カフェのM&A・買収・売却の成功方法は?業界動向や相場、事例も紹介

2024年2月27日

カフェのM&A・買収・売却の成功方法は?業界動向や相場、事例も紹介

このページのまとめ

  • 競争の激しいカフェ業界では、集客率の高い物件の確保のためにM&Aが行われている
  • カフェ売買の方法には、居抜きや株式譲渡、事業譲渡などの方法がある
  • 居抜きやM&Aなど、選ぶ手法により評価ポイントが異なり相場にも差がある
  • カフェのM&Aを成功させるには、計画的な準備や入念な調査が大切
  • カフェM&Aを行うときは、専門家を利用すると煩雑な作業やトラブルを回避できる

カフェをはじめとする飲食業界は移り変わりが激しく、M&Aも活発に行われています。カフェのM&Aを検討している経営者にとって、業界動向や価格の相場、買収・売却のポイントなどは気になるところでしょう。

この記事ではカフェを売買する方法や、売却時の評価ポイント、売買の際の注意点を解説します。また、売り手側・買い手側双方のM&A成功ポイントやM&A成功事例も紹介します。

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カフェ業界におけるM&Aの動向

カフェ業界は新規参入がしやすく、トレンドの変容が激しい業界のひとつです。カフェのM&Aを考えている場合、その動向を把握しておくことが重要です。
ここでは、近年のカフェ業界の動向を解説します。

業界の二極化が進む

近年のカフェ業界は、低価格で多彩なメニューを提供するカフェ・チェーンが増加傾向にあります。
手軽で高コスパのコンビニコーヒーや全国チェーン店が主流となっています。

しかしその一方で、サードウェーブ(第3の波)に見られるこだわり派のカフェも増加しているのが特徴です。

コーヒー以外の商品が人気の鍵

カフェは、本来コーヒーを提供するお店です。しかし近年は紅茶やフラペチーノ、フレッシュジュースなど、コーヒー以外の商品ラインナップを拡充させることで、他店との差別化と集客を図る動きが活発化しています。

コーヒーを提供しない日本茶や中国茶の専門店などもあり、コーヒーが苦手な人も利用客として取り込むことに成功しています。

カフェを起点とした事業の多角化が進む

アニメやゲームなどのエンターテイメント事業とのコラボにより、コンセプトカフェやコラボレーションカフェなど話題性のあるカフェを打ち出す動きが目立っています。
相乗効果が得られる事業をM&Aによって取得するケースもあります。

また、スターバックスのフードロス削減プログラムのように、サステナブルを意識した活動を展開するケースも増えており、世間の注目を集めています。

競争がさらに激化している

新規参入がしやすい業態であることから、カフェ業界は常に競争が激しい状態にあります。

コンビニコーヒーやボトルコーヒーの進化、ファーストフード店のカフェ化など、従来のカフェだけではない競合相手の増加により、業界内の競争はさらに激しくなっているといえるでしょう。その中で売上を維持し、長期にわたる安定した経営をしていくのは簡単なことではありません。

カフェ業界は新規参入も多い一方で、廃業も相次いでいます。
厚生労働省の「収益力の向上に向けた取組みのヒント」によると、2017年のカフェの店舗数は、ピークだった2008年ごろの29万件から20万件に減少したとしています。市場規模は1999〜2017年の20年間にわたって1.02〜⒈28兆円で推移しており、横ばいの状態が続いています。

カフェ業界は、店舗の立地や周辺環境に左右されやすい業界です。激しい競争を勝ち抜くためにM&Aが行われるケースも多くあります。

参照元:厚生労働省「収益力の向上に向けた取組みのヒント

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カフェを売買する方法

カフェの売却・買収には、大きく分けて2つの方法があります。居抜き店舗として売る方法と、M&Aを活用して売却する方法です。
ここでは、それぞれの方法について解説します。

居抜き店舗を売買する

居抜きとは、カフェの店舗内の設備や内装一式をそのまま売却・買収する方法です。「造作譲渡」とも呼ばれています。
賃貸店舗が自己所有店舗かによって対応が異なるため、それぞれのケースについて解説します。

賃貸店舗の場合

賃貸物件で営業していたカフェを居抜きで売買する場合、まず造作譲渡することに関して、家主である店舗オーナーの承諾が必要です。
賃貸契約書には、造作譲渡を禁止する条項が含まれている場合がありますが、店舗オーナーとの交渉によって譲渡が許可される場合もあります。

