このページのまとめ
- マッチングサイト増加や後継者問題などを要因に、M&Aを活用した起業が増加中
- M&Aによる起業の主なメリットは短期間で起業できることや資金調達しやすい点
- M&Aによる起業の300~500万円で買える業種は飲食店、サロン、ECサイトなど
- M&Aによる起業の際は公的支援やM&A仲介会社などの専門家を活用するのが得策
- M&Aによる起業を成功させるには、自分に適した業種や会社規模を選ぼう
起業をお考えの方に今おすすめなのが、M&Aを活用した方法です。M&Aを活用すれば、一から起業するよりも短期間で実施できたり、施設や顧客を引き継げたりするなど、多くのメリットがあります。
本記事では、M&Aを活用して起業を行う方法や成功のポイントなどを解説します。また、M&Aを利用した起業と通常の起業のメリット・デメリットも比較しているので、参考にして自分に合った手法を選択してください。
目次
M&Aを活用した起業が増えている3つの理由
近年では、M&Aを活用して起業を進める人々が増加しています。では、なぜ起業する人が増えているのでしょうか。ここでは、M&Aを活用した起業が増えている理由を3つ紹介します。
- 個人が使えるM&Aマッチングサイトが増加している
- 後継者問題に悩む企業が増加している
- 老後資金に不安を抱く人が増えている
それぞれの理由を確認しましょう。
個人が使えるM&Aマッチングサイトが増加している
起業が増加する背景には、個人で利用できるM&Aのマッチングサイトが増加していることが挙げられます。
これまでは、M&Aを実施したくても、個人では案件を見つけられないケースがほとんどでした。
現在は個人で利用できるマッチングサイトがあるため、M&Aへの参入ハードルが下がっています。
M&Aが企業だけのものではなく、個人でも行えるようになったことが、M&Aを活用した起業が増えている要因の一つです。
後継者問題に悩む企業が増加している
M&A増加の背景には、後継者問題に悩む企業が増えていることも影響しています。後継者不足に悩み、企業を売却する売り手が増加しているからです。
現代の日本では少子高齢化が進んでおり、超高齢社会に近づいていくと言われています。
経営者の高齢化も進行していて、事業承継の必要性が高まっています。しかし後継者となる子どもがいなかったり、子どもが会社を継ぐことを望まなかったりすることもあり、事業承継が難航している状況です。また、経営者側が「子どもに経営の苦労をさせたくない」と考え、そもそも親族内承継を検討していないケースもあります。
一方で、親族外への事業承継を検討して企業売却を希望する経営者が増加しました。売り手が増加したことで、M&Aの市場が広まり、起業件数が増加しています。
老後資金に不安を抱く人が増えている
日本社会の働き方が変わり、老後の資金に悩む人が増えていることも理由の一つです。老後の備えを作るために、M&Aで起業する人が増加しています。
現代では、終身雇用制度が崩壊しつつあり、普通に働いているだけでは老後の生活が苦しくなる恐れがあります。
そこで注目を集めているのが、起業を行い本業とは別の収入源を作ることです。
M&Aで起業すれば、将来的に会社を売却して資金に変えられる可能性が生まれます。
M&Aを活用した起業とそうでない起業の比較
起業を行う場合には、「M&Aを活用する場合」と「M&Aを利用しない場合」があります。
M&Aを活用した場合とそうでない場合のメリットを比較すると、次のようになります。
M&Aを活用する場合のメリット |
M&Aを活用しない場合のメリット |
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一方で、デメリットに関しては、次のとおりです。
M&Aを活用する場合のデメリット |
M&Aを活用しない場合のデメリット |
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以上の内容は、次章以降で詳しく解説します。
M&Aを活用して起業する3つのメリット
ここからは、M&Aを活用して起業するメリットを具体的に解説します。
メリットに関しては、次の3つが挙げられます。
- 起業のための準備期間を短縮できる
- 許認可が引き継げる
- 資金調達が進めやすい
それぞれのメリットの内容を確認しましょう。
起業のための準備期間を短縮できる
