会社を売りたい方向け|会社売却のメリットや注意点、流れを解説 | レバレジーズM&Aアドバイザリー
                                           

会社を売りたい方向け|会社売却のメリットや注意点、流れを解説

2024年1月4日

会社を売りたい方向け|会社売却のメリットや注意点、流れを解説

このページのまとめ

  • 会社を売りたいと考える人は、年々増加傾向にある
  • 会社を売るためには、目的を整理し、企業価値を高めることが大切
  • 納得いく金額で売るためにも、経営状況や財務状況を安定させておく

近年は、後継者不足などで会社を売りたいと考える方が増加しています。会社売却を成功させるためには、基本的な流れやポイントを理解し、専門家と協力して進めることが大切です。

本コラムでは、後継者不足に悩む経営者や引退後の資金の確保が必要という経営者の方に向けて、会社を売りたい場合に意識するポイントや、売却の流れを紹介します。会社を売るメリット・デメリットを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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会社を売りたい方が増えている理由 

近年、会社を売りたいと考える方は増加傾向にあります。後継者探しが難しい、引退後の資金確保がしたいといった理由があり、今後も会社を売りたいと考える方は増加していくと考えられるでしょう。

ここでは、会社を売りたいと考える方が増えている4つの理由を解説します。

1.後継者探しが難しい

会社を売りたいと考える理由の1つに、個人での後継者探しが難しいことが挙げられます。自社では後継者が見つからず、他社に後継者を求める企業が増加している状況です。現代は、高齢化社会もあり、経営層の年齢が高まっています。そのため、後継者を任命したくても、ほかの経営層も年齢が高い状態が増加しています。そこで経営者が考えたのが、会社を外部に売り出すことです。社外に後継者を求めることで、後継者探しを実現しようとしています。

2.引退後の資金確保が必要

引退後の資金確保のために、会社を売却しようと考える人も増加しています。平均寿命が延び、老後の資金がこれまで以上に必要になったからです。経営者であっても、退職し、老後に備えることは大切です。年金だけで生活できるとは限らないため、企業を売却し、その資金で老後を過ごそうと考える人が増加しています。

3.廃業せずに企業を存続させたい

廃業せずに、企業を存続させたいと考えていることも、企業を売りたい人が増えている要因です。廃業してしまうと、雇用している従業員の生活を守れなくなってしまいます。もし、経営者だけであれば、「廃業にする」「経営が厳しくても続ける」などの選択肢も出てきます。しかし、従業員がいる場合は、そう簡単にはいきません。雇用と生活を守るためにも廃業は避け、安定した経営を行う必要があります。そのために、企業を売りに出すことで、支援を受け、安定した経営を進めようとするケースもあります。

4.主力事業に集中したい

主力事業に集中するために、会社を売りたいと考えるケースもあります。事業が複数あることで、経営が忙しくなり、主力事業に掛ける時間が減ってしまうからです。また、行っている事業すべてが、成功しているとは限りません。経営状況が思わしくない事業に関しては売却を行い、主力事業で利益を出そうと考えるケースもあります。

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会社を売るメリット 

会社を売ることで発生するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、会社を売ることで期待できる6つのメリットを解説します。

  • 後継者問題が解決できる
  • 廃業・倒産を避けられる
  • 事業に集中できる
  • 資金を得られる
  • 連帯保証を解消できる
  • シナジー効果が期待できる

後継者問題が解決できる

会社を売ることで、後継者問題を解決できます。後継者がいない企業も安心して、経営を継続できるでしょう。現代は高齢化社会もあり、従業員の年齢も高まっています。自社で後継者が見つからない、高齢で不安がある、などの問題を抱える企業もあるでしょう。会社を売ることで、後継者問題を解決でき、企業運営への不安を軽減できます。このように、会社を売ることは後継者確保を実現し、従業員を守ることにもつながります。

廃業・倒産を避けられる

会社の売却で廃業・倒産を避けられるのもメリットです。
後継者不在や経営悪化に陥ると廃業の選択肢も出てきますが、多くの経営者にとって廃業の選択は避けたいものです。会社を売ることができれば会社の名前を残し、廃業を避けられる可能性もあります。