承諾が得られれば、賃貸店舗を第三者に譲渡することが可能になります。
承諾が得られた後、次の賃借人との間で造作譲渡契約を交わすことで、賃貸店舗を譲り渡すことができます。

賃貸物件の借主は、民法第599条1第620条2により、退去の際に物件を現状に戻す義務が定められています。しかし、造作譲渡が成立すれば現状回復は不要となるため、売り手側にとって閉店の際のコスト削減につながるでしょう。

譲受の希望があっても、その希望者が店舗オーナーと賃貸契約を締結できなければ居抜きは成立しません。
賃貸物件のカフェを居抜きで売買する際は、トラブルを防ぐためにも、賃料アップなどの賃貸条件の変更が行われないか等を店舗オーナーに事前に確認を取っておくと良いでしょう。

自己所有店舗の場合

自己所有物件でカフェを運営していた場合、造作を残したまま建物を売却することが可能です。
建物だけでなく敷地も自己所有の場合は、建物と敷地をセットにして売却することや、建物のみを売却して、敷地は借地にすることも可能です。

敷地が借地の場合、建物と借地権をセットにして売却します。
借地権の売却には、民法第612条3により地主の承諾を得ることが定められています。地主の承諾が得られ、借地権の譲渡が成立した際には、譲渡価格の1割程度を承諾料として支払うことが慣例となっています。

M&Aにより売買する

カフェをM&Aで売買する場合、一般的に株式譲渡と事業譲渡のどちらかが用いられます。それぞれの特徴を解説します。

株式譲渡

株式譲渡は、売却対象のカフェを運営する会社の株式を、譲受会社へ譲り渡すことで、運営会社の経営権を移転する手法です。手続きが容易なためよく用いられます。
株式譲渡は、法人形態のカフェのみが選択できる方法です。

売り手の資産や営業権、従業員などをそのまま引き継げるため、株式の売り手側は創業者利益を得られ、従業員の雇用も継続できるメリットがあります。

買い手側も営業の許可取りなどの手続きをしなくてよいため、株式譲渡後にすぐに経営を始めることが可能です。

事業譲渡

事業譲渡は、カフェ事業にかかる権利や契約、人材などの財産の一部、または全体を譲受会社へ譲り渡す手法です。法人だけでなく個人事業の場合でも適用可能です。

事業譲渡は、売り手側と買い手側で譲渡金額や譲渡対象の範囲などの譲渡条件を話し合い、事業譲渡契約を締結することで成立します。
法人形態の場合、会社そのものを売却する訳ではないので、会社の経営権は売り手側に残ります。一部事業のみを譲渡し、残しておきたい事業は経営を続けられる点が大きなメリットです。
複数事業を展開している場合、カフェ事業だけを譲渡し、コア事業に経営資源を集中させることで、収益の拡大を目指すことができます。

ただし、譲渡範囲や対象物は個別に決定し、手続きする手間が生じます。また、許認可や契約は引き継げないので、事業譲渡後は営業許可の取り直しや各種再契約が必要になるのが買い手側にとっての注意点です。

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カフェ居抜き売却の価格相場と評価ポイント

カフェの居抜き売買やM&Aを考えている経営者にとって、それぞれいくらで売却、買収できるのかは気になるところでしょう。
ここでは、カフェを居抜きで売却した場合の価格相場と評価のポイントを解説します。

居抜き店舗を売却した場合の相場

平均的な小規模カフェ1店舗の造作譲渡の場合、100万〜250万円程度が相場とされています。

居抜き店舗を売却する際に評価される4つのポイント

居抜きでは下記の4つの評価ポイントによって、売却価格は上下します。

  1. 立地条件
  2. 店舗サイズ・形状
  3. 設備の状態
  4. 内装の清潔さ

それぞれ解説します。

1.立地条件

立地条件は、売却額を大きく左右する重要なポイントです。店舗の周辺環境が精査されます。
最寄り駅との距離や、人通りの多さ、路面店かビルテナントかなどの視点から評価されます。集客力が期待できる立地条件であればあるほど、評価額は高くなるでしょう。

2.店舗サイズ・形状

店舗サイズや店舗の形状も、売却額に関わります。
平均的な面積で、汎用性の高いレイアウトが可能な物件のほうが買い手が見つかりやすく、店舗の評価額も高くなる傾向にあります。

