M&Aとは?会社が事業承継するメリットや手法を紹介!案件増加の理由も解説

2022年10月3日

M&Aとは?会社が事業承継するメリットや手法を紹介!案件増加の理由も解説

このページのまとめ

  • M&Aとは、会社の経営権を移行させること
  • 後継者問題が深刻化している日本において、M&Aは解決するための有効な手段である
  • M&Aで会社を譲受するメリットは「スケールメリットの獲得」「低コストでの起業」など
  • M&Aで会社を譲渡するメリットは「後継者問題の解決」「従業員の雇用維持」など
  • M&Aを成功させるためには、早めに着手して入念な準備をすることが大切

会社を経営している人の中には「M&Aとは?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?

M&Aとは、わかりやすく説明すると「会社の経営権を移行させること」を指します。

事業承継や経営戦略の手法として用いられています。

本コラムでは、M&Aの意味や目的、メリット、全体の流れなどについて解説。

また、気になる税金や手数料に関しても紹介します。

コラムの最後にはM&Aを成功させる秘訣も。ぜひ参考にしてM&Aをスタートさせてください。

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会社のM&Aとは?

M&Aは「Merger & Acquisition」の略称で、「合併と買収」のことを指します。

会社のM&Aとは、わかりやすく説明すると「会社の経営権を移行させること」です。

M&Aの意味を広義に捉えた場合は、資本提携や合弁会社の設立などの経営戦略を含めることもあります。

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日本におけるM&Aの歴史

日本において、M&Aは昔から実施されていました。

戦前もM&Aは会社の成長戦略として考えられており、事業を再構築するための手法として用いられていました。

紡績業や製糖業、電力会社などが合併を積極的に実施。また、製鉄業や製糸業の間で大型合併が行われました。

1960年代~1970年代には、スケールメリットの獲得を主目的とした大企業同士のM&Aが盛んでした。

鉄鋼メーカーや銀行が大型合併を実施しています。

1980年代の後半には、海外企業が関与するM&Aの件数も増加しました。

一方、1980年代後半のアメリカでは高リスクの買収案件が増えて、失敗に終わるM&Aの案件数も増加しています。

このM&Aの傾向はアメリカで起こった金融危機の一因になっており、M&Aに対するネガティブなイメージを日本の経営者に植え付けた原因だといわれています。

しかし1990年代には、アメリカにおいて事業の強化を目的とした友好的なM&Aが増えました。

日本においても、長きにわたる不景気や金融危機を打破するために、業界を再編するような大規模なM&Aが増加しました。

1990年代の日本でM&Aが増加した理由の1つは、M&Aに関する法律が整えられたことです。

法整備の例には「純粋持株会社の解禁」や「株式交換・株式移転法制の導入」、「民事再生法の施行」などがあります。

これらの法整備は、日本におけるM&Aの活性化に大きく貢献しました。

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M&Aの市場と今後の動向

ここでは、現在のM&Aの市場と今後予測される動きについて解説します。

経営者の高齢化と後継者問題

日本において、経営者の高齢化が進行しています。

2000年には50代が経営者の年齢のピークでしたが、2020年の時点では60代~70代が年齢のピークとなっています。

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/know_business_succession/graph03.jpg
引用元:中小企業庁「事業承継を知る」

また、後継者問題も由々しき問題です。

廃業した理由に関する調査結果は以下のとおりです。

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/know_business_succession/graph02.jpg
引用元:中小企業庁「事業承継を知る」

やむを得ない事情で廃業する会社の割合は、「事業承継の意向がない」の割合を除いた56.8%です。

そのうち、後継者問題にあたる理由は「子どもがいない」「子どもに継ぐ意思がない」「適当な後継者が見つからない」の3つです。

やむを得ない事情によって廃業する会社のうち、後継者問題によって廃業する会社の割合は5割を超える計算になります。

後継者問題を解決する手段の1つが、M&Aによる第三者への事業承継です。

M&Aの件数は増えている

近年の日本では、M&Aの件数は増加傾向にあります。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_51.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」第2-3-51図「M&A件数の推移」

中小企業庁が公表した「2021年版 中小企業白書」によると、M&Aの件数は増加しており、2019年には過去最高の4,088件に昇りました。

2020年には感染症の流行の影響を受けて件数が減少しましたが、それでも3,730件ものM&Aが実施されています。

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M&Aを行う譲受会社の6つの目的

譲受会社がM&Aを実施する目的は、主に以下の6つです。

  1. 新規事業に参画するため
  2. 既存事業を強化するため
  3. スケールメリットを得るため
  4. シナジー効果を獲得するため
  5. 人材・ノウハウを獲得するため
  6. 起業するため

会社の経営者にとってM&Aは、会社をさらに成長させる手法となります。

ゼロから始めた場合にかかる莫大な時間・コストを抑えたうえで、大きな成長が期待できるでしょう。

また、起業することを目的にM&Aで会社を譲受する人も存在します。

M&Aを行う譲渡会社の5つの目的

譲渡会社がM&Aを行う目的は、主に以下の5つです。

  1. 利益を得るため
  2. 後継者を見つけるため
  3. 従業員の雇用を守るため
  4. ノウハウを途絶えさせないため
  5. 経営リソースを調整するため

会社や事業を譲渡したときに受け取れる譲渡益を目的にM&Aを行うケースがあります。

また、M&Aは近年取り沙汰されている後継者問題を解決する方法の1つです。

そのほか、会社が倒産してしまえば職を失ってしまう従業員を守るためにM&Aが実施されることもあります。

M&Aを行うことによって、従業員や会社に蓄積されていたノウハウを承継することが可能です。

事業譲渡によってM&Aを実施するとき、経営リソースをメインの事業に集中させることを目的としている場合もあります。

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M&Aで会社・事業を譲受する6つのメリット

M&Aによって会社や事業を譲り受けるメリットは、主に下記の6つです。

  1. 新規事業に参画しやすくなる
  2. 既存事業を強化できる
  3. スケールメリットを得られる
  4. シナジー効果を獲得できる
  5. 人材・ノウハウを手に入れることができる
  6. 初期コストを抑えて起業できる

