このページのまとめ
- 高齢者人口が増加し、介護施設へのニーズは高まっている
- 都市部では後期高齢者が急増している
- 人口全体は減少しているため、介護人材の確保は困難になっている
- 介護業界でM&Aを実施する際には、地域のニーズを調査しておくことが必要
- 介護業界内だけでなく、異業界とのM&Aが増えている
「介護事業を買いたいが、何から始めれば良いのだろうか?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。介護施設やサービスは増えていますが、高齢者が増加するなか不足している地域も多いため、介護事業を開始するのは好機といえます。
本記事では、介護業界の現状や、M&Aの現状・今後の動向について解説します。また、介護業界内でのM&A事例や、介護事業者と異業種との事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
介護業界の現状
介護事業を売却・買収を検討する前に、介護業界全体の現状を把握しておくことが大切です。まずは日本の高齢者人口や介護施設に対するニーズについて紹介します。
人口は減少するが高齢者人口は増加
日本の人口は徐々に減少しています。2050年を過ぎた頃には1億人を割り、2065年には2016年の2/3程度に減ると推測されています。少子化が進むことから、今後も人口減少は進むでしょう。
全体の人口は減少しますが、高齢者人口は増加の一途をたどると予測されています。2016年時点では1,691万人だった75歳以上の人口は、2030年には2,288万人になると試算されました。また、2065年には2,248万人とやや減少しますが、日本全体の人口が減っているため、全体に占める割合は25.5%と高くなっています。
高齢化が進み、生産年齢人口(15歳以上64歳以下)が減ることは、少ない働き手で多くの高齢者を支えることを意味します。2016年では約2.2人の働き手が1人の高齢者を支えていますが、2065年には約1.3人の働き手が1人の高齢者を支えなくてはいけません。労働者にかかる税負担はますます増えると考えられます。
2016年 | 2030年 | 2065年 | |
日本の人口 | 1億2,693万人 | 1億1,913万人 | 8,808万人 |
75歳以上の人口 (全体に占める割合) | 1,691万人 (13.3%) | 2,288万人 (19.2%) | 2,248万人 (25.5%) |
65~74歳の人口 (全体に占める割合) | 1,768万人 (13.9%) | 1,428万人 (12.0%) | 1,133万人 (12.9%) |
15~64歳の人口 | 7,656万人 | 6,875万人 | 4,529万人 |
14歳以下の人口 | 1,578万人 | 1,321万人 | 898万人 |
※2030年、2065年は推定人口
参照元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
介護施設へのニーズの高まり
2000年4月末時点では要介護(要支援)認定を受けた方は218万人でしたが、2021年3月末時点では682万人と、約3.1倍に増加しました。
高齢者人口は増えているため、今後も介護や支援を必要とする方は増えると推測されます。家庭での介護が難しい、あるいは一人で暮らしているなどの事情で、入所型の介護施設を検討する方も増えるでしょう。
介護施設へのニーズは高まり、また、今後も高まると推測されますが、介護人材は必要数を満たすほどには増えていません。厚生労働省の試算によれば、2025年には約32万人、2040年には約69万人の介護人材が不足するとされています。
介護施設や介護人材が不足すると、介護を必要とする方の暮らしにも影響が及びます。「介護を受けたいのに受けられない」「介護施設の入所待ちが長引いている、希望する施設に入所できない」などの状況が起こりやすくなるでしょう。
2023年 | 2025年 | 2040年 | |
介護人材の不足数 | 約22万人 | 約32万人 | 約69万人 |
※いずれも推計
参照元:厚生労働省「介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)」
介護業界の今後
介護施設や介護人材は今後も不足状態が続くと予想されますが、地域や施設の種類によっても状況は異なります。介護業界の今後を知るうえで押さえておきたいポイントとしては、次の7点が挙げられます。
- 後期高齢者の都市部での急激な増加
- 認知症高齢者の増加
- 高齢者の一人暮らし・夫婦のみ世帯の増加
- 介護予防事業のニーズの増加
- 看取り・ターミナルケアへのニーズの増加
- 訪問型・巡回型介護サービスの増加
- 訪問型・通所型リハビリテーション施設の減少
それぞれのポイントを解説します。
後期高齢者の都市部での急激な増加
後期高齢者(75歳以上)の人口と、全人口に占める割合は増加しています。2015年には1,632.2万人(全体の12.8%)でしたが、2025年には2,180.0万人(17.8%)と、わずか10年で1.34倍に増えると推測されています。
後期高齢者の増加は、とりわけ都市部で顕著です。首都圏と東海圏、関西圏の都府県では、そのほかの地域よりも急激な増加が見られると予想されています。2015年の後期高齢者の人口と、2025年の後期高齢者の推定人口、増加割合は以下をご覧ください。