事業に集中できる

会社を売ることで、事業に集中できるメリットがあります。主力事業に集中できれば、成果を残しやすくなるでしょう。運営する事業や企業が多くなると、経営者は忙しく、運営が大変になります。人材や資金などのリソースも、より必要になるでしょう。経営する会社を絞ることで、自社のリソースを集中させ、主力事業に注力できます。運営が難しくなった企業を売り、主力事業に集中できることはメリットになるでしょう。

資金を得られる

会社を売ることで、まとまった資金を獲得できる点もメリットです。老後に備えたり、資金を得ることで引退を決めるケースもあるでしょう。起業した経営者のなかには、最初から会社を売って資金確保を行う目的で起業するケースもあります。このような経営者にとっては、資金を得られることがメリットです。まとまったお金が手に入るため、大きなメリットになるでしょう。

連帯保証を解消できる

経営者が悩まされやすい、連帯保証を解消できる点もメリットです。会社を売ることで、連帯保証が買い手に引き継がれます。中小企業の場合は、銀行などから融資を受けるために、自身が連帯保証人になるケースがほとんどです。連帯保証になることを、プレッシャーに感じつつけることもあるでしょう。会社を売却できれば、買い手に連帯保証が引き継がれるため、連帯保証人から解放されるメリットもあります。

シナジー効果が期待できる

会社を売ることで、買い手企業とのシナジー効果が期待できるケースもあります。買い手企業の技術や資源と、自社の資源を組み合わせることで、プラスの効果が発揮されることもあるでしょう。これまでにない技術が手に入り、自社の発展につながる可能性もあります。会社の基盤が強化され、経営が安定することも期待できるでしょう。

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会社を売るデメリット 

会社を売ることのデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、会社を売ることで予想されるデメリットを、6つ紹介します。

  • 訴訟や損害賠償が生じる可能性がある
  • 売却後の意思決定が遅くなる
  • 従業員が退職してしまう可能性がある
  • 企業イメージ悪化のリスクがある
  • 売却後も企業で働かなければならない可能性がある
  • 競業避止義務が生じる

訴訟や損害賠償が生じる可能性がある

会社を売る際に正しい情報を知らせないと、訴訟や損害賠償請求をされる可能性があります。

会社を売る際の契約書には「表明保証」があり、嘘偽りのない情報を相手の企業に知らせる義務があるためです。表明保証とは、会社を売る際に相手に示した情報が正しいことを保証する条項を指します。これに違反し、相手先に不利になることを隠蔽もしくは虚偽の報告をした場合、訴訟を起こされ、損害賠償請求をされる可能性があるでしょう。

売却後の意思決定が遅くなる

会社売却後は、経営の意思決定に関して買い手企業と認識のずれがないようにしなければなりません。認識がずれていると、思わぬトラブルが起こる可能性があります。

そのため、意思決定をする際は買い手企業との相談や報告が必要になり、判断が遅くなる点がデメリットです。

従業員が退職してしまう可能性がある

会社を売ることで、従業員が退職してしまう可能性に注意しましょう。経営者や運営元が変わることに、不信感を抱く可能性があるからです。たとえば、従業員に十分な説明なく会社を売ることで、信頼できないと辞めてしまうケースがあります。また、経営者が変わるのであれば、続ける理由がなくなると考える従業員も出てきます。このように、会社を売ることで、従業員が退職する可能性に注意しましょう。売却が成立する前に、丁寧に説明を行うことが大切です。

企業イメージ悪化のリスクがある

会社を売ることで、企業イメージが悪化する可能性に注意しましょう。「経営が悪化したから売却した」「会社運営の能力がなかった」などのイメージを持たれるリスクがあるからです。M&Aは増加傾向にありますが、会社を売ることをマイナスに思う人もいます。顧客や取引先から、マイナスのイメージを持たれる可能性もあるでしょう。会社を売ることで、企業イメージが悪くなる可能性があることを覚えておきましょう。