それぞれ詳しく解説します。

1.新規事業に参画しやすくなる

会社がM&Aをすることで得られるメリットの1つは、新規事業に参画しやすくなることです。

新規事業を何もない状態からスタートする場合、たくさんの時間と労力が求められます。

しかし、M&Aによって事業を譲り受ければ、新規事業を始めるために必要な技術や優秀な人材を手に入れることが可能です。

ノウハウや経験を確保した状態で新規事業に臨めるため、参画に対するハードルは低くなるでしょう。

2.既存事業を強化できる

既存の事業を強化するためにM&Aを実施することがあります。

自社に不足している人員やコネクション、知識・技術をM&Aによって補うことができれば、会社の大きな飛躍が期待できるでしょう。

3.スケールメリットを得られる

会社がM&Aを行うと、スケールメリットを得ることができます。

未開拓の地域へ進出したいと考えているのであれば、そのエリアで事業を行っている会社を買収することがおすすめです。

地域の特性を踏まえたうえでの戦略や住民からの認知度をそのまま引き継げるなどのメリットがあります。

4.シナジー効果を獲得できる

M&Aにより事業および会社を譲り受けることで、シナジー効果を獲得することが可能です。

M&Aにおけるシナジー効果の例には、ブランド力の獲得や許認可の取得などが挙げられます。

会社や商品の名が知れている相手とM&Aを行った場合、ブランド力を獲得することが可能です。

ブランド力を築き上げるためには長い年月がかかることが多いため、買収によりブランド力を手に入れられることはM&Aにおける大きなメリットだといえます。

また、譲渡会社が持っている許認可を引き継げることもメリットの1つです。

事業を運営するうえで多くの恩恵をもたらしてくれるでしょう。

5.人材・ノウハウを手に入れることができる

会社がM&Aを行うことのメリットは、買収先の人材・ノウハウを獲得できることです。

本来であれば時間やお金を投資して育てていく人材やノウハウが、M&Aで譲り受けることで短期間で獲得できます。

6.初期コストを抑えて起業できる

M&Aによって会社を譲受すれば、少ない初期コストで起業することが可能です。

特に個人が小規模なM&Aによって起業するパターンが増加中です。

中小企業は比較的少額で売却に出されています。

買収を実施しやすい価格帯であるため、若年層が経営者になろうとする場合や、退職金を使ってビジネスを立ち上げようとする場合などにM&Aの手法がよく選ばれています。

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M&Aで会社・事業を譲渡する5つのメリット

M&Aを行うことで会社や事業を譲り渡すメリットは、主に以下の5つです。

  1. 利益を早く得ることができる
  2. 後継者問題を解消できる
  3. 従業員の雇用を守れる
  4. ノウハウを引き継げる
  5. 経営リソースを調整できる

それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。

1.利益を早く得ることができる

会社のM&Aを行うことで事業あるいは株式を売却すると、売却益が発生します。

売却価格には将来的に得られると予測される利益も算定されます。

そのため、本来であれば長い年月をかけて投資分を回収していくところを、M&Aを実施すれば早期に現金化することが可能です。

2.後継者問題を解消できる

M&Aによって会社を譲渡するメリットは、後継者問題を解消できることです。

親族や従業員に後継者となってくれる人がいなかったり、金銭面での負担が大きいために後継者を引き受けてくれなかったりすることもあるでしょう。

後継者がとうとう見つからなかった場合、会社を畳むことになってしまいます。

M&Aを実施すれば第三者への承継が可能になり、譲渡先の候補が格段に増加します。

豊富な相手候補から選んでM&Aを実現することができれば、後継者問題を解決することが可能です。

3.従業員の雇用を守れる

M&Aによって事業・会社を譲り渡すメリットの1つは、従業員の雇用を守れることです。

もし会社が廃業になってしまえば、従業員は失業してしまいます。

しかし、M&Aによって会社を譲渡すれば、会社は存続し、従業員も働き続けることが可能です。

また、一般的にM&Aの前後では、従業員の処遇は良くなることがほとんどです。

今までともに働いてきた従業員の立場からみても、M&Aは実りが多いものになるでしょう。

4.ノウハウを引き継げる

M&Aを実施することができれば、会社が保有しているノウハウを承継することが可能です。

会社がつぶれてしまえば、会社で育んできたノウハウはどこにも引き継がれることなく、途絶えてしまいます。

独自性の高い知識・技術だった場合、日本社会にとっても多大な損失といえるでしょう。

ノウハウを承継できることは、M&Aの大きなメリットです。

5.経営リソースを調整できる

M&Aで事業譲渡するメリットの1つは、経営リソースを調整できることです。

会社で複数の事業を営んでいる場合、会社の経営状況や業績によっては継続する事業を取捨選択しなければならない場面もあるでしょう。

M&Aでは売却する事業を選べるので、現状に合わせて事業を譲り渡すことが可能です。

M&Aを行うことによって、赤字が続いてしまっている事業を売却して利益を得たり、一部の事業を売却して注力したい事業に経営リソースを集中させたりすることができます。

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会社がM&Aで譲受するときの3つのリスク

会社がM&Aによって譲受するときに考えられる失敗のリスクは、主に下記の3つです。

  1. シナジー効果が想定を下回る
  2. 従業員が辞めてしまう
  3. 組織に不協和音が生じる

それぞれの詳しい内容や対策法について紹介します。

1.シナジー効果が想定を下回る

M&Aによって会社や事業を譲受する際のリスクの1つは、想定よりもシナジー効果が出ないことです。

利益を見込んで買収しても、経営がうまくいかなかったり不況の影響を受けたりして、期待どおりのシナジー効果が得られないこともあります。

M&Aを実施するまでに適正な価値算定をすることや、経営計画を入念に練ることが大切です。

2.従業員が辞めてしまう

M&Aで譲受を実施した場合、買収される側の会社の従業員が退職してしまうリスクがあります。

豊富な経験・ノウハウを保有している従業員を承継することもM&Aを行う目的の1つなので、M&A後に退職されてしまうのは大きな痛手です。

従業員が辞める理由は、「会社の風土が合わない」や「業務内容が変わった」、「待遇が期待していた内容ではなかった」などです。

M&Aの前後でのギャップが退職理由になることが多いので、成約までに相手会社の経営者との話し合いや従業員への周知をしっかり行っておきましょう。

3.組織に不協和音が生じる

M&Aで会社・事業を譲受したときのリスクの1つは、組織内の不和です。

システムや社風などが異なる組織が統合した場合、仕事を進める過程でぶつかったり、人間関係が悪化したりする恐れがあります。

M&Aを実施するまでの過程で、お互いの会社に関する理解を深めておくことが大切です。

事前にすり合わせておき、双方の会社の従業員が快適に働ける環境づくりに努めてください。

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会社がM&Aで譲渡するときの3つのリスク

会社がM&Aによって譲渡するときに考慮すべき失敗のリスクは、主に以下の3つです。

  1. 従業員の待遇が下がる
  2. 顧客や取引先からの信頼を失う
  3. 会社内で揉める

詳しく解説します。

1.従業員の待遇が下がる

M&Aで会社や事業の譲渡を行った際に考えられるリスクの1つは、譲渡先において従業員の待遇が悪化してしまうことです。

M&Aでは従業員の待遇が良くなることがほとんどですが、もともとの自社の給与水準が高かったり、譲渡先の経営が振るわなかったりした場合、待遇が下がる恐れがあります。

待遇が悪くなった場合、従業員は不満を持つでしょう。

そのような事態を避けるために、M&Aを実施する前に従業員の雇用条件についても確認をとっておきましょう。

2.顧客や取引先からの信頼を失う

M&Aにはいまだに「経営が悪化したときの最終手段」「身売り」などのネガティブなイメージを抱く人も存在します。

実施前に説明をしっかり行わないと、顧客や取引先からの信頼を失ってしまうことがあるでしょう。

M&Aを実施する前に、顧客や取引先に説明する機会を設けてください。

M&Aを行うに至った過程や、ポジティブな影響があることを伝えましょう。

3.会社内で揉める

M&Aで会社・事業を譲渡するときに注意しなければならないことは、会社内で揉め事が起きることです。

譲渡会社と譲受会社では築いてきた歴史が異なるため、企業文化の違いにより従業員同士のトラブルが発生することもあるでしょう。

トラブルを防止するためには、お互いに歩み寄る姿勢が大切です。

M&Aを実施する前に、双方の会社に関する理解を深めましょう。

経営者同士で話し合い、衝突が起きそうな点についてはあらかじめ対策を打ってください。

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M&Aの9つの手法

M&Aは大きく分けると「合併」と「買収」があります。

さらに分類すると、合併は「新設合併」と「吸収合併」の2つです。

買収の種類は「株式譲渡」「株式交換」「株式移転」「第三者割当増資」「事業譲渡」「新設分割」「吸収分割」の7つに分けられます。

  1. 新設合併
  2. 吸収合併
  3. 株式譲渡
  4. 株式交換
  5. 株式移転
  6. 第三者割当増資
  7. 事業譲渡
  8. 新設分割
  9. 吸収分割