埼玉県 | 千葉県 | 神奈川県 | 愛知県 | 大阪府 | 全国 | |
2015年 (割合) | 77.3万人 (10.6%) | 70.7万人 (11.4%) | 99.3万人 (10.9%) | 80.8万人 (10.8%) | 105.0万人 (11.9%) | 1,632.2万人 (12.8%) |
2025年 (割合) | 120.9万人 (16.8%) | 107.2万人 (17.5%) | 146.7万人 (16.2%) | 116.9万人 (15.7%) | 150.7万人 (17.7%) | 2,180.0万人 (17.8%) |
10年間の変化 | 1.56倍 | 1.52倍 | 1.48倍 | 1.45倍 | 1.44倍 | 1.34倍 |
高齢者向けの介護施設は日本全体で必要とされていますが、特に都市部でのニーズが高まると予想されます。
参照元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
認知症高齢者の増加
認知症高齢者も増加しています。2012年時点では認知症高齢者は462万人で、65歳以上の人口の約15%を占めていました。しかし、2025年には認知症高齢者は約700万人、65歳以上の人口の約20%を占めると予測されています。
なお、令和6(2024)年度介護診療報酬改定により、認知症高齢者に対する介護行為の加算単位が増加しました。たとえば、新設された「認知症チームケア推進加算」(月120単位、もしくは150単位)は、認知症の行動・心理症状の発現を未然に防ぐこと、あるいは出現時に早期に対応することを目的とした取り組みに対して適用されます。
また、小規模多機能型居宅介護における認知症加算も増加しました。従来は月500単位もしくは800単位でしたが、認知症患者に対して専門的なケアをする施設なら月920単位もしくは890単位の加算が可能です。
認知症高齢者を受け入れる施設を増やすだけでなく、認知症予防や専門的なケアに取り組むことも、介護事業者に求められているといえるでしょう。
高齢者の一人暮らし・夫婦のみ世帯の増加
高齢者の一人暮らし世帯、高齢者夫婦のみの世帯も増加しています。核家族化が進んでいること、また、職業や居住地に対して従来の「家」にしばられない考え方が受け入れられていることもあり、今後も高齢者世帯の増加が推測されるでしょう。
2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 | |
高齢者夫婦のみ世帯 | 627.7万 | 674.0万 | 676.3万 | 669.3万 | 666.6万 | 687.0万 |
高齢者単独世帯 | 625.3万 | 702.5万 | 751.2万 | 795.9万 | 841.8万 | 896.3万 |
全世帯に占める高齢者世帯の割合 | 23.5% | 25.4% | 26.4% | 27.4% | 28.8% | 31.2% |
※2020年以降は推定値
2040年までには高齢者世帯の割合は30%を超えると予測されています。また、高齢者世帯の内訳にも注目してみてください。2015年は高齢者夫婦のみの世帯が高齢者単独世帯よりも多かったですが、2020年以降は高齢者単独世帯数が高齢者夫婦のみ世帯を上回り、2040年には200万世帯以上もの差がつくと考えられています。
この理由としては、どちらかが亡くなったときに、子や孫などの他の家族・親族と暮らすことを選択するケースが減っていることが挙げられるでしょう。また、パートナーがいない人や、子どもがいない・持たない人が増えていることも、高齢者単独世帯が増える理由として考えられます。
参照元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
介護予防事業のニーズの増加
要介護状態や要支援状態は、ある程度であれば予防が可能です。たとえば高齢者が足を骨折した場合、そのまま車いすの生活になるか、あるいは再び歩けるようになるかは、どの程度リハビリテーションに取り組むかによっても異なります。
いつまでも自律した生活を楽しむためにも、介護予防のためのサービスや施設を利用することが必要です。たとえば、介護予防のためのサービスとしては、次のものが利用できます。
都道府県・政令市・中核市の監督事業 |
市町村の監督事業 |
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入所型や通所型の認知症向けの施設に対するニーズは高いですが、認知症を予防するための施設・サービスもニーズが増加すると考えられます。これからますます高齢者、後期高齢者が増加するため、認知症予防に関する事業にも注目してみましょう。
参照元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
看取り・ターミナルケアへのニーズの増加
訪問介護や短期入所生活介護など、さまざまな介護の場面で、看取りやターミナルケアに対するニーズも増えています。実際に、令和6(2024)年度介護診療報酬改定では、さまざまな看取りやターミナルケアに関する介護報酬単位が増加しました。
