広島県のM&Aの傾向は?事例や事業承継、補助金制度も解説

2024年8月16日

広島県のM&Aの傾向は?事例や事業承継、補助金制度も解説

このページのまとめ

  • 広島県は自動車や船舶などの製造業が盛ん
  • 後継者不在の企業は多く、全国平均よりも高い水準
  • 県内にはよろず支援拠点や事業承継・引継ぎ支援センターなどのM&A支援機関がある
  • 広島県融資制度など、県内企業のM&Aに活用できる補助金制度・融資制度もある
  • M&Aを成功させるには県外企業にも目を向けることが必要

「広島県でM&Aを実施したいが、何から始めればよいのだろうか?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。広島県には、公的機関や民間機関などの数多くのM&A支援機関があります。

本記事では、広島県のM&Aの現状や利用できる支援機関について解説します。また、県内企業が利用できる補助金制度・融資制度も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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広島県における産業の特徴

広島県の基幹産業は製造業です。大手製造業やそのサプライヤーなど、数多くの企業が広島県内に立地しています。
製造業の中でもとくに大きな割合を占めているのが、輸出用機械器具製造業(自動車・船舶などの製造)です。経済産業省の「令和3年経済センサス」によると、広島県の製造品出荷額等(約8兆8,699億円)のうち、およそ33%(約2兆9,182億円)を輸出用機械器具製造業が占めています。

参照元:
経済産業省「令和3年経済センサス ‐ 活動調査結果 産業別集計 卸売業、小売業 第1表」

出荷額国内上位を占める品目

製造業が盛んな広島県では、多くの品目において国内有数の出荷額を誇っています。以下の品目では、都道府県別出荷額が国内3位以内にランクインしています。

品目出荷金額(令和2年)1位2位3位
普通乗用車(気筒容量2000mlを超えるもの)(シャシーを含む)10兆6,431億円愛知福岡広島
その他の自動車部品(二輪自動車部品を含む)5兆2,767億円愛知広島静岡
モス型集積回路(記憶素子)1兆4,579億円三重広島宮崎
鋼帯1兆2,511億円広島大分千葉
プラスチックフィルム・シート・床材・合成皮革加工品1兆1,992億円広島埼玉三重

参照元:経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計(製造業に関する集計)

1998年をピークに人口は減少

広島県では、1998年11月に2,885,617人を記録して以来、人口は緩やかに減少し続けています。2018年以降の各年10月1日時点の人口は以下をご覧ください。

調査年10月1日時点の広島県の人口
2018年2,822,864人
2019年2,811,857人
2020年2,799,702人
2021年2,779,314人
2022年2,759,702人
2023年2,739,446人

参照元:広島県「広島県の人口移動(広島県人口移動統計調査)令和6年5月 第1表

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広島県におけるM&Aの現状

広島県では、後継者不在を背景にしたM&Aが増加しています。帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査(2023年)」によると、2023年の調査時に、後継者不在と答えた広島県の企業は56.6%でした。全国平均(53.9%)よりも、多くの企業が後継者不在と答えています。

調査年後継者不在率全国順位(都道府県)
2018年73.2%5位
2019年73.1%4位
2020年71.3%8位
2021年64.4%11位
2022年59.0%21位
2023年56.6%22位

帝国データバンクの「広島県 後継者不在に関する企業の実態調査(2023年)」により業種別に見ると、後継者不在率がもっとも高い業界が建設業界で、67.2%でした。次いで、サービス業の64.8%、小売業の60.4%です。

全国的に見れば低いとはいえませんが、すべての業種において、2023年の後継者不在率は2022年の結果を下回っています。このことから、まだ十分ではないとはいえるものの、どの業種においても後継者不足の状態は改善されつつあることがわかるでしょう。

業種2022年調査2023年調査前回比
建設業70.4%67.2%▲3.2%
製造業48.1%46.1%▲2.0%
卸売業52.3%50.7%▲1.6%
小売業61.7%60.4%▲1.3%
運輸・通信業55.2%54.2%▲1.0%
サービス業65.9%64.8%▲1.1%
不動産業54.3%52.1%▲2.2%
その他43.3%40.4%▲2.9%

