M&Aの相談はどこにする?相談先の一覧や選ぶときのポイントを紹介します
このページのまとめ
- よくあるM&Aの相談先には「金融機関」「M&Aの専門仲介機関」などが挙げられる
- M&Aの相談をするメリットは「リアルな話が聞ける」「専門性の高いサポートを受けられる」など
- M&Aの相談料は、無料に設定している支援機関が多い
- M&Aの相談相手を選ぶときは、真摯な対応で、サービス内容や料金設定が自社に合うものを選ぼう
- 相談前までに、M&Aの動機や自社の状況などについて整理しておくとよい
「M&Aの相談はどこにするべき?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
M&Aの相談先には、M&Aの仲介会社や専用の窓口が設けられた金融機関など、高い専門性を持った支援機関を選ぶことがおすすめです。
本コラムでは、M&Aの相談先一覧やその特徴、選ぶ際のポイントなどを紹介。
また、M&Aの相談をするメリットのほか、相談前にするべき準備などについても解説します。
相談料は無料の場合がほとんどです。ぜひ活用してM&Aをスタートさせましょう。
よくあるM&Aの相談先
中小企業庁が公表している「2021年版 中小企業白書」に、M&A実施意向別の相手先企業の探し方に関するデータがあります。
M&Aの相手を探すための相談先の割合は、以下の第2-3-61図のとおりです。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_61.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」
買い手として意向のある企業・売り手として意向のある企業ともに、金融機関に依頼する割合が最も高い結果でした。
その次に多い相談先が、M&Aの専門仲介機関です。買い手として意向のある企業で45.0%、売り手として意向のある企業で42.9%でした。
3番目に多いのは「自社で独自に探索する」という項目で、特に相談をせずに相手先を探す経営者も一定数いることが分かります。
4番目以下の項目を見てみましょう。
買い手として意向のある企業は、公認会計士や税理士に相談したり、取引先会社や同業他社に紹介を依頼したりと、以前から交流のある相手に相談を持ちかける傾向があります。
売り手として意向のある企業は、対等なビジネス関係にある取引先・同業他社に相談する割合は比較的少なめです。
すでに信頼を築いている担当の公認会計士や税理士に相談したり、公的な支援機関である事業引継ぎ支援センターを利用したりする企業が多いようです。
M&Aの動向
ここでは、中小企業庁が公表している「2021年版 中小企業白書」のデータに基づき、M&Aの動向について解説します。
M&Aの基礎知識として参考にしてください。
経営者年齢の高齢化が進んでいる
中小企業庁が公表している「2021年版 中小企業白書」の第2-3-8図によると、経営者の平均年齢の推移は以下のとおりです。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_8.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」
2009年以降、経営者の平均年齢は上がり続けています。
経営者の平均年齢は年々上昇し、2019年には過去最高齢の62.16歳を記録しました。
後継者問題に悩む企業は依然として多い
中小企業庁の「2021年版 中小企業白書」に掲載されている第2-3-21図によると、後継者不在率の推移は以下のとおりです。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_21.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」
近年の後継者不在率のピークは2017年の66.5%です。
以降わずかに減ってきており、2020年には65.1%になりました。
微減傾向にはあるものの、依然として6割を超える企業が後継者不在の問題を抱えています。
M&Aに前向きなイメージを持つ企業が増加
M&Aに関する情報が浸透していなかった以前は、M&Aに対して「乗っ取り」や「敵対的買収」などのネガティブなイメージを抱いていた人も多いかもしれません。
しかし、M&Aが少しずつ経営戦略の1つとして浸透してきているからか、イメージが変わってきています。
