会社の買取方法とは?事業を買い取るまでの流れや成功させるポイントを解説

2024年2月6日

会社の買取方法とは?事業を買い取るまでの流れや成功させるポイントを解説

このページのまとめ

  • 会社の買取とは個人が小規模の会社を買い取ること
  • 後継者不足や投資意識の拡大、支援サービスの増加により買取が増えている
  • 会社買取では株式譲渡や事業譲渡のスキームが取られる傾向にある
  • 会社の買取では簿外債務と従業員の離職に注意する
  • 会社買取を成功させるためには、資金繰りや経営プランを練ることが大切

投資目的で会社を買い取りたいと検討している方も多いのではないでしょうか。後継者不足や投資意識の拡大、M&A支援サービスの増加により、個人が会社を買い取るケースが増えています。実際に会社を買い取る際は、事前に会社買取のスキームや流れなどを把握しておくことが大切です。

このコラムでは、会社買取のスキームや流れだけでなく、買取の対象となるケースや相場感、成功させるポイントなどについてわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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会社の買取と買収の違い

会社の買取と買収の違いは、端的に表すと、そのスケールの違いです。どちらの言葉も会社や事業を買い取る行為を表すもので、その意味において大きな違いはありません。

通常、買収とは、法人や実績のある個人事業主が実施するM&Aに対して使う場合が多いでしょう。一方、買取とは、事業を営んでいない個人が、小規模な会社を買い取る場合に使うことが多いようです。

これまで、シナジー効果やスケール拡大を求めて、他の企業や事業を買収する企業は数多くありました。しかし最近では、個人による小規模の会社や事業の買取が増えてきているのです。

個人による買取の場合、投資を目的としているケースがほとんどですが、まれに会社経営を行うために買い取りする人もいるようです。個人の場合、対象となる会社は小規模で買収金額もそれほど大きくありません。

なかには小規模な買収を行う企業もあるため、個人と企業が小規模M&Aに参入し、競争が激しさを増しています。

関連記事:事業買収とは?買い取る手法や目的、メリット・デメリットを解説

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会社の買取が注目される背景

企業だけでなくサラリーマンの間でも注目を集めている会社の買取ですが、その背景には、次の3つが挙げられます。

  1. 経営者の高齢化と後継者不足問題の増加
  2. 投資の意識の拡大
  3. M&A支援サービスの増加

それぞれ詳しく解説します。

経営者の高齢化と後継者不足問題の増加

中小企業庁の「事業承継を知る」によると、経営者の高齢化は深刻さを増し、この20年の間に経営者年齢のピークは50代から60代・70代へと大きく上昇しているとのことです。

事業承継を知るグラフ画像

引用元:中小企業庁「事業承継を知る」

さらに70代経営者のうち、38.6%が後継者がいないと回答しています。

事業承継を知るのグラフ画像

引用元:中小企業庁「事業承継を知る」

また、黒字にも関わらず廃業件数が増えている点も問題です。廃業理由を見ると、後継者難による廃業は29%とかなりの割合を占めています。これは、経営的に問題がないにもかかわらず、後継者不足で廃業に追い込まれた企業が少なくないことを表しています。

このように、会社の買取が注目されるのは、経営者の高齢化や後継者不足が大きな要因です。

参照元:中小企業庁「事業承継を知る

投資の意識の拡大

個人の投資に対する意識の拡大も、会社の買取に拍車をかけています。個人投資家は年々増加しており、これは富裕層だけに限らず標準的所得のサラリーマンにも見られる傾向です。「積極的に投資にお金を回して資産を増やす」という考え方が、収入に関わらず広く浸透してきていることが伺えます。

個人による投資活動が活発化しているなか、昨今、注目を集めているのが小規模M&Aです。M&Aというと、以前は、企業による企業の買収を意味していました。しかし今では、投資手段の一つとしてM&Aを検討する個人投資家が増えてきています。

M&A支援サービスの増加

M&Aの一般化や支援サービスの増加も、会社の買取が増えている要因です。特に、M&A仲介業者やマッチングサイトなどの支援サービスの増加は、個人のM&A参入のきっかけになっています。

以前はM&Aに対して否定的なイメージをもたれていましたが、それはすでに過去のものになり、今やM&Aは事業承継の有効な一つの手段として捉えられています。

会社を買い取る個人と会社を残したい経営者のニーズがぴったりと合い、加えてM&Aを支える支援サービスの増加により、今後も会社を買い取る個人は増えていくことでしょう。

