大阪府で事業承継を行うには?支援制度や相談先を解説
2024年8月19日
このページのまとめ
- 大阪府では事業承継を前向きに考えている企業は多いが後継者不在の企業も多い
- 社長の平均年齢が全国でも若く、後継者を決める必要性を感じていない社長が多い
- 休業を選ぶ企業は少ないが、倒産比率は全国一高い
- 大阪府では事業承継の相談機関が多い
- 大阪府や商工会議所、信用保証協会では事業承継に活用できる多彩な融資制度を実施
大阪府では事業承継について前向きに考えつつも、年齢が若いことから、後継者を選ぶ必要性を感じていない経営者が少なくありません。また、個人資産として事業の資産を有している経営者が多く、引継ぎが難しいことも、後継者不在につながっています。
本記事では、大阪府の事業承継に見られる特徴や課題を解説します。また、事業承継について相談できる機関や活用できる融資制度の情報もまとめたので、ぜひ参考にしてください。
目次
大阪府の事業承継の特徴
事業承継がスムーズにできず、廃業する企業も少なくありません。国では事業承継を後押しするための税制や支援機関を設けていますが、まだまだ課題が多いのが現状です。
大阪府は中小企業が企業全体の99.6%に相当し、なかでも小規模企業は全体の83.8%を占めています。中小企業や小規模企業では、後継者不在から廃業・倒産に至るケースも珍しくありません。大阪府では事業承継においてどのような特徴が見られているのか、わかりやすく解説します。
参照元:大阪シティ信用金庫「大阪府の企業数について」
社長の平均年齢は全国でもっとも若い
株式会社東京商工リサーチによると、2022年の社長平均年齢は63.02歳でした。これは同社が調査を開始してからもっとも高い年齢で、経営者の高齢化が全国的に進んでいることがわかります。
大阪府の社長平均年齢は61.76歳と、都道府県の中ではもっとも若いものの、前年の調査(61.50歳)よりは高齢化が進んでいました。なお、もっとも社長平均年齢が高い都道府県は秋田県の65.33歳で、次いで高知県の64.94歳、長崎県の64.60歳でした。いずれの都道府県でも前年より社長平均年齢が高くなっており、事業承継がスムーズに進んでいないことをうかがわせます。
参照元:株式会社東京商工リサーチ「社長の平均年齢 過去最高の63.02歳 ~ 2022年「全国社長の年齢」調査 ~」
事業承継について前向きに検討している企業は多い
大阪府商工労働部によれば、大阪府の中小企業において、事業承継を「最優先の経営上の問題と認識している」と回答した企業は13.1%、「経営上の問題のひとつと認識している」と回答した企業は58.3%でした。合計すると7割超の企業では、事業承継について前向きに検討していると考えられます。
また、事業承継についての計画の有無を問う質問に対して、「計画があり、進めている」と「すでに事業承継を終えている」のいずれかに回答した企業は、大阪府では39.9%ありました。全国平均は37.1%であったことから、大阪府の企業では事業承継について比較的前向きに検討していることがわかります。
事業承継を前向きに検討している企業が多い理由としては、次のものが挙げられます。
- 経営者が高齢だから
- 親族承継が見込めないから
- 廃業するにはコストがかかりすぎるから
しかし、前向きに検討している企業が多い一方で、事業承継の「計画はない」「計画はあるが、まだ進めていない」と回答する企業も少なくありませんでした。事業承継に着手しない理由としてもっとも多かったのが「まだ事業を譲る予定がない」で、大阪府の企業のうち39.5%が回答していました。これは全国平均の35.8%より高く、社長が比較的若いことも一因と考えられます。
企業経営者が、育ててきた事業や企業に愛着を持つのは当然のことです。自分が立ち上げた事業や親から引き継いだ企業なら、なおさら愛着は強まるでしょう。
大切な事業だからこそ、「事業承継により次世代に遺したい」と頭では考えるものの、「現役を退くにはまだ早い」という相反する思いが交錯し、実際に事業を譲ることに対しては消極的になっている様子がうかがえます。
参照元:大阪府商工労働部「大阪府における中小企業の事業承継支援の課題と方向性」
後継者不在の企業も多い
東京商工リサーチによれば、後継者不在の企業の割合は全国的に低下しつつあります。
後継者不在率 | 社長平均年齢 | |
2016年 | 66.1% | 59.3歳 |
2017年 | 66.5% | 59.5歳 |