上記9つのM&Aの手法について、それぞれ解説します。

1.新設合併

「新設合併」とは、今ある会社をすべて消滅させて、新たに設立した合併会社に権利や資産などを承継するM&Aの手法です。

最も統合力が高い方法だといえます。

新設合併は、一般的にグループ内での組織再編を目的として実施されます。

新設合併を行うことによって、コスト削減や生産性アップが叶うでしょう。

2.吸収合併

「吸収合併」とは、合併する会社の1つだけを残してほかを消滅させて、残す会社に権利や資産などをすべて承継させるM&Aの手法です。

新設合併と異なり、既存の会社に承継を行います。

吸収合併のメリットの1つは、許認可や免許を引き継げることです。

かかる工数・コストを減らせることもあり、新設合併よりも吸収合併が手法としてよく選ばれています。

3.株式譲渡

「株式譲渡」とは、会社の株式の過半数以上を売却して経営権を移行するM&Aの手法です。

株式譲渡によってM&Aを実施した場合、株式や資産のほか、債権・債務なども承継する対象となります。

株式譲渡で発生する譲渡益は株主の経営者が受け取ります。

4.株式交換

「株式交換」とは、一方の既存会社を子会社にして、もう一方の既存会社に株式を取得させるM&Aの手法です。

組織再編を行いたい場合に実施されることが多い方法です。

株式交換のメリットは、資金調達が必要がないことです。

親会社の株式を対価にすれば、資金を準備せずにM&Aを実行に移せます。

また、譲渡側の会社は子会社として存続するため、従業員の反発が起きにくいこともメリットの1つです。

5.株式移転

「株式移転」とは、株式交換と同じく組織再編の手段として選ばれることが多いM&Aの手法です。

株式移転では会社を新たに設立し、自社の株式を新設会社に取得させて子会社化します。

資金調達の心配がいらないことや、譲渡会社が存続することが株式移転のメリットです。

経営統合をスムーズに進められます。

6.第三者割当増資

「第三者割当増資」とは、特定の第三者に対して新たな株式を発行して割り当てる資金調達の方法です。

第三者割当増資によってM&Aを実施する場合、過半数以上の株式を譲渡することで経営権を移行することができます。

譲渡先の第三者は、主に取引先や役員などの縁故者です。

第三者割当増資の目的には、敵対的買収から会社を守ったり、起業再生を図ったりすることなどが挙げられます。

7.事業譲渡

「事業譲渡」とは、会社が運営する事業の一部もしくは事業のすべてを第三者に売却するM&Aの手法です。

事業譲渡によって発生した譲渡益は会社が受け取ります。

事業譲渡のメリットは、会社の商号をそのまま使用できることや、譲渡する資産を任意で選択できることなどです。

8.新設分割

「新設分割」は会社分割の手法の1つです。

会社分割とは、会社が持つ事業の権利の一部またはすべてを譲渡先の会社に包括的に承継させる方法です。

新設分割の場合は、新しく設立した会社に事業を承継します。

会社分割のメリットは、分割後の会社が存続することや、資金がなくてもM&Aを実施できることなどです。

また、新設分割では複数の合併会社を立ち上げることもできます。

9.吸収分割

「吸収分割」とは会社分割の手法のうちの1つで、既存の会社に事業の一部もしくは全部を承継させるM&Aの手法です。

一見すると事業譲渡と似た方法ですが、事業譲渡が個別承継である一方、吸収分割は包括承継です。

個別に権利・義務の移転を行う必要がなく、一括で承継できるので、手間が比較的かかりません。

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会社のM&Aの流れ

ここでは、会社のM&Aの流れを紹介します。

  1. M&Aのスキームの策定を行う
  2. ノンネームシートを作成する
  3. M&Aの相手会社を探す
  4. 秘密保持契約を締結する
  5. トップ面談を実施する
  6. 基本合意書を締結する
  7. デューデリジェンスを実施する
  8. 最終契約書を締結する
  9. クロージングを実施する
  10. PMIを行う

上記のM&Aに必要な手続きをそれぞれ解説します。

1.M&Aのスキームの策定を行う

M&Aのスキーム策定を行いましょう。

策定するためにもまず、現在の会社の経営状況や資産・負債の状態などを整理したり、会社がM&Aを行う目的を明確にしたりすることが大切です。

M&Aを実施することで叶えたいことが分かれば、方針を決めやすくなります。

M&Aにはさまざまな手法があり、状況や目的によって会社が採択すべきスキームは変わります。

そのため、M&Aのスキームを策定するときは、M&Aに関する知識が豊富なプロフェッショナルを頼ることがおすすめです。

会社に合ったM&Aのスキームを選んでくれます。

会社内に専門家がいない場合は、外部の支援サービスの利用を検討しましょう。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社には、各領域に精通したコンサルタントが在籍しています。

弊社は相談を無料で受け付けており、M&Aが成約に至ったときに料金が発生する「完全成功報酬型」です(買い手会社のみ中間金あり)。

M&Aをご検討の方、まずはお気軽にお問い合わせください。

2.ノンネームシートを作成する

ノンネームシートを作成しましょう。

「ノンネームシート」とは、譲渡会社がどの企業か特定されない範囲で情報をまとめた資料のことです。

買い手を探す際、匿名で情報が記載されたノンネームシートを使用します。

ノンネームシートを使用することで情報漏えいを防止できるので、現在の経営に悪影響を及ぼすことなくM&Aを進行できます。

ノンネームシートの記載内容は、会社概要や事業内容、譲渡を希望する理由、売却希望価格などです。

会社概要にあたる従業員数や売上、事業の内容などに関しては、会社を特定されないために大まかな情報を記載しましょう。

3.M&Aの相手会社を探す

M&Aを行う相手会社を探します。

知り合いや取引先に候補となる会社があれば、声をかけてみましょう。

そのほか、M&Aのマッチングサイトを利用したり、金融機関や仲介会社に紹介を依頼したりすることもおすすめです。

4.秘密保持契約を締結する

相手会社が見つかってM&Aの交渉を進めることになったら、秘密保持契約書(NDA)を結びましょう。

秘密保持契約書は、重要な情報を第三者に漏えいすることを禁止する書類です。

また、秘密保持契約書には万が一情報漏えいが起こってしまったときの対応についても明記されています。

情報漏えいがあったときの対応を明記することにより、迅速に対応できるようになるほか、情報漏えいの抑止力となる効果も期待できます。

5.トップ面談を実施する

M&Aの交渉が進んだら、譲渡会社と譲受会社の経営者同士でトップ面談を実施します。

M&Aの取引内容や条件、M&A後の経営方針などについてよく話し合い、理解を深めていきましょう。

もしM&Aを行うにあたって不利な条件があれば、トップ面談の時点で伝えておくことがおすすめです。

あとで発覚した場合、「隠蔽していた」と判断されて不信感を持たれてしまいます。

6.基本合意書を締結する

トップ面談を終えてM&Aの意向が固まったら、基本合意書(MOU)を締結します。

基本合意書には、今後のスケジュールや取引価格などのM&Aの基本条件のほか、独占交渉権の付与や法的拘束力の有無について記載します。

基本合意書によってお互いの合意を確認することで、今後のM&Aを円滑にする効果が期待できるでしょう。

今後M&Aを円滑に進めていくためにも、しっかり内容を定めて作成しましょう。

7.デューデリジェンスを実施する

基本合意書の締結が完了したら、譲受側の会社はデューデリジェンス(DD)を実施しましょう。

デューデリジェンスは実施が義務付けられているわけではありませんが、譲受する予定の会社・事業の価値やリスクなどを知るための調査なので、実施することがおすすめです。

デューデリジェンスの調査対象は、事業内容や財務、税務、法務、などです。

あらゆる観点から調査を進めます。

譲渡側の会社は、デューデリジェンスが実施されたら書類の提出や質問に対応してください。

後々トラブルに発展することのないよう、誠実に対応しましょう。

8.最終契約書を締結する

デューデリジェンスを経て、問題なくM&Aを実施できることが分かったら、最終契約書(DA)の締結に進みます。

最終契約書には法的拘束力があるので、徹底的に確認したうえで締結してください。

最終契約書には、M&Aの取引価格や成約事項、表明保証、クロージング条件などが記載されています。

9.クロージングを実施する

最終契約書の締結が完了したら、クロージングを実施します。

「クロージング」とは、M&Aの取引を終えて経営権の移行を完了させることです。

取引内容は選んだスキームによって異なります。

たとえば、スキームに株式譲渡を選択した場合は、譲受側の会社が株式の対価を支払い、譲渡側の会社が株券を譲渡したり株主名簿の書き換え請求を実施したりすることがクロージングの内容です。

