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歯科医院の売却を成功させるポイントは?売却の相場や流れを合わせて解説

このページのまとめ

  • 歯科医院の売却は、経営難や後継者不足から増加傾向にある
  • 歯科医院の売却相場は2000万円前後
  • 歯科医院の売却を成功させるためには、財務状況を明確にしておく

拡大を続ける医療業界のM&Aのなかで、注目を集めている業界が歯科業界です。歯科医院の競争が進んでおり、M&Aで事業拡大を進める企業が増加しています。また、後継者問題や経営難に悩み、売却を検討する経営者も多い状況です。歯科医院を今後どのように扱うか、悩む経営者も多いでしょう。本記事では、歯科医院の売却成功に向けたポイントや、売却相場などを解説します。

歯科業界とは 

歯科業界とは、歯科医院をはじめとする業界のことで、歯科機材の製造・販売を扱うメーカーなども含まれます。M&Aに関しても、歯科医院だけではありません。歯科業界のシェア拡大を目指す歯科器材メーカーが、歯科医院を買収するケースもあります。また、歯科医院同士でM&Aを行い、事業継承やシェア拡大を行うこともある状況です。M&Aを成功させるためには、歯科業界全般に関して情報を集めながら、進めることが求められます。

歯科業界の動向

現在の歯科業界は、業界内の競争が激しくなっています。厚生労働省の調査によると、全国の歯科診療所件数は、67,899件です。前年度に比べて、25件増加しました。歯科医院を新しく作り、新規参入する経営者もいます。その一方で、廃業する歯科医院もあります。帝国データバンクの調査によると、2021年に倒産した歯科医院は10件でした。2016年から6年連続で、10件以上の倒産が続いています。このように、現在の歯科業界は、新規参入が増える一方で、競争に敗れて廃業する歯科医院もあります。経営難や後継者不足なども影響し、廃業する歯科医院は今後増える可能性もあるでしょう。

参照元:厚生労働省「Ⅰ 医療施設調査
参照元:帝国データバンク「「診療所」の倒産、前年比 1.8 倍に急増~2021 年の医療機関の倒産 33 件~

歯科医院の事業売却とは

歯科医院の事業売却とは、一般企業の「事業譲渡」と同じ意味合いを持ちます。歯科医院のM&Aを行うこと自体を、事業譲渡と呼ぶこともあるでしょう。歯科医院の場合、経営者は医療法人、または個人事業主になります。そのため、医療法人の場合は、「事業売却」または「持分譲渡」でM&Aを行います。個人事業主の場合、持分がないため、事業売却を行うことを覚えておきましょう。

歯科医院の事業承継とは

事業承継とは、現在の経営者が引退し、後継者に経営を引き継ぐことです。「親族に引き継ぐ場合」「従業員に引き継ぐ場合」「第三者に引き継ぐ場合」の3パターンがあります。一般的な事業承継は、親族や従業員のように、内部で引き継ぐパターンです。しかし、個人で経営して後継者がいないケースや、従業員も高齢化で後を引き継げないケースもあります。そのため、近年では、第三者にM&Aを実施し、事業承継を行うケースも増加しています。

歯科医院の売却が増えている理由 

近年では、歯科医院の売却を行う経営者が増加しています。なぜ、歯科医院の売却が増えているのでしょうか。ここでは、歯科医院の売却が増加している理由を3つ紹介します。

  • 院長の高齢化のため
  • 経営難のため
  • 競争力強化のため

院長の高齢化のため

近年増加している理由が、院長の高齢化です。日本では高齢化社会を迎えており、経営者にもその波が波及しています。高齢になると、事業継承に動き出す必要が生まれます。しかし、後継者探しはそう簡単ではありません。後継者が身近に見つからないケースも多く、そのような歯科医院は、第三者に対する売却を実施します。このように、院長の高齢化を迎え、後継者が見つからない歯科医院で、売却を行うケースが増加しています。