2018年 | 66.4% | 59.7歳 |
2019年 | 65.2% | 59.9歳 |
2020年 | 65.1% | 60.1歳 |
2021年 | 61.5% | 60.3歳 |
2022年 | 57.2% | 60.4歳 |
2023年 | 53.9% | 60.8歳(推定値) |
※社長平均年齢は株式会社帝国データバンクの「全国社長年齢分析(2022年)」に基づいているため、上記の「2022年 全国社長の年齢調査」とは数値が異なります。
いくつか例外もありますが、全体的に見ると、社長の平均年齢が上がることで後継者不在率が低下しています。社長の年齢が上がり、後継者を決める必要性に迫られている企業が増え、結果的に後継者不在率の低下につながったケースも多いと推測されるでしょう。
また、2016年~2020年はほぼ変化していないのに対し、2021年以降は一転して後継者不在率が急激に低下しています。これは自治体や地域金融機関などの事業承継窓口が全国に普及した時期と重なっています。国や民間による事業承継の支援体制が整備・アナウンスされたことで、後継者候補を決めておく重要性が認知されるようになり、後継者不在率の大幅な低下をもたらしたと考えられるでしょう。
社長の年代別の後継者不在率については、以下をご覧ください。
社長の年代 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
30代未満 | 92.7% | 91.2% | 89.3% | 85.3% |
30代 | 91.1% | 89.1% | 86.3% | 82.9% |
40代 | 84.5% | 83.2% | 79.3% | 75.1% |
50代 | 69.4% | 70.2% | 65.7% | 60.0% |
60代 | 48.2% | 47.4% | 42.6% | 37.7% |
70代 | 38.6% | 37.0% | 33.1% | 29.8% |
80代以上 | 31.8% | 29.4% | 26.7% | 23.4% |
全国平均 | 65.1% | 61.5% | 57.2% | 53.9% |
社長が若ければ若いほど後継者を決めていない割合が高まります。しかし、どの年代も後継者不在率が年々減少していることから、後継者を決めておくことの大切さが周知されてきたと見られます。今後も社長年齢が高まり、事業承継に対する認識がより一層浸透していくと予想されるため、後継者不在率の右肩下がりは続くと考えられるでしょう。
参照元:株式会社帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023 年)」
廃業を選択する企業も多い
後継者不在率は年々減少してはいますが、2023年時点でも半数弱の企業では後継者不在の状態が続いています。2019(令和元)年の経済センサス基礎調査によると、大阪府・大阪市ともに休業率は全国平均よりも低く、廃業率は高いことがわかります。
総事業所数 | 休業事業所数(休業率) | 廃業事業所数(廃業率) | |
全国 | 6,398,912 | 117,514(1.84%) | 699,989(10.94%) |
大阪府 | 513,797 | 9,427(1.83%) | 67,517(13.14%) |
大阪市 | 249,999 | 3,882(1.55%) | 40,053(16.02%) |
関西地域ではM&Aに対してネガティブなイメージを持っている中小企業経営者は多く、事業承継の決断ができないまま倒産に至るケースが多いといわれています。大阪府も例外ではありません。休業率は全国と同程度~やや低いことから、休業に対して抵抗があり、廃業を余儀なくされた実態が浮かび上がります。
また、大阪府商工労働部のデータによれば、倒産比率は0.418%と全国1位(2016年時点。全国平均は0.227%)でした。経営不振や後継者不在で事業存続が危うくとも、休業・廃業を選択しないまま倒産に至るケースが少なくないことがうかがえます。
参照元:経済センサス基礎調査「令和元年経済センサス‐基礎調査 甲調査(民営事業所) 事業所の活動状態に関する集計」
大阪府の事業承継を阻む4つの課題
大阪府商工労働部の調査によれば、事業承継について「計画はない」「計画はあるが、まだ進めていない」と回答した大阪府の経営者は47.1%でした。その理由としては、次のものが挙げられています。
- 後継者を選ぶ必要性を感じていない