必要な取引内容を確認し、クロージングを適切に実施しましょう。

10.PMIを行う

M&Aの実施後にはPMIを行いましょう。

「PMI」とは、M&A実施後の経営統合の作業のことを指します。

当初立てたM&Aの目的を達成するために実施します。

PMIにおいて策定する計画は、3~6ヶ月の期間でスケジューリングする「ランディング・プラン」と、中長期での課題解決を見込んだ「100日プラン」の主に2つです。

プランの実行中には週次・月次で効果検証を行い、計画とのズレを修正しながら進めていきましょう。

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会社M&Aの6つの支援サービス

会社のM&Aを支援してくれるサービスは主に以下の6つです。

  1. 金融機関
  2. 商工団体
  3. 士業
  4. 事業承継・引継ぎ支援センター
  5. FA(ファイナンシャルアドバイザー)
  6. M&A仲介会社

それぞれの支援サービスの特徴を紹介します。

1.金融機関

取引先の金融機関にM&Aの相談窓口が設けられている場合は、相談をしてみましょう。

金融機関はM&Aの相手会社を紹介してくれるほか、資金面の相談にも応じてくれます。

2.商工団体

商工団体とは、商工会議所や商工会などのことです。

商工団体は地域に根差した活動を行っており、会社がある地域でM&Aを行う際には心強い味方になるでしょう。

また、商工団体に所属していると、優遇された金利で融資を受けられることも。

融資を希望する場合は、申し込みの詳細について確認してみましょう。

3.士業

会社のM&Aを支援してくれる士業は、「弁護士」「公認会計士」「税理士」の3つです。

弁護士

弁護士とは、法律を扱う専門家です。

提出書類の作成やリーガルチェック、法務デューデリジェンスなど、会社のM&Aにおいて、法律の知識が求められる場面は多々あります。

弁護士はそれらのプロセスを安全に進められるようサポートしてくれます。

また、もしM&Aを進行する過程で相手会社とトラブルに発展してしまった場合も安心です。

弁護士が代わりに交渉に対応してくれます。

公認会計士

公認会計士は会計監査を独占業務としています。

会社のM&Aを支援する公認会計士も存在しており、担当する内容は価値算定や節税対策、財務デューデリジェンスなどです。

税理士

税理士とは、税務のプロフェッショナルです。

税務相談・税務書類の作成・税務代理の3つを独占業務として行っています。

会社のM&Aにおける支援内容は、価値算定や節税対策などです。

そのほか、税理士は税務デューデリジェンス・財務デューデリジェンスにも対応してくれます。

4.事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターとは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているM&Aの支援機関です。

相談窓口を全国各地に設置し、中小企業の事業承継を支援しています。

5.FA(ファイナンシャルアドバイザー)

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、財務・金融関係について実践的なアドバイスをするスペシャリストです。

通常業務は主に資産運用や土地活用、相続問題などに関する助言ですが、会社のM&Aの支援業務を行うFAもいます。

FAの契約方法はほとんどが「アドバイザリー型」です。

譲渡側・譲受側のどちらかと契約を結び、契約した会社の利益を最大化するべく動きます。

6.M&A仲介会社

M&A仲介会社は、各種専門家やM&Aに関する豊富なノウハウ・経験を持ったアドバイザーが在籍する支援機関です。

M&Aの相談から成約までをトータルサポートしています。

M&A仲介会社の契約方法は、中立的な立場からサポートを行う「仲介型」であることが多いです。

友好的なM&Aになりやすいため、中小企業のM&AにおいてM&A仲介会社がよく利用されます。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、仲介型とアドバイザリー型の両方に対応する支援機関です。

ご要望に沿って最善のサービスを提供します。

料金体系はM&Aご成約時に料金が発生する完全成功報酬型。M&Aのご成約まで無料で利用できます(譲受会社のみ中間金あり)。

ご相談も無料! M&Aをご検討の際には、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

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会社のM&Aの案件を探す7つの方法

会社のM&Aの案件を探すときは、以下の方法を試してみましょう。

  1. 経営者の知人
  2. 金融機関
  3. 商工団体
  4. 事業承継・引継ぎ支援センター
  5. M&Aのマッチングサイト
  6. FA(ファイナンシャルアドバイザー)
  7. M&A仲介会社

それぞれの特徴を以下で説明します。

自社のM&Aに合いそうな方法を選んでください。

1.経営者の知人

会社のM&Aを検討したときには、経営者の知り合いにあたってみることも1つの手です。

業績や経営方針、経営者の人柄を前々から知っているので、M&Aの相手にふさわしいかどうかが判断しやすいでしょう。

2.金融機関

金融機関は地域の会社と取引を行っています。

多数の地元企業とのコネクションがあるので、M&Aの相手を紹介してくれることも期待できるでしょう。

3.商工団体

地元でM&Aを実施しようと考えている場合は、商工団体を活用することもおすすめです。

商工団体は地域の会社と強固なネットワークでつながっています。

同じく「地元をさらに盛り上げたい!」と考えている会社を紹介してもらえる可能性があります。

4.事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、サービスの1つとして第三者承継支援を行っている国の支援機関です。

センターに集まった譲受ニーズから、条件に近い案件を紹介してくれます。

全国の事業承継・引継ぎ支援センターと連携しているため、地元だけでなく、離れた土地にある会社とのマッチングも可能です。

また、後継者人材バンクも運営しており、創業を希望する人と後継者問題に悩む経営者のマッチングを支援しています。

5.M&Aのマッチングサイト

民間のマッチングサイトを使ってM&Aの相手会社を探すことが可能です。

マッチングサイトには、M&Aによって譲受を希望する会社や譲渡を希望する会社の情報が登録されています。

会社のエリアや業種、キーワードなどの希望条件を設定し、検索して探しましょう。

6.FA(ファイナンシャルアドバイザー)