以下の第2-3-53図は、中小企業庁が公表する「2021年版 中小企業白書」に載せた「10年前と比較したM&Aに対するイメージの変化」です。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_53.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」
買収することに対するイメージがプラスになったという回答は、マイナスになったという回答の8倍以上の割合でした。
売却することに対しては、イメージがプラスになったという回答がマイナスになった回答の3倍近くの割合になっています。
M&Aのイメージが前向きなものになっていることが読み取れます。
M&Aの実施件数も増えている
実際、M&Aの件数も増加中です。
以下の第2-3-51図は、同じく中小企業庁が公表した「2021年版 中小企業白書」にあるM&Aの件数の推移です。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/images/b2_3_51.png
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書」
1,687件だった2011年以降、M&Aの件数は増え続けており、2019年には過去最高の4,088件にまでのぼりました。
2020年はコロナ禍の影響もあって前年よりも件数が減りましたが、3,730件という高い数字を記録しています。
M&Aの動きは活発になってきているといえるでしょう。
M&Aの相談をする4つのメリット
M&Aの相談をするメリットは、主に以下の4つです。
- M&Aのリアルな話が聞ける
- M&Aに向けて何をするべきかが見えてくる
- 専門性が高いサポートを受けられる
- M&Aの相手候補が広がる
それぞれ解説します。
1.M&Aのリアルな話が聞ける
M&Aの相談をするメリットは、M&Aの実情に触れられることです。
相談先となるような相手は、今までM&Aの案件に関わったことがあり、知識・経験を豊富に持っているでしょう。
相談を持ちかければ、実際に見聞きして得たリアルな話を聞くことができます。
2.M&Aに向けて何をするべきかが見えてくる
M&Aの相談をしようかどうか迷っている人のなかには、M&Aに関する知識がほぼない人もいるでしょう。
そのような状態だと「何から調べたらよいのか」さえも分からず、M&Aに動きだせないこともあるかもしれません。
M&A仲介会社などのM&A専門の支援機関に相談すれば、M&Aについて丁寧に教えてくれます。
自社が抱える課題をヒアリングし、課題に沿って採るべき手法の提案からしてくれます。
今後のM&Aの展望が見えてくるでしょう。
3.専門性の高いサポートを受けられる
M&Aの相談をするメリットの1つは、専門性の高いサポートが受けられることです。
相談先によっては専門的なノウハウを持っていたり、各スペシャリストを雇っていたりします。
M&Aの過程では高い専門性が求められるため、相談先の協力を得られるとM&Aをスムーズに進められるでしょう。
4.M&Aの相手候補が広がる
相談先が幅広いネットワークを所有していれば、M&Aの相手候補が広がります。
自分の知り合いのみだと候補先が限られたものになり、さらにその中から希望条件が合致する会社を探すとなると、M&Aの難易度が上がってしまいます。
相談先を頼ればM&Aの候補先が増えるうえ、自分で探して声を掛ける手間も省くことが可能です。
M&Aの相談をするデメリット
M&Aの相談をする際に考慮すべき点は、「情報漏洩のリスクがある」「手数料がかかる」の2点です。
情報漏洩のリスクがある
M&Aの相談をするときは、情報漏洩がないように気を付けなければなりません。
特に譲渡側の会社の場合、不確定要素の多い初期段階で従業員に情報が漏れると無駄に不安を煽ることになる恐れがあります。
モチベーションの低下や退職につながってしまうこともあるでしょう。
有力な従業員が辞めてしまった場合、売却価格の下落も招いてしまうかもしれません。
情報漏洩を防ぐためにも、社内でM&Aに関わる人は最小限にしましょう。
M&Aに関する書類やメールの取り扱いにも注意が必要です。
うっかり一般社員の目に入ることのないようにしてください。
そのほか、相談先やM&Aを打診した相手企業からの情報漏洩のリスクにも気を配る必要があります。
関わる企業と秘密保持契約(NDA)を締結し、厳格に履行することがおすすめです。
手数料がかかる
M&Aの相談を検討する際は、手数料がかかるかもしれないことを覚えておきましょう。
M&Aをすべて自力で進めないかぎりはどこかの段階で手数料がかかってきます。
あとでトラブルにならないよう、問い合わせの段階で手数料について確認してください。
M&Aの相談は無料?
