PMIとは?意味やM&A後の統合プロセスをわかりやすく解説

2023年10月27日

PMIとは?意味やM&A後の統合プロセスをわかりやすく解説

このページのまとめ

  • PMIとは、M&A後の統合プロセスを指す
  • PMIの主な統合対象は「方針の統合」「システムの統合」「意識や文化の統合」の3つ
  • PMIのためのチームを結成し、ランディングプランと100日プランを作成しよう
  • PMIを成功させるには、念入りな準備と適切な人材の確保が重要
  • PMIのプロジェクトチームのメンバーに、専門家を招へいすることもひとつの手段

「PMIとは? やる必要はあるの?」と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
PMIとは、M&A後に行う統合プロセスのことです。PMIをしっかり準備して実行することにより、M&Aによって生まれるシナジー効果を最大限に活かせます。
このコラムでは、PMIについて詳しく解説。PMIの定義や統合する内容、具体的な進め方なども紹介します。さらに、PMIを成功させるためのポイントも紹介しています。

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M&AにおけるPMIとは?わかりやすく解説

M&Aの現場で使われるPMIとは、M&A後の統合プロセスを意味し、当初計画されたシナジー効果を最大限に活かすためのプロセスと定義されています。
PMI(ピーエムアイ)とは「Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)」の略称です。
M&A実施後には、システム障害や従業員の離職など、さまざまなリスクがあります。それらのリスクを回避しながら、実りのある統合を行うためには、PMIの策定が欠かせません。
PMIの統合範囲は広く、経営戦略をはじめ、業務・管理体制、システム体制、従業員体制、企業文化、ビジネスモデルなど多岐にわたります。PMIを構築して、企業間での経営体制を統合することで、文化や風土についても融和され、シナジーの実現へとつながります。

PMIとはM&A成功の鍵を握るもの

M&Aでは、相手企業との合意までのプロセスに注目してしまいがちです。しかし、M&Aの成立はあくまでひとつの過程に過ぎず、M&Aが成立した段階では成功・失敗の判断はできません。
特に統合直後は混乱が起きやすく、予想していたシナジー効果が発揮されない場合や、M&A自体が白紙に戻ってしまう可能性もあるでしょう。
買収・合併によってブランド強化や費用削減が実現され、シナジー効果が十分に発揮された段階で、ようやく「M&Aが成功した」といえます。

M&A関連以外で使われるPMIとは?

PMIという言葉は、M&A以外の場面でもそれぞれ違った意味で用いられています。
製造業者が景気の話題で挙げるPMIは、購買担当者景気指数(Purchasing Manager’s Index)の略語で、景気の方向性を示す経済指標です。
そのほかにも、鉄鋼製品業者であれば「現地材質判定(Positive Material Identification)」、医療業界なら「ペースメーカーの植え込み技術(PaceMaker Implantation)」を意味します。
今回は、M&Aの現場で使用されるPMI「統合プロセス(Post Merger Integration)」に焦点を当てて解説します。

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PMIを実施することで得られるメリット

M&Aを成功させるためにも、PMIが必要です。PMIを実施することで得られるメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • シナジー効果が生まれやすくなる
  • 社内の軋轢を軽減できる
  • 内部構造を整理できる

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

シナジー効果が生まれやすくなる

売上増や生産効率の向上などのシナジー効果を想定して、M&Aを実施することは多いです。しかし、単にM&Aを実施するだけでは、シナジー効果は生まれません。
シナジー効果を生じやすくするには、早急に経営統合を進めて、従業員が働きやすい環境を構築することが必要です。PMIを実施し、シナジー効果が生まれやすい環境に変えていくことが求められます。

社内の軋轢を軽減できる

異なる企業の従業員が混じり合うことで、トラブルが生じることもあります。譲渡企業の従業員が肩身の狭い思いをしたり、企業風土が合わずに業務進行に影響がおよんだりすることもあるかもしれません。
M&A後に早急にPMIを進めていくことで、社内が一丸となってまとまりやすくなり、軋轢を軽減し、トラブルを回避しやすくなります。また、社内の軋轢を軽減するには、M&Aの実施過程で従業員に十分な説明を行い、理解を得ておくことも大切です。