参照元:株式会社帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2023年)
参照元:株式会社帝国データバンク「広島県 後継者不在に関する企業の実態調査(2023年)

関連記事:地方でのM&A動向と特有の難しさ、後継者問題や事例を解説

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広島県でM&Aを行う際に役立つ支援機関

広島県でM&Aを行う際に、役立つ支援もあります。公的な支援や機関もあるため、参考にしてください。広島県では、次のような支援を活用しましょう。

  • 広島県事業承継・引継ぎ支援センター
  • 広島県よろず支援拠点
  • 広島県信用保証協会
  • M&A仲介会社
  • 金融機関
  • M&Aマッチングサービス

広島県事業承継・引継ぎ支援センター

広島県事業承継・引継ぎ支援センターは、広島商工会議所が開設した事業承継やM&Aを支援する機関です。国から設置を認められた、公的な機関になります。広島県事業承継・引継ぎ支援センターの主な役割は、企業同士のマッチングや事業承継プロセスのフォローです。譲渡企業と譲受企業を取り持つことで、M&A実施をサポートしています。また、成立した案件をM&A仲介会社に取り次ぐケースもあります。

参照元:
広島県事業承継・引継ぎ支援センター
広島商工会議所「創業・経営支援

広島県よろず支援拠点

広島県よろず支援拠点とは、国が全国各地に設置している、無料の経営相談所です。中小企業を中心に、経営改善や売り上げ拡大、事業承継のサポートを行っています。

参照元:「広島県よろず支援拠点

広島県信用保証協会

広島県信用保証協会は、企業の融資をサポートする機関です。企業が金融機関から資金を借り入れる際の、公的な保証人としてサポートしてくれます。そのほかにも、事業承継支援も行っており、支援機関への橋渡しや事業承継に対応した保証制度による支援を行っています。

参照元:「広島県信用保証協会

M&A仲介会社

広島県でM&Aを行う場合、M&A仲介会社に相談してみましょう。M&A仲介会社に相談することで、M&A全般のサポートを受けられます。M&Aを実施したくても、何から始めたら良いか分からないケースも多いでしょう。そのような場合、M&A仲介会社のサポートがあれば安心です。案件探しから契約成立まで、長期的なサポートが期待できます。

金融機関

金融機関でも、M&Aの相談を受け付けているケースがあります。資金調達に悩む場合は相談してみましょう。また、金融機関は地元の人脈を使い、専門家を紹介してくれるケースもあります。状況に適した、弁護士や仲介会社を紹介してもらえるでしょう。

M&Aマッチングサービス

近年では、M&Aの案件をマッチングするサービスも増えています。M&Aの相手を探したい場合に活用してみましょう。個人事業主や中小企業も、M&Aを行いやすくなります。注意点は、M&Aのサポートはあまり行ってもらえない点です。M&Aそのもののサポートが欲しい場合は、M&A仲介会社なども合わせて活用しましょう。

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広島県でのM&A仲介会社の選び方  

M&Aの実施にあたり仲介会社を活用する場合は、仲介会社の選び方もポイントになります。自社のM&Aにマッチする仲介会社を選びましょう。広島県でM&A仲介会社を選ぶ場合には、次のようなポイントを意識してください。

  • 広島県の企業に詳しい
  • 料金が明確で分かりやすい
  • M&Aの実績が豊富にある
  • 業界知識を豊富に持っている
  • M&Aに必要な専門家との人脈がある
  • 自社と同規模のM&A実績がある

それぞれについて解説します。

広島県の企業に詳しい

M&Aを成功させるためには、地元の企業に詳しいM&A仲介会社を選びましょう。都道府県ごとにM&Aの傾向が変わるからです。たとえば、広島県は後継者に悩む経営者が多い県です。そのため、事業承継を目的にするM&Aも視野に入るでしょう。後継者を探している企業の情報を知っているかどうかも、1つのポイントです。また広島県内でも、エリアごとに特徴や企業の傾向は変わります。広島県の企業についてよく知るM&A仲介会社か、確認することが大切です。