多くの場合、M&Aの初期段階の相談料金は無料に設定されています。
どの相談先も無料で活用できることがほとんどです。
ごく稀に相談料が発生する支援機関もあるので、相談前に確認しておきましょう。
M&Aで発生する6つの料金
M&Aの支援機関を利用する際には、以下の6つの料金がかかります。
- 相談料
- 着手金
- 中間金
- デューデリジェンス費用
- 成功報酬
- リテイナーフィー
料金設定は各支援機関に任されているため、無料になっている手数料もあります。
依頼前にかかる料金を確認しましょう。
1.相談料
相談料とは、M&Aの仲介を正式依頼する前の相談時にかかる手数料です。
相談の対価となるので、基本的に返金されません。
多くの場合、相談料は無料に設定されています。
しかし相談料を有料に設定している支援機関もあるので、相談前に料金を確認してください。
2.着手金
着手金とは、M&Aの仲介を依頼するときに発生する手数料です。
着手金は会社の規模やM&Aの難易度などに応じて決定されます。
着手金は返金されないことがほとんどです。
M&Aを途中で取りやめた場合も戻ってこないので、実施する意思が固まってから進めましょう。
また、着手金を無料としている支援機関を選ぶことも1つの手です。
3.中間金
中間金とは、M&Aの交渉が進行する過程で支払う手数料です。
多くの場合、中間金の支払額はM&A成約時にかかる「成功報酬」の10~30%に設定されています。
中間金が発生するタイミングは、基本合意書を締結した段階に設定されていることが多いようです。
中間金は基本的に返金されません。
M&Aをこのまま進めてもよいかをしっかり考えたうえで支払いましょう。
なお、中間金が無料の支援機関も存在します。
4.デューデリジェンス費用
デューデリジェンス費用とは、M&Aを進めていくプロセスで行う調査にかかる手数料です。
デューデリジェンス費用は買い手である譲受側の会社が支払います。
「デューデリジェンス」とは、譲渡会社の価値やリスクなどの実情に関する調査を行うことを指します。
デューデリジェンスの調査対象は、主に財務・法務・税務・ビジネス・人事の5種類です。
デューデリジェンスにかかる時間とコストは、調査の規模や内容に応じて変動します。
M&Aで獲得できる相乗効果と調査に割ける予算を照らし合わせたうえで、規模・内容を決定しましょう。
5.成功報酬
成功報酬とは、M&A成約時に最終的に支払う手数料です。
取引金額が少額だった場合は支援機関が設定した最低報酬金額が成功報酬となりますが、そうでない場合は「レーマン方式」で手数料額が算出されることがほとんどです。
レーマン方式では、各支援機関が設定した手数料率に取引額を掛けて、すべて足したものが成功報酬になります。
取引額・手数料率は支援機関ごとに設定を任されていますが、以下の表にある数値に設定されていることが多いです。
取引額 | 手数料率 |
5億円以下 | 5% |
5億円超~10億円以下 | 4% |
10億円超~50億円以下 | 3% |
50億円超~100億円以下 | 2% |
100億円超 | 1% |
【計算例】
たとえば、会社譲渡における取引額が11億円だった場合、成功報酬の計算式は下記のとおりになります。
(5億円×5%)+(5億円×4%)+(1億円×3%)= 4,800万円
6.リテイナーフィー
リテイナーフィーとは、支援機関に対して毎月支払う定額顧問料です。
契約している間、継続的に支払うことになります。
リテイナーフィーの金額は、M&Aの難易度や担当コンサルタントのレベルが高いほど上がる傾向があります。
リテイナーフィーは返金されません。
M&Aは成約までに長い期間を費やすことも多々あり、長引いてしまうと手数料が高額になってしまう恐れもあります。
リテイナーフィーが設定されている場合は、支払い金額に見合う効果が得られるのかどうかを慎重に考えましょう。
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般をサポートする仲介会社です。
各領域の専門性に長けたコンサルタントも在籍しており、あらゆるプロセスにおいて的確にアドバイスします。
料金体系はM&Aご成約まで料金が発生しない「完全成功報酬型」です(譲受会社のみ中間金あり)。
ご相談ももちろん無料。
法人の方も個人事業主の方も、まずはお気軽にレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にお問い合わせください。
M&Aにおける7つの相談先
ここでは、M&Aを検討する際に利用できる相談先を7つ紹介します。
M&Aの相談相手の一覧は以下のとおりです。
- 知り合いの経営者
- 金融機関
- 士業
- 商工団体
- 事業承継・引継ぎ支援センター
- FA
- M&A仲介会社