内部構造を整理できる

中小企業のなかには、内部構造が明確に構築されていない企業もあります。たとえば、意思決定の流れが明確ではない企業や、従業員ごとの役割分担ができていない企業もあるでしょう。
PMIを実施することで、内部構造を整理でき、業務効率の向上を期待できます。また、内部構造の整理に伴いシステム化を進めて、さらに業務効率向上の実現も図れます。

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PMIで統合を目指す項目

PMIでの統合の対象となるのは、大きく分けて「方針の統合」「意識・文化の統合」「システムの統合」の3つです。

1.方針の統合

第1段階として進めることが、方針の統合です。シナジー効果を十分に発揮するための手順や、問題解決の優先順位を検討します。早期に方向性を定めることで、従業員や取引先の不安を取り除く狙いがあります。
M&A後は、双方が密にコミュニケーションを図り、経営陣だけでなく従業員も含めた方針共有をすることが重要です。会社全体でシナジー効果の発揮を目指すことが、実現への第一歩となります。

2.意識・文化の統合

PMIには、企業文化や風土の統合も含まれます。
意識・文化を買い手側の企業に合わせればよいわけではなく、売り手側の良い部分は残しておくことも視野に入れましょう。話し合いを行い、お互いの企業文化への理解を深めることが重要です。
新卒入社で勤めてきた従業員のなかには、自社の文化や風土を大切にしている人もいます。従業員からの反発や混乱を生じさせないために、慎重に統合を進めましょう。

3.システムの統合 

システムを統合するプロセスにおいては、双方の企業が別々に使用している運営システム・各業務をひとつに統一させて、業務の効率化を図ります。
ただし、従業員にとって新たなシステムの導入は混乱を招き、現場の負担を増やしてしまう恐れがあります。現場の負担を最小限に抑えるためには、各業務の担当者へヒアリングを実施して、業務内容や実態に応じたシステムに統合することが重要です。
システム統合の範囲として、以下が挙げられます。

  • 経営体制・組織構造
  • 経理・財務
  • 人事・労務
  • 業務システム
  • インフラ
  • 事業内容、取引先

それぞれについて見ていきましょう。

経営体制・組織構造の統合

PMIは、基本的にトップダウンで行われることが多いため、従業員の不満が募る前にスムーズに経営体制や組織構造を整えることが重要です。
双方の企業が共に納得できる組織を作りあげることが理想ではあるものの、完全に不公平さを取り除くことは困難を極めます。方針を統合させるための最適解を選び、最優先で進めましょう。

経理・財務の統合

経理業務が属人化しており、担当していた人が退任する場合は、経理体制を構築しましょう。今までの体制が不透明であるときは、まず業務の見える化から取り掛かってください。
そのほか、決算期が異なる企業同士がM&Aを行っていた場合は、決算期を統一することも必要です。

人事・労務の統合

人事や労務の統合では、就業規則・給与制度の統一を図ります。
なかでも、ボーナスに影響する業績評価方法は客観的な基準での導入が望ましく、従業員のモチベーションが下がらないように、慎重に検討しなければなりません。
また、中小企業の場合は、業務内容と部署の人数が見合っていないケースもあるため、組織全体で人員や組織構造を見直さなければならないこともあります。人員整理を伴う場合には、トラブルにつながらないように注意しながら統合を進めましょう。

業務システムの統合

業務システムの統合は、プロセスのなかでも難易度が高く、時間を要する取り組みです。
M&A後に、企業が使用していた異なる業務システムを使い分けることは効率的とはいえません。業務を効率化させるために、業務システムやフローを統合しましょう。
しかし、業務システムの統合を試みたことが原因でM&Aが失敗してしまったケースもあるため、どのようにすれば現場の負担を抑えられるかを模索しながら進める必要があります。
新しい業務システムの導入は効率化を図るためには欠かせませんが、従業員にとってはこれまでの経験がリセットされる形になり、不安を与えてしまいます。システムに慣れるまで作業時間やミスが増える可能性もあるでしょう。
業務システムやフローを変更する際は、メリットを従業員に対して丁寧に説明し、理解を得たうえで進める必要があります。