料金が明確で分かりやすい

料金の分かりやすさも、仲介会社を選ぶ際のポイントになります。料金が不明瞭な場合、想定外の費用が必要になる可能性があるため、注意しましょう。多くの仲介会社では、基本的に事前に料金を提示し、説明を行ってくれます。しかし、相談回数や内容によって料金が変化するケースもあるため、確認するようにしましょう。分かりやすい料金の例では、成功報酬制という、M&Aが完了した際のみに費用が発生する形態があります。追加資金がかからないように、料金体系が明確なM&A仲介会社を選びましょう。

M&Aの実績が豊富にある

M&A仲介会社の、M&A実績を確認しておくことも大切です。実績が多い仲介会社であれば、より適切なアドバイスやサポートをもらえるでしょう。

業界知識を豊富に持っている

自社がM&Aを予定する業界の業界知識を持っている仲介会社を選ぶことも大切です。業界ごとに、M&Aの傾向や必要な知識が変わるからです。たとえば、建設業でM&Aを行う場合は、許認可をどのように扱うかがポイントになります。もし仲介会社が建設業界のM&Aを初めて行う場合、この点に苦労する可能性もあるでしょう。仲介会社を選ぶ際は、M&A予定の業界知識や実績を持っているか、確認しましょう。

M&Aに必要な専門家を紹介してもらえる

M&Aを行う場合、専門家の協力が欠かせません。さまざまな分野の専門家と通じているか確認しましょう。たとえば、売却を行う場合、売却益に対して法人税などの税金も関わります。この場合、税金の専門家である税理士の協力が欠かせません。税理士と提携しているM&A仲介会社であれば、税理士を紹介してもらえ、スムーズにM&Aが進むでしょう。このように、M&A仲介会社を選ぶ場合は、専門家を紹介してもらえるかも大切です。必要な専門家の協力を得られる体制かどうか、確認しましょう。

自社と同規模のM&A実績がある

M&A仲介会社を選ぶ場合は、自社と同規模のM&A実績があるかも注目しましょう。自社と同規模のM&A実績があれば、経験を活かしてサポートがもらえるからです。たとえば、従業員が1,000人以上いる大企業と、従業員が3名の中小企業では、規模が違います。そのため、M&Aで意識するポイントも変わってくるでしょう。大企業のM&A実績を持つM&A仲介会社が、中小企業のM&Aを得意とするとは限りません。自社と同規模のM&A実績があるM&A仲介会社を選ぶようにしましょう。

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広島県のM&Aに活用できる補助金制度・融資制度

広島県や県内の信用保証協会などでは、県内企業が利用できる補助金制度や融資制度を実施しています。主な制度は、以下をご覧ください。

補助金制度・融資制度制度概要
事業承継支援資金広島県内の中小企業・代表者個人が事業承継時に必要となる資金を供給することを目的とした融資制度
事業再生支援資金広島県内の中小企業が経済情勢や経営環境の変化により、深刻な影響を受けているときに活用できる融資制度
広島県制度融資広島県内の中小企業・個人事業主における事業用資金の調達を円滑に進めるために、長期かつ低金利の融資を行う制度
経営承継準備関連保証広島県内の中小企業・個人が事業承継の際の株式取得や事業用資産取得のための資金の融資を受ける際に保証する制度
特定経営承継準備関連保証事業を営んでいない個人などが事業承継の際の株式取得や事業用資産取得のための資金の融資を受ける際に保証する制度

事業承継支援資金

事業承継支援資金とは、広島県内の中小企業が事業承継時に必要となる資金を供給することを目的とした融資制度です。中小企業だけでなく代表者個人も申し込めるため、以下の条件に合致するときは検討してみましょう。

  • 資産超過
  • EBITDA有利子負債倍率が15倍以内
  • 法人・個人が分離されている
  • 返済緩和している借入金がない

調達した資金は、運転資金や設備資金、既往借入金の返済資金として活用できます。融資限度額は2億円で、適用金利は固定で年1.4%以下です。経営承継借換関連保証もしくは事業承継特別保証を受けた場合は、保証人不要で借りられます。