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会社買取のM&Aのスキーム

会社買取のM&Aスキームにはさまざまなものがありますが、代表的なスキームは次の2つです。

  1. 株式譲渡
  2. 事業譲渡

実際には、ビジネスへの影響や双方の税負担を考慮した最適なスキームが選ばれます。また、M&Aの後にどのようにビジネスを広めたいのか、その目的によっても変わってきます。

多くのM&Aでは、株式譲渡が選ばれるケースがほとんどですが、事業のひとつだけ引き継ぎたい場合は事業譲渡が有効です。

適したM&Aを選び実施していくには、専門家の知恵を借りるほうが良い結果を生みます。ただし、どのようなスキームがあるのかを事前に把握する必要はあるでしょう。

ここでは、M&Aにおいてよく利用されるスキームについて詳しく解説します。

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手企業の株式の過半数を買い取るM&Aのスキームです。通常、売り手企業と株式譲渡契約を交わし、単独で株主総会決議が可能になる割合の株式を取得し、経営権を握ります。

株式譲渡は会社の全てを譲渡するため、手続きが比較的簡単で、事業に与える影響も最小限に抑えられます。売り手企業が持つ許認可や従業員、取引先との契約などもそのまま引き継がれ、M&A後の事業運営もスムーズです。

株式譲渡は、手続きがシンプルな点もメリットといえます。売り手と買い手が株式譲渡契約書を交わし、双方がクロージング条件を満たしていると確認できたところで支払いが行われます。締結時点でクロージング条件が満たされていれば、同日での決済も可能です。手続きのシンプルさから、M&A自体も比較的短期間で済みます。

ただし、株式譲渡は会社を丸ごと買い取るため、ほかのスキームに比べて投資額が高額になる点がデメリットです。対象企業が優良であればあるほど評価額も大きくなるため、見極めが大事です。

また、売り手企業の潜在的なリスクをそのまま引き継ぐ点もデメリットといえるでしょう。ただし、何らかのリスクが見つかったとしても、事前にリスクの度合いや対策をきちんと検証できれば問題ありません。

リスクがあるかどうか、仮にあったとしても対処できるリスクであるのかなどを、デューデリジェンスの段階で調査することが重要です。

事業譲渡

事業譲渡とは、会社の全てを買い取るのではなく、事業の一部のみを買い取るM&Aのスキームです。

事業の一部のみの譲渡であるため、売り手はM&A後も会社の経営権を維持できます。買い手は、個人事業主として、事業を引き継ぎ運営することになります。

事業譲渡では、売り手は特定の事業を切り離し、得られた対価で経営資源を集中させることが可能です。新しいビジネスの開拓も、選択肢の一つになり得るでしょう。

買い手は、一部事業のみを譲受することになるため、会社が持つ潜在的なリスクを回避できます。また、株式譲渡よりも比較的少額で済む点もメリットです。

しかしながら、事業譲渡は個別で資産を引き継ぐため手続きが複雑であり、株式譲渡より時間と手間がかかります。さらに、元々の契約は引き継がれないため、取引先との諸契約や賃貸借契約、雇用契約などの再契約が必要です。

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会社買取の対象となるケース

会社買取の対象となるケースは、規模や条件によって限られます。対象となる主なケースは、次の4つです。

  1. 後継者不在の企業
  2. 小規模の企業
  3. 経営不振の企業
  4. 休眠企業

それぞれについて説明しましょう。

後継者不在の企業

会社買取の対象としては、後継者不在の企業が最もターゲットになりやすいでしょう。上述したように、黒字を出していても後継者が不在で廃業せざるを得ない企業が一定数あります。

このような企業は、M&Aによって事業承継が可能です。

後継者不在で切羽詰まった状況の企業でも、経営が成り立っていれば、買い手が見つかる可能性は十分にあります。

小規模の企業

小規模の企業も買取の対象となりやすいでしょう。小規模の企業としては、飲食店や小売店、学習塾、マッサージ店、美容室、小規模な宿泊施設などが挙げられます。

また、多店舗経営している企業から1店舗だけ、または1つの事業だけ買い取るケースもあります。

小規模の企業であれば、従業員や資産、お金の流れを把握しやすく、事業の引き継ぎがスムーズです。個人が買い手となり、企業を引き継いで経営する場合は、まずは小規模の企業を検討してみると良いでしょう。

