このページのまとめ
- 事業承継の専門家には「M&A仲介業者」「弁護士」「税理士」などがある
- 専門家を大別すると「専門領域特化型」「包括的支援型」「アドバイザー型」となる
- 多数の専門家から選定するポイントは、支援範囲や予算、専門家の人柄が挙げられる
- 事業承継の専門家は、インターネット検索や公的機関を利用して探す
- 事業承継・引継ぎ補助金には、専門家を活用する際に使える種類もある
「事業承継をしたいけど、どんな専門家を頼れば良いの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
事業承継に関わる専門家は、過程によって異なります。また、専門家と呼ばれる職業のなかには事業承継をトータルにサポートしてくれる専門家もあります。
このコラムでは、事業承継にかかわる専門家の種類や役割について解説。また、専門家を通じて事業承継が成功した事例や、事業承継の際に役立つ補助金についても、あわせて紹介します。
目次
事業承継で専門家が介入する意味
事業承継で専門家が介入する理由は、一言でいえば「事業承継を成功させるため」ですが、詳しくは主に次の3つが挙げられるでしょう。
- 事業承継におけるさまざまな経営課題の解消
- 高度な専門知識の提供
- 客観性の担保
専門家とはその名のとおり、事業承継に関する高度な専門性を有しているため、これらの専門知識や経験を提供することが1つの役割となります。この専門性を活かし、事業承継の過程で発生するさまざまな課題の解決に資する役割を担います。
また事業承継を行う企業の外部というポジションから、客観的な視点を提供する点も専門家が介入する意味といえるでしょう。
事業承継にかかわる専門家の種類
事業承継にかかわる専門家の種類について説明します。
M&A取引・交渉を進める際には、次のような専門家を適宜選ぶとよいでしょう。
詳細は個別に解説しますが、まとめると代表的な専門家は次のとおりです。
専門家の種類 |
専門家 |
主な特徴 |
専門領域特化型 |
弁護士 |
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司法書士 |
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税理士 |
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行政書士 |
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公認会計士 |
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包括的支援型 |
M&Aの仲介業者 |
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事業承継・引継ぎ支援センター |
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コンサルティング会社・FA |
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アドバイザー型 |
金融機関 |
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事業承継士 |
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中小企業診断士 |
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認定事業再生士 |
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事業承継アドバイザー・事業承継プランナー |
専門領域特化型
専門領域特化型は、法律や税務、会計など特定の専門領域に特化しているのが特徴です。特定の領域に深い知識を持っており、クライアントに対して専門的なアドバイスを提供します。
弁護士
法律が関係する業務を専門とするため、事業承継で法律に関わる手続きを担当してもらえます。
会社に顧問弁護士がついている際には、相談してみることもおすすめです。
ただし、弁護士は事業承継の仲介業務が業務範囲外のため、弁護士のみですべてを完結させることは難しいといえます。
司法書士
司法書士は上記の弁護士と同様に、法律知識が豊富な専門家です。したがって、事業承継では法律に関わる課題や論点の対応を担うでしょう。
弁護士との違いは、司法書士は主に登記関連手続きを強みとする点にあり、事業承継の対象物に登記手続きを伴う不動産などが多く含まれている場合は、司法書士の方が適任といえます。
税理士
会計や税務が関連する業務を専門とするため、事業承継問題では、会計や税務の分野について担当します。