参照元:広島県「事業承継支援資金

事業再生支援資金

事業再生支援資金とは、広島県内の中小企業が経済情勢や経営環境の変化により、深刻な影響を受けているときに活用できる融資制度です。経営の立て直しのためにM&Aを計画している場合なら、経営サポートに加えて資金補助も得られることがあります。

申し込みの条件は以下をご覧ください。

  • 商工会議所などからのサポートを受けて経営改善に取り組んでいる
  • 経営改善の見込みがあると判断され、経営支援機関などから推薦を受けている
  • 税金・社会保険料に滞納がない
  • 直近決算書をベースに年商以上の借入金がない
  • 直近決算書において、経常利益と税引前当期純利益を計上している
  • 既往保証付き借入金残高の合計額に対して、120ヶ月以内に完済の見込める相当額以上の分割返済を実施し、直近3ヶ月以上にわたり確実に履行している
  • 申込金融機関以外の保証付き借入金も、正常化の見込みが立っている

調達した資金は、運転資金や設備資金などに活用できます。融資限度額は2億円で、適用金利は審査によります。

参照元:広島県「事業再生支援資金

広島県制度融資

広島県制度融資とは、広島県内の中小企業・個人事業主における事業用資金の調達を円滑に進めるために、長期かつ低金利の融資を行う制度です。次の2つの種類があります。

  • 県費預託融資制度:貸付原資の一部を金融機関に預託することで金融機関と協調する
  • 無担保スピード保証融資制度:信用保証協会と金融機関が連携し、担保や第三者保証を不要とする

なお、業種によって従業員数や資本金の制限があります。

参照元:広島県「広島県融資制度

経営承継準備関連保証

経営承継準備関連保証とは、事業承継の際の株式取得や事業用資産取得のために活用できる資金の融資を受ける際に保証する制度です。保証限度額は2億8,000万円で、保証料率は年1.90%以下です。

参照元:広島県信用保証協会「経営承継準備関連保証

特定経営承継準備関連保証

特定経営承継準備関連保証とは、事業承継の際の株式取得や事業用資産取得のために活用できる資金の融資を受ける際に保証する制度で、事業を営んでいない個人や他の中小企業者の個人が利用できます。保証限度額は2億8,000万円で、保証料率は一律年1.15%です。

参照元:広島県信用保証協会「特定経営承継準備関連保証

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広島県でM&Aを成功させるポイント

広島県でM&Aを成功させるために、意識したいポイントを解説します。次のようなポイントを意識すると、M&Aがスムーズに進むでしょう。

  • M&A後のシナジーを考える
  • 相場を調べて交渉する
  • M&Aのタイミングを逃さない
  • 交渉先とのコミュニケーションを増やす

M&A後のシナジーを考える

M&Aを成功させるためには、シナジー効果を意識する必要があります。シナジー効果が発生すると、買い手の既存の事業に好影響を与えるだけではなく、買収した事業にも好影響を与えます。相手企業の事業について調べ上げ、自社とどの点でシナジー効果を生みそうか、突き詰めて考えると良いでしょう。

相場を調べて交渉する

M&Aの交渉は、相場を調べてから行いましょう。M&Aの相場は、地域や業種、企業規模で変わります。また、時価によっても左右されるでしょう。M&Aで損をしないためには、相場を調べて交渉を行うことが大切です。M&A仲介会社にアドバイスをもらいながら、相場を目安に交渉しましょう。

交渉先とのコミュニケーションを増やす

M&A成功には、交渉先とのコミュニケーションが欠かせません。積極的にコミュニケーションをとりましょう。コミュニケーションを増やすことで、信頼関係が生まれ、交渉も行いやすくなります。また、M&A後の統合も、行いやすくなるでしょう。

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広島県外でM&A相手を探す方法もある

広島県内でマッチする企業が見つからない場合、県外でM&Aの相手を探す方法もあります。
広島県外で相手を探すからといって、その県の専門家に相談しなければならないわけではありません。たとえば、広島県事業承継・引継ぎ支援センターは国が管轄する団体のため、県外のケースの相談にも乗ってもらえるでしょう。
また、全国各地での成約事例が豊富な都市圏のM&A仲介会社に相談することも選択肢のひとつです。