経営不振の企業

経営不振の企業も買取の対象に挙げられます。実際には、1円や0円で売却される会社もあります。なぜなら、このような会社は赤字や債務超過に陥っているケースが大半で、経営改善が見込めないと判断されるからです。

ただし、赤字や債務超過にある企業でも、全く買い手が見つからない訳ではありません。将来的に、その企業の価値を上げられると算段できれば、買い手がつく場合もあります。資金に余裕があり、価値があると判断できれば、破格の値段で将来有望な会社を買うことも可能です。

休眠企業

休眠企業も買取の対象となるでしょう。休眠企業とは、一般的に、長期間に渡って企業活動を行っていない会社を指します。法律上では、「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」(会社法第472条1項)と定められています。

株式会社の役員の任期は、最長で10年です(会社法第332条第2項)。そのため、どの企業も10年に1回は登記が必要です。しかし10年経っても登記がなく、さらにその時点から2年経っても登記がなければ、休眠企業と扱われます。また、経営者自らが税務署に休業の届出を出すことで、企業を休眠させることも可能です。

通常、このような法律上の休眠企業だけでなく、休業中にある会社は全て休眠企業とみなされます。

休業開始と事業再開は、税務署と自治体に届出を出すだけであり手間もコストもかかりません。
そのため休眠企業を買い取って、役員や定款などの登記を変更し異動届出書を提出すれば、簡単に事業を再開できます。

休眠企業を買い取るメリットは、資本金の額や社歴、また許認可が生きていればそれも引き継げる点です。

特に資本金の額や社歴は会社の信用に直結するため、休眠企業の買取により起業したい人は、ある程度の信用がある状態から会社経営のスタートが可能となります。

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会社の買取の相場感

通常、会社買取の場合、売り手と買い手の交渉により買取価格が決まります。個人で会社を買い取る場合は、企業同士のM&Aのような高額な資金が動く訳ではありません。

小規模案件の場合、相場としては300万円から500万円ほどが多く、最大でも1,000万円程度です。
一般的に、買取金額は純資産と収益性をもとに算出します。

小規模な案件であれば、以下の計算式で買取金額がある程度算出できます。

(資産ー負債)+営業利益✕3〜5年分

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会社買取のメリット

後継者不在の会社にとって、会社買取は一つの解決策になり得ます。ここでは、買い手側と売り手側のメリットをそれぞれの立場から解説します。

買い手側のメリット

買い手側のメリットは、ほかの会社が持つノウハウや顧客、販路などを容易に手に入れられることです。経営基盤のしっかりした会社を買い取れば、資金調達力も上がります。さまざまな要因により経営の健全化が図られ、トータルでの売上アップを期待できます。

また、新規事業への参入リスクを軽減できる点もメリットです。すでに一定の実績を上げている会社を買い取ることができれば、資金不足やマーケティング戦略の失敗といった参入リスクを負わなくてすみます。成功するかどうかを心配せずに、新しいビジネスを展開できるのは大きなメリットといえるでしょう。

ほかにも、会社を買い取ることで、想定よりもスピーディに経営目標を達成できます。厳しい競争を生き抜く一つの手段として、会社買取を選択の一つとして選ぶ方は少なくありません。

売り手側のメリット

売り手側のメリットは、後継者がいなくても会社を存続させられることです。後継者不在のために廃業となれば、従業員や取引先に多大な迷惑をかけることになります。株式譲渡でほかの会社に買い取ってもらう場合、従業員の雇用は維持され、取引先も引き継がれるのが一般的です。

また、ある一部の事業のみを譲渡する事業譲渡であれば、不採算事業のみを整理することで、本業に集中できます。幅広く事業を展開したために、本業の経営にダメージを受けている場合は、有効な解決策になるでしょう。

企業の売却益を得られる点も、売り手側のメリットの一つです。M&Aで会社を売却できれば、売り手オーナーの手元に多くの現金が残ります。売却益により、余裕のあるセカンドライフを送ったり、新たなビジネスを興したりできます。

譲渡額は土地や商品といった資産を評価し算出しますが、営業権を加味することで、純資産よりも高い譲渡額が得られるケースは珍しくありません。経営から手を引く際に、廃業ではなく、他社に買い取ってもらうという選択を考えてみるとよいでしょう。