たとえば、訪問看護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護でターミナルケアを提供する場合において、従来の死亡月のターミナルケア加算は2,000単位でした。しかし、令和6(2024)年度以降は2,500単位に増加しています。
看取りやターミナルケアは、ニーズが高まっているだけでなく、施設も注力すべき分野といえます。専門的な知識を持つスタッフを増やし、対応力を増す必要があるでしょう。
訪問型・巡回型介護サービスの増加
入所型の介護施設へのニーズも高まっていますが、自宅で生活したいと考える方や、希望する施設に入所できるまでは自宅で介護を受けたいと考える方も少なくありません。自宅での生活に活用できるのが訪問型・巡回型介護サービスです。主なサービスは以下をご覧ください。
都道府県・政令市・中核市の監督事業 |
市町村の監督事業 |
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訪問型・巡回型介護サービスに対応するには、介護スタッフ一人ひとりのスキルアップが必要です。施設で介護を提供する場合とは異なり、介護スタッフが1人ないしは2人ですべての状況に対応しなくてはいけません。スキルアップ研修を実施するだけでなく、介護スタッフの早期離職を防ぎ、長期的に働いてもらえる環境づくりをすることも大切です。
参照元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
訪問型・通所型リハビリテーション施設の減少
令和6(2024)年度介護診療報酬改定により、介護予防訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション加算単位が減少しました。これは施設によって提供するリハビリテーションの質に差があることから、より適正にサービスを評価することが目的とされています。
加算が減ることで、今後対応施設が減る可能性も想定されるでしょう。また、リハビリテーションに対応した入居型施設の増加や、リハビリテーションよりも予防介護に重きを置いた施策の強化なども予想されます。
【介護業界M&A】今後の動向
介護業界を取り巻く状況や高齢者の増加、特に都市部を中心とした後期高齢者の増加などを踏まえ、介護関連のM&Aでは以下の動きが推測されます。
- 人材確保を目的とした介護施設買収の増加
- 新規参入を目的とした介護施設買収の増加
- 事業承継を目的とした介護施設買収・売却の増加
- 海外進出を目的とした介護施設買収の増加
- 領域変更を目的とした介護施設買収・売却の増加
予測される動向について解説します。
人材確保を目的とした介護施設買収の増加
介護人材は不足しています。また、今後はさらに高齢化が進むため、介護人材の不足もより深刻化するでしょう。
介護人材の不足の原因はさまざまです。被介護者を支えて入浴させる、排せつや歩行をサポートするなど、介護スタッフは多大な身体的負担を強いられます。また、認知症の周辺症状には暴言や暴力などもあり、身体的だけでなく精神的にもストレスを感じている介護スタッフは多いでしょう。
そのため、短期間で離職するスタッフも多く、人材不足の状態が続きがちです。人材が定着しないため、常に求人を募集している施設も少なくありません。新しいスタッフが入ると既存スタッフによる指導が必要となり、通常業務でも十分に多い負担に、さらに別の負担が加わります。
介護施設を開業するには、施設をつくることも重要な要素ですが、人材確保の計画を立てることも重要な要素です。介護施設では人員配置の要件が決まっているため、開業しても介護スタッフの数が不足するときは利用者の数を減らすことが求められます。利用者が減ると経営維持が難しくなり、介護施設そのものを手放すことにもなりかねません。
安定的な経営を実現するためにも、人材確保を目的とした介護施設買収が増えると考えられます。すでに多くの熟練した介護スタッフが所属している施設を買収すれば、新たにスタッフを募集する手間や時間を削減できるだけでなく、スタッフの教育にかける時間やコストも削減できます。
介護事業者として蓄積されたノウハウがあるため、施設内規定や業務手順の確立、指示体系の構築などがスムーズに進み、開業までの時間を短縮できるのもメリットです。また、すでに介護施設を開業している場合でも、他の施設を買収してグループ化すれば、事務や経営などの業務を統一し、より効率的な運営が可能になります。
バックヤード業務の人材をより必要性の高い業務に配置すれば、人材不足も解消されやすくなります。今後も、人材確保を目的とした介護事業への新規参入・事業拡大案件は増えると予想されるでしょう。
新規参入を目的とした介護施設買収の増加
高齢化が進み、介護施設へのニーズが高まっていることは、ニュースでもしばしば取り上げられる話題のため、多くの方が認識しています。今後も高齢化は進むため、介護関連の事業やサービスを始めようと考える方も増えると考えられます。
しかし、介護に関わったことがない方が、介護事業に参入するのは容易ではありません。まず問題になるのが許認可関連の手続きです。介護事業は自治体の許認可なしに開業できないため、要件を一つひとつ確認し、すべて満たす必要があります。
また、介護スタッフを確保すること、適切な設備を備えること、施設内ルールを確立することなど多くのハードルがあります。それに加え、利用者を確保することも必要です。チラシを作成してポストに投函する、高齢者関連の施設に出向いて宣伝するといった活動も必要になるでしょう。