M&Aを活用する場合、すでにある企業を引き継ぐので、準備期間を短縮できるメリットがあります。
自分で会社を作る場合は、会社を立ち上げる準備をしたり、扱う商材やターゲットを選定したりするなどのことをしなければなりません。
M&Aによってすでにある会社を購入すれば、開業までにするべき準備する項目が少なくなります。起業するまでの準備期間を短くできるでしょう。
許認可が引き継げる
M&Aの手法の一つである株式譲渡によって会社を購入する場合、許認可が引き継ぐことが可能です。
許認可の取得までの手間・時間を省略できます。
許認可の種類によっては取得が難しかったり時間がかかるケースもあるので、許認可を引き継げることは大きなメリットだといえるでしょう。
ただし、どのM&Aの手法でも許認可が引き継げるわけではないので注意しましょう。事業譲渡で行った場合、許認可は引き継げません。
また、許認可を引き継ぐことができるM&Aスキームであっても、一部の業種では再取得が求められる許認可もあるので、事前に確認してください。
資金調達が進めやすい
M&Aを活用する場合、資金調達が進めやすい点もメリットです。すでに会社が存在しているため、金融機関から融資を受けやすくなります。
自分で起業を行う場合は、綿密な計画を立てることはできても結果を示すことはできないため、根拠が欠けるとして融資を断られてしまうこともあるでしょう。
一方で、M&Aで引き継いだ会社はすでに実績がある状態です。金融機関側が回収の目途をつけることができるので、資金提供をしてくれる可能性が高まります。
M&Aを活用して起業する3つのデメリット
M&Aを活用して起業する場合には、デメリットがあることも知っておきましょう。
具体的には、次の3つのデメリットに注意してください。
- 関係者や顧客との信頼関係を築く必要がある
- 簿外債務のリスクがある
- 買収費用がかさむ可能性がある
それぞれのデメリットの内容を詳しく解説します。
関係者や顧客との信頼関係を築く必要がある
M&Aで起業する場合、引き継いだ従業員との関係作りが必要です。
従業員との関係が悪化すると、仕事へのモチベーションが下がったり離職したりする恐れがあります。事業に対するノウハウを保有した従業員が離職してしまうと、経営にも悪影響を及ぼすでしょう。
また、取引先や顧客との信頼関係を築くことも大切です。特に中小企業の取引においては、経営者が変わることをきっかけに取引を終了されるリスクもあります。
譲渡側の経営者にも協力してもらって引継ぎや挨拶をしっかり行い、リスクを回避しましょう。
簿外債務のリスクがある
M&Aで起業する場合は、簿外債務に注意しましょう。
簿外債務とは、帳簿上に記載されていない債務のことです。簿外債務を抱えている会社・事業を引き継いでしまった場合、想定外の損失が発生してしまいます。
株式譲渡などのM&Aの場合、債務を含む企業全体を引き継ぎます。想定外のリスクを抱えないように、入念なデューデリジェンス(買収監査)を実施しましょう。
また、引き継ぐ資産・負債を選択できる事業譲渡のスキームも検討してください。
買収費用がかさむ可能性がある
予定していたよりも、買収費用がかかる可能性があることに注意しましょう。
想定よりも事業範囲が広かったり、資産価値が高かったりすると、買収価格が上がります。
また、個人でM&A実施が難しく、税理士やM&A仲介会社などに仲介業務を委託した場合、依頼料がかかります。
予算オーバーになって起業を断念することにならないよう、かかる費用について試算しておきましょう。
通常の起業を行う場合の3つのメリット
M&Aを活用せず、通常の起業を行う場合のメリットも知っておきましょう。
一般的には、次の3つのメリットが挙げられます。
- 自分の希望どおりの事業ができる
- 企業運営のノウハウが得られる
- 新しい市場に参入できる
それぞれのメリットについて説明します。
自分の希望どおりの事業ができる
一から起業を行う場合、自分の希望どおりに事業が運営できることがメリットです。扱うサービスや商品、戦略などを自分で決定できる自由さがあります。
M&Aで会社を引き継ぐ形で起業を行う場合は、すでに行っている事業を軸に進めます。そのため、自由度が低いと感じるケースもあるでしょう。
企業運営のノウハウが得られる
通常の起業の場合、企業運営のノウハウが得られるメリットもあります。会社が軌道に乗るまでの過程を経験できるので、段階を踏んで成長できるでしょう。