3.設備の状態

営業に使う設備の状態も、売却額に響きます。
店舗の業種に合った最新の設備が備わっていたり、空調や給排水設備が新しかったりすると、評価額が高くなります。

4.内装の清潔さ

内装の清潔さによっても、売却額を上げることができます。
築年数が古かったとしても、丁寧にメンテナンスされ、清掃が行き渡った店舗であれば、高値で評価される可能性があります。

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カフェM&Aにおける売却価格の相場と評価ポイント

ここでは、カフェ事業をM&Aで売却した場合の相場と評価ポイントについて解説します。

M&Aにより売却した場合の相場

平均的な小規模カフェ1店舗を運営している事業の場合、数100万円~1,000万円程度が相場とされています。

M&Aの価値算定で評価される4つのポイント

M&Aでは下記のような4つの評価ポイントによって、売却価格が上下する傾向にあります。

  1. 収益性
  2. ブランド力
  3. 人材
  4. 経営リスク

それぞれ解説します。

1.収益性

収益性は、M&Aを行うにあたって重視されるポイントです。

現在の売上・経費・客単価などを鑑みて、どれくらいの収益が見込めるかが鍵となります。不動産などの資産を保有している場合も、売却価格は高くなります。

2.ブランド力

店舗の知名度、固定ファンやリピーターの数、特徴的な商品の有無によってブランド力は築かれ、売却価格は変わります。運営地域でのブランド性の高さに比例して、売却価格も高くなるでしょう。

3.人材

コーヒーマイスターやフードコーディネーターなど、専門的な技術やノウハウを持った人材を登用していることも、評価されるポイントとなります。

ラテアートができる店員や話題性のあるフードメニューを考案できる人材がいれば、集客率をあげられる可能性が高いため、売却価格アップにつながります。

4.経営リスク

経営にあたり、リスクがあるかどうかも売却額を左右します。

たとえば、残業手当や保険料などの未払金の有無、労務問題やテナント契約の解除リスクなど、今後の経営に関わるリスクが低いほど、売却価格は高くなります。

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カフェM&Aを成功させるポイント

売り手側と買い手側の両視点から、カフェのM&Aの成功に必要なポイントを解説します。

カフェM&Aを行う売り手側の5つのポイント

M&Aの売却側が把握しておくべきポイントは、以下の5つです。

  1. 事前の準備を計画的に行う
  2. 売却の目的を明確にする
  3. 売却できる資産・強みなどを明確に伝える
  4. 無形資産の承継に注意する
  5. M&Aの専門家に相談する

それぞれ解説します。

1.事前の準備を計画的に行う

賃貸店舗の譲渡可否や契約解除のために必要な予告期間などの各種契約内容を改めて確認し、余裕を持ったスケジュールを立てて準備計画を策定することが重要です。

また、店舗評価額が低いと予想される場合、経営リスクを少しでも減らし、売上や店舗の知名度、ブランド力などを高めてから売却することが大切です。

2.売却の目的を明確にする

経営者の引退のためなのか、売却益で新事業を立ち上げたいのかなど、M&Aの目的を明確にしておくことで、適切な譲渡先を見つけることができます。カフェの買収相手との交渉をスムーズに進めるためにも、あらかじめ要点をまとめておきましょう。

3.売却できる資産・強みなどを明確に伝える

ブランド性や独自メニューなど、自社のカフェが持つ強みを買収相手に明確にアピールすることで、評価額が高まり売却価格の上昇につながります。買収側にとって魅力となる自社の強みを洗い出してみましょう。

4.無形資産の承継に注意する

カフェの価値を創造している要素が店主の人柄や名物スタッフの存在である場合、人材ごと承継できるスキームで売却することが求められるでしょう。

経営者自身のノウハウが価値を生んでいる事業の場合で、かつ事業譲渡を行う場合、売却後にその価値を引き継ぐことが難しいため、買い手が見つかりづらくなる可能性があります。

また、M&Aにスタッフが不満を持っている場合、人材の流出につながり、価値を承継できない可能性もあります。流出を防ぐには、M&Aの実施にあたり、店舗スタッフに丁寧な説明を行い合意形成を行う必要があります。
そのほかにも、接客方法をマニュアル化するなど、売却後も価値が承継されるような体制に整えておくことで、好条件での売却が可能となるでしょう。