税理士は経営についての知識を持ち合わせている人が多いため、事業承継も含めた経営についての相談をしてみることもおすすめです。
ただし、弁護士と同様に、事業承継の仲介業務が業務範囲外のため、税理士のみですべてを完結させることは難しいでしょう。
行政書士
事業承継問題の解決においては、親族内の事業承継で相続・贈与・許認可の申請などを行うこともあります。
ただし行政書士も、弁護士や税理士などと同様に事業承継の仲介業務が業務範囲外のため、すべてを完結させることは困難です。
公認会計士
会計監査を中心に行う会計を専門とした専門家です。
公認会計士は税理士の業務も兼任し、M&Aや事業承継についてのサポートを行っている機関に在籍している人もいます。
そういった意味では、事業承継問題について相談してもよいといえます。
包括的支援型
包括的支援型は、事業承継のプロセス全体を包括的にサポートするのが特徴です。特定の専門領域に関わらず、幅広い範囲のM&Aプロセスをカバーし、総合的な解決策を提案します。
M&Aの仲介業者
M&Aアドバイザリー会社およびM&Aの仲介業者は、事業承継を包括的に支援してくれる専門家です。事業承継をはじめとするM&Aに精通しています。
会社によって得意とする業界・規模が異なるので、自社に合った会社を選んでください。
料金体系はさまざまですが、相談は無料で受け付けていることが多いので、いくつか候補があれば問い合わせてみるのがおすすめです。
問い合わせた結果、信頼できそうな会社に依頼しましょう。
事業承継・引継ぎ支援センター
「事業承継ネットワーク」と「事業引継ぎ支援センター」を統合させて創設された公的機関が「事業承継・引継ぎ支援センター」です。
円滑な事業承継・引き継ぎを推進する目的で、中小企業庁によって開設されました。
事業承継計画の策定から譲渡・譲受事業者間のマッチングまで対応してくれるため、初めての人でも安心して利用できるといえます。
コンサルティング会社・FA(ファイナンシャルアドバイザー)
コンサルティング会社やFAは、M&A仲介会社と同様に事業承継に関する全般的な支援が可能です。ただし、M&A仲介会社との違いとしては、M&A仲介会社が対象企業の間に第三者として介入するのに対して、コンサルティング会社やFAは買い手か売り手どちらか一方の立場をとることが挙げられます。
また、M&A仲介会社よりも支援テーマが幅広い会社も多く、M&A戦略の策定などから支援可能な点が特徴です。一方で、その分、費用が高額になりやすいことには留意しましょう。
アドバイザー型
アドバイザー型は、クライアントに対して戦略的な助言を提供するのが特徴です。事業承継においても戦略的な視点からアドバイスを提供し、将来的な成功に向けた計画立案を支援します。
金融機関
銀行や信用金庫、生命保険会社などの金融機関では、事業承継専用の窓口を設けている機関も多く、アドバイスや案件の紹介をしてもらえます。
ただし、金融機関側のメリットとなる融資などに紐付くことが前提となる場合もあるため、各金融機関の支援内容や条件は事前によく確認しておきましょう。
事業承継士
事業承継士とは、「一般社団法人 事業承継協会」が認定する民間資格の1つです。
国家資格である弁護士や税理士らと比べて専門性は異なるものの、事業承継に関する幅広い領域のアドバイスが可能な点が特徴です。そのため、比較的安価で、まずは軽く相談をしてみたいという方におすすめです。
中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業経営者に対して経営に関するアドバイスを行うことを専門とする国家資格です。中小企業診断士は、経営のアドバイスの1テーマとして事業承継についても取り扱っています。
事業承継士と同様に幅広い領域でのアドバイスが可能で、経営戦略など事業承継以外の側面も捉えたアドバイスをもらえる点に強みがあるといえるでしょう。
認定事業再生士
認定事業再生士は「一般社団法人 日本ターンアラウンド・マネジメント協会」が認定する民間資格です。
事業承継の中でも、特に事業再生に専門性を有しており、経営状況が危うい状況下で事業承継を行う場合や、不採算事業を承継してしまった場合などに適した専門家であるといえます。
事業承継アドバイザー・事業承継プランナー
事業承継アドバイザーは「一般社団法人 金融協定協会」が、事業承継プランナーは「一般社団法人 事業承継協会」が認定する民間資格です。
上記で紹介してきた個人型のアドバイザーよりも、そもそも事業承継をすべきか、何をすべきかといった経営者に寄り添った形での相談が可能となります。
事業承継アドバイザーや事業承継プランナーについて、下記の記事でも詳細に解説しているため参考にしてください。
関連記事:「事業承継コンサルティングとは?サービス内容やメリット・選び方などを解説」
事業承継の専門家を選定する際のポイント
前章のとおり、事業承継を支援してくれる専門家は数多く存在します。その中から、適切な専門家を選ぶための判断ポイントを本章では紹介していきます。