売却後も会社で働かなければならない可能性がある

会社を売却しても売却先の企業に拘束され、引き続き働かなければならない可能性に注意しましょう。ロックアップが生じる可能性があるからです。ロックアップとは、会社のキーマンとなる人材に、会社売却後も働くように促す条項です。契約時にロックアップの条項があれば、退職ができません。もし、会社を売却して引退しようと考えていても、引退できないケースがあることに注意してください。

競業避止義務が生じる

会社売却後は、競業避止義務が生じるデメリットもあります。競業避止義務とは、会社売却後に、競合となる事業を行ってはいけないと定められたルールです。基本的には、競業避止義務が契約書に含まれます。また、会社法第21条にも、「事業譲渡した会社は、同一の市町村、または隣接する市町村で、事業譲渡した日から20年間は同一の事業を行ってはならない」と定められています。このように、会社を売却した際には、競業避止義務が生じることを覚えておきましょう。

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会社を売りたいときの手法 

会社を売ろうと考えたとき、気になるのは売却手法です。会社売却の手段には、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、一般的に使用される、4つの方法を解説します。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • 会社分割
  • 株式交換

株式譲渡

株式譲渡とは、売りたい会社の株式を、買い手側に譲渡する方法です。会社を売る際には、良く使われる手法になります。株式譲渡を行うメリットには、次のようなメリットがあります。

  • 法的な手続きが簡単に行える
  • 株主に対する対応が実施しやすい
  • 売り手企業の独立性を担保しやすい

一方で、デメリットには次のような点があるため、注意しましょう。

  • 売り手企業の独立が高く、自由に動かれやすい
  • 買い手側は、簿外債務を引き継ぐリスクが生じる
  • 買い手側が、株式を集めきれないケースがある

事業譲渡

事業譲渡とは、会社が持つ事業の全部、または一部を譲り渡すことです。事業の内容には、「資産」「施設」「負債」「契約」なども含まれます。また、契約には、「従業員との雇用関係」や、「取引先との契約」なども含まれるため注意しましょう。事業譲渡を行う際のメリットには、次のような事柄が挙げられます。

  • 買い手側は引き継ぐ資産を選択できる
  • 買い手側は簿外債務を引き継ぐリスクが減る

一方で、次のようなデメリットが発生する可能性も注意しましょう。

  • 売り手は競争防止義務が発生する
  • 税制優遇を受けられない
  • 手続きに時間を有する

会社分割

会社分割とは、会社が所持する事業の全部、または一部を別会社に移転させる方法のことです。「新設分割」と「吸収分割」の2種類があります。新設分割とは、所持する事業を切り離し、新しく設立した会社へと移転する方法です。一方で、吸収分割は、すでにある企業に対して、事業を移転させる方法になります。会社分割を行う際のメリットは、次のとおりです。

  • 買い手は買収資金が必要ない
  • 移転を行う際の手続きが簡単
  • 個別の同意契約が不要

一方で、会社分割には、次のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

  • 買い手の株主構成が変わる
  • 体制が変わることで従業員が混乱しやすい

株式交換

株式交換とは、売り手側が所持する株式を、買い手側の企業と交換する方法です。売り手側は完全子会社に、買い手側は完全親会社になります。株式交換を行うメリットは、次のとおりです。

  • 買い手は会社を買収する資金が必要ない
  • 経営統合の手間が省ける

一方で、株式交換には次のようなデメリットがあるため、注意しましょう。

  • 買い手の株主構成が変わる
  • 売り手は株式を売却できなくなる
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会社を売りたい際の流れ 

会社を売りたい場合は、基本的な流れを知っておくとスムーズに売却ができます。一般的には、次のような流れで進むため、覚えておきましょう。

  1. 会社売却の目的を決める
  2. M&A仲介会社を決める
  3. 会社を売る相手を探す
  4. 売却相手と交渉を行う
  5. 基本合意書を締結する
  6. 企業調査の実施
  7. 最終の条件交渉を行う
  8. クロージング準備
  9. クロージング実行
  10. ディスクロージャーの実施

