処方箋応需の枚数が多ければ多いほど、M&A実施後も高い売上を期待できると判断するでしょう。

価格の算出方法(アプローチ)

M&Aで薬局の価格目安を算出する主な方法は、インカムアプローチ・マーケットアプローチ・コストアプローチの3つです。それぞれの特徴を以下にまとめました。

方法インカムアプローチマーケットアプローチコストアプローチ
特徴薬局の将来的な現金フローに基づく類似する上場企業の情報を参考にする企業の純資産に基づく
メリット・将来性を盛り込める
・シナジー効果を考慮できる
・客観的な評価を期待できる 
・情報を入手しやすい
・客観的な評価をしやすい
デメリット・主観的な判断が入りやすい
・将来のリスクを反映させにくい
・計算が複雑
・類似する業者や取引の存在が必要
・非上場企業では使えない可能性がある
 ・インカムアプローチと比べると企業の将来性を反映しにくい
・帳簿が適正に作成されていないと、正確な企業価値の反映が困難
・企業の将来性を反映できない

なお、中小企業の場合は上記の考え方を混ぜた手法(時価純資産 + 営業権)で計算する場合もあります。

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調剤薬局のM&Aの流れ

調剤薬局の基本的なM&Aの流れを、以下にまとめました。

M&Aの流れ
検討・準備フェーズニーズの発生・M&Aの検討
M&A業者の選定・契約
秘密保持契約の締結
アドバイザーとの面談
マッチング・交渉フェーズ企業価値評価(売り手)
ロングリストの作成
ショートリストの作成
ノンネームシートの作成(売り手)
ネームクリアの検討
秘密保持契約書の締結
企業概要の提示(売り手)
企業価値評価・スキームの絞り込み
トップ面談
条件の交渉
意向表明書の提出
基本合意書の締結
最終契約フェーズデューデリジェンスの実施
最終条件の交渉
最終契約書の締結
クロージング

基本合意書とは、トップ面談や条件の交渉を通じて決まった内容をまとめた書類です。価格やスケジュール、M&Aのスキームなどを盛り込みます。

それに対して最終契約書は、基本合意書を軸に、デューデリジェンスや最終条件交渉の結果を反映させた書類です。

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調剤薬局のM&Aにかかる期間の目安

一般的に、調剤薬局のM&Aにかかる期間は、半年から1年です。ただし、薬局の規模や関係する企業の状況などによって、実際にかかる期間は異なります。

売り手がM&Aに前向きでも、業績が落ち込んでいるなどの理由で買い手が見つからなければ、それ以上の期間がかかるでしょう。また、候補先が見つかっても、交渉がまとまらずM&A成約に至るまで長い期間を要することもあります。

M&Aの交渉がまとまらない主な理由は、以下のとおりです。

  • 売り手の希望額が相場を大きく上回っている
  • ステークホルダー(薬局が所在する土地や建物の所有者など)がM&Aに後ろ向き

上記に該当する場合は、成約まで長期化することも覚悟したうえで交渉を進めましょう。

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調剤薬局のM&Aを成功させるためのポイント

売り手は、M&Aの交渉を進める前に、管理体制を整えておくことが重要です。万が一従業員との間に残業代未払いなどのトラブルを抱えていたり、医薬品の在庫管理がずさんだったりすると、買い手はなかなかつかないでしょう。

また、薬剤師の確保を目的として、M&Aを検討する買い手もいます。そのため、売り手は薬局に薬剤師が多く勤務していると、高値で売却できる可能性が高いです。

さらに、M&Aの手続きには専門知識が問われるため、売り手・買い手ともに専門家へ相談することが成功に欠かせません。M&A仲介会社に依頼すると、豊富なネットワークを使ってさまざまな候補先から相手を選定できます。

なお、M&A仲介会社に依頼する際は、薬局に関するノウハウや実績を有している相手を選ぶことがポイントです。

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まとめ

調剤薬局では、慢性的な薬剤師不足や後継者不在、調剤報酬の改定に伴う収益力の低下などの課題を抱えています。そこで、課題を解消する手段のひとつがM&Aです。

調剤薬局でM&Aを実施することによる売り手の主なメリットとして、親族や従業員に後継者がいなくても薬局を残せる点などが挙げられます。また、設備や人材を活用してスムーズに薬局経営を始められる点が買い手のメリットです。

一方、薬局のM&Aで失敗しないために、売り手も買い手も候補先選びには慎重にならなければなりません。そこで、M&A仲介会社などの専門家に相談することが成功のためのポイントです。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社には、各領域の専門性に長けたコンサルタントが在籍しています。M&Aのご成約まで一貫したサポートを提供しているため、安心かつ円滑にM&Aを実現したいと考えている方は、ぜひレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にご相談ください。