それぞれ特徴があるので、自社のM&Aの内容に合った相談先を選びましょう。
1.知り合いの経営者
M&Aの相談先の候補の1つは、信頼のおける知り合いの経営者です。
会社を牽引する同じ経営者の立場としてのリアルな見解を聞くことができます。
特にM&Aを経験している経営者に相談すれば、さらに参考になる話を聞けるでしょう。
また、知り合いの経営者がM&Aを持ち掛ける相手となる可能性もあります。
2.金融機関
金融機関もM&Aの相談に応じてくれます。
M&Aを実施するにはお金がかかるため、金融機関には資金面の相談をするのがおすすめです。
また、M&Aの支援に関する相談窓口を設けている金融機関もあります。
金融機関は普段の取引により築いた幅広いコネクションも持っており、M&Aの相手を紹介してくれることも期待できます。
3.士業
M&Aの相談先には「公認会計士」「税理士」「弁護士」の士業が挙げられます。
公認会計士
公認会計士は会計監査を独占業務とする士業です。
M&Aの相談を受け付けている公認会計士もいます。
公認会計士が担当する内容は、会社の価値算定や財務デューデリジェンスなどです。
そのほか、節税対策の相談相手にも適しています。
税理士
税理士とは、税務書類の作成・税務相談・税務代理の3つを独占業務として行う士業です。
すべての税理士ではありませんが、M&Aの相談に応じている税理士もいます。
税務・会計の知識に長けている税理士が対応してくれる相談内容は、会社の価値算定や節税対策、税務デューデリジェンス、財務デューデリジェンスなどです。
弁護士
弁護士とは、法律の専門家です。
弁護士は、法律が絡むM&Aのプロセスにおいて心強い相談相手になります。
M&Aにおいて弁護士が担うのは、書類作成やリーガルチェック、法務デューデリジェンスなどです。
また、M&Aの相手とのトラブルを避けられるようリスクマネジメントもします。
万が一トラブルが生じた際には、相手企業との交渉にも対応してくれます。
4.商工団体
商工団体もM&Aの相談先の1つです。
商工団体とは、商工会議所や商工会、中小企業団体などを指します。
商工団体は地元とのつながりが深く、地域の会社との幅広いネットワークを有しています。
そのため、特に地方でM&Aを検討している会社におすすめの相談先です。
また、商工団体に所属している場合、優遇された融資を受けられることがあります。
融資を受けようと考えているならば、商工団体に申し込みの期限や条件について確認してみましょう。
5.事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターとは、中小企業の事業承継をサポートする支援機関で、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
国が設置するM&Aの支援機関です。
事業承継・引継ぎ支援センターの相談窓口は全国各地に設けられています。
相談料は無料で、民間のM&A仲介会社を利用する場合のセカンドオピニオンとして活用する経営者もいます。
6.FA
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、資産運用や土地活用、相続問題などの財務・金融関係について実践的な助言を行う専門家です。
なかにはM&Aの相談を受け付けているFAもいます。
M&Aにおいて、FAは全般的にアドバイス業務を行います。
FAは、譲渡側・譲受側のどちらかと契約を結んでサポートする、「アドバイザリー型」の契約であることがほとんどです。
契約を交わした会社の利益が最大化できるようにはたらきかけます。
7.M&A仲介会社
M&A仲介会社とは、M&Aの相談から成約までを一貫してサポートしてくれる支援機関です。
各種専門家を揃えており、M&Aをトータルに支援します。
また、M&Aに関する豊富なノウハウ・経験を持ったアドバイザーが在籍しているので、「M&Aに興味があるけど、何から始めたらよいのか分からない…」という段階での相談先としてもおすすめです。
M&A仲介会社の多くは、中立的な立場からサポートを行う「仲介型」の契約です。
譲渡側の会社と譲受側の会社の両方からヒアリングをして希望を調整しながら、M&Aを進行します。
両者の意見を尊重しながら進めるため、友好的なM&Aになりやすいことが特徴です。
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、仲介型・アドバイザリー型の両方に対応しています。
お客さまのご要望に合わせて、最善のサービスを提供しています。
独自のネットワークを駆使し、精度が高いマッチングも可能です。
料金体系はM&Aご成約時に料金が発生する完全成功報酬型で、M&Aのご成約まで無料で利用できます(譲受会社のみ中間金あり)。