5.M&Aの専門家に相談する

小規模な個人店であればマッチングサイトで相手を見つけることも可能です。
しかし、煩雑・複雑な手続きや価値評価を自身で行うことは難しいため、M&Aの専門家に相談するのがおすすめです。

M&Aの相談窓口としては、仲介会社や経営コンサルタント、士業事務所、金融機関などが挙げられます。
特に、M&A仲介会社はM&Aを専門として支援を行っています。多くのM&A仲介経験により、適切な価格交渉やデューデリジェンスの実施などを代行してくれます。

カフェM&Aを行う買い手側の3つのポイント

M&Aにおいて、買い手側が気をつけるべきポイントは以下の3つとなります。

  1. 経営状態を丁寧に確認する
  2. 状況により居抜きの選択も行う
  3. M&Aの専門家に相談する

それぞれ解説します。

経営状態を丁寧に確認する

カフェを含む飲食業は開業・廃業のスパンが短く、運転資金がギリギリな状態で経営している会社も珍しくありません。

買収後に赤字や未払金などの発覚を避けるためにも、直近の経理帳簿や財務諸表を慎重に確認し、経営状況を検証することが大切です。
特に個人経営のカフェの場合、会計処理が杜撰なこともあり得るため、経理関係の確認は入念に行いましょう。

状況により居抜きの選択も行う

カフェを買収する場合、店内の設備もそのまま買い取った方がメリットが大きいです。初期費用を大幅にカットした状態で事業をスタートできます。
初期にかかるコストを抑えることを優先したい場合は、居抜き状態での買収も視野に入れて検討するとよいでしょう。

M&Aの専門家に相談する

小規模・個人経営のカフェこそ、丁寧なデューデリジェンスを実施することが肝要です。買収後のトラブル回避や適正価格での買収につながります。
デューデリジェンスは、多岐にわたる専門知識と労力が必要となるため、専門家のサポートを依頼することをおすすめします。

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カフェM&Aの成功事例10選

ここからは、以下の3つの系統別にカフェのM&A事例を紹介します。

  • 同業・大手によるM&A
  • 異業種によるM&A
  • ファンドによるM&A

それでは、詳しく見ていきましょう。

大手飲食企業によるM&A

まずは、同業や大手飲食企業によるM&Aの事例です。

1.ダイヤモンドダイニング社が商業藝術を子会社化

2017年6月、株式会社ダイヤモンドダイニングは、株式会社商業藝術の全株式を取得し、自社の子会社とすることを発表しました。

ダイヤモンドダイニング社は持株会社として、レストランの運営やコンサルティング事業を中心とする外食産業企業です。一方、商業藝術社は、カフェ「chano-ma」や和食「茶茶」、ゲストハウスウェディングの「CASA FELIZ」など、広島県を始め関東圏・中部圏・関西圏・福岡県など幅広いエリアで事業を展開しています。

ダイヤモンドダイニング社は、このM&Aを通じて両社の経営資源を活用することで、エリアの展開領域の拡大と多様化する消費者の嗜好に対応できると見込んでいます。

参照元:株式会社ダイヤモンドダイニング「株式会社商業藝術(旧商号 Jellyfish.株式会社)の全株式取得(子会社化)に関するお知らせ

2.フジオフードシステム社がはらドーナッツ社を子会社化

2016年3月、株式会社フジオフードシステムは、株式会社はらドーナッツの全株式を取得し、自社の子会社とすることを発表しました。

フジオフードシステム社は持株会社として、大衆外食チェーン「まいどおおきに食堂」や「串家物語」を中心とした飲食事業のほか、FC事業の経営を行う企業です。
一方、はらドーナッツ社は神戸を中心に母親が手作りした素朴な味わいをコンセプトに、防腐剤や保存料を一切使用しない安心・安全なドーナツや菓子類を製造、提供しています。

フジオフードシステム社は、このM&Aを通じて、豆乳を使用したヘルシーなお菓子ブランドという独自性を取り入れ、既に展開している「デリス・デュ・パレ」、「ハニーミツバチ珈琲」、「ホノルルカフェ」とのカフェ事業の強化を見込んでいます。

参照元:株式会社フジオフードシステム「株式会社はらドーナッツの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