経営難のため

経営難に陥った歯科医院も、売却を行うケースがあります。自社で立て直すことは難しく、資金面などの支援が必要になるためです。たとえば、安定した企業に買収してもらえれば、経営を安定させて事業を続けられます。また、事業売却を行い、経営ごと任せてしまうケースもあるでしょう。経営難に陥った場合、事業を続けるためには支援が必要です。その支援をもらうために、売却するケースも増加しています。

競争力強化のため

歯科業界での競争力強化のため、売却を行うケースもあります。売却や買収を行うことで、シェア拡大やサービス強化につながるためです。たとえば、大手企業がシェア拡大を目的として、買収を行うケースもあります。また、同規模同士で売却を行い、周囲の歯科医院に対抗するケースもあるでしょう。歯科業界で生き残っていくためには、自社の力を増強する必要があります。そのために、事業売却や買収を行い、シナジー発生を目指す企業が増加しています。

歯科医院の売却相場 

歯科医院の売却で気になる部分が、売却相場です。どれくらいの金額で、売却できるのでしょうか。ここでは、一般的な相場に加え、M&Aを実施した場合や、居抜きを実施した場合の相場を解説します。

一般的には2000万円前後

歯科医院の売却相場は、一般的に2000万円前後と言われています。もちろん、設備や財務状況によって変わるため注意しましょう。また、3000万円を超えると、買い手が付きにくくなる傾向があります。そのため、相場は2000万円前後、高くても3000万円ほどになると覚えておきましょう。

M&Aを実施する場合

M&Aを実施する場合、一般企業と同様に、企業価値を算出して売却を行います。企業価値の算出方法を覚えておきましょう。中小規模のM&Aでは、「年買法」を使用して計算を行います。年買法の計算式は、次のとおりです。

時価純資産+営業利益×年数(3~5年)

時価純資産とは、時価評価した資産から、時価評価した負債を引いたものです。純資産と同じ意味になります。また、掛け算する年数に関しては、売り手側の評価が高いほど、増加する傾向があります。

たとえば、時価純資産が2000万円で、営業利益が1000万円の歯科医院があるとしましょう。その場合、次のように算出します。

2000万円+1000万円×3=5000万円

居抜きを実施する場合

居抜きをする場合は、歯科医院の状況によって変わります。数100万から2,000万円前後で売却されるケースが多いと覚えておきましょう。居抜きの場合に評価される部分には、次のような箇所があります。

  • 医療機器の種類
  • 医療機器の状態
  • 院内設備の状態
  • 建物の敷地面積
  • 建物の間取り
  • 建物の立地
  • 医院までのアクセス

歯科医院を売却する方法 

歯科医院を売却する場合に備えて、売却方法を覚えておきましょう。基本的には、次の4つから売却方法を選択します。

  • 事業譲渡
  • 持分譲渡
  • 合併・分割
  • 居抜き

事業譲渡

事業譲渡とは、運営する事業を別企業に譲渡、売却を行うことを言います。事業譲渡の特徴は、譲渡内容を個別に決定できる点です。買い手も売り手も、譲渡する内容を選択できます。持分譲渡の場合、事業全体を譲渡しなければならないため、事業譲渡を選ぶケースもあります。事業譲渡の注意点は、手続きや契約が面倒になる点です。個別の契約が必要なため、譲渡内容が多いほど手間が掛かります。そのため、中小規模の歯科医院や企業で実施される方法です。

持分譲渡

持分譲渡とは、持分の譲渡を行い、経営権を移動させる方法です。医療法人の場合は、持分譲渡を行うケースが一般的になります。経営権を移動させるためには、まず、持分譲渡で買い手側が売り手社員のうち過半数を満たすことが必要です。すると、社員総会で、役員の解任や選任を実施できることが定められています(医療法第46条の3の3)。その後、役員の選任を行うことで、経営権が移動できることを覚えておきましょう。