しかし、既存の施設を買収するなら、すでに許認可を受けた建物や設備があるだけでなく、介護スタッフや利用者もすべてそろっています。そのため、一から施設を建設するのではなく、既存の施設を買収することで短時間で事業を開始しようとする方が増えると考えられるでしょう。
事業承継を目的とした介護施設買収・売却の増加
介護施設の運営を次の世代に承継したいと考えている経営者もいるかもしれません。しかし、「家業」という考え方が希薄化しているため、子どもや親族が事業を承継しないケースも多いでしょう。
従業員に事業を承継しようにも、適当な人材がいない場合や、従業員に施設を買い取るだけの資金がない場合も想定されます。介護施設の経営者の高齢化が進むことも予想されるため、今後ますます事業承継を目的とした介護施設の売却も増えるでしょう。
また、事業承継目的で売却される介護施設をターゲットとした買収も、増えることが予想されます。事業承継を目的とする場合、元経営者が経営に関わることは少ないと考えられます。そのため、買収した側は比較的自由に経営でき、理想とする介護を実現しやすくなるでしょう。
海外進出を目的とした介護施設買収の増加
日本では今後も介護施設のニーズは増加すると考えられますが、高齢者が増えるのは日本だけではありません。医療の進歩やインフラの整備、食糧の安定供給などにより、世界中の多くの国や地域で高齢化が進むと考えられます。
たとえば、中国やインドネシア、インドなどの人口が多い国に目を向ければ、まだまだ高齢者関連事業の進出の余地はあります。介護サービスがあまり充実していない国・地域に進出すれば、大規模に事業を展開できるかもしれません。
海外進出を目的として、海外に拠点を持つ事業者と提携するケースも増えると予想されます。また、すでに海外に進出している介護施設を買収し、海外での基盤づくりを始める事業者も増えるでしょう。
領域変更を目的とした介護施設買収・売却の増加
近年、特に増えているのが、異業種からの介護事業への参入です。介護業界は注目度が高く今後も右肩上がりにニーズが増えると予測されるため、保険業界や建設業界、教育業界などのさまざまな企業が、領域変更・拡大を目指して介護施設を買収しています。
また、介護業界から異なる業界へと領域を変更するために、介護施設を売却するケースも増える可能性があります。介護業界はニーズの高い業界ですが、地域によって利用者数の差が大きく、過疎化が進んでいる地域では利用者確保が難しくなるかもしれません。
利用者を確保できても、介護スタッフを確保できずに、事業継続が難しくなっているケースもあります。介護業界に早めに見切りをつけ、別の業界にチャレンジしたいと考える経営者もいるでしょう。
介護業界でM&Aを実施するメリット
介護業界では頻繁にM&Aが実施されています。M&Aを実施するメリットを、買い手企業と売り手企業に分けて解説します。
買い手企業のメリット
介護施設やサービスを買収することには、次のメリットがあります。
- 人材確保
- 対応分野の拡大
- 経営効率の向上
- 開業までの時間短縮
介護業界は常に人材不足の状態にありますが、すでにスタッフを確保している施設・サービスを買収すれば、求人をしなくても人材を確保できます。経験豊富でスキルの高いスタッフが多い介護施設を買収するなら、人材育成にかかる時間やコストも削減できるでしょう。
また、すでに介護業界で事業を展開している場合でも、異なる施設やサービスを買収することで、対応分野を拡大できます。たとえば、有料老人ホームを経営している場合なら、訪問介護事業所やグループホームを買収することで、対応できる分野や受け入れ可能な利用者の幅を広げられます。
経営効率を向上できるのも、介護施設・サービスを買収するメリットです。既存施設と新しく買収した施設の経理や人事などの業務・システムを統合すれば、人件費の削減や適所への配置も実現できます。
既存の施設・サービスを買収することで、開業までの時間を短縮できるのもメリットです。介護事業は許認可取得に多大な時間と手間がかかりますが、すでに許認可を取得している施設・サービスを買収すれば、短時間で開業が可能です。
売り手企業のメリット
売り手企業にとっても多くのメリットがあります。介護施設やサービスを売却する主なメリットとしては、次の点が挙げられます。
- 後継者問題の解消
- 経営の安定化
- 短期間での事業拡大が可能
- 従業員の雇用継続
- 個人保証の解消
後継者不在で廃業を検討しているなら、M&Aを検討してみましょう。廃業にはコストがかかりますが、M&Aならコストはかかるものの利益を得られる可能性があり、得られた利益を別の事業を始める資金や老後資金として活用できます。
経営が不安定なときは、大手企業に介護事業を売却する方法も検討できます。大手企業なら知名度が高く、入居者や従業員が集まりやすいため、経営も安定化しやすいでしょう。
事業拡大を検討している場合も、大手企業への売却が実現の糸口になることがあります。大手企業ならではの資金力を活かして大規模な経営を実現したり、グループ企業と協業してシナジー効果が得られたりする可能性もあります。
「事業を手放したいけれど、従業員の解雇を避けたい」と考えている場合も、介護事業・施設の売却を検討してみてください。人材確保を目的として介護事業や施設を買収しようとする企業も多いため、売却後も雇用の継続が期待できます。
