広告代理店のM&Aとは?業界動向や成功のポイント、事例について解説

2024年3月19日

広告代理店のM&Aとは?業界動向や成功のポイント、事例について解説

このページのまとめ

  • 広告代理店の事業は、広告主に代わって効果的な広告スペースを探すこと
  • 広告代理店業界では、デジタル化や消費者のニーズへの対応を目的にM&Aが行われている
  • 広告代理店のM&Aを成功させるには、事前準備や適切なパートナー探しなどが重要
  • 広告代理店業界の大手企業のM&Aは、海外M&Aが中心
  • 広告代理店業界の中小企業のM&Aは、サービス提供範囲や売上規模の拡大を目指すものが中心

広告代理店業界のM&Aを検討している経営者の方も多いのではないでしょうか。
業界内のM&Aは活況を呈しています。大企業は海外進出、中小企業はデジタル化や規模拡大を目指してM&Aを実施しています。

このコラムでは、広告代理店業界の現状やM&A動向、M&Aの成功ポイントなどを解説します。また、最新のM&A事例を紹介するのでお役立てください。

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広告代理店業界の現状

広告代理店は、広告主にテレビや新聞など広告スペースを提供する企業のことをいいます。広告主に代わって広告スペースを手配することから代理店と呼ばれますが、単に広告会社と呼ばれることもあります。

広告代理店業界は、テクノロジーの進化と消費者の行動パターンの変化により、近年変化が著しいです。特に、新型コロナウイルスの感染拡大を契機にデジタル化の波が広告業界全体を覆い、その影響力を強めています。

総務省「総務省|令和4年版 情報通信白書|広告」の画像

引用元:総務省「総務省|令和4年版 情報通信白書|広告

総務省の「情報通信白書」によると、2021年には、インターネット広告の市場規模が2兆7,052億円に達し、テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4媒体の市場規模(2兆4,538億円)を初めて上回りました。

背景としては、日本の消費者のインターネット利用率が年々高まっていることが挙げられます。企業はこの変化に対応するために、オンライン広告にますます投資する形となっています。

広告代理店は、消費者の行動の変化とテクノロジーの進歩についていき、それに適応したサービスを提供する姿勢が望まれます。

参考元:総務省「令和4年版 情報通信白書|広告

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広告代理店におけるM&A動向

広告代理店業界では、M&Aを行うことでビジネスの競争力を維持したり業務範囲を拡大したりする事例が多くあります。また、デジタル広告の浸透が進み、市場環境が変化するなかで、広告代理店はその対応策としてM&Aを活用する動きも見られます。

デジタル化のスピードは急速であることから、広告代理店一社だけの努力で、広告代理店業界に寄せられるすべての需要に対応するのは一般的に困難です。特定のデジタルスキルやテクノロジーを持つ企業とのM&Aを実施することで、新サービスの提供能力を効率的に強化することが可能となります。

また、M&Aによって、新規のクライアントの獲得や新規市場への進出、大規模プロジェクトへの取り組み、競争優位性の強化などの目標達成も可能です。

これらの理由から、広告代理店業界では活発にM&Aが行われています。

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広告代理店M&Aの成功のためのポイント

M&Aの成功させるには、適切な戦略のもと、細心の注意を払って行う必要があります。
主な注意点は下記の3つです。

  • 入念な事前準備を行う
  • 適切なパートナーを選ぶ
  • 組織統合のプランを立案しておく

以下で、広告代理店のM&Aを成功させるためのポイントについて詳しく説明します。

入念な事前準備を行う

売却側・買収側のどちらにとっても、M&Aの成功には事前準備が必要不可欠です。

事前準備は、自社の財務状況の明確化から始まります。財務状況を詳細に把握することで、企業価値を正確に評価でき、適正な取引価格を設定することが可能になります。

次に、自社の強みや弱み、そして市場でのポジションを理解することが重要です。これらの内容を理解することによって適切なパートナーを見つけるための指標が得られ、自社がM&Aによって何を得るべきか明確にすることができます。