持分譲渡の注意点は、事業全体を売却、買収する点です。負債も合わせて譲渡されるため、覚えておきましょう。

参照元:e-Gov法令検索「医療法

合併・分割

合併や分割を行い、事業を移動させるケースもあります。合併は、「2つの医療法人が1つの医療法人になること」を指し、分割は、「事業の一部を移行させ、ほかの医療法人に譲渡する」ことを指します。また、合併には、「吸収合併」「新設合併」、分割には「吸収分割」「新設分割」があるため、覚えておきましょう(医療法第58条,59条,60条,61条)

参照元:e-Gov法令検索「医療法

居抜き

居抜きとは、歯科医院や企業の内装や設備をそのまま残し、買い手に譲渡する方法のことです。たとえば、歯科医院では、医療機器や受付、内装などをそのまま譲渡します。注意点は、建物との契約で、居抜きが禁止されている可能性がある点です。譲渡前に、必ず確認するようにしましょう。

歯科医院を売却する際の流れ 

歯科医院の売却をスムーズに進めるためには、どのような流れで行うかを知っておくことが大切です。ここでは、歯科医院を売却する際の、基本的な流れを紹介します。

  • 専門家に相談する
  • 買い手を探す
  • 秘密保持契約の締結
  • 基本合意契約の締結
  • デューデリジェンスの実施
  • 最終契約の締結
  • クロージング実施

専門家に相談する

歯科医院の売却を行う際は、まずは専門家に相談しましょう。案件探しから売却成立まで、全体的なアドバイスをもらえるからです。歯科医院の売却は、経営者だけで行うことが難しい案件です。法律や税金が絡み、対応できなくなるケースもあります。また、歯科医院を売却したくても、売却先が見つからず、身動きが取れなくなるケースも出てくるでしょう。このような問題を避けるためにも、専門家が大切です。法律面は弁護士、税金面は税理士にサポートしてもらえます。また、売却全体のアドバイスをもらうのであれば、M&A仲介会社が良いでしょう。案件探しから売却まで、さまざまなサポートがもらえます。

買い手を探す

歯科医院を売却するためには、買い手を探す必要があります。一般的には「M&A仲介会社」「マッチングサービス」「金融機関の紹介」で買い手を探します。買い手を探す際は、売却予定が周囲に漏れないように、匿名で探すことを覚えておきましょう。相手の情報も伏せられた状態で、マッチングが行われます。マッチング成立後、はじめて相手の情報が分かるようになります。

秘密保持契約の締結

マッチングに成功したら、秘密保持契約を結び、必要な情報を提示します。必要な情報は、事前にまとめておきましょう。この時点で提示する内容には、次のような種類があります。

  • 譲渡の範囲
  • 売却価格
  • 売却方法
  • 契約の引継ぎに関して

基本合意契約の締結

情報提示後は、トップ面談を行い、問題なければ基本合意契約を締結します。トップ面談とは、経営者同士の面談です。提示した情報を話し合ったり、売却後のビジョンを話し合ったりします。今後は、基本合意契約で締結した内容に沿って売却交渉が進みます。必要事項は忘れずに記載しておきましょう。

デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスとは、売り手企業の企業価値を算出したり、負債やリスクなどがないか確かめる調査のことです。買い手が実施するため、売り手はデューデリジェンスに協力しましょう。デューデリジェンスで明らかになった内容をもとに、買い手が判断し、最終契約に移ります。

最終契約の締結

デューデリジェンスで問題がなければ、最終契約を締結します。もし、デューデリジェンスで問題が見つかった場合には、別途対応するケースもあると知っておきましょう。たとえば、事業譲渡の場合、負債を除いて契約を行うケースもあります。また、負債を前提に、売却価格を決めることもよくあるケースです。このように、デューデリジェンスの結果を踏まえて話し合い、最終契約を締結しましょう。