M&Aを活用して起業した場合、立ち上げの経験を得ることはできません。
新しい市場に参入できる
新しい市場に参入しやすい点もメリットです。他社がまだ参入していない新たな市場に入り込み、利益を出せるケースもあるでしょう。
M&Aで起業する場合は、参入市場や扱うサービスが決まっている状態がほとんどです。狙いたい市場があっても、参入する体制がすぐには整わないこともあるでしょう。
通常の起業を行う場合の3つのデメリット
通常の起業を行う場合、M&Aを活用した起業とは違った難しさがあります。
ここでは、想定できるデメリットを3つ紹介するので参考にしてください。
- 取引先や顧客の獲得が必要
- 従業員を新規に雇用しなければならない
- 企業体制の確立に時間がかかる
それぞれのデメリットの内容を確認しましょう。
取引先や顧客の獲得が必要
自分で起業する場合、取引先や顧客を新しく獲得する必要があります。経営を安定させるまで苦労するかもしれません。
M&Aを活用して起業した場合、ある程度の取引先や顧客の見込みは立てられますが、会社を引き継がずに起業したケースでは取引先・顧客を一から探さなければなりません。
従業員を新規に雇用しなければならない
M&Aを実施せず、従業員を引き継がない状態で起業を行った場合、従業員を新規に雇用する必要があります。
事業が始まっていないため、求める人物像が明確化できないケースがあります。最初の頃は採用においてミスマッチが起こることもあるでしょう。
企業体制の確立に時間がかかる
企業体制が確立するまで、時間がかかることもデメリットです。
企業体制を確立するためには、「経営」「人材」「戦略」などのように、さまざまな分野で仕組みを整える必要があります。
M&Aで起業する場合はすでに体制が確立されている状態です。一から起業する場合は、企業体制を整えるまで時間がかかる点に注意しましょう。
M&Aを活用して起業する3つの方法
M&Aを活用して起業する場合、サポートを受けることがおすすめです。
ここでは、M&Aで起業する場合に活用したい方法を3つ紹介します。
- マッチングサイトを利用する
- 事業承継・引継ぎ支援センターに相談する
- M&A仲介会社に依頼する
以下で3つの方法の詳細について説明します。
マッチングサイトを利用する
個人でM&Aを行う場合、マッチングサイトの利用が効果的です。
自分でM&Aを用いて起業する場合、買い取り先の企業を探す人脈を持っているケースは少ないでしょう。マッチングサイトを利用すれば、購入できる案件を自分で探すことができます。
事業承継・引継ぎ支援センターに相談する
M&Aによる起業を目指す場合、事業承継・引継ぎ支援センターの「後継者人材バンク」を活用することがおすすめです。
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業の事業承継を支援している公的機関です。各都道府県に設置されている機関で、国が運営しています。
事業承継・引継ぎ支援センターの支援内容の一つである「後継者人材バンク」は、起業したい人と後継者問題に悩む会社をマッチングしてくれます。
さらに、条件を満たせば国の融資制度を活用できる可能性もあります。
参照元:事業承継・引継ぎ支援センター
M&A仲介会社に依頼する
M&Aのことであれば、M&A仲介会社に支援を依頼できます。M&Aの実績を豊富に持っており、M&Aで起業するためのアドバイスを行ってくれます。
また、M&Aでネックになりやすいことが、法律や税務などの部分です。必要な知識がなく、起業が難しいと考える人も多いことでしょう。
M&A仲介会社はM&Aに関する専門的な知識を所有しているので法律・税務も含めたM&A全般のサポートを提供してくれます。
相談料を無料に設定しているM&A仲介会社も多数あるので、まずは相談してみましょう。
M&Aを活用して起業する流れ
M&Aを活用して起業するために、基本的な流れを知っておきましょう。
基本的な流れは次のとおりです。
- 買収予算を決める
- 買収できる案件を探す
- 交渉する
- 基本合意書を締結する
- デューデリジェンスを実施する
- 最終契約を結ぶ
それぞれのプロセスの内容について、詳しく解説します。
1.買収予算を決める
案件を探す前に、まずはM&Aにかけられる予算を決めておきましょう。予算が決まれば、案件を探しやすくなります。
