宮城県仙台市のM&Aや事業承継の動向は?相談先や事例も紹介
2024年5月21日
このページのまとめ
- 仙台市では廃業や倒産件数が増加しており、今後M&A件数も増加すると考えられる
- 仙台市におけるM&Aの相談先は、事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点など
- 仙台市でM&Aを実施する場合は、支援機関やサービスを活用するのがおすすめ
- 宮城県や仙台市でのM&A支援実績が豊富な仲介会社を選ぶことが大切
宮城県仙台市には多くの産業が集積している一方、人口の減少により廃業や倒産件数も増加しています。それに伴いM&Aへの注目も高まっており、今後はM&A件数が増加すると予想されます。
仙台市でM&Aを成功させるためには、然るべき機関に相談し、サポートを受けることが大切です。今回は、仙台市でM&Aを検討している方に向けて、M&Aの相談先や支援機関、M&A仲介会社を選ぶ5つのポイントなどを解説します。
目次
宮城県・仙台市における事業承継・M&Aの動向
宮城県は、農林水産業や木材・木製品、パルプ・紙・紙加工品、石油製品・石炭製品製造業、そしてサービス産業全般と、産業において重要性が高い県です。
しかし、人口は緩やかに減少しており、廃業や倒産件数も増加しています。
仙台市経済局の「仙台市経済の概況」によると、仙台市における2019年から2021年の平均廃業率は13.57%でした。前期間比 で、7.44ポイント上昇しています。また、2022年の倒産件数は54件で、前年比22件増加という結果でした。
少子高齢化による市場縮小や労働人口減少により、小規模事業者を取り巻く経営環境はさらに厳しくなるでしょう。
同時に注目されているのがM&Aです。レコフによると、宮城県のM&A件数は以下のとおりでした。
2018年 | 47件 |
2019年 | 40件 |
2020年 | 36件 |
2021年 | 44件 |
2022年 | 41件 |
2020年を除き、2018年以降は40件を上回っている状況です。
今後も、経営環境の悪化や後継者不足などにより、M&Aの件数は増えると予想されます。
参照元:仙台市経済局「仙台市経済の概況」
参照元:レコフ「宮城県のM&A」
宮城県や仙台市における事業承継・M&Aの相談先
宮城県や仙台市で事業承継やM&Aを検討している場合の相談先は以下のとおりです。
相談先 | 特徴 |
宮城県事業承継・引継ぎ支援センター | 事業承継に精通した専門家が無料で相談を受け付けている |
宮城県事業承継ネットワーク | 公的支援機関や商工団体、金融機関などからなるネットワークが事業承継をサポートしてくれる |
宮城県よろず支援拠点 | 各分野の専門家が連携して、事業承継や経営課題についてチームでサポートしてくれる |
仙台商工会議所 | 事業承継に向けた税金対策や後継者育成など、さまざまな相談に対応してくれる |
宮城県信用保証協会 | 事業承継やM&Aを行うための資金調達について相談できる |
それぞれの相談先について解説します。
宮城県事業承継・引継ぎ支援センター
宮城県事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁や東北経済産業局から委託を受けて運営されている、事業承継の支援を行う機関です。
宮城県事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業承継に精通した弁護士や公認会計士などが、無料で相談を受け付けています。次のような悩みを抱えている場合、相談してみると良いでしょう。
- 後継者がいなくて会社の存続が不安
- 後継者はいるが事業承継の方法が分からない
- 事業承継と従業員の雇用を継続したい
また、宮城県事業承継・引継ぎ支援センターは公的支援機関のため、安心して利用できる点もポイントです。
宮城県事業承継ネットワーク
宮城県事業承継ネットワークは、中小企業の事業承継をバックアップする機関です。
次のような機関が連携し、ネットワークを形成しています。
- 宮城県事業承継・引継ぎ支援センター
- 商工会議所
- 商工会
- 金融機関
- 士業関係団体
また、宮城県事業承継ネットワークでは、次のような支援を受けられます。
- 事業承継の相談