- 個人資産の取扱いに悩んでいる
- 事業の将来性に不安を感じている
- 事業承継についての相談相手がいない
いずれもスムーズな事業承継を阻む課題と考えられます。それぞれの課題について探っていきましょう。
後継者を選ぶ必要性を感じていない
大阪府では比較的若い社長が多いことから、まだ後継者を選ぶ必要性を感じていないケースも多いようです。体力や気力も十分にあり、事業を次代に譲るという発想には至らないのでしょう。
しかし、心身の衰えは徐々にやってくるのではありません。また、病気やケガもあるため、若さだけに頼るのは不安です。年齢に関わらず、早めに後継者を選び、育成しておくことが大切といえるでしょう。
個人資産の取扱いに悩んでいる
大阪府では小規模事業者が多く、個人資産と事業用資産が明確に分離されていないケースも多いようです。事業を承継することが個人資産の引き渡しを意味することも多く、すぐには思い切れない経営者も少なくありません。
個人資産として事業用資産を保有している場合は、後継者に引き渡す際に贈与税が発生する可能性があります。また、事業上の借入に対して個人保証があるときも、後継者にそのまま引き継ぐことが難しくなります。
事業の将来性に不安を感じている
事業の将来性に不安を感じていることから、安易に次世代に承継できない経営者も少なくありません。赤字が続いている事業や自転車操業でなんとか乗り切ってきた事業なら、事業に対する思い入れがあっても、「自分の世代で畳もう」と考えるのは自然なことです。
実際のところ、永続的なビジネスモデルはないため、現時点で優れた業績を上げていても、代替わり後も好調さを維持できるとは限りません。反対に、現時点で赤字でも、後継者の経営手腕や市場ニーズの変化によっては、業績が好転する可能性があります。まずは後継者を見つけ、次世代に託してみることが大切です。
事業承継についての相談相手がいない
事業承継について考える気持ちはあっても、適切な相談相手がいないケースも多いようです。とくに小規模事業の場合、事業承継にはあまり他人には話したくない悩み(子どもと意見が合わない、負債が多いなど)が関わっていることが多いため、知り合いや経営者仲間には相談しにくいと感じるのでしょう。
相談相手がいないときは、事業承継の支援機関を利用してみてはいかがでしょうか。後述する「大阪府での事業承継に活用できる機関」は、いずれも無料で相談できるだけでなく、話した内容は口外されないため、安心して利用できます。
大阪府の事業承継に見られる3つの方法
大阪府商工労働部が府内の事業承継を経験した中小企業(一部、事業承継の準備中)に対してヒアリング調査を実施したところ、次の結果が得られました。
同族内承継 | 48件(85.71%) |
同族外承継 | 4件(7.14%) |
第三者による承継 | 4件(7.14%) |
母数は少ないものの、親族内承継が多いことがわかります。それぞれの方法について解説します。
親族内承継
大阪府の事業承継において、子どもや甥・姪、子の配偶者などの親族に承継するケースがもっとも多くありました。早めに後継者を決めておけば、育成時間も十分に取れ、計画的に事業承継を進められます。
しかし、後継者として決めたものの、経営者としての資質が備わっていないと判明することもあります。また、後継者として適切な人材が親族内にいないケースもあるでしょう。早めに見極め、親族外や第三者による承継も視野に入れる必要があります。
社内承継
社内の役員や従業員など、親族以外の人材を後継者に指名するケースもあります。社内人材なら経営方針や社風を深く理解しているため、スムーズな承継が可能です。
ただし、後継者に資力がない場合は、株式を買い取れません。資金不足を理由に承継を辞退するケースも想定されるため注意が必要です。
M&A
親族や社内に適切な人材がいない場合は、第三者に会社・事業を売却するM&Aも検討できます。経営手腕の確かな人材が承継すれば、事業の飛躍的な発展も期待できます。
ただし、売却先の選定や交渉にはM&Aの専門的な知識が必要です。次に紹介する事業承継支援機関のサポートを受け、慎重に進めていくことが大切です。
大阪府での事業承継に活用できる機関
大阪府内には多くの事業承継に活用できる支援機関があります。主な支援機関と料金、特徴は以下をご覧ください。
事業承継支援機関 | 料金 | 対応範囲 | 特徴 |
後継者バンク | 相談無料 | 相手候補の紹介、事業承継成約までのサポート | 府内の創業希望者を紹介してもらえる。個人事業主も利用できる |