1.会社売却の目的を決める

会社を売る前に、売却の目的を決めておきましょう。目的が明確になることで、会社の売り方や売る相手が定まります。もし、目的がないまま進めてしまうと、交渉がうまくいかなかったり、売却相手が決まらなかったりするため注意してください。また、会社売却を成功させるためには、戦略を決めることも大切です。売却を始める前に、目的と戦略を決めるようにしましょう。

2.M&A仲介会社を決める

会社を売る際には、M&A仲介会社を活用しましょう。専門的な知識で、売却をサポートしてくれます。会社を売る際には、交渉はもちろん、法律も含めてさまざまな知識や経験が必要です。会社を売った経験のある人は少なく、知識を十分に所持していないケースも多いでしょう。M&A仲介会社に協力を依頼すれば、初めての会社売却でもスムーズに進めることができます。納得のいく条件で実行するためにも、まずは相談してみましょう。

3.会社を売る相手を探す

会社を売るためには、買い手を探すことが必要です。売却先は、慎重に探すようにしましょう。会社を売るリストに関しては、M&A仲介会社に依頼すると効率的です。自社で探すのは難しく、時間も掛かってしまうでしょう。M&A仲介会社の場合は、会社を買いたい企業からの相談も多いため、売却先が見つかりやすくなるメリットがあります。

4.売却相手と交渉を行う

売却先の相手が見つかれば、交渉が始まります。まずは、売却に関する基本的な計画を立てるようにしましょう。この計画を買い手側に提出し、条件を詳しく詰めていきます。計画を立てるにあたっては、法律や財務的な内容も多くあります。弁護士などに相談しながら、慎重に進めましょう。

5.基本合意書を締結する

条件がある程度決まれば、基本合意書を締結します。基本合意書をもとに、今後の方向性が決まることを覚えておきましょう。注意点は、基本合意書に法的な効果はない点です。あくまでも、合意書である点に注意してください。

6.企業調査の実施

基本合意書の締結後は、企業調査を実施します。企業調査とは、企業価値を算出するための調査のことです。たとえば、「財務」「人材」「税務」「施設」「システム」などを調査し、企業にどのくらいの価値があるかを算出します。企業調査の結果を踏まえて、最終の条件が決まることを覚えておきましょう。

7.最終の条件交渉を行う

企業調査実施後は、最終の条件交渉です。契約書に記載する企業価値を決定したり、条件を決めたりします。また、最終の契約書では、「表明保証」「クロージング条項」「コベナンツ」などを記載すると覚えておきましょう。これらの説明は、次のとおりです。

表明保障:企業調査の情報や提示した情報に虚偽がないことの表明
コベナンツ:クロージング前後に、双方が果たすべき義務
クロージング条項:クロージングを行うために必要となる条項

8.クロージング準備

クロージングを行う前に、必要な準備を実施しましょう。クロージング前には、次のような準備が必要になります。

  • 株式譲渡
  • 独占禁止法の遵守
  • 債権者の保護

クロージング前に、手続き関連は終わらせて、準備をしておく必要があります。契約書に記載された内容を果たすようにしましょう。

9.クロージング実行

クロージングでは、最終契約書の締結を行います。最終契約書の締結が終われば、基本的に会社売却は完了です。

10.ディスクロージャーの実施

クロージング実行後は、ディスクロージャーを実施しましょう。ディスクロージャーとは、株主や取引先に対し、売買情報の公開を行うことです。ディスクロージャー実施により、透明性が担保され、社会からの信頼が向上しやすくなります。会社を売却した際は、内容に関して、ディスクロージャーで表明するようにしましょう。

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会社を売るためのポイント

会社の売却を成功させるために、意識したいポイントを覚えておきましょう。次のようなポイントを意識すると、交渉がスムーズに進んだり、満足のいく結果になったりするため、覚えておきましょう。 

  • 企業価値を向上させる
  • 売却の目的を考える
  • 専門家に協力してもらう
  • 株式を経営者に集中させる
  • 財務状況を見直す
  • 取引先や顧客を安定させる
  • 従業員の質を高める
  • 企業体制を整える