事業承継の専門家を選定する際のポイントとしては、大きく次の3点が挙げられるでしょう。
- 自社の足りないケイパビリティや課題を感じているテーマとの合致
- 予算および報酬形態
- 自社担当者と専門家の相性や適正なコミュニケーション
1. 自社の足りないケイパビリティや課題を感じているテーマとの合致
まずは自社に不足しているケイパビリティやテーマが何かをきちんと把握することが肝要です。
例えば、そもそも事業承継を実施すべきか否かを迷っている段階で、弁護士や税理士などの専門家に相談することは、あまり適切とはいえません。
もちろん普段からお世話になっている弁護士や税理士であれば、このような気軽な相談に乗ってくれるケースもありますが、そうでない場合、事業承継士や中小企業診断士の方が適任といえます。
なお、既に自社で専門的な知見を有している人材がいる場合に、無理に外部の専門家を活用する必要性はありません。
2. 予算および報酬形態
2つ目のポイントは予算や報酬形態についてです。支援範囲の広さや専門性の高さに応じて、費用は高額となるため、全体的な予算に合わせて適切な専門家を選ぶことを心掛けましょう。
また、多くの専門家は基本的に人月単価での請求を行います。しかし実際には、相談内容の不確実性が高く、高額な予算をかける価値があるか判断がつかない場合もあるでしょう。そのようなケースでは報酬形態として、例えば成功報酬による契約を行っている専門家を選定することも判断軸の1つとなり得ます。
3. 自社担当者と専門家の相性や適正なコミュニケーション
支援範囲や予算の他に挙げられる選定ポイントとしては、専門家自身との相性や人柄も重要です。
例えば、伴走型で寄り添ってくれるタイプの専門家を好む企業や担当者もあれば、外部の専門家として冷静で客観的に、時には厳しい意見を求める場合もあり得ます。
このような違いは専門家の職種ではなく、専門家個人の特性や人柄によるものが大きいので、選定の際には意識すると良いでしょう。
事業承継需要の高まりで創設された新資格
事業承継の需要の高まりで創設された新資格もあります。
ここでは、その新資格を2つご紹介します。
事業承継士
一般社団法人事業承継協会が認定を行う民間資格で、「多くの中小企業に事業承継の重要性を普及させるとともに、事業承継を行う際に重要な役割を担う人材の養成」を目的として掲げています。
事業承継協会が認定した、税理士や公認会計士、弁護士などの国家資格を保有している方、もしくは同等の知識を保有している方のみ、資格取得が可能です。
事業承継士は、事業承継に関することを総合的にサポートする能力を認められた専門家です。
経営承継アドバイザー
経営承継アドバイザーは、経営者に寄り添い、経営者を支援するための人材育成を目指して創設された民間資格です。一般社団法人の日本金融人材育成協会が認定しています。
弁護士や税理士などの専門的な知識を持って支援するだけではなく、「小規模・中小企業の事業承継をどのように支えるか」という視点で事業継続にも関わりを持つことが、経営承継アドバイザーの特徴です。
事業承継を成功させるポイント
事業承継を成功させるためのポイントは「早いうちから計画を立てておくこと」です。
事業承継を考える際に、経営者の高齢化により事業継続が困難になり、考え始めるケースが多く見受けられます。
70歳~80歳代では大きな病気にかかりやすくなったり、経営についての自己判断が難しくなったりします。
そのうえ、事業承継問題の解決は容易でないため、高齢化した経営者にとっては大きな負担となるのです。
そのため、企業の課題・問題や、不安に思っていることなどは事前に発見し、こまめに解決しておくことが重要です。
また、可能な限り、早めの承継者決定をおすすめします。
「経営者の親族内」「会社役員・従業員」「第三者」のうち、誰に承継するかだけでも決めておくと、事業承継問題はスムーズに進みやすいです。
承継者のピックアップ段階では、専門家のアドバイスも参考にしたり、公的機関に相談したりして、経営者の独断で決めてしまわないようにすると良いでしょう。
専門家へ依頼する3つの方法
実際に、事業承継を専門家へ依頼する方法を3つご紹介します。
自分の企業に合った方法を適宜選択するとよいでしょう。
1.公的機関を利用する
公的機関を利用するには「事業承継・引継ぎ支援センターに相談する」方法があります。
無料で気軽に相談もでき、国の事業として創設されている公的機関のため安心です。
事業承継問題の検討段階であっても、相談することで専門的なアドバイスがもらえて、非常に参考になるといえます。
2.インターネットで探す
弁護士や税理士など「事業承継に詳しい専門家をインターネットから探す」ことは専門家を探すうえで有効な手段の1つです。
インターネットで探す際には、以下のようなポイントを意識するとスムーズです。
- 専門家の事業承継の実績が、どの程度あるかを見る
- 業務範囲がはっきりしている専門家にする
