福井県のM&A・事業承継のポイントは?動向や案内の例などを解説

2023年12月7日

福井県のM&A・事業承継のポイントは?動向や案内の例などを解説

このページのまとめ

  • 福井県にある中小企業の半数以上が後継者不足の問題を抱えている
  • 福井県は後継者不足や人手不足解消のために支援制度を設けている
  • 福井県のM&AについてM&A仲介会社、商工会など相談先は多数ある

「福井県のM&Aや事業承継に興味があるけど、実際に可能だろうか?」と悩んでいる経営者も多いのではないでしょうか。福井県でM&Aや事業承継を検討する場合、まずは県内の現状を把握することが先決です。

本コラムでは、福井県のM&Aに関する現状と動向から、実際に県内企業が関わったM&Aの事例まで解説します。さらに、福井県でM&Aを支援している相談先まで紹介するので、ぜひ活用してください。

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福井県の企業やM&Aに関する現状と動向

福井県の企業やM&Aに関する現状と動向をまとめると、次の4点に要約されます。

  • 後継者不足が深刻である
  • 休廃業や解散が増加傾向にある
  • 事業承継の支援制度を設けてM&Aを推進している
  • 深刻な人手不足の解決に奨励金制度を設けている

それぞれの内容について詳しく説明します。

後継者不足が深刻になっている

帝国データバンクの「全国企業 後継者不在率 動向調査(2022)」によると、後継者不足は深刻であるものの、全国的にみれば後継者不在率は減少傾向にあります。
今回の調査では、後継者不在率は60%を下回っており、これは調査を開始した2011年以降初めてとのことです。

同調査によれば、福井県の後継者不在率は52.8%です。全国平均が57.2%のため、全国平均よりも低いことがわかります。

しかしながら帝国データバンクの「福井県 休廃業・解散 動向調査(2019年)」によると、2019年の倒産件数は前年比25%増の45件と、7年ぶりに増加しています。
加えて、2019年の休廃業・解散件数は327件と、倒産の7.3倍という深刻さです。
休廃業や解散に至った企業のうち、代表者年齢が70代以上であるのは48.6%と過半数近くに及びます。

このことから、代表者の高齢化が進むなか事業承継が上手くいかず、事業継続を断念せざるを得ない企業が数多く存在することが伺えるでしょう。
福井県の後継者不在率が全国平均と比べてそれほど高くないのは、調査以前にかなりの数の企業が事業継続を断念している可能性があるからです。

中小企業の休廃業や解散は、技術や雇用の喪失につながり、地域経済へ多大なダメージを与えます。福井県においても、後継者不足は喫緊の課題といえるでしょう。

参照元:帝国データバンク「福井県 休廃業・解散 動向調査(2019年)
参照元:帝国データバンク「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022年)

事業承継の支援制度を設けてM&Aを推進している

国や福井県では、福井県内企業の事業承継を支援するためにさまざまな奨励金や補助金を設けています。2023年度に実施された主な奨励金や補助金は、次のとおりです。

  • 県内企業M&A支援奨励金
  • 事業承継に向けた企業価値向上補助金
  • 【国】事業承継・引継ぎ補助金

福井商工会議所のホームページ上では、補助金一覧を確認できます。

2023年に実施された支援の一つとして、「社長人材誘致支援プロジェクト」があります。これは後継者問題を抱えた県内企業に対して、第三者による事業承継を支援したものです。
また類似した支援として、後継者を広く全国から募集する「後継者全国公募」も実施されました。

国や県、商工会議所、金融機関は、さまざまな取り組みにより地元企業の事業承継を支援しています。こまめに情報をチェックし、経済的負担を減らしながら事業承継に取り組みましょう。

ただし、支援制度の奨励金・補助金の内容や金額、募集期間、募集要件は年度により異なる可能性があるため、最新の情報を手に入れるようにしてください。

参照元:福井県事業承継・引継ぎ支援センター 「福井県:県内企業M&A奨励金(令和5年度募集)公募のご案内」
参照元:福井商工会議所「補助金一覧

深刻な人手不足に対して奨励金制度を設けている

福井県の人手不足は深刻な状況が続いています。福井労働局の「雇用失業情勢(令和5年9月分)」によると、有効求人倍率は1.91倍と全国1位です。全国平均が1.29倍という数値からも、福井県の有効求人倍率の高さがわかるでしょう。