企業価値を向上させる

会社を良い条件で売るためには、企業価値の向上が大切です。周囲から魅力のある会社になればなるほど、良い条件で売却できるようになるでしょう。たとえば、独自の商品を生産し、主力商品を作る方法があります。また、技術力を高め、他社に必要と思わせることも大切でしょう。このように、魅力や強みのある企業であれば、企業価値が高まります。会社を良い条件で売るためには大切になるため、覚えておきましょう。

売却の目的を考える

なぜ会社を売るのか、売却の目的を考えておきましょう。目的がなければ、売却先が決まらなかったり、交渉に失敗したりしてしまうからです。たとえば、企業の存続を重視するのであれば、従業員の雇用が守られる形を意識する必要があります。また、売却後は自分が引退するか、引き続き働くかによっても交渉内容が変わるでしょう。このように、会社を売る際には、なぜ売却するかを考えておく必要があります。目的が明確になれば、交渉をスムーズに進められるでしょう。

専門家に協力してもらう

会社を売る際は、専門家に協力してもらいましょう。法律が関わる場面も多く、自社だけでは難しい状況を迎えるからです。会社の売却経験を持つ人は少なく、初めてのM&Aで戸惑うことも多いでしょう。確認ミスや知識不足により、交渉失敗やトラブルを起こしてしまう可能性もあります。スムーズに進めるためにも、弁護士や税理士、M&A仲介会社のような、会社売却の知識を持つ専門家の協力は欠かせません。自社だけで進めようとせず、専門家の力を借りるようにしましょう。

株式を経営者に集中させる

株式を経営者に集中させておくと、売却が進めやすくなります。株式譲渡を行う場合もあり、スムーズに手続きが進むからです。たとえば、経営層が株式を分け合っているケースもあるでしょう。そのことにより、株式を集める手続きに時間が掛かり、売却に失敗する可能性もあります。会社を売ることが決まれば、あらかじめ経営者に株式を集中させましょう。株式譲渡が行いやすくなり、売却もスムーズになります。

財務状況を見直す

赤字が発生していないか、財務状況を見直しましょう。赤字が発生している企業は評価が下がり、売却しにくくなるからです。たとえば、赤字経営が続いており、改善が見込めない企業を買おうと考える企業は少ないでしょう。売却したくても、高く売れないケースがほとんどです。満足がいくように売却するためには、財務状況の見直しも大切です。赤字の発生には、注意しておきましょう。

取引先や顧客を安定させる

取引先や顧客が安定していることは、会社売却のアピールになります。安定した顧客があることで、買い手側の企業も購入後の経営が安心できるためです。取引先などと良い関係性を作っていれば、売却後も関係を継続しようと考えることにつながります。買い手側も、取引先が継続できる状態であれば、利益の見込みを立てることができるでしょう。このように、取引先の安定は、売却にプラスの要素です。安定した基盤を作っておくことも求められます。

従業員の質を高める

企業価値を高めるためには、従業員の質を高めることも大切です。従業員の教育や育成にも力を入れるようにしましょう。会社を売る際には、従業員が買い手先の企業で再雇用されるケースも多くあります。優秀な従業員が多いことは、買い手にとって魅力的でしょう。企業価値の一部として認識されるため、従業員の質を高めておくことは大切です。

企業体制を整える

売却後も安定するように、企業体制を整えましょう。経営者が変わっても、問題なく経営できる状態を作ることが大切です。たとえば、売却後に経営者が引退を考えているとします。経営者のワンマン経営の場合、経営者がいなくなることで企業が回らなくなるリスクを抱えてしまいます。買い手にとっては、不安定な要素になるため、注意しなければなりません。一方で、企業体制が安定していれば、会社売却後も安定した経営が可能になります。企業体制を整えて、既存の経営者がいなくても問題なく運営できる仕組みを作っておきましょう。