また、広告業界の動向を把握するための市場調査も欠かせません。市場の動向を理解することで、業界全体の成長性や自社のポテンシャルを評価することが可能となります。

適切なパートナーを選ぶ

広告代理店M&Aを成功させるためには、適切なパートナーを選ぶ必要があります。
M&Aのパートナーとなる譲渡先および譲受先を選ぶ際は、相手企業の業績・評判を分析しましょう。業績と評判を通じて、パートナー企業の安定性と信頼性を知ることができます。
また、企業文化や事業戦略を分析することも大切です。企業文化や事業戦略を通じて、自社との親和性を評価することができます。

そのほか、相手企業の意向が自社のビジョンや目標と一致しているか、M&Aによるシナジー効果が見込めるかといった点も、適切なパートナーを選ぶための重要な基準となります。

組織統合のプランを立案しておく

M&A後の組織体制についても、考えを巡らせておく必要があります。異なる企業文化をどのように融合させるか、誰をリーダーに据えるのかなど、M&A後の組織運営をスムーズに進めるための計画を事前に立てておくことが重要です。

経営統合のプランを策定するには、新たな組織体制の設計や新たな組織文化の作成、既存の組織文化の改善など、組織全体に影響を及ぼす要素について意思決定していく必要があります。

経営統合のプランを策定することで、組織内の混乱を最小限に抑え、生産性の維持やモラルの向上、そして新たな組織文化の形成を期待することができます。また、適切な内部コミュニケーションとエンゲージメント戦略を用意することで、従業員が変革を理解し、支持することを促すことができます。

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広告代理店業界におけるM&A事例12選

ここからは、広告代理店業界のM&A事例について解説します。
広告代理店業界における大手企業は、M&Aにより積極的に海外へ進出する傾向があります。
一方で中小企業では、M&Aを実施することによって新技術やデジタル化への対応を進めています。

電通グループ社による英タグ社の買収

2023年6月、株式会社電通グループは、英国ロンドンを拠点とするデジタルクリエイティブとパーソナライズされたマーケティングサポートを専門とする企業、Tag Worldwide Holdings Ltd(以下、タグ社)を子会社化しました。

タグ社は、Advent International社による2017年の買収以降、6つの企業を1億ユーロ以上の投資で買収し、全世界29ヶ国で約2,800人の専門家を抱え、11の制作拠点を持つ企業です。

タグ社の事業基盤は、その独自のマーケティングプラットフォーム「デジタルインタラクト (Di)」です。これにより、クライアント企業はキャンペーン管理、コンテンツ作成の自動化・最適化が可能になり、タグ社のグローバルクリエイティブ制作サービスとコンテンツ調達ネットワークをシームレスに活用することが可能です。

これらの独自性によりタグ社は世界のトップ100クライアント企業のうち38社から選ばれ、平均契約期間は7年以上と長期的なパートナーシップを築いています。

タグ社の2,800名のスペシャリストが電通グループに統合されることで、同じ目標を持つ専門家がともに働き、大きなシナジー効果が期待されるとしています。

参照元:
株式会社電通グループ「電通グループ、英国「タグ社」買収で顧客体験マネジメント事業を強化
株式会社電通グループ「電通グループ、英国『タグ社』買収を完了し、顧客体験マネジメント事業の更なる成長へ

電通グループ社による米シフトセブン社の買収

2023年3月、電通グループ社は、製造業と流通業のデジタル体験革新を専門とするB2Bエクスペリエンス&コマースエージェンシーのShift7 Digital, LLC.(以下、シフトセブン社)を買収しました。

シフトセブン社は、企業とその顧客間の接点を最適化し、シームレスな体験を提供することで、B2B企業のマーケティングや販売プロセスの進化をサポートしている企業です。
特に、製造業や流通業がオンラインで顧客との関わり方を刷新することにより顧客のブランド収益を向上させて、長期的な関係を築くことに寄与しています。

本M&Aは、電通グループが目指すカスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)事業の売上総利益の構成比を50%に高める戦略を強化するものです。

参照元:株式会社電通グループ「電通グループ、米国の B2B エクスペリエンス&コマース・エージェンシー『シフトセブン社』を買収し、顧客体験マネジメント事業を強化

中広社によるアド通信社西部本社の吸収合併

2023年4月、株式会社中広は、アド通信社西部本社を吸収合併しました。

中広社の事業は、全国の各家庭へ地元の生活情報をふんだんに盛り込んだ無料メディアを提供するものです。特に、看板商品であるハッピーメディア『地域みっちゃく生活情報誌』の全国展開を積極的に進めています。
一方、アド通信社西部本社は九州エリアに拠点を構える広告制作会社です。