M&Aの相手会社を探すことは、FA(ファイナンシャルアドバイザー)が提供するサービスの1つです。

保有するコネクションから適したM&Aの案件を紹介してくれます。

FAが取り扱うM&Aの案件は、大規模であったり海外企業であったりすることがほとんどです。

そのため、大企業によるM&Aや海外M&Aに該当する場合に利用することがおすすめです。

7.M&A仲介会社

M&A仲介会社は独自のネットワークを持っています。

M&A仲介会社ごとに得意分野があり、自社に合った仲介会社を選べばより精度が高いマッチングが叶うでしょう。

M&A仲介会社はM&Aを一貫してサポートする支援機関です。

相手を探す段階でも丁寧にヒアリングをして、M&Aを成功に導いてくれます。

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M&Aに関する4つの資格

M&Aを実施する際に必須となる資格はありません。

しかし、持っていると役立つ資格は存在します。

M&Aに関する資格は主に以下の4つです。

  1. M&Aアドバイザー
  2. 事業承継士
  3. M&Aスペシャリスト資格
  4. M&Aエキスパート認定制度

M&Aの仲介会社を探す際は、資格の有無についても確認してみましょう。

依頼先を決める判断基準の1つになります。

1.M&Aアドバイザー

「M&Aアドバイザー」とは、一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)に入会することで認定される資格です。

入会条件は2つあり、いずれかを満たせば入会できます。

入会条件の1つ目は、JMAA主催の「M&Aアドバイザー開業・養成講座」を受講して修了試験をクリアしたうえで、M&Aアドバイザーとして業務に入ると決まっていることです。

入会条件の2つ目は、M&Aアドバイザーとしての実務経験を積んだうえで、JMAA理事会に加盟が認められることです。

2.事業承継士

「事業承継士」とは、一般社団法人事業承継協会が認定する資格です。

事業承継士の資格受験をするためには、弁護士や公認会計士、行政書士などの資格を保有している必要があります。

「事業承継士」は、事業承継に関連する問題を総合的に解決できることを証明する資格です。

事業承継に関わる各専門家をコーディネートし、事業承継が最適な状態で進められる能力を有しています。

3.M&Aスペシャリスト資格

「M&Aスペシャリスト資格」とは、合併・買収・事業譲渡(M&A)に関する資格です。

中小企業における事業承継の需要の高まりにともない、資格制度が整えられました。

一般社団法人日本経営管理協会(JIMA)が認定しています。

受験要件は特に設けられていないため、誰でも受けることが可能です。

試験では一般知識に関する問題や論述問題が出題されます。

M&Aスペシャリスト資格を持っている人は、JIMAが開催するセミナーに参加できます。

4.M&Aエキスパート認定制度

「M&Aエキスパート認定制度」とは、事業承継とM&Aに関して網羅的な知識を持っていることを証明する資格です。

一般社団法人M&A仲介協会が認定しています。

認定制度は3段階あります。

基礎的な知識があることを証明する「事業承継・M&Aエキスパート」、事業承継の実務をサポートするプロフェッショナルであることを証明する「事業承継シニアエキスパート」、中小企業のM&Aの実務ノウハウを持っていることを証明する「M&Aシニアエキスパート」です。

「事業承継・M&Aエキスパート」を取得することにより、上位資格である「事業承継シニアエキスパート」や「M&Aシニアエキスパート」の資格取得に挑戦できるようになります。

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M&Aの仲介会社にかかる費用の種類

M&Aの仲介会社を利用する場合にかかる料金は、主に以下の6つです。

  1. 相談料
  2. 着手金
  3. 中間金
  4. デューデリジェンス費用
  5. 成功報酬
  6. リテイナーフィー

なお、6つの料金が必ず発生するわけではありません。

料金設定は各M&A仲介会社が任意で決めています。

無料に設定されている手数料もあるので、依頼前に確認しましょう。

それでは、順に詳細を説明します。

 1.相談料

相談料とは、M&Aのことを相談するときにかかる手数料です。

正式依頼前の相談に対して支払う料金であり、基本的に返金されません。

ほとんどのM&A仲介会社が相談を無料で受けていますが、有料に設定している場合もあるので、相談前にかかる料金を必ず確認してください。

 2.着手金

着手金は、M&A仲介会社に依頼したときに発生します。

着手金とはイニシャルコストにあたり、一括払いによる支払いを求められるのが一般的です。

金額は、会社の規模や実施予定のM&Aの難しさなどに応じて変動します。

着手金は返金されないことがほとんどなので、支払う前に慎重に実施を検討しましょう。

着手金を無料としているM&A仲介会社もあります。

費用をできるかぎり押さえたい場合は着手金無料のM&A仲介会社を選んでください。

 3.中間金

中間金とは、M&Aを進めているプロセスの途中で支払う手数料です。

「マイルストーンフィー」とも呼ばれます。

中間金の支払い義務が発生するタイミングは、多くの場合、基本合意書を締結した段階です。

中間金の金額は、M&A成約時に発生する「成功報酬」の1割~3割に設定されていることがほとんどです。

多くの場合、中間金に返金保証はないので、しっかり検討したうえで次のステップに進みましょう。

なお、中間金が無料のM&A仲介会社も存在します。

 4.デューデリジェンス費用

デューデリジェンス費用は、譲受側の会社が支払う料金です。

譲渡会社の価値やリスクなどに関する調査である「デューデリジェンス」に対してかかります。

デューデリジェンスの対象となる領域は、法務・税務・財務・ビジネス・人事の5種類です。

調査する規模や深度に決まりはなく、譲受会社の任意で決めることになります。

デューデリジェンス費用は調査内容によって変わるので、予算と照らし合わせて規模・深度を決定しましょう。

 5.成功報酬

成功報酬とは、M&Aが成約したときに支払う手数料です。

取引金額が少額だった場合、M&A仲介会社が設定した最低報酬金額を成功報酬として支払います。

少額ではない場合は、「レーマン方式」で算出された成功報酬額を支払うことが一般的です。

レーマン方式においては、各支援機関が設定した手数料率に取引額を掛けて、そのすべてを合わせたものが成功報酬の金額になります。

手数料率はそれぞれのM&A仲介会社の任意で設定されますが、以下の数値に設定されていることがほとんどです。

取引額 手数料率
5億円以下 5%
5億円超~10億円以下 4%
10億円超~50億円以下 3%
50億円超~100億円以下 2%
100億円超 1%

【計算例】

たとえば、会社のM&Aにおける取引額が13億円だったパターンでは、成功報酬の計算式は下記のとおりです。

(5億円×5%)+(5億円×4%)+(3億円×3%)= 5,400万円

成功報酬として5,400万円を支払うことになります。

 6.リテイナーフィー

リテイナーフィーとは、毎月支払う定額の顧問料です。

M&A仲介会社と契約している間、持続的に支払います。

リテイナーフィーは基本的に返金されません。

リテイナーフィーの金額は、会社の価値やM&Aの難易度によって変動します。

また、担当してくれるM&Aコンサルタントのレベルが高ければ高いほど、金額が上がる傾向にあります。

M&Aは成約まで長い時間がかかることもあり、長引くとその分リテイナーフィーが高額になってしまいます。

リテイナーフィーを設定しているM&A仲介会社に依頼をする場合は、成約までスピーディに進められるかどうかを事前に考慮しましょう。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般をサポートする仲介会社です。