事業承継相談デスク | 相談無料 | 事業承継関連の相談 | 事業承継に詳しい中小企業診断士に相談できる |
大阪府よろず支援拠点 | 相談無料 | 経営や創業に関する相談 | 個人・団体を問わず誰でも利用できる。国の相談施設 |
大阪府中核人材雇用デスク | 相談・紹介無料 | 人材紹介に関する相談 | 中小企業向けの人材紹介サービス |
大阪府中小企業団体中央会 | 相談無料 | 経営や組織化に関する相談 | 組合設立や組織化の相談に対応。課題によっては専門家の紹介あり |
商工会・商工会議所 | 相談無料 | 経営や創業に関する相談 | 補助金紹介あり。府内の事業者のみ会員になれる |
地方銀行・メガバンク | 相談無料 | 融資に関する相談、M&Aのサポート | 取引の有無や事業規模によって対応できる内容が限られることがある |
M&A仲介会社 | 相談・紹介無料 | M&Aに関する相談・相手候補の紹介・事業承継成約のサポート | 地域を問わず相手候補を紹介してもらえる、成約まで一貫したサポートを受けられる |
後継者バンク(大阪府事業承継・引継ぎ支援センター)
大阪府事業承継・引継ぎ支援センターが実施する「後継者バンク」では、登録している創業希望者に後継者不在の事業者を引き合わせ、事業承継成立までの一貫したサポートを提供しています。必要に応じて、司法書士や税理士などの専門家と連携し、トラブルのないスムーズな事業承継を目指します。
ただし、大阪商工会議所や大阪ビジネスサポートプラザなどの府内機関経由で登録した創業希望者のみ紹介するため、府外の事業者とはマッチングできません。相手が見つからず、長期間待たされる可能性もあるため、早めに相談することが必要です。
参照元:大阪府事業承継・引継ぎ支援センター「後継者バンク」
事業承継相談デスク(大阪商工会議所)
大阪商工会議所の「事業承継相談デスク」は、中小企業向けの事業承継サポート機関です。基本的には事業承継関連の相談のみ受け付けており、実務に関しては大阪府事業引継ぎ支援センターに引き継ぎます。
参照元:大阪商工会議所「「事業承継相談デスク」の新規開設 ならびに「中小企業の事業承継に関するアンケート調査結果」について」
大阪府よろず支援拠点(大阪産業振興機構)
「大阪府よろず支援拠点」は、国が運営する経営無料相談所です。事業承継についてだけでなく、資金繰りや起業などの幅広い悩みを相談できます。
参照元:大阪産業振興機構「大阪府よろず支援拠点」
大阪府中核人材雇用デスク
「大阪府中核人材雇用デスク」は、内閣府のプロフェッショナル人材戦略事業に基づく支援機関です。経営に関する悩みをヒアリングし、人材紹介会社と連携して経営課題解決のための人材確保をサポートします。事業承継でお悩みの場合は、経営者候補となる人材の紹介を受けられます。
参照元:大阪産業局「中核人材雇用戦略デスク」
大阪府中小企業団体中央会
「大阪府中小企業団体中央会」は、中小企業の振興・発展のための特別認可法人です。中小企業の経営相談や、小規模事業の組織化促進などをサポートします。他の事業者との提携を検討しているときにも相談できます。
参照元:大阪府中小企業団体中央会
商工会・商工会議所(大阪府商工会連合会)
「大阪府商工会連合会」は、府内の事業者が会員となり、事業発展・地域発展に向けた活動を行う機関です。経営相談や創業支援、補助金紹介などにも対応しています。
参照元:大阪府商工会連合会
地方銀行・メガバンク
地方銀行やメガバンクでは、融資相談に対応しています。M&Aのサポートを実施している金融機関もありますが、取引の有無や事業規模によっては利用できないことがあります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aの相談から相手候補の紹介、成約までの一貫したサポートを提供する専門会社です。
全国展開しているM&A仲介会社なら、大阪府以外の相手候補も紹介できるため、幅広い選択肢から希望に沿った事業承継を実現しやすくなります。なお、一般的に相談や紹介は無料です。
大阪府での事業承継に活用できる支援制度
大阪府での事業承継に活用できる支援制度には、次のものがあります。
事業承継支援制度 | 概要 |
事業承継税制 | 後継者に非上場会社の株式を贈与・相続するときに、贈与税・相続税が事実上非課税になる制度 |
チャレンジ応援資金 | 事業承継時の資産取得に活用できる低金利の融資制度 |