今回の合併を通じて、九州地区のアド通信社西部本社と中広社の直営拠点を統合することで、効率的なビジネス運営が達成されるとしています。

参考:株式会社中広「連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

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電通グループ社によるスペインのOmegaの買収

2023年2月、電通グループは、子会社にして海外市場におけるデータ解析とCXM(顧客体験管理)のパイオニアであるMerkle Inc.(以下、マークル社)を介して、スペインのCRM(顧客関係管理)コンサルティング企業であるOmega CRM Consulting(以下、オメガ社)の全株式を取得して買収しました。

オメガ社は、2002年に設立されたスペイン最大の独立系Salesforceパートナー企業です。約550人の専門家を擁し、スペイン全国に10のオフィスを持つほか、フランスのパリにもオフィスを所有しています。主要事業は、医療・小売・教育・製造業など多様な顧客企業に対する、Salesforce製品のCRMコンサルティング・サービスの提供です。

今回の買収によって、オメガ社のCRMコンサルティングの専門知識とマークル社のデータマーケティングのノウハウが合わさることで、Salesforce関連サービスをさらに進化させることが期待されています。
電通グループ社のSalesforceのトレーニングを受けたスタッフの数は2,000人以上、Salesforce認定資格所有者は5,000人以上に増える見込みで、今後の成長が期待されています。

今回の買収は、電通グループ社の連結売上総利益の中で、カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)の構成比を拡大する目的によるものとしています。

参照元:株式会社電通グループ「電通グループ、スペインのコンサルティング会社『オメガ社』買収により、マークル社の顧客体験マネジメント領域を強化

ビーマップ社によるMMSマーケティング社の子会社化

2023年1月、株式会社ビーマップは、株式会社MMSマーケティングを連結子会社化しました。

MMSマーケティング社は、もともと2017年7月にビーマップ社、株式会社ジェイアール東日本企画、株式会社Y&N Brothersの3社で設立された企業です。

設立の主な目的は、広告による店舗への送客と、店舗での購買データを掌握する事業を行うことでした。設立後、2018年秋には、株式会社ニッポン放送、株式会社読売新聞東京本社などを株主に加え、事業を強化し、2020年3月期までには業績を順調に拡大していました。しかし、2020年以降の新型コロナウイルスの影響により、特に実際のイベントを通じた流通業界の集客が難しくなったことから、業績が悪くなっていました。

その中で、MMSマーケティング社は、新しいデジタル手法を用いて株式会社ベルクなどの埼玉県を中心とした企業の集客支援を行い、成果を上げています。最近では、全国のスーパーマーケットでも取り組みを開始し、またドラッグストアやコンビニエンスストアでも実績を挙げつつあり、業績回復への期待が高まっています。

ビーマップ社は今後、MMSマーケティング社の主要株主として業務と財務の改善を行う予定です。また、ビーマップ社が持つレシート読み取りなどの高度なデジタル販促技術と、MMS社の強力なコンテンツ作成能力を融合させることで、より多くの企業と消費者に魅力的なマーケティングサービスを提供するとしています。

参照元:株式会社ビーマップ「株式会社MMSマーケティングの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

博報堂社による独立系ブランドエージェンシーグループの買収

2023年1月、株式会社博報堂は、インドの独立系のブランドエージェンシーグループ、MA&TH Entertainment Network Private Limited(以下、MA&TH社)の株式を半数以上取得し、連結子会社化しました。

MA&TH社は、インドの映画配給業者やOTTサービス提供者、プロデューサー、映画製作スタジオ、テレビ放送局、国際的なブランドなどを主要クライアントとしている、ブランドエージェンシーグループです。2001年に設立された独立系ブランドエージェンシーMarching Ants Advt. Pvt. Ltd(以下、MA社)と2007年に設立されたTrigger Happy Entertainment Pvt. Ltd(以下TH社)を傘下に持っています。

MA社は特に、戦略立案・キービジュアルの開発・アクティベーション領域に強みがあります。

一方TH社は、オーディオビジュアルのプロモーションや映像製作、デジタルアクティベーションにおける技術が評価されています。

MA&TH社は現在、インド国内でトップクラスのエンターテイメントマーケティングエージェンシーの一つとされ、毎年インドの映画やOTT番組のほとんどのマーケティング活動に関与しています。