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会社を売りたい際の注意点 

会社を売るために、注意したい3つのポイントを紹介します。トラブルの原因にもなるので、注意してください。

  • 情報漏洩に注意する
  • 無駄に資金を使わない
  • 売却のタイミングを逃さない

情報漏洩に注意する

会社を売る際には、情報漏洩に注意しましょう。情報漏洩が発生すると、交渉相手からの信頼を失ったり、情報管理が甘い企業だと思われたりするからです。また、契約を行う際には、秘密保持契約を結びます。もし、情報漏洩が発生すれば、契約違反となり、売却できなくなる可能性もあります。情報漏洩を防ぐためにも、「交渉内容は口外しない」「書類などの管理に注意する」などの対策は行っておきましょう。

無駄に資金を使わない

無題に資金を使わないように、健全な経営を行うようにしましょう。節税対策で経費を必要以上に使うことも避けるようにしましょう。支出が多過ぎる企業は、経営体質に問題があると思われやすくなります。簿外債務を引き継ぐリスクの発生なども想定されるかもしれません。売却を成功させるためには、健全な経営を行っていると思われることが大切です。資金の使い過ぎには、十分に注意しましょう。

売却のタイミングを逃さない

売却のタイミングを逃さないことも大切です。売却しやすいのは、業界再編が進んで業界全体の景気がよいときや、新規参入を狙っている企業が増えているときなどがあげられます。自社の業績がよいときも、希望条件で売却しやすいでしょう。

反対に業界全体が不景気で自社の業績が伸びないときは、相手候補先を見つけにくく、希望の価格で売却できない可能性もあります。

売却のタイミングを逃さないためには、早めに準備をすることが大切です。最新の業界動向をチェックしながら、自社の業績が良い時期を見定めましょう。

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会社を売りたい人によくある疑問 

ここからは、会社を売りたい人に良くある疑問を紹介します。気になる部分は、交渉を始める前に解消しておきましょう。

会社を売るときに必要な書類は?

会社を売る際には、さまざまな書類が必要になります。交渉に備えて、どのような書類があるかを知っておきましょう。たとえば、法務面に関しては、次のような書類が必要になります。

  • 法人税の納税証明書
  • 消費税の納税証明書
  • 事業税の納税証明書
  • 住民税の納税証明書
  • 土地や建物の固定資産税評価証明書

また、法務面に関しては、次の書類が必要です。

  • 会社商業登記簿謄本
  • 印鑑証明書
  • 土地や建物の登記簿謄本

会社を売却する際の相場は?

会社売却での相場は、会社の価値によって変わります。会社の規模によっても相場は大きく異なり、大企業であれば数十億円という金額も珍しくありません。一方、中小企業の相場は数億円ほどで、小規模M&Aと呼ばれる規模であれば、数十万円〜数百万円程度の売却が行われているケースもあります。

具体的には、「純資産(時価)+営業利益3年〜5年分」程度が目安とされています。例えば、純資産(時価)が5億円で毎年の営業利益が2億円の場合、5億円+(2億円×3年〜5年)=11億円〜15億円が相場です。

自社の企業価値を算出する方法は?

会社を売却する際に気になることが、自社の企業価値です。どのくらいの金額で売却できるか、想定したくなるでしょう。ここでは、自社の企業価値を算出する方法を、4つ紹介します。

  • 簡易計算
  • 類似会社比較法
  • 修正簿価純資産法
  • DCF法

簡易計算

企業価値を簡単に計算する方法は、次のとおりです。

純利益×年数+純資産額

年数に関しては、3年から5年を目安に計算すると良いでしょう。この年数は、現在の状態で維持できる利益が3年から5年程度になるからです。簡単に算出できるため、概算が気になる場合は試してみてください。

類似会社比較法

類似会社比較法とは、売却対象となる企業と似た規模や事業内容を持つ企業を参考に、企業価値を算出する方法です。上場企業を参考にするケースが多く、株価や決算の情報を基準に、算出できるメリットがあります。一方で、類似する企業がない場合は、計算ができないため注意が必要です。

修正簿価純資産法

修正簿価純資産法とは、貸借対照表のうち、土地や建物、有価証券のように時価が判別できるものの修正を行い、反映する算出方法のことです。時価の計算はすぐにできるため、企業価値が算出しやすいメリットがあります。ただし、人材のように、無形資産に関しては算出ができないため、注意しましょう。