M&Aにかかる金額は、企業規模や事業内容、地域などによって変化します。どの程度の金額までなら投資できるか、あらかじめ決めておきましょう。
2.買収できる案件を探す
予算が決まったら、予算内で買収できる案件を探しましょう。
自力で案件を探す際には、マッチングサイトを利用します。
サポートをしてもらうのであれば、事業承継・引継ぎ支援センターやM&A仲介会社に相談してください。M&Aに向けたアドバイスをもらいながら、自身の目的や予算に合った案件を紹介してもらえます。
3.交渉の実施
興味を持てる企業が見つかったら、売り手との交渉を始めます。
交渉では、次のような内容が話し合われることを覚えておきましょう。
- 買収の金額
- M&Aを行う時期
- 買収する範囲
- 今後の経営方針
- 従業員の雇用や待遇
なお、M&A仲介会社に仲介業務を依頼している場合は、交渉はM&A仲介会社が代行してくれます。当事者間の直接交渉はありません。
4.基本合意書の締結
交渉にて大筋で条件が合えば、基本合意書の締結を行います。
基本合意書には、次のような内容を記載しましょう。
- 買収計画の概要
- M&Aのスキーム
- 買収金額
- スケジュール
- 従業員や役員の待遇
- デューデリジェンスに関する事項
- 独占交渉権の付与
- 秘密保持の対象範囲
- 一般条項
基本合意書は「現時点での合意内容を確認する書類」という位置付けです。独占交渉権と秘密保持条項を除いて、法的拘束力はありません。
5.デューデリジェンスの実施
デューデリジェンスとは、買収予定の企業に問題がないか、調査を行うことです。「法務」「財務」「税務」「事業」などを調査します。
デューデリジェンスの実施は、買収後のリスクを減らすためにも重要です。必ず実施するようにしましょう。
6.最終契約を結ぶ
デューデリジェンスの結果を踏まえて、最終交渉を行います。最終交渉で合意できれば最終契約書の締結です。
最終契約書というのは便宜上の呼称で、実際には「株式譲渡契約書」や「事業譲渡契約書」など、用いるM&Aスキーム名を冠した契約書名になります。
最終契約書は法的拘束力を持ちます。内容を慎重に検討して決定してください。
M&Aを活用して起業する場合にかかる税金
M&Aを活用して起業する場合、税金がかかることを覚えておきましょう。予算を決める際に、総額に含めておくことが大切です。
基本的には、次の3つの税金がかかります。
- 消費税
- 不動産取得税
- 登録免許税
それぞれの税金について説明します。
消費税
M&Aスキームが事業譲渡で、譲渡対象に消費税課税資産が含まれている場合、買い手が消費税を負担する必要があります。
消費税は対価を支払うとき、対価と合わせて売り手に渡します。
税務署に消費税を納付するのは売り手です。
参照元:国税庁「消費税のしくみ」
不動産取得税
事業譲渡で不動産を譲り受けた場合には、不動産取得税が発生します。
土地や住宅家屋には、固定資産税評価額の3%の不動産取得税がかかります。非住宅家屋の場合には、固定資産税評価額の4%を支払う必要があります。
参照元:東京都主税局「不動産取得税」
登録免許税
不動産登記の情報を変更する場合、登録免許税が必要になります。資産に不動産が含まれる場合は注意しましょう。金額に関しては、固定資産税評価額の2%になります。
参照元:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
M&Aを活用して起業する場合に必要な手数料
M&Aを活用して起業するために支援機関を利用した場合、手数料が発生します。
ここでは、M&Aを活用して起業する場合、想定される手数料を紹介します。
- マッチングサイト
- M&A仲介会社
それぞれで発生する手数料について説明します。
マッチングサイト
案件を探すためのマッチングサイトでは、手数料が発生するケースもあります。
マッチングに成功した時点で発生する、成果報酬型が一般的です。サービスごとに金額も異なるため、利用前に確認するようにしましょう。
M&A仲介会社
M&A仲介会社を活用する場合、手数料が発生します。
仲介会社によって料金体系は異なるので、仲介会社に確認するようにしましょう。
必要になる手数料には、次のような種類があります。
- 相談料
- 着手金
- 月額報酬
- 中間金
- 成功報酬
- デューデリジェンス費用
完全成功報酬制のM&A仲介会社の場合、M&Aが成約するまで手数料は発生しません。ただし、買い手の場合は基本合意書締結時に中間金が発生する場合があります。