MA社とTH社は、2019年よりMA&TH社として一つのオフィスに集結し、これにより両社の協力体制が強化されました。急速に成長するインドのエンターテイメント業界で、マーケティング戦略の策定からクリエイティブコンテンツの制作、デジタルメディア、デジタルアクティベーションなどの多岐に渡るサービスをワンストップで提供しています。

MA&TH社を博報堂グループの一部とすることで、博報堂グループがインド市場の拡大に対応する力を強化するとしています。

参照元:株式会社博報堂「博報堂、インドの独立系ブランドエージェンシーグループ 「MA&TH Entertainment」の株式を取得

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電通グループ社による豪コンサルティング会社の買収

2022年12月、株式会社電通グループは、オーストラリアのコンサルティング会社であるAware Services(以下、アウェア社)を連結子会社とすることを公表しました。
M&Aの手法は株式譲渡です。電通グループ社の連結子会社であるMerkle(以下、マークル社)が、アウェア社の全株式を取得することによって連結子会社とします。
マークル社は、電通グループの傘下で海外事業におけるCXMをメイン領域として事業を行う企業です。

アウェア社は1989年に設立され、Salesforce・MuleSoft・Tableauのパートナーとして、カスタマートランスフォーメーション領域でのデータ活用と分析に力を入れているコンサルタント企業です。 

本買収により、電通グループはCXT(カスタマー・エクスペリエンス・トランスフォーメーション)領域への進出を進めることで、競争力のある付加価値の高いサービスの提供、そして電通グループの事業改革と持続可能な成長を達成することを目指すとしています。

参照元:株式会社電通グループ「電通グループ傘下のマークル社、豪州のコンサルティング会社『アウェア・サービス社』を買収し、データ活用・分析業務を強化

日宣社による日産社の吸収合併

2023年3月、株式会社日宣は、もともと完全子会社であった株式会社日産社を吸収合併しました。

日宣社は、広告代理店として伝統的なマーケティングソリューションを提供しているだけでなく、ウェブ制作やプロモーションなども行っている広告代理店です。

一方、今回の吸収合併により消滅会社となった日産社は、広告とプロモーション活動を行う企業です。2018年12月にグループインした日産社は、日宣グループのリソースを駆使して、顧客企業に対して多岐にわたるサービスを提供してきました。

今回の吸収合併の目的は、グループ全体の統合経営をさらに推進するとともに、業務の一元化と人員配置の最適化を通じて経営効率を高めることです。

参照元:株式会社日宣「完全子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」 

博報堂社による独立系デジタルエージェンシーの子会社化

2022年8月、株式会社博報堂が、マレーシアに拠点を持つ独立系デジタルエージェンシー、Kingdom Digital Solutions Sdn. Bhd.(キングダムデジタルソリューションズ。以下、キングダムデジタル社)の株式の80%を買収して連結子会社化したことを発表しました。

キングダムデジタル社は、2007年に設立されました。同社は主にマレーシアおよびその他ASEAN地域の顧客に対して、デジタルマーケティング・デジタルキャンペーン・ソーシャルメディアマーケティング・コンテンツマーケティングなど、多岐にわたるマーケティングサービスを提供するデジタルエージェンシーです。

デジタルによる包括的なプランニングやクリエイティブ力を活用しているだけでなく、ユーザーの特性や関心に基づいたデジタルコンテンツの配信を最適化できるという強みを持っています。

また、キングダムデジタル社は、その優れたサービスが広く認識されており、アジア最大の広告業界専門誌『Campaign Asia-Pacific』が主催するAgency of the Year 2021で、Malaysia Independent Agency of the Year(金賞)をはじめとする多くの賞を受賞しています。

博報堂グループは、過去にもキングダムデジタル社と共同で数多くのプロジェクトを進めてきましたが、今回の連結子会社化により、マレーシア市場で急速に成長するデジタル領域への対応力をさらに強化すると説明しています。

参照元:株式会社博報堂「博報堂、マレーシアの独立系デジタルエージェンシー 「Kingdom Digital Solutions Sdn. Bhd.」の株式を取得

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電通グループ社による印エクステンシア社の買収

2022年8月、株式会社電通グループは、海外事業を手掛ける連結子会社である電通インターナショナル社を介して、インドを拠点にSalesforceの製品開発をグローバルに展開するExtentia Information Technology(以下、エクステンシア社)の株式を取得することについて合意を得たことを発表しました。
株式の取得後、エクステンシア社は電通グループ社の連結子会社となります。