- 事業承継診断
- 事業承継計画の策定支援
- M&Aのマッチング支援
相談に関しては、事業承継ネットワーク機関の窓口で受け付けています。
費用は無料で相談できる点もポイントです。
参照元:宮城県事業承継・引継ぎ支援センター「事業承継ネットワークとは」
宮城県よろず支援拠点
宮城県よろず支援拠点は、中小企業や個人事業主、創業予定者のための無料経営相談所です。各分野の専門家が連携して、チームでサポートしてくれます。宮城県内の事業者であれば、何度でも無料で利用できるのが魅力です。
個別相談のほか、経営者向けのオンラインセミナーも定期的に実施しています。
事業承継やM&Aはもちろん、資金繰りや広告宣伝、SNS活用など、経営に関するさまざまな相談ができる場として活用しましょう。
参照元:宮城県よろず支援拠点
仙台商工会議所
仙台商工会議所でも、事業承継や世代交代に対する支援を行っています。
法人企業の場合には、次のような支援が実施されています。
- 事業承継に向けてすべき準備や流れ、税金対策
- 後継者育成や新たな事業展開に向けた計画策定
- 今後の株式の持分配分や株式譲渡に向けた株式評価の確認・資金調達
- 法人の解散・清算
- 顧問税理士・他機関への相談結果の第三者立場での助言
また、個人事業主に対しても、次のような支援を行っています。
- 事業承継に向けてすべき準備や事業用資産の贈与、借入金の対応
- 承継時の現経営者や後継者が行う手続き
- 事業承継に係る補助金の有無や申請
- 後継者が不在の場合の廃業手続き
世代交代を考えた場合、事業承継の課題も発生します。
事業承継の準備を先延ばしにせず、まずは相談してみましょう。
宮城県信用保証協会
宮城県信用保証協会とは、中小企業が事業資金を借り入れる際に、公的な保証人になってくれる保証機関です。信用保証協会法に基づき設立された公的機関になります。
事業承継を行うためには、資金が必要です。宮城県信用保証協会では、次のような支援を行っています。
- 経営承継関連保証
- 特定経営承継関連保証
- 経営承継準備関連保証
- 特定経営承継準備関連保証
- 事業承継サポート保証
- 事業承継特別保証
- 経営承継借換関連保証
まや、事業承継では、相続に伴い、資金調達以外の問題が発生するケースもあります。そのような場合に備えて、宮城県事業承継・引継ぎ支援センターとの連携も行っています。
参照元:宮城県信用保証協会
参照元:宮城県信用保証協会「目的別保証制度」
仙台市のM&Aを支援する機関
仙台市でM&Aを実施したいと思ったら、以下のような機関・サービスからサポートを受けられます。
支援機関 | 特徴 |
M&A仲介会社 | M&Aに関する一連の業務をサポートしてくれる |
M&Aマッチングサイト | Webサイト上で相手を探せる |
金融機関 | 数億円から数十億円規模の大きな案件に強みがある |
それぞれの特徴やメリットについて見ていきましょう。
M&A仲介会社
仙台市でM&Aを行う場合は、M&A仲介会社のサポートを受けることがおすすめです。
M&A仲介会社を使うメリットには、次のようなものがあります。
- 自社に合ったM&Aの相手を紹介・選定してくれる
- アドバイスやサポートが受けられる
- 交渉相手とのコミュニケーションを円滑にしてくれる
- 必要な取り決めを支援してもらえる
M&Aに関する一連の業務を支援してもらいたい場合や、複数の候補先の中から相手を見つけたい場合は、M&A仲介会社に相談しましょう。
M&A仲介会社によっては、無料相談も実施しています。
まずは相談し、自社に合ったM&A仲介会社を探してみましょう。
M&Aマッチングサイト
M&Aマッチングサイトとは、売り手と買い手のマッチングを支援してくれる、Webサイトのことです。海外を含めた、幅広い地域から探せるマッチングサイトもあります。
M&Aマッチングサイトのメリットは、次の3つです。
- 成約までの期間が短い
- ニーズに合った交渉相手を探しやすい
- M&A仲介会社よりも安価になるケースがある
M&Aマッチングサイトを選ぶ場合には、得意な業種やサポート体制で選びましょう。
専門家のサポートに関しては有料オプションになる場合もあるため、料金面も合わせて確認しておくことが大切です。
金融機関
地元の金融機関でも、M&Aの相談が可能です。