ご相談も無料です。M&Aをご検討の際には、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。
M&Aの相談先を選ぶときの7つのポイント
ここでは、M&Aの相談先を選ぶときのポイントを紹介します。
- 親身になって考えてくれるか
- 必要な情報開示をしてくれるか
- 得られる成果に対して報酬額が妥当か
- サービス内容が自社に合っているか
- M&Aの実績が豊富にあるか
- 高い専門性を持ち合わせているか
- 迅速に対応してくれるか
7つのポイントを押さえて、M&Aの相談相手を決めましょう。
1.親身になって考えてくれるか
M&Aの相談先を選ぶときは、親身になって自社のことを考えてくれるかどうかを見極めることが大切です。
所属先のネームバリューや肩書だけで判断せず、担当の人と実際に会ったりメッセージを交わしたりするなかで感じた印象を重視しましょう。
一方的に意見を伝えてくる場合は注意。
M&Aに関する疑問・悩みに対してしっかり耳を傾け、自社に寄り添ったアドバイスをしてくれる相談先を選んでください。
2.必要な情報開示をしてくれるか
M&Aの相談先には、必要とする情報を提供してくれる相手を選びましょう。
M&Aの相談は無料であることがほとんどなので、なかには契約するまで情報を出し惜しむ相談先もあります。
もし最終的なM&Aの成功を願ってくれているのであれば、必要なタイミングで情報開示をしてくれるはずです。
3.得られる成果に対して報酬額が妥当か
M&Aの相談先を選ぶときには、料金体系を事前に把握しておきましょう。
M&Aの成約までには大きな費用がかかります。
M&Aを成功させることによって得られる利益やシナジー効果が、支払う報酬額に見合うかどうかを確認してください。
サイト・資料を見ても報酬額の仕組みが分からなかった場合は、問い合わせ時や相談時に質問することがおすすめです。
4.サービス内容が自社に合っているか
M&Aの相談相手を決める際には、提供されているサービス内容が自社に合っているかどうかをチェックしましょう。
自分が受けたいと思うサービスが提供されているかを確認してください。
また、M&Aの相談先は、それぞれ得意とするジャンルを持っています。
大企業のM&Aに強い相談先もあれば、中小企業向けの相談先もあります。
特定の業界のM&Aに強みを持つ相談先もあるでしょう。
自社と合致した得意分野を持つ相談先を選べば、M&Aが円滑に進みやすくなります。
5.M&Aの実績が豊富にあるか
M&Aの相談先には、成約実績数が多いところを選びましょう。
M&Aの成約実績数が多ければ多いほど、経験に基づいた質の良いアドバイスが期待できます。
成約実績については最初の相談のときに確認してください。
また、過去のM&Aの成功事例を詳しく聞いてみることもおすすめです。
成功事例の中に自社が予定しているM&Aと類似した案件があれば、より具体的なイメージをつかむことができるでしょう。
6.高い専門性を持ち合わせているか
M&Aの相談先を選ぶ前に確認するべきポイントは、高い専門性を持っているかどうかです。
M&Aを進行するためには専門的な知識が求められます。
高い専門性を持つ相談先を相手に選べば、各プロセスで的確な助言をもらえるでしょう。
M&Aに関する知識はもちろん、経営や財務、税務、法律など、求められる専門性は幅広いです。
もしメインの相談先に対応範囲外の内容があれば、複数の支援機関に依頼する必要が出てきます。
7.迅速に対応してくれるか
M&Aの相談先を選ぶ基準の1つは、「迅速に対応してくれるかどうか」です。
M&Aの成約までには多くの手続きがあり、滞ってしまうと全体のスケジュールに影響が出てしまいます。
また、M&Aは自社の都合だけで進めるものではありません。
相手会社は経営戦略や決算時期にも考慮してM&Aを進めているため、大幅に遅延が出ると最悪の場合、破談になる恐れもあります。
M&Aを成功させるために、迅速果断にM&Aのプロセスを進行してくれる相談先を選びましょう。
【譲渡側】M&Aの相談までにするべき5つの準備
ここでは、M&Aの相談までにしておいたほうがよいことを5つ紹介します。
- 譲渡する動機を明確にする
- 事業内容をまとめておく
- 組織状況をまとめておく
- 希望条件と財務状況を整理する
- 株主の状況を把握しておく
M&Aによって会社や事業を売却しようと考えている売り手はぜひチェックして準備を進めてください。
1.譲渡する動機を明確にする
譲渡を行う動機を明確にしておきましょう。
相談時にM&Aの動機をしっかり伝えることができれば、相談先が適切なアドバイスをしやすくなります。
目的に沿って、M&Aの手法および相手先を薦めてくれるはずです。
また、動機をはっきりさせておくことは、M&Aの成功率を高めることにもつながります。