エクステンシア社は、1998年設立のSalesforceのクラウドパートナーで、全世界でSalesforceの製品開発を受託する9社の内の一つです。約800人のスペシャリストを擁し、プネー本社とベンガルールオフィスの他に、アメリカにもオフィスを持っています。事業内容はSalesforceの製品の導入と開発が中心で、2021年には前年比で28%の成長を実現しています。

本買収後、エクステンシア社のブランド名は「Extentia, a Merkle Company」(エクステンシア・ア・マークル・カンパニー)」に改称されます。そして、エクステンシア社のSalesforce製品開発の専門知識と、マークル社のデータマーケティングの強みを組み合わせて、顧客に対して高精度かつ効率的な一体化ソリューションを提供することを予定しています。

参照元:株式会社電通グループ「電通グループ、インドの『エクステンシア社』買収により、マークル社の顧客体験マネジメント領域を強化

ニューラルポケット社によるフォーカスチャネル社の買収

2021年11月、ニューラルポケット株式会社(当時)は、株式会社フォーカスチャネルを買収して完全子会社化しました。

ニューラルポケット社は、街頭にAIカメラを展開し、実空間のデジタル化によるソリューションを提供する企業です。2019年から、商業施設やオフィスビルにAIカメラを設置したデジタルサイネージを配備し、通行人や広告を実際に視聴した人々の視聴データを収集する、サイネージ広告サービスを提供してきました。

一方、フォーカスチャネル社は、2017年から都心部の大型高級マンションのエントランスにサイネージ広告事業を展開してきた会社であり、サイネージ広告分野のパイオニアです。

ニューラルポケット社は、フォーカスチャネル社の広告放映用サイネージ機器にAIカメラを搭載することで、より効果的な広告配信を可能にし、広告主に高い価値を提供することを期待しています。

また、フォーカスチャネル社の営業力と設置ノウハウを組み込むことで、設置台数を急速に増やすことが可能となるなど、今回の買収には多くのメリットがあると説明しています。

参照元:ニューラルグループ株式会社「株式会社フォーカスチャネルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

東京きらぼしFGによるビー・ブレーブの買収

2022年6月、株式会社東京きらぼしフィナンシャルグループは、株式会社ビー・ブレーブの株式の100%を取得し、子会社化することを決定しました。株式譲渡の実行日は2022年7月1日です。

東京きらぼしFGは、子会社である株式会社きらぼし銀行をはじめとする、金融業界における銀行運営事業を行っている企業です。また、お客さまの多様なニーズに応えて新価値を生み出し、社会問題解決に寄与するプラットフォームを構築することを目標に掲げています。

その一環として、東京きらぼしFGは、チラシからIRまで幅広い広告・マーケティング活動を支えてきたビー・ブレーブを子会社化しました。子会社化によって、提供サービスの拡張や新規ビジネスやサービスの開発に繋がるとしています。

今後は、東京きらぼしFGが、顧客の広告・プロモーション・マーケティング等の課題解決を支援し、企業価値の向上やデジタル化の推進に助力する方向で進んでいくと説明しています。

参照元:株式会社東京きらぼしフィナンシャルグループ「株式会社ビー・ブレーブの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

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まとめ

広告代理店は、広告主に対し広告スペースを提供する役割を担う企業です。広告代理店業界はテクノロジーの進化と広告主や消費者行動の変化により、デジタル化が急速に進んでいます。
広告代理店業界において、M&Aは競争力を維持し、業務範囲を拡大するための重要な戦略となっています。特に、新たなデジタルスキルやテクノロジーを取り入れるために、M&Aを実施することは有効です。迅速かつ効率的に新たなサービスを提供できるようになります。

広告代理店業界においてM&Aを成功させるためには、事前準備・適切なパートナー選び・組織統合プランの立案が重要です。これらを踏まえたうえで、M&Aを通じた業務範囲の拡大、競争力の強化、そして持続可能な成長を目指すことが求められています。

M&Aを成功させるためには細心の注意と適切な戦略が必要です。M&Aの実施に不安がある場合は、M&Aの専門家に相談することをおすすめします。

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