DCF法

DCF法とは、会社が将来生み出す価値を計算し、必要なコストを差し引く計算方法のことです。ディスカウンテッド・キャッシュ・フローの略で、DCF法と呼ばれます。大企業でよく使われる手法で、具体的な金額が出しやすく、無形資産も評価対象にできるメリットがあります。ただし、将来の予想も計算に組み込むため、事業計画書を用意しなければ、計算できないデメリットに注意しましょう。

赤字でも会社は売れる?

赤字を抱えていても、会社が売れるのか気になる方もいるでしょう。結論を言うと、赤字があっても問題ないケースがあります。たとえば、固定資産を売却し、一次的に赤字になっている場合は問題ありません。また、赤字の原因が明確であれば、改善可能と考え、購入に踏み切る企業もあります。一方で、経営状況が悪く、改善が見込めない場合は、売却は難しくなるでしょう。赤字でも会社は売れますが、内容次第であることには注意してください。

会社を売りたいときの相談先は?

会社の売却をスムーズに進めるためには、専門家に相談することをおすすめします。適切な相談先は相談内容により異なります。コストも考えながら、自社に合う相談先を決めましょう。会社売却の主な相談先は、以下のとおりです。

相談先特徴・メリット
M&A仲介会社・M&Aの成約に向けてアドバイスや手続き面のサポートをする会社
・買い手企業の紹介や交渉も依頼できる
金融機関・取引している地元銀行など
・会社の経営状況などを把握しているため、売却の相談がしやすい
公認会計士・税理士・顧問契約をしている専門家など
・財務や税務、経営全般の相談ができる

それぞれ、詳しく紹介します。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、売り手と買い手をマッチングし、M&Aの成約に向けたアドバイスや手続き面のサポートを提供する会社です。売り手・買い手の間に立って双方の希望を擦り合わせ、成約までをサポートします。

会社ごとに得意分野や実績は異なり、サポートの方法も異なります。自社の業界に実績があるかなど、よく確認して選ぶとよいでしょう。

金融機関

取引先銀行など、日頃からやりとりしている金融機関も相談先に向いています。会社の経営状況や財務・金融面の課題などを把握しているため、会社売却の相談もしやすいでしょう。金融機関は地元の企業や士業専門家などとのネットワークもあり、買い手候補探しの相談も可能です。

金融機関のなかにはファイナンシャル・アドバイザリーやM&A仲介などのサービスを提供しているところもあり、そのような場合は、売却計画の策定から成約に至るまで、一連のサポートを受けることができるでしょう。

公認会計士・税理士

税理士や公認会計士は財務や税務、経営全般の相談ができ、会社売却の相談先になります。顧問契約を結んでいる公認会計士・税理士であれば、自社の経営や財務状況などに通じており、会社売却を検討する際の相談先として適しているでしょう。

ただし、公認会計士・税理士は基本的に税務や会計の専門家であり、M&A全般に詳しいとはいえません。売却の相手候補を探したり取引交渉を行ったりする段階では、M&A仲介会社などの相談先に依頼する必要もあるでしょう。

関連記事:会社売却の相場や税金はどれくらい?準備からクロージングまでの流れも解説

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まとめ

後継者問題や老後を考え、会社を売りたいと考える人は増加しています。M&Aの件数は増加が続いており、買い手の需要も増していくでしょう。会社を売るためには、企業価値を高め、魅力ある企業としてアピールを進めることが大切です。自社の魅力を整理し、企業体制や財務状況の問題も解消しておきましょう。また、会社を希望通りに売るためには、専門家の協力が欠かせません。豊富な実績を持つM&A仲介会社に、まずは相談してみましょう。

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料金に関しては、M&Aの成約時に料金が発生する、完全成功報酬型です。
M&A成約まで、無料でご利用いただけます(譲受側のみ中間金あり)。
相談に関しては、無料で実施しています。M&Aを検討している際には、お気軽にお問い合わせください。