インフラの統合

社内のITインフラも、M&A後に統合が検討される項目の一つです。どちらかのインフラに合わせることであれば比較的容易に行えますが、新規のITインフラシステムを立ち上げる場合は、莫大な投資額が必要となる可能性があります。インフラ統合にかかる期間や費用対効果のバランスを見ながら進めるようにしましょう。

事業内容、取引先の整理

同じ業種の企業同士がM&Aを行った場合、似通った商材や重複しているものがないか洗い出したうえで、製品やサービスの統廃合を検討する必要があります。
また、お互いが持つ取引先の整理を行うことも重要です。取引先を増やしたり、まとめたりすることで、業務フローの改善やコスト削減につながる可能性があります。なお、これらの項目は成果が明確に数値として表れるため、M&Aのメリットを感じやすいポイントです。

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PMIの具体的なステップ

PMIはM&A後の統合プロセスを意味するため、M&A後に本格的な作業を始めると思われがちです。
しかし、M&Aを成功させるためには綿密な準備が求められるので、PMIの計画立案は早ければ早いほど良いです。可能であれば、M&Aを検討し始めるのと同時にPMIの計画をスタートさせましょう。
早い段階でPMIを計画しておくことで、売り手側にPMIのビジョンや今後の計画を具体的に示せるため、交渉時にも役立つと考えられます。
ここからは、PMIの具体的なステップと内容を解説します。

1.統合目的の明確化

まずは統合の目的を明確化します。
これは、PMIにおいて「方針の統合」「意識・文化の統合」に直結する部分であり、今後の基礎を固めるための重要なプロセスです。
統合の枠組みについては、大きく3つに分類されます。

  1. 連邦型統合(売り手側の企業を独立した企業として存続し、自主性を維持する)
  2. 支配型統合(売り手側の企業は残すが、買い手側企業が経営に積極的に関与する)
  3. 吸収型統合(売り手側の企業を吸収し、買い手側企業と一体化させる)

下へ向かえば向かうほどシナジー効果は高まりますが、統合のスピードが速いため、現場に混乱が生じたり、従業員からの反発が強まったりする恐れがあります。
慎重に検討したうえで、統合方針の枠組みを決定しましょう。

2.ランディングプランの設定

ランディングプランとは、M&Aの実施後から半年程度の期間で優先して取り組む課題に対して、計画を立てることです。
ランディングプランでは、組織・人員の見直し、財務・労務の見直しなど今後行う全ての統合作業を洗い出して、実行するために必要な作業内容を具体化させます。
この際、現場レベルの問題も把握する必要があるため、できれば従業員にヒアリングを実施することが望ましいといえます。ヒアリングした内容は、業務システムの統合を検討する際にも役立ちます。

3.プロジェクトチームの作成と100日プランの実行

半年程度の期間で取り組むランディングプランに対して、より緊急度の高い課題や具体的な内容でプランを立てたものが100日プランです。
名前にある「100日」はひとつの目安であり、区切りのよい3か月(90日)で計画しても問題はありません。
計画する際は、買い手側・売り手側の双方から人員を選出してプロジェクトチームを立ち上げます。
ランディングプランを踏まえて100日の計画を立てることで、評価や検証を行いやすくなるほか、具体的な達成目的を提示すれば従業員の士気を向上させられるメリットもあります。

100日プラン実行前の準備

100日プランを実施する前に、次の2つの準備が必要です。

  • プロジェクトチームを結成する
  • 現状を分析し、課題を洗い出す

プロジェクトチームは、特定の企業に偏ることなく、買収する側・買収される側の両方の人材により結成します。それぞれの企業の立場から課題や不安点などを挙げていくことで、より実行しやすいプランを策定できます。また、PMIは多岐にわたるため、プロジェクトチームにはプロジェクト全体を統括する代表者も必要です。
プロジェクトチーム結成後、現状分析と課題の洗い出しを行います。チームメンバーはそれぞれの企業の立場から現状を分析し、第三者的な視点で課題として抽出していきます。

100日プランの手順

100日プランは以下の手順で進めていきます。

  1. 抽出した課題ごとに担当者を決める
  2. アクションプランを策定する

まずは課題ごとに担当者を決めましょう。その後、課題解決のアクションプランを策定します。課題ごとにアクションプランを決めておくことで、より効率的にPMIを進められるようになります。
なお、課題に対して適切なアクションプランを決めていないときは、課題が解決できないのはもちろんのこと、シナジー効果も生まれません。「早くPMIを実施したい」と焦るのではなく、時間をかけて丁寧にアクションプランを策定してください。