銀行などの金融機関でM&Aを行うメリットは、次のとおりです。
- 多様な案件を紹介してもらいやすい
- 融資を受けることもできる
- 数億円から数十億円規模の案件に強い
金融機関にM&Aの相談を行う場合は、M&Aの部署を持っているか確認しましょう。
ただし、金融機関はM&Aの専門家というわけではないため、M&Aに詳しくない場合もあります。
仙台市でM&A仲介会社を選ぶ5つのポイント
仙台市でM&A仲介会社を選ぶ場合のポイントは、次の5つです。
- 宮城県や仙台市でのM&A支援実績が豊富か
- 自社の業界業種におけるM&Aに詳しいか
- 希望するエリアの案件が豊富か
- 料金体系が分かりやすいか
- 担当者の人柄がよく信頼できるか
それぞれのポイントを詳しく解説します。
宮城県や仙台市でのM&A支援実績が豊富か
仙台市でM&Aを行う場合、宮城県や仙台市でのM&A実績が豊富なM&A仲介会社を選びましょう。M&Aは、地域や案件の規模によって、対応が変わるためです。
宮城県や仙台市でのM&A実績が豊富なM&A仲介会社であれば、安心して相談できるでしょう。これまでの成約実績を公開しているM&A仲介会社も多いため、事前に確認しておくことが大切です。
自社の業界業種におけるM&Aに詳しいか
自社の業界業種におけるM&Aの知識が豊富であるかも1つのポイントです。業界に関する専門知識を持つM&A仲介会社であれば、経営者と対等に交渉が行いやすくなるためです。
M&A仲介会社には、さまざまな業界のM&Aに対応している非特化型と、特定の業界業種のM&Aに強みがある特化型があります。自社と同業種の相手とM&Aを行いたい場合は特化型、幅広い候補先から探したい場合は非特化型のM&A仲介会社を選ぶとよいでしょう。
希望するエリアの案件が豊富か
希望するエリアの案件が豊富であるかも重要なポイントです。
宮城県や仙台市内でのM&Aを検討している場合は、宮城県の案件を多く抱えているM&A仲介会社に相談しましょう。宮城県内の企業情報を把握しており、強力なネットワークを有している可能性が高いです。その強みを活かして、理想的なマッチングを実現できるでしょう。
一方、全国の候補先から相手を見つけたい場合は、全国の案件を抱えている仲介会社に相談する必要があります。
料金体系が分かりやすいか
M&A仲介会社に支払う料金が分かりやすいことも、M&A仲介会社選びのポイントです。
手数料・相談料が安いM&A仲介会社であれば、費用面の不安も減少するでしょう。
近年では、成約した後のみ費用が発生する、完全成功報酬型のM&A仲介会社も増えています。シンプルで分かりやすい報酬体系を選ぶことが大切です。
担当者の人柄がよく信頼できるか
会社の実績や強みだけではなく、担当者にも注目しましょう。
M&A仲介会社に依頼する場合は、担当者と二人三脚でM&Aを進めます。成約まで半年〜1年近くかかることも多く、担当者と長期間コミュニケーションをとり続ける必要があります。
担当者の人柄がよく信頼できる場合は、M&Aのプロセスをスムーズに進められ、満足度の高いM&Aを実現できる可能性が高いです。
仙台市でM&Aを成功させる6つのポイント
仙台市でM&Aを成功させるためには、次のポイントを意識しましょう。
- タイミングを逃がさないように素早く動く
- 自社の情報を整理しておく
- 自社の企業価値やM&Aの費用相場を正しく把握する
- 案件は幅広く探す
- 交渉相手と良好な人間関係を築く
- 金融機関の協力を得られるようにする
それぞれのポイントに関して、解説します。
タイミングを逃がさないように素早く動く
M&Aを成功させるためには、タイミングを逃さないように素早く動きましょう。M&Aでは、交渉相手が見つかりやすいタイミングがあるためです。
タイミングを逃してしまうと、交渉相手が見つからないリスクが発生します。また、交渉相手が見つかっても、不利な条件で交渉をしなければならないケースも発生するでしょう。
タイミングを逃さないためには、早めに相談を行い、準備しておくことが大切です。M&Aの選択肢が出た時点で、M&A仲介会社のような専門家に相談しておきましょう。
自社の情報を整理しておく
交渉相手を探しやすくするためにも、自社の情報を整理しておきましょう。売り手企業の場合は、次のような自社情報を整理しておくことが大切です。