金融機関から融資を受ける際に、経営者自身が個人保証を負っている場合なら、事業を手放すことで個人保証を解消できることもあります。また、自宅などの個人資産を担保にしている場合も、事業売却により担保を外せるかもしれません。
介護業界でM&Aを実施する際の注意点
介護事業・施設のM&Aには、買い手側・売り手側共に多くのメリットがあります。しかし、いくつか注意点もあります。特に注意したいのは買い手企業です。買い手側は今後も介護事業を継続していくため、慎重にM&Aを実施しないと、事業継続が難しくなることもあります。
許認可の引き継ぎが可能か
介護施設では環境要件や設備基準、運営基準などが細かく規定されており、基準を満たしたうえで、介護サービスの内容ごとに許認可を得ることが必要です。介護事業を買収するときは、許認可をそのまま引き継げるかどうか確認しておきましょう。
十分な人材は確保できるか
介護事業・サービスでは、人材配置基準が細かく定められています。必要な資格を有する人材を十分に確保できないと、業務ができない可能性がある点に注意が必要です。
優秀な人材の継続雇用が可能か
人員数さえ基準を満たしていれば良いというわけではありません。介護事業を買収する際に、経営や事業を支えていた優秀な人材が流出する可能性があります。買収する前に、優秀な人材の継続雇用が可能か確認しておきましょう。
建築基準・人材配置に問題はないか
現状の介護施設・サービスが、建築基準や人材配置基準を満たしていない可能性があります。また、現状において問題はなくても、買収後に予定している事業の基準を満たさないかもしれません。買収後の事業における基準を確認し、問題なく開業できるのか調べておきましょう。
地域のニーズと合致しているか
地域によって不足している介護施設・サービスは異なります。ニーズに合致した事業を進めるためにも、買収前に地域のニーズを調査しておきましょう。
介護施設のM&Aの流れ
介護施設のM&Aは、以下の流れで進めていきます。
- 専門家への相談
- M&Aの戦略構築
- 相手企業の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- クロージング
- PMI(統合プロセス)の実施
順に解説します。
1.専門家への相談
介護事業のM&Aは、許認可も絡むため、手続きが複雑になりがちです。スムーズに実現するためにも、専門家に相談しましょう。主な専門家と特徴は以下をご覧ください。
M&Aの専門家 |
特徴 |
M&A仲介会社 |
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商工会議所 |
|
顧問税理士 |
|
2.M&Aの戦略構築
M&Aの目的を明確にし、目的達成のための戦略を構築します。また、目的や自社の状況によって、適切なM&Aの手法は異なります。M&Aの専門家にも相談し、M&Aの手法を決定してください。
3.相手企業の選定
目的に合う相手企業を選びます。M&A仲介会社や商工会議所などが有する相手企業の候補リストを参考にし、条件に合っている企業を選定してください。
4.基本合意書の締結
相手企業と条件においておおよその合意を得られたときは、基本合意書を作成・締結します。基本合意書には法的拘束力はありませんが、作成する際に条件を突き合わせるため、認識の相違を防ぎやすくなります。
5.デューデリジェンスの実施
相手企業の経営状況や内部事情などを詳細に調査します。デューデリジェンスを丁寧に実施することで、M&A後のトラブルを回避しやすくなります。
6.クロージング
問題がなければ、最終契約書を作成・締結します。買い手は対価を支払い、売り手は譲渡手続きを完了させます。
7.PMI(統合プロセス)の実施
経営を統合する場合は、PMI(統合プロセス)を実施します。売り手側の従業員が新しい体制に馴染めるまでは、売り手側の経営陣も残ってサポートすることが一般的です。
介護業界内のM&Aの事例
介護業界内でM&Aが実施されることも多いです。お互いに業界を熟知しているため、買収後の経営がスムーズに進む傾向にあります。また、サービスの多角化やバックヤード業務の統合により、地域ニーズに応えやすくなるだけでなく、経営効率の改善も目指せます。
ケア21とソフトケア宮城
2023年1月、首都圏や近畿圏などの都市部で介護事業を手掛ける株式会社ケア21は、宮城県の介護事業者であるソフトケア宮城株式会社が有する訪問介護事業を買収しました。サービスの拡充に加え、宮城県内での事業拡大の足がかりとすることが見込まれます。
譲受企業 |
株式会社ケア21 |
譲渡企業 |
ソフトケア宮城株式会社 |
スキーム |
事業譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社ケア21「ソフトケア宮城株式会社からの事業譲受に関するお知らせ」
ニチイ学館と有限会社松本
2023年3月、株式会社ニチイ学館は、有限会社松本の運営する有料老人ホームの買収を公表しました。ニチイ学館は介護サービスを全国展開する事業者ですが、広島県にある有料老人ホームの買収により、広島県内のニーズへの対応や、サービス提供体制の強化を図ります。
譲受企業 |
株式会社ニチイ学館 |
譲渡企業 |
有限会社松本 |
スキーム |
事業譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社ニチイ学館「事業譲受に関するお知らせ」