料金体系はM&Aご成約まで料金が発生しない「完全成功報酬型」です(譲受会社のみ中間金あり)。

ご相談も無料で承っております。

法人の方も個人事業主の方も、まずはお気軽にレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にお問い合わせください。

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M&Aにかかる税金の種類

会社のM&Aを行うとき、税金が発生します。

ここでは、会社のM&Aでよく選ばれる手法である「株式譲渡」と「事業譲渡」においてかかる税金を紹介します。

株式譲渡にかかる4つの税金

株式譲渡でM&Aを行うときにかかる税金は、主に以下の4つです。

  1. 法人税
  2. 所得税
  3. 復興特別所得税
  4. 住民税

法人が株式を譲渡する場合は法人税がかかり、個人の場合は所得税・復興特別所得税・住民税がかかります。

1.法人税

「法人税」は、法人が会社譲渡を行った場合にかかります。

会社法の総合課税方式によって算出されます。

法人税の計算方法は、下記のとおりです。

法人税 = 譲渡益 × 法人税率(29~42%)

※譲渡益は「譲渡額 – 取得額 – 経費」で算出

会社譲渡における法人税率は、29~42%ほどです。

適用される法人税率は、会社の規模や年間法人所得額などによって変わります。

節税方法の1つは、株式譲渡をする前に不要な資産を別の会社に移して、譲渡額を下げることです。

また、役員退職金の活用も検討しましょう。

2.所得税

「所得税」とは、個人が株式を譲渡を実施した場合にかかる税金です。

譲渡益に対して一律15%が課税されます。

所得税 = 譲渡益 × 15%

※譲渡益は「譲渡額 – 取得額 – 経費」で算出

3.復興特別所得税

「復興特別所得税」とは、2011年の東日本大震災の復興に充てるために設けられた税金です。

2013年から2037年までの間、復興特別所得税を納める義務が発生します。

復興特別所得税は、所得税の2.1%です。

復興特別所得税の金額は、次の計算式で求められます。

復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%

4.住民税

「住民税」は、個人が株式譲渡を行ったときに発生する税金です。

住民税の金額は、以下の計算式で出すことができます。

住民税 = 譲渡益 × 5%

※譲渡益は「譲渡額 – 取得額 – 経費」で算出

事業譲渡にかかる4つの税金

事業譲渡でM&Aを行うときにかかる税金は、主に以下の4つです。

  1. 法人税
  2. 消費税
  3. 不動産取得税
  4. 登録免許税

事業を譲渡する側にかかる税金は法人税です。

事業を譲受する側は、消費税・不動産取得税・登録免許税を納税します。

1.法人税

事業譲渡にかかる税金は、「法人税」です。

事業譲渡を行うことによって利益を受け取る売却側に納税義務が発生します。

法人税は、譲渡損益に対して課税されます。

節税対策には、資産を厳選して減らすことが挙げられます。

売却価格を下げてから譲渡することで、税額を低く抑えることが可能です。

2.消費税

「消費税」とは、事業譲渡でやりとりする資産に課税対象資産を含んでいる場合にかかる税金です。

課税の対象となる資産は、土地を除く有形固定資産や在庫、営業権などです。

土地・有価証券・債権に対しては課税されません。

消費税を納付するのは譲渡側ですが、負担するのは譲受側です。

譲渡側から消費税の請求を受けたら、譲受側は金額に間違いがないかを確認したうえで支払いをしてください。

消費税率は、国税の7.8%と地方税の2.2%を合わせて10%です。

軽減税率が適用される場合は、国税の6.24%と地方税の1.76%、合計8.0%です。

3.不動産取得税

「不動産取得税」とは、事業譲渡の対象に不動産があるときに課税される税金です。

登記の有無や取得の理由に関係なく課税対象になります。

また、無償で譲渡された場合にも課税されるので注意しましょう。

非住宅家屋の場合、不動産取得税は固定資産税評価格の4%です。

4.登録免許税

「登録免許税」とは、事業譲渡によって譲り受けた不動産の登記を行うときにかかる税金です。

土地の所有権の移転登記や建物の登記に対する登録免許税は、固定資産税評価格の2%になります。

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会社のM&Aを成功させる9つのポイント

最後に、会社のM&Aを成功させるポイントをまとめました。

下記9つのポイントを押さえてM&Aに臨みましょう。

  1. 早めに準備に取りかかる
  2. M&Aの目的をはっきりさせる
  3. 会社の価値を高める
  4. 適正価格を知る
  5. 妥協できる価格をあらかじめ決めておく
  6. 相手会社についてよく調べる
  7. 株主や株券について把握する
  8. 関係者への説明を怠らない
  9. M&Aの支援サービスを有効活用する