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広島県に関連するM&Aの事例11選 

広島県でM&Aを円滑に進めるためには、過去の事例を知っておくことも大切です。これまでに、どのようなM&Aが行われたか確認してみましょう。

株式会社鷗州コーポレーションによる有限会社ウルトラセンターの事業譲受

2020年、株式会社鷗州コーポレーションは、有限会社ウルトラセンターの学習塾事業を事業譲渡によって取得しました。鷗州コーポレーション社とウルトラセンター社はともに、学習塾事業を行っています。このM&Aにより、経営資源を統合し、サービス向上を目指すとしています。また、譲渡事業に関わる有限会社ウルトラセンターの従業員は、株式会社鷗州コーポレーションの社員として引き続き雇用される予定です。

参照元:株式会社鷗州コーポレーション「有限会社ウルトラセンターとの連携について

第一交通産業株式会社による有限会社広島合同タクシーの子会社化

2019年、第一交通産業株式会社は、有限会社広島合同タクシーを株式譲渡によって子会社化しました。第一交通産業株式会社、有限会社広島合同タクシーはともに、タクシー業を運営する企業です。このM&Aにより、第一交通産業株式会社は広島県内でのシェア拡大に成功しました。

参照元:第一交通産業株式会社「有限会社広島合同タクシーの株式取得に関するお知らせ

福山通運株式会社と株式会社キタザワの業務・資本提携

2018年、福山通運株式会社は、株式会社キタザワと業務・資本提携を行うことを発表しました。福山通運社は運送業、キタザワ社は引越し事業を営んでいます。提携の背景には、福山通運社が引越し事業の拡大を目指していることが挙げられます。この提携により、福山通運社は引越し事業のノウハウを獲得し、売り上げ拡大が期待できるとしました。また、キタザワ社側も、営業エリアの拡大を見込めます。広義のM&Aとして、業務・資本提携を行った事例といえます。

参照元:福山通運株式会社「福山通運、キタザワと業務・資本提携

株式会社中電工によるシンガポールRYB社の子会社化

2017年、株式会社中電工は、シンガポールにあるRYB社のM&Aを行ったと発表しました。株式の70%を取得し、連結子会社としています。このM&Aの背景には、中電工社が、海外事業の拡大を目指していることが挙げられます。その結果、シンガポール国内で高い技術力を持つ、RYB社のM&Aを実行しました。

参照元:株式会社中電工「シンガポールの電気工事会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

ローツェ株式会社によるアイエス・テクノロジー・ジャパン株式会社の子会社化

2017年、ローツェ株式会社は、アイエス・テクノロジー・ジャパン株式会社の完全子会社化を行うと発表しました。ローツェ社は広島に本社を置き、半導体・FDP関連装置やライフサイエンス関連装置の製造を行っている企業です。アイエス・テクノロジー・ジャパン社は、バイオ技術・半導体・液晶関連機器の開発を行っている企業で、もともとローツェ社とライフサイエンス関連装置を共同開発していました。今回の子会社化によって、ローシェ社はアイエス・テクノロジー・ジャパン社をライフサイエンス事業の中核として位置づけ、同事業を強化していくとしています。

参照元:ローツェ株式会社「関連会社株式の追加取得(完全子会社化)に関するお知らせ

株式会社大創産業による株式会社ビルジャンの事業譲受

2020年、広島県東広島市に本社を構える株式会社大創産業が、株式会社ビルジャン(愛知県)の「CouCou」事業を譲り受けることについて、事業譲渡契約を締結したことを発表しました。
大創産業社は、100円SHOP事業や300円SHOP事業を展開する会社です。100円SHOPのリーディングカンパニーとして顧客のニーズに応えつつ、多様化する生活雑貨へのニーズに対応すべく、300円SHOP事業の強化も進めています。
一方、ビルジャン社の「CouCou」は、全国で34店舗を展開する300円SHOPです。株式会社大創産業は、商品開発・店舗運営を融合することで、300円SHOP事業の更なる強化・拡大につながると判断し、「CouCou」の事業譲受を決断したとのことです。