4.PMIの効果検証

作成したランディングプラン・100日プランに対して、定期的に進捗検証を実施してください。
月次では、プランに遅れが生じている原因の把握や、チーム内での状況共有を行います。週次では、プランにはない新たな課題に対する対応策を検討します。
なお、会社の規模によって目標を達成するまでの期間は変わり、規模が大きいほど期間を要し、難易度も高まります。ランディングプラン・100日プランの期間内に解決できない統合内容については、外部の専門家に相談することも一つの方法です。

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PMIを成功させる5つのポイント

PMIは、M&Aを成功に導くために重要な過程です。M&Aを行った企業のなかには、実施したことで満足して、上手くシナジー効果を得られないまま他社に売却するケースも見られています。
ここからは、PMIを成功させるための5つのポイントについて解説します。

1.強いリーダーシップ

M&A後、買い手側・売り手側の双方で組織に大きな変化が起こります。
従業員にとっては不安や混乱が生じやすく、退職を検討する従業員も出てくるでしょう。
従業員の憂慮を解消するためには、従業員を正しく導けるリーダーシップのある人材が求められます。経営陣や部署の責任者など上の立場である人間が、率先して現場に出向いて指示を与えることなどのアクションが必要です。

2.M&A実施前からの準備

PMIの事前の準備は、入念に行っておく必要があります。M&A後に発生する課題は、時間が経つほど解決が困難になることが多いため、事前に起こりうる課題を予測して、スピーディに解決できるように準備しておくことが重要です。
なかでも、不安感から退職を検討する従業員には迅速な対応が求められます。放置してしまうと、重要なポジションを担う従業員の損失や、従業員全体のモチベーション低下につながってしまいます。
M&Aの前には、目的や今後の流れについて従業員に周知を行い、「M&Aで会社がより良くなる」と思ってもらえるような説明をすることが求められます。

3.スケジュールの管理と進捗の見える化

PMIの取り組みには、スピードが求められる部分と、長期的な取り組みを必要とする部分があります。ランディングプラン・100日プランの設定は、課題の把握や管理には欠かせません。
計画はチーム全体で共有し、計画通りに進んでいない場合は、対応と原因の追求に努めて、シナジー効果が発揮されるようにプランを進行させます。計画の進捗状況を共有することで、従業員のモチベーション維持にもつながるでしょう。

4.十分なリソースの確保

PMIの進行には、リソース不足が起こりやすいため、十分な人材・予算・時間などを確保しておく必要があります。
人材面では、PMIを進めるためのプロジェクトチームの設立が不可欠です。メンバーには、買い手側・売り手側双方の企業から選出して、組織と業務内容に対して十分な知識を持つ人を選定することが重要です。
PMIは業務の片手間で行えるような簡単なものではありません。ほとんどの場合、本来の業務から離脱してチームに参加する必要があります。そのため、引き継ぐ人員や指導の時間も確保しておきましょう。
また、ITシステムを新規に設立するなどの場合には莫大な資金が必要となるため、買収資金だけでなく、PMIを進めるための資金確保も重要です。

5.専門家の招へい

組織や業務について十分な知識があり、信頼のおける人材だとしても、PMIの経験がある人はほとんどいません。全くの未経験者のみでプロジェクトチームを設立することになってしまいます。
PMIを実りのあるものにするためには、M&Aに詳しい外部の専門家をプロジェクトチームに招へいすることも有効な手段です。
ただし、重要な要素については内部で行い、一部を専門家に任せる形が理想です。全てを委託してしまうと、本来の目的に沿わない計画が策定される可能性があるほか、M&Aに関するノウハウを組織に蓄積できなくなります。どこまでの対応を自社で行い、どの範囲を委託するのかをしっかり検討して進めるようにしましょう。

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PMIの成功事例

M&A後に適切なPMIを実施し、スムーズな統合や売上増などのシナジー効果を実現したケースも多数あります。2つの成功事例から、PMIを進めるヒントをつかんでください。