揚工舎とヒューマンライフケア
2023年9月、株式会社揚工舎は、ヒューマンライフケア株式会社が有する小規模多機能型居宅介護事業の一部と、有料老人ホームの譲受を公表しました。揚工舎は介護サービス事業以外にも、介護人材の紹介業や介護関連資格の教育事業も手掛ける企業です。
ヒューマンライフケアの有料老人ホームと小規模多機能型居宅介護事業を譲受したことで、埼玉県の拠点が強化され、事業エリアの拡大につながっています。
譲受企業 |
株式会社揚工舎 |
譲渡企業 |
ヒューマンライフケア株式会社 |
スキーム |
事業譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社揚工舎「事業の一部譲受に関するお知らせ」
日本生命とニチイホールディングス
日本生命保険相互会社は厳密には介護業界の企業ではありませんが、介護や子育てなどのライフケアに関する分野も広く手掛けています。2023年11月、日本生命保険相互会社は、株式会社ニチイホールディングスの発行済み株式のうち99.6%を取得することを公表しました。
ニチイホールディングスは傘下企業に介護事業の大手・ニチイ学館を有する企業です。既存事業の活性化や生産性向上を図ることを目的とし、M&Aを実施しました。
譲受企業 |
日本生命保険相互会社 |
譲渡企業 |
株式会社ニチイホールディングス |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:日本生命保険相互会社「株式会社ニチイホールディングスの株式取得に関する合意について」
ソニー・ライフケアとゆうあいホールディングス
2015年4月、ソニー・ライフケア株式会社は株式会社ゆうあいホールディングスに出資をおこない、発行済み株式の一部と、新株予約権付社債を取得しました。2017年7月にはゆうあいホールディングスの株式をすべて取得し、傘下企業としています。
ソニー・ライフケアは、元々子会社により有料老人ホームの運営に携わる企業です。ゆうあいホールディングスの買収により、直接的な運営と介護事業の拡大、ソニーフィナンシャル・グループの経営資源を活かした介護サービスの質向上が見込まれています。
譲受企業 |
ソニー・ライフケア株式会社 |
譲渡企業 |
株式会社ゆうあいホールディングス |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:ソニー・ライフケア株式会社「介護事業者への資本参加等のお知らせ」
SOMPOケアと東京建物シニアライフサポート
SOMPOケア株式会社は2020年12月、東京建物シニアライフサポート株式会社の全発行済株式を取得し、傘下企業としました。東京建物シニアライフサポートは高齢者向け住宅や有料老人ホームなどを首都圏で運営する企業です。
また、子会社化後は名称をSOMPOケアシニアライフサポート株式会社と変更しました。2021年3月には親会社であるSOMPOケア株式会社と合併し、より一層の介護・医療・看護の連携強化、経営資源を活かしたサービスの持続的な提供を目指します。
譲受企業 |
SOMPOケア株式会社 |
譲渡企業 |
SOMPOケアシニアライフサポート株式会社(元・東京建物シニアライフサポート株式会社) |
スキーム |
株式譲渡、合併 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:
SOMPOケア株式会社「東京建物シニアライフサポート株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」
SOMPOケア株式会社「SOMPOケアシニアライフサポート株式会社との合併に関するお知らせ」
ユニマット リタイアメント・コミュニティとアメニティーライフ
2020年8月、三井住友建設株式会社は子会社である株式会社アメニティーライフの全株式を、株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティに譲渡することを公表しました。ユニマット リタイアメント・コミュニティは、デイサービスや有料老人ホーム、グループホームなど、介護サービスを多角的に手掛ける企業です。
アメニティーライフは八王子市で高齢者施設を運営しています。株式譲渡後は、ユニマット リタイアメント・コミュニティが運営する施設との連携や、介護サービスの質向上が見込まれています。
譲受企業 |
株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティ |
譲渡企業 |
株式会社アメニティーライフ |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:三井住友建設株式会社「株式会社アメニティーライフの株式譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ」
フレアスとスカイハート
2021年3月、株式会社フレアスは、千葉市を中心に訪問介護事業や居宅介護支援事業などを広く手掛けるスカイハート株式会社の株式譲渡による子会社化を実現しました。
フレアスは、訪問看護事業を含めた介護事業を幅広く手掛ける企業で、スカイハートの取得により、さらなる多角化と効率化による経営改善が見込まれています。