参照元:株式会社大創産業「CouCou事業の譲受に関するお知らせ

株式会社シンシアによる株式会社フォー・アイズの事業譲受

2022年、株式会社シンシア(東京都)が広島県広島市に本社を拠点とする、株式会社フォー・アイズのクリニック運営に関するコンサルティング事業の譲受について、事業譲渡契約を締結したことを発表しました。
シンシア社は、コンタクトレンズ事業などを展開する会社です。フォー・アイズ社の自由診療クリニックのコンサルティング事業が今後大きな成長が見込まれると判断し、事業譲受を決めました。
シンシア社は、カラーコンタクトレンズで培った若年層向けのブランディングノウハウを活用し、コンサルティング事業で顧客に高い専門性を提供できると考えているとのことです。

参照元:株式会社シンシア「事業譲受に関するお知らせ

株式会社オリエントによる事業承継

2021年、広島県呉市の株式会社オリエントは吸収分割により、同社のオムニ事業(シート状の切削工具「オムニシート」を製造)やカーボナイト事業をMipox株式会社(山梨県)に承継させることを発表しました。
Mipox社は、研磨関連製品の製造販売などを主な事業とする会社です。オムニ製品の開発資金により単独での事業継続が困難になったオムニ事業の可能性を高めるために、オリエント社はMipox社へ事業を承継させることを決めました。
なお、株式会社オリエントに残るヤスリ事業は、黒字化の目処が立たないため廃業するとのことです。

参照元:株式会社オリエント「当社吸収分割に関するお知らせ

ブルドックソース株式会社によるサンフーズ株式会社の子会社化

2019年、ブルドックソース株式会社(東京都)が広島県広島市のサンフーズ株式会社の株式を取得し、子会社化したことを発表しました。
ブルドックソース社は、1905年よりソースの製造販売を続けている会社です。近年は、ソースの事業領域をたれやドレッシング類までに広げ、原材料である香辛料や酢などを活かした調味料などの事業も展開しています。
サンフーズ社は、1916年の創業以来、液体調味料メーカーとして広島の食文化の発展を支えてきた会社です。お好み焼きの全国的な知名度向上に伴い、独自ブランド「ミツワソース」や「ヒガシマルソース」を提供してきました。
ブルドックソース株式会社は、「ブルドックソース」「イカリソース」に加えて「ミツワソース」「ヒガシマルソース」も扱うことになります。本件子会社化をきっかけに、事業基盤の安定や更なる企業成長の実現につなげるとのことです。

参照元:ブルドックソース株式会社「サンフーズ株式会社株式取得(子会社化)のお知らせ

株式会社インターネットインフィニティーによる株式会社正光技建の子会社化

2022年、株式会社インターネットインフィニティー(東京都)が、広島県廿日市市の株式会社正光技建の株式を取得し、子会社化することを発表しました。
インターネットインフィニティー社は、Webソリューション事業や在宅サービス事業を手掛ける会社です。運営する短時間リハビリ型デイサービスの店舗ネットワークや、介護専門サイトのケアマネジャー会員ネットワークを活用し、アクティブシニアのプラットフォームを構築しています。
正光技建社は、広島県にて住宅リフォームを専業とする会社です。顧客の7割以上がシニア世代である点が特徴として挙げられます。
インターネットインフィニティー社は、営業ノウハウや顧客基盤の共有などを通じて相乗効果を発揮できると判断し、正光技建社の子会社化に至りました。また、正光技建社が主に介護保険外の住宅リフォームを手掛けているため、介護保険の事業を主にする、株式会社インフィニティーグループのポートフォリオ分散につながると判断した点も子会社化の理由です。

参照元:株式会社インターネットインフィニティー「株式会社正光技建の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

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まとめ

広島県は後継者不足に悩む企業が多くあり、M&Aによる事業承継を実施する企業も増えてきています。県内にある事業承継センターなどの公的機関や、広島県に対応した民間のM&A仲介会社などから適切なサポートを受け、事業承継を進めていきましょう。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、広島県をはじめとする全国対応のM&A仲介会社です。料金に関しては、M&Aの成約時に料金が発生する完全成功報酬型です。 M&A成約まで、無料でご利用いただけます(譲受側のみ中間金あり)。 お気軽にお問い合わせください。