そもそも有効求人倍率とは、有効求人数を有効求職者数で割って算出するもので、どれくらいの求人があるかを示す数値です。
有効求人倍率の数値が大きいほど、求人が多い=人手不足がより深刻という市場状況を表します。
有効求人倍率が1位ということは、日本で一番人手不足が深刻という意味でもあるのです。

そこで福井県では、人手不足の解消に向けてさまざまな取り組みを行っています。
人手不足業就職チャレンジ応援事業」もその取り組みの一つです。これは、人手不足が深刻な業種に就職した人が、一定期間継続して働き続けた場合に奨励金を支払う事業です。

福井県は元々、女性の労働参加が進んでいる地域ですが、それでも人手不足解消には程遠い現状があります。国や県による、さらなる支援の導入が急がれます。

参照元:福井県「令和5年度人手不足業就職チャレンジ応援事業について
参照元:福井労働局「雇用失業情勢(令和5年9月分)

関連記事:地方でのM&A動向と特有の難しさ、後継者問題や事例を解説

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福井県の産業の特徴

地域によって産業の特徴は異なりますが、福井県では原子力発電事業をはじめ、繊維産業や機械産業、メガネ産業などの製造業が盛んです。
とくにメガネ産業と繊維産業は、県内経済を支える2大産業です。
ここでは、メガネ産業と繊維産業について解説します。

メガネ産業の国内シェア率は90%以上

日本製メガネフレームの約95%が鯖江市と福井市で生産されています。
福井県で製造されたメガネは、高級・高品質・独創性が特徴で、「鯖江ブランド」として世界中で高く評価されています。
また、メガネの製造技術が高いだけでなく、有名デザイナーとコラボ商品を企画したりアパレルブランドと連携したメガネを発表したりと、マーケティング活動にも積極的です。
近年、安価な中国製フレームに押されていたものの、付加価値を付けることでブランドとしての地位を確立しています。

繊維産業にて新たな挑戦を行なっている

福井県では厳しい繊維不況のなか、生き残りをかけて機能性の強化・グローバル化・非衣料分野への事業展開の3つに力を入れ、新分野への開拓を積極的に進めています。

明治時代から大正の半ばまでは、羽二重を始めとした絹織物が中心でした。しかし近年は、合繊メーカーの糸の開発など新しい繊維分野に挑戦し、海外の繊維メーカーとの差別化を図っています。

たとえば、高密度織りや透水の技術を組み合わせることにより、多機能な繊維を生み出すことに成功しました。
新しく開発された多機能繊維は、スポーツウェアやカーシート、介護用品と幅広い分野の商品に使われています。

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福井県の会社とM&Aを行った事例

福井県の企業が関わった主なM&A事例は、次の4つです。

  • メガネフレームを製造するヤマトテクニカルを子会社化
  • 玄米食品会社のマイセンを子会社化
  • 繊維加工やアパレル販売のサカイオーベックスによる買収
  • 盛土や産業資材の製造販売を行う前田工繊による買収

それぞれ解説していきます。

メガネフレームを製造するヤマトテクニカルを子会社化

2022年10月、メガネの企画・製造・販売を手がけるジンズホールディングスは、メガネフレーム製造会社であるヤマトテクニカルの51%の株式を取得し子会社化しました。

ジンズホールディングスは、商品のデザインや企画は自社で行っているものの、製造は中国を中心とした協力工場に頼っていました。
生産拠点が海外に集中しているため、グローバルな経済動向や為替変動などのリスクにより、継続的で安定的な商品調達に不安を感じていたとのことです。

ジンズホールディングスはヤマトテクニカルを子会社することで、日本国内にフレーム生産拠点を確保でき、生産拠点の分散化や為替変動へのリスク対応、商品の調達期間の短縮を実現できました。

参照元:株式会社ジンズホールディングス「株式会社ヤマトテクニカルの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