譲受企業 |
株式会社フレアス |
譲渡企業 |
スカイハート株式会社 |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社フレアス「子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ 」
ケアサービスとひだまり
2019年7月、在宅ケア関連のサービスを展開する株式会社ケアサービスは、江東区で介護事業をおこなう株式会社ひだまりの全株式を取得し、完全子会社化する旨を公表しました。江東区内の事業強化と、デイサービス事業の活性化が見込まれています。
譲受企業 |
株式会社ケアサービス |
譲渡企業 |
株式会社ひだまり |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社ケアサービス「株式会社ひだまりの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
ライクとグッドタイム
2024年3月、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションは、連結子会社の株式会社ライクによる、株式会社グッドタイムの老人ホーム事業の買収を公表しました。
グッドタイムは羽曳野市で有料老人ホームを運営する企業です。ライクはグッドタイムの買収により大阪府内の老人ホーム経営事業を強化し、親会社であるチャーム・ケア・コーポレーションの近畿圏での事業拡大を目指します。
譲受企業 |
株式会社ライク |
譲渡企業 |
株式会社グッドタイム |
スキーム |
事業譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「連結子会社における事業譲受に関するお知らせ」
介護事業者による異業種の買収事例
介護事業者が異業種を買収する事例も増えています。いくつかの事例から、M&Aによりどのような効果を期待し、また、実現したのか紹介します。
SOMPOホールディングスとABEJA
2021年4月、SOMPOホールディングス株式会社は株式会社ABEJAと資本業務提携を実現しました。SOMPOホールディングスはDX人材の育成・採用に注力しており、ABEJAの持つ介護やヘルスケア領域におけるデジタル事業と協業し、より一層のDX推進を目指しています。
提携企業 |
SOMPOホールディングス株式会社 |
提携企業 |
株式会社ABEJA |
スキーム |
資本業務提携 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:SOMPOホールディングス株式会社「ABEJA と資本業務提携契約を締結~「安心・安全・健康のリアルデータプラットフォーム」の早期実現に向けた出資~ 」
揚工舎とケア・フレンド
2021年3月、介護事業や介護関連の教育・人材紹介を手掛ける株式会社揚工舎は、有限会社ケア・フレンドを株式譲渡により買収しました。ケア・フレンドは福祉用具の貸与や販売をおこなう企業で、連携することでサービスの多角化が期待されます。
譲受企業 |
株式会社揚工舎 |
譲渡企業 |
有限会社ケア・フレンド |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社揚工舎「有限会社ケア・フレンドの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
チャーム・ケア・コーポレーションとグッドパートナーズ
2020年5月、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションは、首都圏において人材派遣や訪問看護事業を手掛ける株式会社グッドパートナーズの株式取得を公表しました。
グッドパートナーズは留学生支援や特定技能外国人の人材支援・紹介事業を展開し、人材の質の高さにおいて高い評価を得ている企業です。チャーム・ケア・コーポレーションはグッドパートナーズの買収により、介護人材の確保と、サービスの質向上を目指します。
譲受企業 |
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション |
譲渡企業 |
株式会社グッドパートナーズ |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「株式会社グッドパートナーズの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
ベネッセホールディングスとプロトメディカルケア
2021年5月、株式会社ベネッセホールディングスは、介護関連の求人サイトの運営などを手掛ける株式会社プロトメディカルケアを株式譲渡により取得しました。ベネッセホールディングスは傘下企業の介護事業を展開するベネッセスタイルケアを通し、介護事業への進出やサービスエリアの拡大を目指します。
譲受企業 |
株式会社ベネッセホールディングス |
譲渡企業 |
株式会社プロトメディカルケア |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社ベネッセホールディングス「株式会社プロトメディカルケアの株式取得に関する株式譲渡契約締結のお知らせ 」
シーナと森原システムエンジニアリング