クロージング実施

クロージングとは、最終契約締結から、効力が発揮するまでの期間のことです。クロージング期間の間に、売却成立までに必要な手続きを行いましょう。たとえば、事業譲渡の場合、資金のやり取りを行ったり、登記の手続きがあります。また、持分譲渡の場合は、経営権を移行するために、役員の交代が必要です。最終契約には、譲渡日が記載されています。譲渡日までに、必要な手続きを行いましょう。

歯科医院を居抜きで売却する際の流れ 

歯科医院を居抜きで売却する場合、通常の売却とは違う流れになるため覚えておきましょう。土地や建物の所有状況に関しても変わるため、注意が必要です。まず、土地や建物が賃貸の場合、次のような流れで売却を行います。

  1. 居抜きに関して家主と交渉
  2. 解約予告通知
  3. 売却先を探す
  4. 売却先との条件交渉
  5. 売却先と家主の条件交渉
  6. 家主の入居審査
  7. 居抜きの契約締結
  8. 家主と売却先で賃貸契約締結

土地や建物が自己所有の場合

土地や建物が自己所有の場合、家主との交渉は不要です。そのため、買い手と不動産売買取引を実施しましょう。医療法人の場合は、土地や建物が、基本財産に該当するか確認しましょう。基本財産に該当する場合、社員総会で決議を行わなければなりません。

土地が借地で、建物は自己所有の場合

土地が借地の場合は、借地権が必要になります。地主の承諾が必要になるため、覚えておきましょう。地主から承諾を得た場合、地主に承諾料を支払うケースが一般的です。金額相場は、建物の譲渡金額の1割になることを覚えておきましょう。

歯科医院を売却するメリット 

歯科医院の売却で発生するメリットもしっておきましょう。具体的には、次のようなメリットが期待できます。

  • 後継者が見つかる
  • 廃業を避けられる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 資金を獲得できる

後継者が見つかる

歯科医院の売却により、後継者が見つかります。後継者探しに悩む経営者の、負担が減少するでしょう。個人で経営している歯科医院の場合、後継者探しは大変です。知り合いを頼るにも、限界があります。一方で、歯科医院が売却できれば、後継者問題に関しても解決します。事業を継続する場合も、引退する場合でも、後継者がいることで安心できるでしょう。

廃業を避けられる

歯科医院の売却は、廃業を避けられることもメリットです。経営面のサポートを受けることで、事業を続けられるでしょう。たとえば、大手企業に売却を行うことで、経営を立て直すケースがあります。自社だけでは経営が難しい場合でも、廃業を避けることができるでしょう。売却後も経営者が運営できるケースも多く、廃業を避けるために売却を行うケースも増加しています。

従業員の雇用を維持できる

従業員の雇用を継続できる点も、歯科医院売却のメリットです。売却を行うことで、従業員の雇用も引き継いでもらえます。たとえば、経営者の高齢化や体調不良のように、経営は

安定していても事業が続けられないケースがあります。もし、廃業を選択してしまうと、従業員を解雇しなければなりません。一方で、歯科医院の売却ができれば、従業員の雇用を引き継いでもらうこともできます。従業員の雇用を守りながら、自身も経営を引退できるため、事業承継問題解決につながるでしょう。

資金を獲得できる

歯科医院の売却は、資金を獲得できる点もメリットです。経営を引退し、老後を過ごしたい経営者にとってメリットでしょう。経営者も事業を引退し、生活を行うケースがあります。その際、資金に余裕をもって過ごすことは大切です。歯科医院の売却を行えば、資金が獲得できるため、老後への備えになります。生活を守るためにも、歯科医院の売却は有効です。

歯科医院の売却価値を高めるポイント 

歯科医院を売却する際、高く売りたいと考える経営者が一般的でしょう。歯科医院を高く売るために、必要なポイントがあります。売却を考えている経営者は、次のポイントを意識してみましょう。