会社買取の流れ

会社の買取は、一般的に次のような流れで実施します。

  1. 会社探し
  2. 交渉
  3. 秘密保持契約締結
  4. 相手企業の代表と交渉
  5. デューデリジェンス
  6. 最終契約書の締結
  7. クロージング

それぞれのプロセスを詳しく解説しましょう。

1.会社探し

まず、会社を探す前に、以下の2つのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

  • 予算:いくらくらいの企業を対象とするのか、予算の上限額を決めます。予算を計算する場合は、仲介会社への手数料など必要な金額を全て含めます。予算オーバーにならないように、厳し目に計算することがポイントです。
  • 業種:どの業種の企業を対象とするのかを決めます。将来的にどの業種であれば経営が上手くいくのか、市場ニーズをチェックし、より成功率の高い業種を選びます。

どの業種のいくらくらいの企業を買い取るのかを明確に定めたら、M&Aの専門家である仲介会社に相談します。通常、M&A仲介会社は無料の相談サービスを行っているため、このようなサービスを有効に活用しましょう。

M&A仲介会社に依頼する場合は、一つの会社だけでなく、いくつかの会社に相談することがポイントです。M&A成功までしっかりとサポートしてくれる会社が見つかったら、契約を結び、会社探しを本格的にスタートさせます。

会社を探す場合は、マッチングサイトを利用するのも一つの方法です。売りに出されている企業を、効率的に見つけられます。

この段階では、まだ匿名での相手探しとなるため、条件や売却価格などをもとに希望にあう会社を絞り込みます。

2.交渉

有望な企業が見つかったら、相手企業に買取の意思を伝えます。M&A仲介会社に依頼している場合は、買いたい企業がある旨を報告します。マッチングサイトで買いたい企業が見つかった場合は、サイト上で相手企業にメッセージを送りましょう。

この段階では、希望の条件などが噛み合わず、交渉が進まないケースは珍しくありません。希望にぴったりと合う企業が見つからない場合は、条件を見直してみるのも良い方法です。実績豊富な仲介会社であれば、交渉により、希望に近い形になるよう交渉してくれます。

3.秘密保持契約締結

相手企業に買いたい旨の打診をした後、双方にM&Aの意思があれば、秘密保持契約を交わし実名で交渉を始めます。秘密保持契約とは、売り手が提示した機密情報の漏洩を防ぐために結ぶ契約です。万が一、情報漏えいが発生した場合は、損害賠償請求が求められる可能性があります。

M&Aが成立するまでは、買収話は秘密裏に進められます。会社が買収されるとなると、従業員が動揺し離職したり取引先が不信感を持ったりするからです。情報漏えいが原因で、M&Aが不成立に終わらないよう、情報の扱いには細心の注意が必要です。

秘密保持契約の締結後に、売り手企業の実名や事業内容、事業計画、株主、組織、財務状況などをまとめた機密資料が買い手に提示されます。

4.相手企業の代表と交渉

買い手は提供された機密情報をもとに、売り手に暫定的な条件を提示します。売り手も条件に納得できれば、買い手との会談に進みます。

会談の主な目的は、双方がお互いの人となりを確認することです。どれほど良い条件であっても、買い手を信頼できなければ、自分の事業を任せることはできないでしょう。売り手と買い手の双方が顔を合わせて話し合い、自社への思いや今後の経営戦略など数字では見えない部分を確認することで、安心して話を進められます。

また、この面談では、会社の売買金額や従業員の雇用など重要事項も話し合われます。話し合いにより、双方の代表が暫定的な合意内容に納得できれば、基本合意書の締結です。

基本合意書に法的拘束力はありませんが、独占交渉権やデューデリジェンスの協力義務、秘密保持においては法的拘束力を持ち得ます。

5.デューデリジェンス

基本合意書を締結した後、買い手はデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスとは、財務や法務などの専門家による詳細な調査のことです。

買い手は、提示された情報が正しいのかどうか、またM&Aの支障となるリスクは隠れてないかどうかなどを確認します。特に、簿外債務などの潜在的なリスクを把握するのに、デューデリジェンスは重要なプロセスです。

マイナス部分だけでなく、どのようなシナジー効果が得られるのかといったプラス部分も測られます。詳細な調査によって、より適正な企業価値を算出できるようになります。

6.最終契約書の締結

双方ともに、売買の条件に納得できたら最終契約書を締結します。最終契約書は法的拘束力を持つため、締結前に記載事項に間違いがないか、法的な問題が含まれていないかをもう一度確認しましょう。