それぞれの内容を一つずつ解説します。

1.早めに準備に取りかかる

M&Aの成功の鍵は、準備を早めにスタートさせることです。

M&Aには事前準備から成約までに多くの過程があり、時間がたくさんかかります。

準備を始めるのが遅いと、M&Aを実施したい時期に間に合わなくなる恐れがあるでしょう。

そのため、M&Aの実施を決意したときではなく、「M&Aを検討しはじめた段階」で準備をスタートさせることがおすすめです。

現状の経営状況の整理や価値算定など、できる準備から始めましょう。

M&Aの支援サービスの多くは相談を無料で行っているので、何から始めたら良いかということから相談するのも1つの手です。

早い段階の相談であれば、腰を据えてM&Aに関する方針を固めていくことができるでしょう。

2.M&Aの目的をはっきりさせる

M&Aを成功させる大事なポイントは、果たす目的を明確にすることです。

目的がしっかり定まっていないと、相手の会社に流されたり誤ったスキームを選んだりして、M&Aが失敗に終わる危険性が高まります。

「M&Aを実施することで叶えたいことは何か?」ということをはっきりさせたうえでM&Aに臨んでください。

M&Aを行う軸が定まっていれば、適切な選択ができるようになります。

3.会社の価値を高める

M&Aで会社および事業を売却したいと考えている譲渡側は、価値を高めることにも注力しましょう。

価値を高めることで、譲受のニーズが増えたり、売却価格が上がったりすることが期待できます。

M&Aにおいて価値が認められる会社・事業の特徴は、「独自性がある」「ブランド力が高い」などです。

また、業績を上げることやレベルの高い従業員を育成することでも価値を高めることができます。

4.適正価格を知る

M&Aで譲渡を成功させたいのであれば、会社・事業を売却したときの適正価格を知っておきましょう。

自社に合った算定方法を用いて、売却価格を算出してください。

適正価格を把握することで、相場よりも安い金額で買収されることを避けられます。

相場価格は社会情勢や会社の業績などの要素によって変動します。

M&Aを検討しはじめたタイミングといざ実施しようとした今の段階で金額が大きく変わっている可能性があるので、都度算定を行って適正価格を調べましょう。

5.妥協できる価格をあらかじめ決めておく

M&Aを実施しようとするとき、妥協できる価格をあらかじめ決めておくことが大切です。

最終的な取引価格は交渉をとおして決定されます。

もし譲歩できる金額を決めないまま交渉に入った場合、相手会社の押しに負けて希望とかけ離れた金額で取引が決まってしまう恐れがあります。

譲歩可能な価格を決めてから交渉に進みましょう。

譲渡会社は、売却対象の会社および事業の時価の精算価値を目安にして下限額を決めることが一般的です。

譲受会社は、買収対象の会社・事業の時価にシナジー効果によって得られると見込める収益額を加算して、上限額の目安としてください。

6.相手会社についてよく調べる

M&Aを成功させるポイントの1つは、相手会社について入念な調査を行うことです。

譲受会社は、M&Aを進める過程でデューデリジェンスを実施します。

譲り受ける予定の会社にコンプライアンス違反がないかを確認してください。

もし譲受したあとに重大な過失が発覚した場合、取引先や顧客との信頼関係に悪影響を及ぼす恐れがあります。

デューデリジェンスは手間とコストがかかりますが、省略せずしっかり行いましょう。

譲渡会社は、会社を不正のないクリーンな状態にしておくことが大切です。

コンプライアンス違反や簿外債務などに心当たりがあれば、早期に解消してください。

解決することが難しい問題があれば、理由とともに相手会社に伝えましょう。

都合が悪いからといって隠すことはおすすめしません。

隠蔽してのちに発覚した場合、M&Aが破談になったり、損害賠償を請求されたりするリスクがあります。

7.株主や株券について把握する

M&Aを円滑に進めるために、株主や株券について把握しましょう。

特にM&Aのスキームに株式譲渡を選択した場合、株主や株券の情報が分からないままだと滞ってしまいます。

株式の対価の支払いをスムーズに行うために、株主をリストアップしてください。

もし譲渡側の会社が株主名簿を所有していない場合は、交渉の途中で作成を依頼することがおすすめです。

株券については、紛失や未発行がないかチェックしてください。

取引の対象となる会社が株券発行会社にもかかわらず株券がない場合は、何らかの対応をする必要があります。

株券を再発行したり、株主に株券不所持の申し出をしてもらったりして対応しましょう。

また、株券不発行会社へ移行することも対処法の1つです。

株券がなくても株式譲渡ができるようになります。

株券を発行するコストがかからないことや、今後の株式の管理がしやすくなることなどがメリットです。

8.関係者への説明を怠らない

M&Aを成功裏に終えるためには、会社の関係者への説明をしっかり行うことが肝要です。

取引先や顧客に対して、M&Aを実施するに至った経緯や今後のビジョンを共有してください。

また、M&Aに対して「乗っ取り」や「身売り」といったネガティブなイメージを持っている人も存在します。

不信感を払拭するために、M&Aの意義やシナジー効果を丁寧に説明して誤解を解いておきましょう。

従業員への説明もしてください。

説明を行うタイミングは、M&A実施後の方針が明確になっている「最終契約書の締結後」がおすすめです。

M&Aの内容や経営ビジョンのほか、従業員の今後の業務内容や待遇に関する情報を丁寧に説明すると、従業員が抱く漠然とした不安を解消できるでしょう。

9.M&Aの支援サービスを有効活用する

M&Aを実施するには、専門的なノウハウが必要です。

そのうえ、M&Aを進める過程では法務や税務、財務などに関する幅広い知識が求められます。

これらを網羅できる人材を社内でそろえることは難しいため、外部のM&A支援サービスを有効活用することがおすすめです。

M&Aの成功を後押ししてくれます。

M&Aの支援サービスを利用するメリットの1つは、候補先が増えることです。

今まで培ってきたネットワークを生かして、最適な会社を紹介してくれます。

また、経験に即したアドバイスがもらえることも大きなメリットです。

たくさんの案件に対応してきているので、より具体的で役に立つ助言を与えてくれるでしょう。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般をサポートする仲介会社です。

各領域に精通したコンサルタントが在籍し、豊富な経験にもとづいた的確なアドバイスを提供します。

料金体系はM&Aご成約時に料金が発生する完全成功報酬型です。

M&Aのご成約まで、無料で利用できます(譲受会社のみ中間金あり)。

ご相談も無料。M&Aをご検討の際には、ぜひお気軽にご連絡ください。