サントリー×ビーム

2014年、サントリーは18世紀からバーボンウイスキーをつくってきたアメリカの老舗企業ビーム社を買収しました。ビーム社の買収後、サントリーの売上高は右肩上がりで成長しており、M&Aは成功したといわれています。
M&A成功の理由として、サントリー独自のPMIに注目できるでしょう。サントリーは効率性よりもビーム社の伝統を残すことを重視し、ビーム社の蒸留所をそのまま活用し、従来通りのウイスキーづくりを続けています。統合により誕生したビームサントリー社の幹部はほとんどがアメリカ人である点も、ビーム社の伝統を重視している証といえるでしょう。
また、サントリーはビーム社の蒸留所の近くに研究開発センターをつくりました。このセンターでは、グローバルなニーズに対応する新製品を生み出すための研究が行われています。ビーム社の伝統を尊重しつつ、新しい商品づくりにも踏み出すサントリーの姿勢が、売上増とグローバル市場の開拓というシナジー効果にもつながっていると考えられます。

参照元:サントリー「サントリーホールディングス(株)によるビーム社買収について」

DeNA×横浜ベイスターズ

2011年、オンラインゲームやインターネットショッピングなどを手掛けるDeNAが、横浜ベイスターズを買収しました。IT企業がプロ野球チームを買収する異業種のM&Aとして話題になりましたが、赤字が続いていた横浜ベイスターズが5年で黒字に転換するなど、大きな成果を上げています。
また、DeNAは2016年には横浜スタジアムを子会社化し、球場経営にも乗り出しました。座席稼働率を上げるためにプロモーションを実施したり、選手にファンサービスを徹底させたり、神奈川県内の子どもたちに野球帽をプレゼントしたりとさまざまな施策を実施しました。その結果、横浜ベイスターズのファンは右肩上がりに増え、座席稼働率も改善しています。
球団と球場の経営を一体化させたことで、球団が支払う球場使用料をカットできたことも、事業効率化につながっています。また、野球の試合がないときはコンサートなどのイベントを開催し、さらなる売上アップも実現しました。

参照元:DeNA「沿革」

PMIが失敗する要因とは?

PMIは常に成功するとは限りません。丁寧に現状を分析し、課題解決につながるアクションプランを策定しないときなどは、失敗することもあります。よくある失敗の要因としては次のものが挙げられます。

  • 暫定的な価格の引き下げ
  • トラブル対応の先延ばし
  • ニッチなニーズの過小評価

それぞれの要因について見ていきましょう。

暫定的な価格の引き下げ

早急に売上増などのわかりやすい成果を得ようとして、一時的に商品・サービスの価格を引き下げるケースもあります。しかし、「安さ」を特徴として顧客に印象付けてしまうと、元の価格に戻したときに顧客離れが起こることもあります。
M&Aを成功させるためには、長期的に無理なく続けられる価格で売り出すことが必要です。安さだけを特徴とするのではなく、経営の効率化や親身な接客などの続けやすい施策を立てましょう。

トラブル対応の先延ばし

M&Aを進めていくうえで、相手企業にトラブルが見つかることもあります。しかし、法的な問題などを放置するとトラブルが拡大し、大幅な減収などにつながるかもしれません。
PMIの対応に追われて忙しいときでも、トラブル対応の先延ばしは避けることが大切です。

ニッチなニーズの過小評価

M&Aを実施する際、経営効率化を図るのは自然な流れです。
しかし、統合やシェアの拡大が常によい結果を生むとは限りません。ニッチなニーズに応えることで、潜在的なニーズを生み出し、経営が安定化することもあります。ニッチなニーズを過小評価するのではなく、ニーズの裏にあるものを分析し、事業につなげられないか検討することも大切です。

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まとめ

M&Aによってシナジー効果を得るためには、PMIを策定して経営体制や企業文化などを統合させることが必要です。PMIが成功すれば、M&Aで得られるメリットを最大化できるでしょう。
PMIをしっかり策定して進めることは重要だといえます。
しかし、PMIで統合する範囲は広く、M&Aに関する専門的な知識も求められます。そのうえスピーディーな対応も必要となるので、場合に応じて専門家の手を借りることがおすすめです。
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