事業承継特別保証 | 事業資金に活用できる低金利の融資制度 |
事業承継サポート保証 | 事業承継に必要な設備資金に活用できる低金利の融資制度 |
経営承継関連保証 | 事業承継時の資産取得に活用できる低金利の融資制度 |
事業承継マッチング支援 | 手数料無料で利用できるM&Aの相手候補紹介制度 |
経営資源移転円滑化支援事業 | 民間のM&A仲介会社と提携したM&Aの相手候補紹介制度 |
事業承継税制
事業承継税制は、後継者が非上場会社の株式などを贈与・相続によって取得した場合において、一定条件のもとで贈与税・相続税を猶予する制度です。後継者の死亡などにより猶予されていた贈与税・相続税の納付が免除されるため、事実上、非課税での贈与・相続が可能になります。
参照元:大阪府「事業承継支援の推進」
チャレンジ応援資金
チャレンジ応援資金は、一定条件を満たし、3年以内に事業承継をする中小企業を対象とした大阪府信用保証協会の融資制度です。保証人なしで2億円まで、うち無担保は8,000万円まで、低金利で事業承継時の資産取得費用を借りられます。
参照元:大阪府信用保証協会「チャレンジ応援資金」
事業承継特別保証
事業承継特別保証は、事業承継予定もしくは事業承継済の中小企業を対象とした大阪府信用保証協会の融資制度です。事業資金として、有担保で2億円まで、無担保で8,000万円までを低金利で借りられます。
参照元:大阪府信用保証協会「事業承継特別保証」
事業承継サポート保証
事業承継サポート保証は、事業承継を目的として株式などを取得する中小企業を対象とした大阪府信用保証協会の融資制度です。事業承継計画の実施に必要な設備資金を、有担保で2億円まで、無担保で8,000万円まで低金利で借りられます。
参照元:大阪府信用保証協会「事業承継サポート保証」
経営承継関連保証
そのほかにも大阪府信用保証協会では、次の融資制度を実施しています。なお、いずれの制度も都道府県知事による経営承継円滑化法の認定が必要です。
融資制度名 | 資金使途 |
経営承継関連保証 | 後継者の就任後、会社が株式などを取得する資金、もしくは個人事業主から事業承継した後継者が事業用資産などを取得する資金 |
特定経営承継関連保証 | 後継者の就任後、後継者が株式などを取得する資金 |
経営承継準備関連保証 | 申込会社が経営承継に必要な株式などを取得する資金、もしくは個人事業主が経営承継に必要な事業用資産などを取得する資金 |
特定経営承継準備関連保証 | 事業を営んでいない後継者が、就任前に経営承継に必要な株式などを取得する資金 |
参照元:大阪府信用保証協会「経営承継関連保証」
事業承継マッチング支援
事業承継マッチング支援は、北大阪商工会議所と日本政策金融公庫守口支店が共同して実施する小規模事業者のマッチング支援制度です。北大阪商工会議所の会員のみ利用できます。
参照元:北大阪商工会議所「事業承継マッチング支援」
経営資源移転円滑化支援事業
経営資源移転円滑化支援事業とは、大阪府が実施する事業承継のマッチング支援制度です。府内の中小事業者を対象とした制度で、民間のM&A仲介会社を通した相手候補紹介を受けられます。
参照元:大阪府「経営資源移転円滑化支援事業」
まとめ
大阪府の中小企業・小規模事業の経営者は、事業承継に対して前向きに検討しているものの、実際には後継者を決めずに問題を先送りしている傾向が見られます。社長が比較的若く、事業承継を遠い未来のように感じていることも、その一因と考えられます。
しかし、国や自治体などが事業承継を支援する機関・制度を構築し、積極的にアナウンスした結果、若い世代でも事業承継を自分事として考える流れが生まれてきました。
とはいえ大阪府内の機関は、府内の事業者のみを対象としていることが多く、相手が見つかりにくいのも事実です。より広い視点で後継者候補を探すなら、全国規模のM&A支援を実施している仲介会社に相談することをおすすめします。
M&Aを成功させるためにも、ぜひレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にご相談ください。レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社では、全国から候補企業をご紹介し、成約まで一貫したサポートをご提供いたします。
料金は完全成功報酬型で、M&A成約まで無料でご利用いただけます(譲受側のみ中間金あり)。事業承継でお悩みのときは、まずはお気軽にお問い合わせください。