一方的に契約書を破棄すると、損害賠償や違約金請求の対象となるため注意が必要です。最終契約書締結の前であれば、再度、交渉に戻ることも可能です。

売り手と買い手の両方が、契約書の内容に同意できた段階で最終契約書を締結します。

7.クロージング

最終契約書を締結したらM&Aは終了ではなく、契約内容を履行する必要があります。買い手が売り手に代金を支払い、ヒトやモノが買い手に移動した後にM&Aは終了します。

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会社を買取する際の注意点

会社を買収する際は、簿外債務の有無や従業員の離職リスクに注意が必要です。会社の買取後に「失敗した」と後悔しないように、この2点については、きちんとした調査や対策を取りましょう。

簿外債務がないか確認する

会社の買取の際に、簿外債務の確認は必須です。簿外債務とは、帳簿に計上されていない債務のことです。本来であれば、帳簿に記載されているべき債務や、将来的に債務となり得るものを指します。

簿外債務の具体的な例は、次のとおりです。

  • 未計上の未払いの賃金
  • 未計上の引当金(退職給付引当金や貸倒引当金など)
  • 会社が保証人となっている保証債務
  • 将来、発生の可能性がある損害賠償責任 など

簿外債務の有無については、デューデリジェンスの段階で確認します。簿外債務に気づかず買い取ると、後々、大きな損失を被る可能性が高くなります。

従業員の離職などが起こるリスクがある

会社の買取により、経営者や社風、職場環境、労働条件などが変われば、従業員の離職が起こる可能性があります。従業員の離職は大きな損失です。特に、従業員が持つ技術や能力が高い場合、代わりの人材をすぐに見つけることは困難です。

さらに従業員だけでなく、取引先や顧客が離れていくことも考えられます。会社を買い取る際は、従業員や取引先が不安にならないように、細やかな説明や心配りが求められます。

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会社の買取を成功させるポイント

会社の買取を成功させるためには、以下の3のポイントを考慮して買取先を選ぶことが大切です。

  1. 資金繰りや経営プランをあらかじめ検討しておく
  2. 人材の慰留に努める
  3. 小規模な事業を選ぶ

次に、詳しく解説します。

1.資金繰りや経営プランをあらかじめ検討しておく

資金繰りや経営プランをあらかじめ検討しておくことも重要です。M&Aが成立してから、経営について考え始めるのでは遅いといえるでしょう。

交渉やデューデリジェンスのような早い段階から、資金繰りや経営プランを検討しておきましょう。M&A終了後の経営統合プロセスに向けて、万全な準備体制を取ることが成功の秘訣です。

2.人材の慰留に努める

M&Aを行う場合、人材の慰留は最重要事項の一つです。人材が流出すると、技術やノウハウの損失につながります。特にキーパーソンが抜けることで、人材の流出に歯止めがかからなくなる可能性があります。

人材が抜けてしまっても、代わりの人材がすぐに見つかると考えるのは早計です。中小企業の場合、代わりの人材をすぐに見つけることが難しい可能性が高いです。

事業をスムーズに引き継ぐために、M&Aの後も、現経営者や重役に残ってもらうのも一つのアイデアでしょう。M&A後も引き続き働き続けてもらうために、よりよい環境づくりや待遇改善が欠かせません。

3.小規模な事業を選ぶ

小規模な事業を選ぶことも重要です。一人で行える事業であれば、上述したような人材の流出に悩むこともありません。

小規模な飲食店やマッサージ店、Web事業など、小規模案件も数多く市場に出回っているため、このような事業を選ぶのも一つの方法です。

特に、買い取った後の会社を自分で経営する予定の方は、小規模な事業から始めるのをおすすめします。事業を拡大していきたい場合は、少しずつ経営に慣れていき、ステップを踏みながら会社を大きくするほうが堅実といえるでしょう。

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まとめ

昨今、企業だけでなく個人で会社を買い取る方が増えています。投資するためだったり創業するためだったり、その目的はさまざまです。買取案件が増えているのは、企業の後継者不足が主な理由ですが、M&A仲介会社やマッチングサイトなどの増加も一つの要因となっています。

会社を買い取る場合は、手続きの流れや成功のポイントを押さえることが大切です。M&Aは専門的な知識を要するため、自分一人で行うのは現実的ではありません。M&Aを検討している場合は、M&A仲介会社がおすすめです。

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