- 料金形態がはっきりしている専門家にする
3.M&A仲介業者に依頼する
「M&A仲介業者に依頼する」方法はM&Aの専門家に依頼を行うおすすめの手段です。
仲介業者に直接問い合わせて具体的なアドバイスを要求する方法があります。
また、多くの仲介業者が事業承継についての無料相談会を実施しています。
それを利用して事業承継について知識を深め、計画がはっきりと進みだしてから、再度仲介業者に依頼する方法もよいでしょう。
事業承継に役立つ「事業承継・引継ぎ補助金」
事業承継に役立つ「事業承継・引継ぎ補助金」について、令和4年度版でご紹介します。
補助金の利用には条件があるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
「事業承継・引継ぎ補助金」の条件
「事業承継・引継ぎ補助金」の申請には、いくつかの条件があります。
申請前に事前に確認しておきましょう。
詳細な条件は以下のとおりです。
- 「jGrants」(※1)での電子申請をする
- 「gBizIDプライム」アカウント作成をする
- 「中小M&A支援機関に係る登録制度」に登録された登録ファイナンシャルアドバイザー、または、M&A仲介業者が支援したものである(※2)
- 事務局が認めたもの(※3)
(※1)経済産業省が運営する補助金の電子申請システム
(※2)ファイナンシャルアドバイザー業務、または、M&A仲介業務にかかる相談料、着手金、成功報酬などの中小M&Aの手続進行の総合的な支援に関する手数料が対象
(※3)FA・M&A仲介費用以外の経費が対象
参考:2022 事業承継・引継ぎ補助金事務局「令和4年度 当初予算 事業承継・引継ぎ補助金」
「事業承継・引継ぎ補助金」の種類
「事業承継・引継ぎ補助金」の種類について、3種類をご説明します。
「事業承継・引継ぎ補助金」の経営革新事業
「経営革新事業」とは新システム・新ブランドの創設や新設備の導入などの費用を一部補助する事業です。
あらゆる理由で事業承継をした中小企業の経営者が、事業承継を機に経営の革新的取り組みを進める際に、申請できます。
この革新的取り組みとは、事業拡大や新市場参入、生産性向上などを指します。
また、申請には3つの類型があるため、該当する型をあらかじめ確認しておきましょう。
創業支援型(Ⅰ型)
“以下の1~2をいずれも満たすこと
- 事業承継対象期間内における法人(中小企業者)設立、又は個人事業主としての開業
- 創業にあたって、廃業を予定している者等から、株式譲渡、事業譲渡等により、有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)の引き継ぎを受けること
※ 廃業に伴い店舗や設備のみを引き継ぐ等、個別の経営資源のみを引き継ぐ場合は対象外”
経営者交代型(Ⅱ型)
“以下の1~2をいずれも満たすこと
- 親族内承継や従業員承継等の事業承継(事業再生を伴うものを含む)
- 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること”
M&A型(Ⅲ型)
“以下の1~2をいずれも満たすこと
- 事業再編・事業統合等のM&A(親族内承継を除く)
- 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること
※ 令和4年度当初予算における事業承継対象期間は、 2017年4月1日~2022年12月16日です。
※ 経営者交代型(Ⅱ型)における承継者が法人の場合、事業譲渡や株式譲渡等による承継は原則として対象となりません。(原則は同一法人内での経営者交代となります。)
※ 創業支援型(Ⅰ型)、M&A型(Ⅲ型)ともに、物品・不動産等のみを保有する事業の承継(売買含む)は対象となりません。”
引用元:事業承継・引継ぎ補助金事務局「経営革新事業の類型」
「事業承継・引継ぎ補助金」の専門家活用事業
「経営革新事業」とは、経営資源の引き継ぎを行う際にかかる経費を補助する事業です。
後継者不在により事業継続が困難な場合に実施する事業再編や事業統合などの取り組みに対して補助が出ます。
注意点として、事業補助事業期間内に株式譲渡や事業譲渡などの手続きは、終了させておくことが必要です。
また、申請には2つの類型があるため、該当する型をあらかじめ確認しておきましょう。
買い手支援型(Ⅰ型)
“事業再編・事業統合に伴い、株式・経営資源を譲り受ける予定の中小企業等を支援する類型で、以下1~2をいずれも満たすことが要件です。
- 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
- 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。”
売り手支援型(Ⅱ型)
“事業再編・事業統合に伴い、株式・経営資源を譲り渡す予定の中小企業等を支援する類型で、以下1を満たすことが要件です。