デューデリジェンス費は、成功報酬とは別のものなので、買い手の場合はこの費用も発生します。
会社をM&Aで買収する際の費用相場
個人向けM&A売却案件の相場は、「200万円から1,000万円」が目安となるでしょう。
実際のところ、事業の規模によって売却希望額はさまざまです。200万円より安い金額の場合もあれば、1,000万円を超える場合もあります。
自分の予算内の売却案件の中から、できるだけ良い会社を選ぶことが肝要です。
300万円でM&Aを利用した起業はできるのか
ここでは、個人が起業する目的でM&Aを用いる際、300万円から500万円の予算で買収可能な案件の特徴や具体的な事業内容を紹介します。
- 300万円から500万円で買収できる案件の特徴
- 300万円から500万円で買収できる具体的な事業
以下、案件や事業内容について、詳しく解説します。
300万円から500万円で買収できる案件の特徴
300万円から500万円で買収できる案件は、多くの場合、小規模事業者です。利益額は少ないか、場合によっては赤字経営かもしれません。
また、一定の利益は出ている小規模事業者でも、後継者不在により早急に買い手を見つけたいと考えている場合は安く売却に出されている可能性があります。
同じ金額で会社や事業を買収するなら、できるだけ後者のような案件を選ぶのがおすすめです。
300万円から500万円で買収できる具体的な事業
300万円から500万円で売却希望が出ている事業の例は以下のとおりです。
- 飲食店
- 小売店
- サロン
- 理美容業
- 学習塾
- 歯科医院
- 内科医院
- 調剤薬局
- デイサービス
- 訪問介護
- 空調整備業
- 水道整備業
- 製造業
- 印刷業
- 簡易宿泊施設
- ECサイト
- アフィリエイトサイト
- フランチャイズ店
この中でも最も多く見つかるのはラーメン屋や喫茶店などの飲食店でしょう。飲食店は、他の業種と比較して必要な資格の取得が簡単であるため、参入障壁が低いのが特徴です。ネイルサロンや日焼けサロンなども特別な資格は必要ないため、やはり参入障壁は低いといえます。
一方、理美容業、医院、調剤薬局などは国家資格が必要です。
M&Aを活用して起業を成功させる3つのポイント
M&Aを活用して起業を成功させるためには、次の3つのポイントが大切です。
- 自分の能力を活かせる業種を選ぶ
- 自分に合った会社規模を選ぶ
- 専門家の協力を仰ぐ
それぞれのポイントについて説明します。
自分の能力を活かせる業種を選ぶ
M&Aをする企業は、自分の能力を活かせる業種にしましょう。
会社を経営したり、利益を出したりするためには、自分の能力や知識が大切です。全く知らない分野に手を出した場合、何も分からず、経営判断を間違える可能性もあります。
自分の能力を活かせる業種にしておくと、経営も安定しやすいでしょう。
自分に合った会社規模を選ぶ
自分に合った会社規模を選ぶことも、M&Aを成功させるためには大切です。規模が大き過ぎると、運営できなくなってしまう可能性もあります。
起業後は、自身で経営判断を行い、会社を運営しなければなりません。自分でコントロールできる規模の会社を選び、運営を成功させましょう。
専門家の協力を仰ぐ
M&Aを成功に導くために、専門家の協力を仰ぎましょう。
M&Aを実施するには必要な専門知識が多く、個人の力のみでは難しい場面もあります。
法律や税務関係の手続きも絡んでくるため、弁護士や税理士レベルの知識が求められます。
専門家の協力を仰ぎ、トラブル発生のリスクを減らしましょう。
M&Aを活用して起業する際の3つの注意点
M&Aを活用して起業するために、注意したいポイントを解説します。次の3つに関して、必ず確認するようにしましょう。
- 高い案件は避ける
- デューデリジェンスを実施する
- 契約書は専門家に確認してもらう
それぞれの注意点を説明します。
高い案件は避ける
高過ぎる案件は、避けるようにしましょう。経営に失敗した際のリスクが高まります。
M&Aで起業に成功しても、大切なのは経営を軌道に乗せて利益をあげることです。企業を購入しただけで終わりではないことを意識しなければなりません。
デューデリジェンスを実施する
M&Aの契約前に、デューデリジェンスを必ず行うようにしましょう。