動機を明確にすることによって、自社にとってより良い選択ができたり、相手に流されることなくM&Aを進められたりするなどのメリットがあります。
2.事業内容をまとめておく
M&Aの相談前に、自社の事業内容をまとめておいてください。
譲渡内容の選定や価値算定に必要になってくる必須情報です。
会社案内パンフレットや事業計画書があれば、相談前に用意しておきましょう。
取引先と交わした契約書や主要な取引先のリスト、保有する許認可の証明書なども、可能なかぎり揃えておきます。
3.組織状況をまとめておく
M&Aの相談前までに、自社の組織状況を整理しておきましょう。
組織図や従業員名簿、役員の履歴書など、組織に関する資料をまとめておいてください。
そのほか、会社のキーパーソンが譲渡後も残留可能かどうかも確認しておくと良いでしょう。
M&Aの条件にキーパーソンが一定期間残留することを挙げる相手先もいます。
「希少なノウハウを持っているか」「引き継ぎが十分にできるか」ということは、M&Aの成約に関わってくる大切な要素です。
4.希望条件と財務状況を整理する
M&Aの希望条件・希望譲渡額を考えておきましょう。
M&Aの相談時に確認します。
また、財務状況が分かる資料を用意してください。
決算書や税務申告書、固定資産税評価額明細書、各事業の売上高が分かる資料などが挙げられます。
そのほか、負債・含み損益のある資産・担保に供している資産がある場合は、それらもリストアップしておきましょう。
相談先はこれらの希望譲渡額と財務状況を照らし合わせて、譲渡する会社および事業の相場価格と乖離しすぎていないかを判断してくれます。
5.株主の状況を把握しておく
M&Aの相談前に、株主の状況を把握しておいてください。
株主の状況が分からない状態だと、M&Aの手法によっては話が頓挫してしまいます。
株主をリストアップしましょう。
株主名簿がない場合は作成することがおすすめです。
また、株券発行会社であるにもかかわらず株券の喪失・未発行がある場合、M&Aの手法によって対応が必要になることがあります。
状況を把握しておけば、M&Aの相談時にどのようなことが必要かを確認できて、迅速に対応することが可能です。
【譲受側】M&Aの相談までにするべき5つの準備
ここでは、M&Aの相談までにするべき準備を5つ紹介します。
- 譲受する動機を明確にする
- 買収したい事業内容と対象地域を決める
- 資金力を把握しておく
- M&A実施後の運営方針を考える
- マネジメント体制の計画を立てる
M&Aを実施して会社・事業の買収を考えている買い手側は、希望の会社に出会えるようにしっかり準備をしておきましょう。
1.譲受する動機を明確にする
譲受を行う動機を明確にしておいてください。
M&Aの相談時に必ず確認されます。
M&Aの相談先に会社および事業を譲受したい理由をしっかり伝えることができれば、より精度の高いマッチングが叶います。
また、相談時にも適切なアドバイスをしてもらいやすくなるでしょう。
2.買収したい事業内容と対象地域を決める
M&Aの相談前に、買収したい事業の内容と地域を決めておきましょう。
今後の経営戦略をもとに詳細を詰めて、相談先に伝えてください。
3.資金力を把握しておく
M&Aに費やすことができる資金を把握しておきましょう。
M&Aの相手先を決める1つの指針となるので、相談時に必ず聞かれます。
4.M&A実施後の運営方針を考える
M&Aの相談に向けて、実施後の運営方針について考えておいてください。
経営戦略のほか、自社と買収先会社の従業員の相互理解の進め方や、業務面の統合プロセスなどに対する考えをまとめておきましょう。
これらの運営方針を伝えることが、M&A後の円滑な運営につながります。
5.マネジメント体制の計画を立てる
M&Aの相談の際に、どのようなマネジメント体制が提供できるかを伝えましょう。
M&Aによって社内体制や職場環境が変化した場合、買収先の従業員に混乱が生じることがあります。
混乱を最小限に抑えて新たな環境に早く馴染んでいけるようにするためには、マネジメント体制を整えることが重要です。
M&Aの交渉時の段階でも、「マネジメント体制が提供できる」ということがアピールできれば交渉にプラスに働くでしょう。
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般を支援する仲介会社です。
実施前のご相談からご成約までトータルにサポートし、安心・迅速にM&Aを進行します。
なお、当社は「M&A支援機関登録制度」に登録された事業所です。
中小M&Aガイドラインを遵守し、適切な支援を行っています。
また、国が用意する「事業承継・引継ぎ補助金」の専門家活用の補助対象です。
ご相談も無料なので、まずはお気軽にレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社までお問い合わせください。