3.ドトールコーヒー社が日本レストランシステム社と経営統合

2007年10月、株式会社ドトールコーヒーと日本レストランシステム株式会社は、株式移転により共同持ち株会社である株式会社ドトール・日レスホールディングスを設立し、経営統合することで合意しました。

ドトールコーヒーは東京都渋谷区に本社を置くコーヒーやサンドイッチ、ケーキなどを提供するセルフ式のコーヒーショップです。
一方、日本レストランシステムは「洋麺屋五右衛門」などを運営するレストランチェーンです。

ドトールコーヒーと日本レストランシステムは、チェーン系カフェと食材の生産から店舗運営まで自社一貫体制の外食企業が協業することにより、経営資源の最適分配と収益性の向上を図ることを目的としています。両社の収益力と財務内容を統合することで、外食産業のリーディングカンパニーになることを目指し、原材料調達や物流面で効率化を図って新展開を行うことを見込んでいます。

参照元:株式会社ドトールコーヒー「経営統合について

4.コロワイド社がフレッシュネス社の「FRESHNESS BURGER」事業を譲受

2016年12月、株式会社コロワイドの連結子会社である株式会社レインズインターナショナルは、株式会社フレッシュネスから「FRESHNESS BURGER」事業を譲受しました。

コロワイド社は神奈川県横浜市に本社を置く、外食産業を中心に展開する複数の事業会社を統括する持株会社です。連結子会社であるレインズインターナショナル社は、焼肉チェーンの「牛角」などFCを展開しています。一方、フレッシュネス社は東京都心を中心に高品質なハンバーガーを提供する外食チェーンです。売上高は日本国内5位で、全国に160店舗を展開しています。

コロワイド社は、フレッシュネス社のブランド力と自社の持つ外食産業のノウハウと実績を活かして
FRESHNESS BURGERの事業拡大を図ることを目的としています。

参照元:コロワイド「当社連結子会社による FRESHNESS BURGER 事業の譲受(子会社化)に関するお知らせ

5.サンマルクホールディングス社がLa Madrague社を買収

2022年12月、株式会社サンマルクホールディングスは、株式会社La Madragueの全株式を取得し、自社の子会社化することを発表しました。

サンマルクホールディングス社は岡山県岡山市に本社を置く持株会社で、全国にカフェチェーンを展開する株式会社サンマルクカフェなどを子会社に持つ外食チェーン企業です。
一方、La Madrague社は京都市内で4店舗を展開する「喫茶マドラグ」を経営しています。喫茶マドラグは、食べログ百名店に選ばれるなど、京都を代表する喫茶店ブランドです。

サンマルクホールディングス社は、このM&Aを通して、京都で確固たるブランド性とファンを獲得している有名店を、サンマルクの外食ノウハウや経営資源を活用してチェーン展開することを目的としています。

参照元:株式会社サンマルクホールディングス「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

異業種の企業によるM&A

次に、カフェ業界における異業種間でのM&Aの事例を紹介します。

6.ロート製薬社がカフェ・カンパニー社の株式を取得

2021年8月、ロート製薬株式会社は、カフェ・カンパニー株式会社の株式を取得し、持分法適用会社となりました。

ロート製薬社は、大阪市生野区に本社を置く製薬会社です。クリオテックファーマ株式会社や株式会社北辰フーズなどを子会社とし、医薬品・健康食品・化粧品の製造・販売など幅広く事業を展開しています。
一方、カフェ・カンパニー社は「WIRED CAFE」をはじめとする人気カフェや地域密着型の飲食店を経営するほか、地域コミュニティ事業も手がける企画運営会社です。

ロート製薬は、製薬会社の生産力・技術力と、「WIRED CAFE」などの人気カフェのブランド力・店舗開発力によるシナジー効果を促すことで、食品事業の強化を図ることを目的としています。

参照元:ロート製薬株式会社「カフェ・カンパニー株式会社との資本業務提携を締結

7.エディア社がティームエンタテインメント社を子会社化

2018年2月、株式会社エディアは、株式会社ティームエンタテインメントの全株式を取得し、自社の子会社化することを発表しました。

エディア社は東京都千代田区に本社を置く携帯電話・スマートフォン向けコンテンツの製作・提供を行うコンテンツプロバイダです。「人々の生活に笑顔をもたらすサービス」を掲げ、IP事業や出版事業にも力を入れています。
一方、株式会社ティームエンタテインメントはアニメやゲーム関連の音楽・ドラマCDの企画・制作・販売及びコラボレーションカフェの運営をしている会社です。