- 地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。
※ なお、不動産売買のみの引継ぎは、買い手支援型、売り手支援型のいずれもおいても補助対象外となります。”
引用元:事業承継・引継ぎ補助金事務局「専門家活用事業の類型」
「事業承継・引継ぎ補助金」の廃業・再チャレンジ事業
廃業した企業の事業の復活・再チャレンジを支援する事業です。
この支援を受けるためにはいくつか条件があるため、事前確認をしっかりとしておきましょう。
「再チャレンジ申請」を行う際には、補助事業期間中に廃業を完了させていることが条件です。
また、「経営革新事業や専門家活用事業との併用申請」を行う際には、補助事業期間中に廃業または事業承継やM&Aを完了させていることが条件です。
申請条件の詳細は、以下で紹介しています。
併用申請
“(1)事業承継またはM&Aで事業を譲り受けた後の廃業
事業承継(事業再生を伴うものを含む)によって事業を譲り受けた中小企業者等が、新たな取り組みを実施するにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※ 経営革新事業との併用
(2)M&Aで事業を譲り受けた際の廃業
M&Aによって事業を譲り受ける中小企業者等(他者の経営資源を引き継いで創業した者も対象)が、事業を譲り受けるにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※ 専門家活用事業との併用
(3)M&Aで事業を譲り渡した際の廃業
M&Aによって事業を譲り渡す中小企業者等が、M&A後も手元に残った事業を廃業する場合。
※ 専門家活用事業との併用”
再チャレンジ申請
“(4)M&Aで事業を譲り渡せなかった廃業・再チャレンジ
M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主、または個人事業主が、地域の新たな需要の創造または雇用の創出にも資する新たなチャレンジをするために既存事業を廃業する場合。”
引用元:事業承継・引継ぎ補助金事務局「廃業・再チャレンジ事業の類型」
「事業承継・引継ぎ補助金」の活用事例
ここでは、事業承継・引継ぎ補助金を活用した事例をご紹介します。
事例1|経営革新 × 経営者交代型
こちらは、経営者が70歳になったタイミングで、親子間での事業承継を進めた事例です。
売上高5~10億円規模のアイケイ自動車は、最新の全自動フロンガス回収再生装置を導入するため、補助対象経費の内訳を「設備費100%」とし、補助金を活用しました。
新設備導入で新たな車整備の取り組みを進め、車種の対応範囲・会社の業務範囲を広げ、売上の増加が期待できると考えています。
事例2|経営革新 × M&A型
こちらは、72歳になった経営者に代わり、第三者への事業譲渡を決めた事例です。
売上高1~3億円規模のジュエリーブランド「AbHeri(アベリ)」は、新ブランドを創設し新規顧客の開拓を進めるため、補助対象経費の内訳を「外注費73%」「人件費27%」とし、この補助金を活用しました。
長きにわたって愛されてきたブランドでしたが、販促活動やブランドプロモーションに弱みがありました。
さらに、新型コロナウイルスの影響により店舗閉店・売上減少に追い込まれてしまい、従業員と取引先を優先して守るという経緯で、コンサル会社に依頼したのです。
専門家の紹介で、第三者の承継者を見つけました。承継者は、ITを活用した販促活動やマーケティングを強みとしています。
こうして事業譲渡を行い、オンラインショップ開設や新ブランド創設で、新規顧客の開拓に成功しました。
参照元:事業承継・引継ぎ補助金事務局「令和3年度 当初予算 事業承継・引継ぎ補助金 事例集」
まとめ
後継者問題の解決やさらなる企業の発展を目的に、事業承継を検討する経営者は増加傾向にあります。
需要の高まりを受け、国も支援機関や補助金制度などを設けて事業承継を後押ししています。
また、事業承継をサポートしてくれる民間の支援サービスも増加中です。事業承継を成功させるためには専門的なノウハウが求められるため、専門家の支援を受けられるサービスを利用することがおすすめです。
M&AならレバレジーズM&Aアドバイザリーにご相談を
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般をサポートする仲介会社です。
各領域に精通したコンサルタントが在籍しており、あらゆるプロセスにおいて専門性の高いアドバイスを提供します。
M&Aの初期検討から契約締結までの費用は一切不要です(譲受会社のみ中間金あり)。契約が成立し、事業承継が成功した場合のみ、成功報酬として費用をいただいております。
また、個別相談会も無料で受付中です。事業承継についてご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。