  • 売上規模や患者数
  • 診察内容
  • スタッフの質
  • 社団法人

売上規模や患者数

売上規模や患者数は、企業価値向上につながります。買い手が購入した後の、利益に関わるからです。売上規模に関しては、規模が大きいほど、利益につながりやすくなります。また、患者数が多い歯科医院であれば、今後の採算も見込めるでしょう。このように、歯科医院の売却では、売上規模や患者数が見られます。安定して売上を出せている歯科医院であれば、表かも高くなるでしょう。

診察内容

提供している診察内容も、売却に影響します。患者や地域のニーズに合っているか検討されるためです。地域ニーズの高い診察ができていれば、今後も必要とされるため、企業価値は高まりやすくなります。一方で、需要の低い診察内容を扱っている歯科医院の場合、評価は低くなるでしょう。このように、診察内容によっても、企業価値に影響するため覚えておきましょう。

スタッフの質

歯科医院で働くスタッフの質も、企業価値に影響します。スタッフのスキルや能力をアピールできるように準備しておきましょう。スタッフの質が高ければ、売却後も事業を安定させることができます。買い手にとって、事業を問題なく継続させ、利益を上げることはメリットです。このように、スタッフの質も、企業価値に影響すると覚えておきましょう。スタッフを教育し、成長させることも大切です。

社団法人

社団法人や財団法人かも、売却に影響するため覚えておきましょう。法人形態によって、売却方法が変わるからです。社団法人の場合は、社員の立場を譲渡します。また、財団法人の場合は、評議員の立場を譲渡します。このように、法人形態によって、売却方法が変わる点に関しても、注意しておきましょう。

歯科医院の売却を成功させるポイント 

歯科医院の売却を成功させるために、知っておきたいポイントがあります。次のようなポイントを意識して、売却を進めましょう。

  • 引継ぎ先や内容を慎重に決める
  • 財務状況を明確にする
  • シナジーが期待できる買い手を探す
  • 自社の強みをアピールする
  • 専門家に相談する

引継ぎ先や内容を慎重に決める

歯科医院を売却する場合、引継ぎ先や内容を慎重に決めましょう。引継ぎをスムーズに行うことは、売却後に事業を続けるためにも必要です。たとえば、どの部分を引き継ぐか明確にし、資料にするとスムーズでしょう。また、売却後に医院を着実に運営してくれる買い手を選ぶことも大切です。このように、歯科医院の売却では、引継ぎ先や内容は慎重に選びましょう。引継ぎ後の事業存続も考えて、進めることが大切です。

財務状況を明確にする

売却しやすくなるように、財務状況を明確にしましょう。不透明な部分があると、売却しにくくなるからです。たとえば、経営状況が明確な歯科医院の場合、企業価値が分かりやすく、買い手からの印象も良くなります。しかし、財務状況は不透明の場合、簿外債務や隠れたリスクを警戒され、売却できなくなる可能性もあるでしょう。このように、歯科医院の売却では、財務状況を明確にしましょう。買い手が安心できるように、情報提供を行うことが大切です。

シナジーが期待できる買い手を探す

歯科医院の売却を成功させるためには、売却で発生するシナジーも大切です。シナジーが期待できる買い手ほど、評価が高くなるでしょう。シナジーとは、売却後に発生する、相乗効果のことです。シナジー発生によって、売上拡大が見込めたり、サービス向上が実現できたりします。シナジー発生は、買い手にとってのメリットです。売り手もシナジーを意識して買い手を探しておくと、アピールしやすくなるでしょう。

自社の強みをアピールする

売却を成功させるためには、自社の強みをアピールして交渉を進めることも大切です。ほかの歯科医院とは違う強みを整理しておきましょう。近年は、M&Aを検討する経営者も多く、買い手も複数の案件から探します。その際、明確な強みがあれば、アピールにつながり、選ばれやすくなるでしょう。具体的には、「得意とする診察」「設備」「地域からの信頼」などの強みが挙げられます。買い手に選ばれるように、自社の強みをアピールしましょう。