- 自社の強み
- 人材の状況
- 技術やノウハウ
- 採算性
- 自社の課題
自社の情報を整理しておけば、交渉相手から質問を受けた場合に、しっかりと説明ができます。スムーズに交渉相手を探せるようになるでしょう。
自社の企業価値やM&Aの費用相場を正しく把握する
M&Aを成功させるためには、自社の企業価値やM&Aの費用相場を正しく把握することが大切です。
企業価値や相場を知らずに取引を進めてしまうと、本来の価値よりも低い金額で売却してしまう、あるいは相場より高い金額で会社を買収してしまう恐れがあります。
企業価値は、商品やサービス、取引先、従業員など、さまざまな要素によって決まります。
適正価格で取引できるよう、売り手であれば自社の企業価値を、買い手であればM&Aの費用相場を正しく把握しておきましょう。
案件は幅広く探す
自社に合う相手を見つけられるよう、M&Aの案件は幅広く探すこともポイントです。M&A仲介会社や金融機関などから多くの案件を紹介してもらうことで、M&Aの成功確率が高まるでしょう。
幅広いエリアに目を向けることも重要です。
レコフによると、2022年宮城県で行われたM&Aの内訳(買い手-売り手)は以下のとおりでした。
地域内-地域内 | 4件 |
地域内-地域外 | 11件 |
地域外-地域内 | 26件 |
ここから、地域内同士のM&Aは少なく、多くがほかの地域の相手とのM&Aであることがわかります。
幅広い案件から相手を探すことで、適切なパートナーを見つけられる可能性が高まるでしょう。
参照元:レコフ「宮城県のM&A」
交渉相手と良好な人間関係を築く
交渉相手との人間関係も、M&Aの成否を左右する重要なポイントです。
交渉相手との関係性が悪化してしまうと、引継ぎに必要な協力が得られなくなってしまう可能性が高いです。相手先の従業員から反感を買い、M&Aをきっかけに優秀な人材が離反してしまうリスクもあります。
M&Aは、成約して終わりではありません。交渉相手と良好な人間関係を築き、スムーズに引き継げるようにしましょう。
金融機関の協力を得られるようにする
金融機関の協力を得ることも、M&A成功には欠かせません。中小企業同士でM&Aを行う場合、買収資金の融資が必要になるケースが多いためです。融資を受けられなかった場合、資金不足によってM&Aを実行できず、破談になってしまう可能性があります。
金融機関の協力を得るためには、普段から関係性を築き、M&Aを検討していることを相談することが大切です。日頃から良好な関係を築いておくことで、必要なタイミングで支援を受けやすくなるでしょう。
仙台市でM&Aを行う際の3つの注意点
仙台市でM&Aを行う際の注意点は以下の3点です。
- M&Aの目的をハッキリさせる
- 専門家にデューデリジェンスを任せる
- 従業員の離職を防ぐ
それぞれ解説します。
M&Aの目的をハッキリさせる
M&Aの目的をハッキリさせてから、M&Aを実行しましょう。目的を明確にせず、実行するだけで満足してはいけません。目的が曖昧なまま進めてしまうと、M&Aに必要なプロセスや手法を誤ってしまう可能性もあります。
なぜM&Aを行うのかを意識しながら、M&Aを進めましょう。
専門家にデューデリジェンスを任せる
デューデリジェンスを行う際は、専門家に任せましょう。自社だけで行うことで、リスクを見落とす可能性があるためです。特に、財務や法務のリスクを見落としたままM&Aを進めてしまった場合は、のちに訴訟問題に発展してしまう恐れもあります。
デューデリジェンスに必要なコストを惜しまず、信頼できる専門家に依頼することが大切です。
従業員の離職を防ぐ
M&Aを実行する際は、従業員の離職を防げるよう注意しましょう。優秀な人材が離職してしまうことで、期待していたシナジー効果を発揮できなくなる可能性があるためです。
交渉を行う際には、従業員の待遇に関しても相談しておきましょう。M&A前よりも待遇が悪くなってしまうと、従業員が不満を抱き、離職につながってしまう恐れがあります。
また、買い手企業と売り手企業の組織文化・価値観の違いを知っておくこともポイントです。
宮城県・仙台市の企業によるM&Aの事例
最後に、宮城県・仙台市の企業が行ったM&A事例を4つ紹介します。
【売り手】ソフトケア宮城