スマホゲームの運営会社のクロスメディア戦略の一環として、ゲームやアニメキャラのコラボカフェを運営する会社を買収することで、エディア社は更なる業領域拡大を図ることを目的としています。

参照元:株式会社エディア「株式会社ティームエンタテインメントの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

ファンドによるM&A

最後に、ファンドによるM&Aの事例を見ていきましょう。

8.ロングリーチグループ社がユーシーシーフードサービスシステムズ社のカフェ事業を譲受

2018年3月、株式会社ロングリーチグループは、ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社との間で、ユーシーシーフードサービスシステムズ社が保有する珈琲館事業の譲受に合意したことを発表しました。

ロングリーチグループ社は東京と香港の2拠点を中心に投資業務、投資先支援業務を行う独立系投資会社です。ウェンディーズジャパンやファーストキッチン等の外食事業に対する投資実績と成功事例を有しています。
一方、ユーシーシーフードサービスシステムズが手掛ける珈琲館は、1970年の創業以来、喫茶店業界を牽引してきました。「珈琲館」のほか「珈楽庵」などのブランドで全国に277店舗を展開する一大事業です。

ロングリーチは自社の外食事業及びカーブアウト案件に対する実績と経験を元に、戦略立案等の経営資源を提供するなど最大限の支援を行うことにより、珈琲館事業の強みや特徴を活かしながら、独立した会社として成長させることを目的としています。

参照元:株式会社ロングリーチグループ「珈琲館事業の譲受につき、ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社と合意」

9.C-United社がポッカクリエイト社を買収

2023年1月、株式会社ロングリーチグループの子会社であるC-United株式会社は、グループ会社である株式会社ポッカクリエイトと合併することを発表しています。

C-United社は、ロングリーチグループ社が譲受した「珈琲館」事業を中心に、「カフェ・ベローチェ」などセルフサービス型のカフェチェーンと合わせて、全国に約400店舗を展開しています。
一方、ポッカクリエイト社は「カフェ・ド・クリエ」などヨーロッパのカフェ文化を取り入れたカフェチェーンを展開し、全国に約200店舗を運営している、C-United社のグループ会社です。

グループ会社の合併により、共同でのメニュー開発や商品フェアの展開を加速させ、C-Unitedグループブランドの強化を図ることが目的です。

参照元:株式会社ロングリーチグループ「C-United によるカフェ・ド・クリエ事業の取得について

10.アント・キャピタル・パートナーズがイノダコーヒを買収

2022年9月、アント・キャピタル・パートナーズ株式会社は、自社が運営するアント・ブリッジ5号A投資事業有限責任組合に、株式会社イノダコーヒの株式を事業継承を目的として譲受することを決定しました。

アント・キャピタル・パートナーズ社は日本国内の未上場株式などへの投資を行う投資会社です。アント・ブリッジ5号A投資事業有限責任組合として、国内の中小企業の事業継承問題に対し、資本ソリューションの提供を行っています。
一方、イノダコーヒー社は京都市内を中心に喫茶店を9店舗運営しており、カフェ及びレストランの経営、国産コーヒーの販売などに力を入れている会社です。

アント・キャピタル・パートナーズ社はイノダコーヒー社の後継者不在により、創業者の保有する全株式を取得し、今後はノダコーヒの理念を継承しながら、更なる事業の成長と発展のサポートを積極的に行っていく予定です。

参照元:アント・キャピタル・パートナーズ株式会社「株式会社イノダコーヒの株式譲受について

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まとめ

カフェのM&Aは、競争の激しい業界で経営を安定させるために、集客率の高いサービスや立地条件の良い物件の確保を目的として行われることが多いです。事業形態や経営状況によって用いられる売買方法が変わってくるため、M&Aのほかに、居抜き売却(造作譲渡)も検討されます。

居抜き売却の場合とM&Aの場合で売却相場や価格評価ポイントが異なるため、それぞれの違いをよく把握しておきましょう。

カフェのM&Aを選択した場合、売り手であっても買い手であっても、煩雑・複雑な手続きや価値評価の作業が発生します。
通常の業務と並行してM&Aの準備を進める場合、M&Aを専門とした仲介会社へ相談することがおすすめです。

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