専門家に相談する

歯科医院の売却を成功させるためには、専門家に相談しましょう。弁護士やM&A仲介会社などが、歯科医院の売却をサポートしてくれます。歯科医院を売却する際、売却ははじめての経営者がほとんどです。売却に必要な知識がなければ、交渉に失敗したり、売却で損をしてしまうケースもあります。売却を成功させるためには、専門家に相談し、アドバイスをもらうことが大切です。1人ですべてを行おうと思わず、専門家の力を借りましょう。

歯科業界の売却事例 

歯科医院の売却に向けて、売却事例も知っておきましょう。ここでは、5つの事例を紹介するため、参考にしてください。

株式会社メディカルネット 

2018年、株式会社メディカルネットは、株式会社オカムラのM&Aを発表しました。株式会社行われてオカムラは歯科ディーラーであり、同業界同士のM&Aになります。このM&A実施により、両社のクライアントに対して歯科器材などの販売ができることで、事業拡大が見込まれています。

参照元:株式会社メディカルネット「株式会社オカムラの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

株式会社歯愛メディカル

株式会社歯愛メディカルは、2022年に株式会社TDSのM&Aを行ったと発表しました。株式会社TDSの株式を取得し、子会社化に成功しています。株式会社TDSは、歯科技工所デジタル機器を活用しながら、保険技工にも取り組む企業です。このM&Aによって、歯科技工分野でのソリューション開発や、事業拡大に効果があると考え、合意したと発表しています。

参照元:株式会社歯愛メディカル「株式会社TDS株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

株式会社 デンタス

21021年、株式会社デンタスは、アイオニック株式会社のM&Aを発表しました。アイオニック株式会社は歯科技工物の生産を、アイオニック株式会社はイオン歯ブラシのリーディングカンパニーとして活動しています。株式会社デンタスは、このM&A実施により、新たなビジネスモデル獲得と、事業拡大や収益向上を予測しています。

参照元:株式会社デンタス「アイオニック株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

株式会社ナカニシ

株式会社ナカニシは、スウェーデン国内でのシェア拡大を目的に、M&Aを行いました。子会社を通じて、TS Dental Sales ABの営業権譲受に成功しています。株式会社ナカニシは、以前からスウェーデン国内にて事業を行っていましたが、市場シェアが伸び悩んでいました。営業権譲受による直販体制を構築し、ラインナップ増加と規模拡大を図るとしています。

参照元:株式会社ナカニシ「連結子会社による販売代理店からの営業権の譲受および商号変更に関するお知らせ

CLSA キャピタルパートナーズ

2018年、CLSA キャピタルパートナーズは、株式会社ノーザとM&Aを行うことを発表しました。株式会社ノーザは、歯科医院向けのコンピューターシステムの開発、販売を行っている企業です。CLSA キャピタルパートナーズが資本参加を行うことで、自社のネットワークと経営資源を活用し、成長を支援すると発表しています。

参照元:CLSA キャピタルパートナーズ「株式会社ノーザへの資本参加について

まとめ

歯科医院の売却は、後継者問題や経営難から、増加傾向にあります。また、将来の事業承継に向けても、準備を進めておくことが大切です。歯科医院の売却を行う際には、専門家に相談しながら、スムーズに進められるようにしましょう。事業を進めながら、経営者だけで交渉や手続きを行うことは大変です。また、歯科医院を高く売却するための、アドバイスももらえます。M&A仲介会社のような専門家に相談して、歯科医院売却を成功させましょう。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、歯科医院のM&Aにも対応したM&Aサービスを提供する仲介会社です。

歯科医院の売買も含めた各領域で実績を積み重ねたコンサルタントが、相談から成約まで一貫してサポートを行います。

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