1つ目は、ソフトケア宮城株式会社(以下、ソフトケア宮城)と株式会社ケア21(以下、ケア21)の事例です。
仙台市のソフトケア宮城は、ケア21に訪問介護事業所を譲渡しました。
買い手のケア21は、首都圏・近畿圏・名古屋・仙台・広島・福岡で介護事業を展開している企業です。売り手のソフトケア宮城が訪問介護事業所を構える仙台市は、ケア21の訪問介護事業において飛び地となっていました。
そして、事業所が位置する仙台市太白区は、ケア21が仙台市において多くの事業所を展開しているエリアです。近隣の事業所との連携が可能なエリアであり、シナジー効果も期待できることから、ソフトケア宮城の訪問介護事業所を譲り受けました。
参照元:株式会社ケア21「ソフトケア宮城株式会社からの事業譲受に関するお知らせ」
【売り手】フコク
2つ目は、株式会社フコク(以下、フコク)がコンドーテック株式会社(以下、コンドーテック)の子会社となった事例です。
売り手のフコクは、東北地方を中心に架払工事業を営む企業です。東北地方において強固な顧客基盤を有しています。
一方、買い手のコンドーテックは産業資材や鉄構資材などの製造・仕入・販売、足場架払工事および仮設足場機材などの仕入・販売・レンタルなどを手がける企業です。成長戦略として、今後成長が見込まれる分野への投資を積極的に進めています。
このM&Aは、社会インフラの老朽化に伴う維持修繕分野の事業基盤を拡充し、グループの持続的成長や企業価値の向上を実現するために実施されました。
参照元:コンドーテック株式会社「株式会社フコクの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
【買い手】カメイ
3つ目は、カメイ株式会社(以下、カメイ)が株式会社コダマ(以下、コダマ)および有限会社アンジェリーナ(以下、アンジェリーナ)の株式を取得した事例です。
買い手のカメイは、食料や建設、ヘルスケアなどの幅広い事業を展開している商社です。
一方、売り手のコダマは食品の製造事業や食料の輸入貿易事業、小売店やレストラン運営、アンジェリーナはチーズの加工・卸売を行っています。
コダマとアンジェリーナの株式を取得することで、コダマは食料事業の製造から卸売、小売までを自社で完結できるようになりました。食料事業と貿易事業を強化するため、M&Aを実施したとのことです。
参照元:カメイ株式会社「株式会社コダマ及び有限会社アンジェリーナの株式取得に関するお知らせ」
【買い手】アイリスオーヤマ
4つ目は、アイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリスオーヤマ)が京都市のローム株式会社のライティング部門とローム子会社のアグレッド株式会社(以下、ローム)を買収した事例です。
仙台市に本社を構えるアイリスオーヤマは、高効率LED照明の先駆者として、LED照明事業において国内シェアを高めてきました。LED照明市場は今後も成長が見込まれる一方、大手既存メーカーと新規参入企業との競争が激化しているのが現状です。
そこで、経営資源の選択と集中を進めていたロームのライティング事業を承継しました。ロームの製品群をラインナップに加え、ロームが持つ電子部品や半導体の技術を新商品開発に活かすことで、LED照明事業を拡大させる方針です。
参照元:アイリスオーヤマ株式会社「アイリスオーヤマ ロームグループのライティング事業を買収」
まとめ
仙台市は、産業における重要性が高い一方、少子高齢化の影響を受けて企業の廃業や倒産が増加している地域です。今後はM&Aの件数が増加すると考えられます。
仙台市には、宮城県事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点、仙台商工会議所など、M&Aや事業承継の相談先が複数あります。無料で相談できる機関もあるため、M&Aを視野に入れている方はまずは相談することから始めてみましょう。
M&Aは一朝一夕で成立するものではなく、成功させるためには多くのポイントを意識する必要があります。はじめてM&Aに取り組む場合や、M&Aの一連のプロセスをサポートしてもらいたい場合は、M&A仲介会社に相談するのがおすすめです。
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