2020年6月、株式会社シーナは株式会社森原システムエンジニアリングを買収し、完全子会社化を実現しました。森原システムエンジニアリングはシステム開発を手掛ける企業で、介護関連のソフトウェア開発も実施しています。子会社化することにより、シーナは事業のDX推進と経営効率化の実現を目指します。
譲受企業 |
株式会社シーナ |
譲渡企業 |
株式会社森原システムエンジニアリング |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社シーナ「株式譲受のお知らせ 6/30」
異業種による介護事業者の買収事例
異業種が介護事業者を買収する事例も増えています。成長が見込まれる介護事業を買収することで、事業の多角化や業界内での差別化を目指すケースも少なくありません。
東洋商事と介護サポートサービス
2019年12月、東洋商事株式会社は、サービス付き高齢者向け住宅を運営する介護サポートサービス株式会社を買収しました。株式会社小僧寿しは子会社である介護サポートサービスを手放すことで、デリバリー事業などに経営資源を集中させることを目指します。
譲受企業 |
東洋商事株式会社 |
譲渡企業 |
介護サポートサービス株式会社 |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社小僧寿し「当社の連結子会社(孫会社)である介護サポートサービス株式会社の株式の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」
MBKパートナーズグループとツクイホールディングス
2021年2月、MBKパートナーズグループは株式会社ツクイホールディングスの買収を公表しました。
ツクイホールディングスは介護事業を展開するツクイグループの持株会社で、顧客ニーズに対応するために資本パートナーとなる企業を探していました。買い手候補企業の入札により、MBKパートナーズが運営するファンドが選ばれています。
譲受企業 |
MBKパートナーズ株式会社とその関係会社 |
譲渡企業 |
株式会社ツクイホールディングス |
スキーム |
株式公開買い付け、スクイーズアウト |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社ツクイホールディングス「MBKP Life 合同会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」
ALSOKと関西電力の介護子会社2社
2022年6月、綜合警備保障株式会社(ALSOK)は、株式会社かんでんジョイライフとかんでんライフサポート株式会社の子会社化を公表しました。
2社ともに関西電力株式会社の子会社で、介護事業を展開しています。ALSOKは介護事業へも進出しており、かんでんジョイライフとかんでんライフサポートの子会社化により介護事業の強化を目指します。
譲受企業 |
綜合警備保障株式会社 |
譲渡企業 |
株式会社かんでんジョイライフ、かんでんライフサポート株式会社 |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:関西電力株式会社「介護事業会社2社の株式をALSOKに譲渡~かんでんジョイライフ・かんでんライフサポート~」
ALSOKとHCM
2014年10月、ALSOKは在宅介護事業や有料老人ホームの経営を手掛ける株式会社HCMを買収しました。ALSOKは高齢者向けサービスを重要事業と位置づけ、買収による事業拡大を進めています。
譲受企業 |
綜合警備保障株式会社 |
譲渡企業 |
株式会社HCM |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:綜合警備保障株式会社「株式会社HCMの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
京進とシンセリティグループ
2017年5月、学習塾を運営する株式会社共進は、シンセリティグループ株式会社の株式を取得し、子会社化することを公表しました。
シンセリティグループは、近畿圏において有料老人ホームや介護施設を運営する介護事業者です。共進はシンセリティグループの子会社化により、教育事業で蓄積したノウハウを活かした新しい介護サービスを実現することを目指します。
譲受企業 |
株式会社共進 |
譲渡企業 |
シンセリティグループ株式会社 |
スキーム |
株式譲渡 |
M&Aにより期待される効果 |
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参照元:株式会社共進「シンセリティグループ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
まとめ
介護業界は今後成長が見込まれる業界です。しかし、人材確保の難しさ、行政による規制の多さなどの特有の問題があり、新規事業参入が容易とはいえません。既存企業の買収や合併などを視野に入れることも必要といえるでしょう。
よりスムーズなM&Aを目指すなら、介護業界内や介護業・異業種間のM&Aの実績が豊富なM&A仲介会社のサポートを受けることが必要になります。
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