企業は簿外債務のリスクや経営状態の問題を抱えている可能性もあります。交渉時には懸念点を隠されることもあるので、買い手側が徹底的に調査することが必要です。
M&Aの仲介会社や士業などの専門家を起用してデューデリジェンスを実施し、問題がないことを確認しておきましょう。
契約書は専門家に確認してもらう
契約書の内容に不足や誤りがないか、専門家に確認してもらいましょう。法的なリスクを避けることにもつながります。
M&Aはさまざまな知識が絡み、個人だけで行うことが難しい案件です。法律の専門家やM&A仲介会社などを活用して、契約書を必ず確認してもらいましょう。
M&Aを活用して起業する際の5つの相談先
個人がM&Aで起業を目指す場合、独力ではリスクを取り除けない可能性があります。M&Aを活用した起業をスムーズに薦めるために、支援機関に相談しましょう。
相談先としては、以下のような会社や機関が候補として挙げられます。
- 公認会計士や税理士などの士業
- 金融機関
- 商工会・商工会議所
- 事業承継・引継ぎ支援センター
- M&A仲介会社
それぞれの会社・機関について説明します。
1.公認会計士や税理士などの士業
昨今、公認会計士や税理士、弁護士などの士業がM&A仲介業に参入するケースが増えてきました。士業の場合、企業価値評価(バリュエーション)やデューデリジェンス、契約書の作成・チェックなどでM&Aに関わることも多く、その延長線上でM&Aの相談も受け付けています。
ただし、士業事務所によって、M&Aの仲介実績には大きな差があります。公表されている実績をチェックして、個人の起業に向けたM&Aを支援に強い事務所に相談するのが得策です。
2.金融機関
証券会社、銀行、信用金庫などの金融機関もM&A仲介業を行っているところが多く、M&Aの相談も受けつけています。金融機関の場合、支店間ネットワークを活かした独自のM&A案件情報を持っている場合があることが特徴です。
ただし、証券会社や銀行が手がけるM&Aは大型案件が多く、個人の相談先には向きません。
3.商工会・商工会議所
商工会・商工会議所でも、中小企業の経営相談の一環としてM&Aの相談を受けつけています。
商工会・商工会議所は、一定区域の会員商工業者の団体です。経営相談などの活動は、基本的に会員が対象ですが、会員以外でも相談はできます。
商工会・商工会議所では起業・創業に関するセミナーや相談も受けつけており、その際にM&Aの相談もできるでしょう。
4.事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁からの委託事業として各都道府県に設置されている公的機関です。事業承継・引継ぎ支援センターが行っている事業に、後継者人材バンクがあります。
これは、後継者のいない中小企業を事業承継することで起業しようとする個人の希望者を登録し、条件の合う中小企業とマッチングする事業です。実質的にM&Aを活用した起業と同等のことができます。
事業承継・引継ぎ支援センターは公的機関であることから、相談や後継者人材バンクへの登録などは無料です。
5.M&A仲介会社
M&A仲介会社はM&Aの専門業者であり、M&Aの相談先として適しています。多くのM&A仲介会社は無料相談を受けつけており、その点も利用しやすいでしょう。
ただし、M&A仲介会社によって、取り扱うM&Aの規模はさまざまです。
個人で起業するためのM&Aの場合、中小企業や小規模事業者のM&A案件を扱っているM&A仲介会社を選び、相談に行きましょう。M&A仲介会社のホームページを見れば、どのような案件を扱っているかわかります。
小規模なM&Aに対応しているかわからない場合は、メールや電話で問い合わせてみましょう。
まとめ
M&Aを活用して起業を行う人々が増加しています。現在、会社を売りたいと考える人々の増加やM&A案件のマッチングサイト増加など、M&Aでの起業を後押しする体制が整いつつあります。
また、公的支援やM&A仲介会社などのサポート機関も利用できます。支援をうまく利用しながらM&Aを実施して、起業の夢を叶えましょう。
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料金体系はM&Aご成約まで料金が発生しない完全成功報酬型です(譲受会社のみ中間金あり)。もちろんご相談料も無料。まずはお気軽にレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にご相談ください。