玄米食品会社のマイセンを子会社化

2019年2月、米菓で有名な亀田製菓は、玄米関連の食品を扱っているマイセンの株式を90%取得し子会社化しました。

亀田製菓はマイセンを子会社化することで、米菓以外の食品事業の開拓や同事業の強化が可能となるとしています。
マイセンは元々、玄米パンや大豆を使った食品の開発に強みを持つ会社です。
亀田製菓は、健康志向の消費者の需要を取り込むために、マイセンの強みである玄米や大豆を使った新商品の開発を進めるほか、販路や製造ノウハウも共有していくとしています。

参照元:亀田製菓株式会社「株式会社マイセンの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

繊維加工やアパレル販売のサカイオーベックスによる買収

2018年2月、染色加工事業に注力しているサカイオーベックス株式会社は、90%の株式を取得し株式会社安井を子会社化しました。

株式会社安井は、ユニフォームやファッション・テキスタイルなどの繊維製品の製造や加工、販売を行う会社です。
サカイオーベックスは、株式会社安井を子会社化することで、ユニフォーム用途での新規顧客の獲得、販売手段の拡大、グループサプライチェーンの活用、商品企画力の強化などが図れるとしています。

参照元:日本経済新聞「サカイオーベックス、生地販売会社を買収 企画力に強み」

盛土や産業資材の製造販売を行う前田工繊による買収

2018年10月、盛土や産業資材の製造販売を行う前田工繊株式会社は、フィッシュミール及び魚油の製造・販売を営む株式会社釧路ハイミールの全株式を取得し子会社化しました。

株式会社釧路ハイミールは、北欧の技術や機械を導入し、高品質なフィッシュミールや魚油を製造する会社として知られています。
前田工繊株式会社は株式会社釧路ハイミールを子会社化することで、同社が培ってきたノウハウや安定した仕入れルート、優良な販売先、優れた技術などを活用しヘルスケア分野の新規事業拡大を期待できるとしています。

参照元:前田工繊株式会社「株式会社釧路ハイミールの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

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福井県のM&Aについての相談先

福井県のM&Aについての相談先としては、主に次の2つが挙げられます。

  • M&A仲介会社などの専門家
  • 商工会などの公的機関

それぞれの相談先について詳しく解説します。

M&A仲介会社などの専門家

M&A仲介会社などの専門家は、M&Aの豊富な経験や知識をもとに法務的な手続きや税務処理、対象企業の選定など、相談からクロージングまで一貫してサポートします。M&A仲介会社が扱う案件は多いため、希望する案件を見つけやすいのがメリットでしょう。とくに日本全国にネットワークを持つ会社であれば、より理想的な案件が見つかる可能性が高まります。

M&A仲介会社のなかには、成約するまで完全無料の完全成功報酬制を採用しているところもあるため、気軽に相談できるのも魅力的です。
ただし、会社により得意領域や事業規模が異なるため、目的にあったM&A仲介会社に相談することが大切です。

商工会などの公的機関

福井県の商工会などの公的機関は、以下のようなものがあげられます。

  • 福井県信用保証協会
  • 福井県事業承継・引継ぎ支援センター
  • 福井県内各商工会・各商工会議所
  • 福井県よろず支援拠点

それぞれの相談先について解説します。

福井県信用保証協会

福井県信用保証協会は、保証活動による中小企業の育成と地域経済の振興・発展を支える公的機関です。

福井県信用保証協会の支援内容は、次のとおりです。

  • 経営診断
  • 事業承継支援
  • 課題解決支援
  • 計画フォローアップ
  • 生産性向上支援
  • 経営改善計画策定支援
  • 創業計画策定支援
  • 創業フォローアップ

また、事業継承を信用保証で支援を行っています。

福井県事業承継・引継ぎ支援センター

福井県事業承継・引継ぎ支援センターは、福井県の中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継を支援する公的機関です。福井商工会議所が運営しています。

福井県事業承継・引継ぎ支援センターの活動内容は、次のとおりです。

  • 県内支援機関が行う事業承継に役立つ説明会やセミナーの情報提供
  • 事業承継における県内支援機関の制度の紹介
  • 事業承継の事例紹介
  • 事業承継に関する相談
  • 支援機関・専門家の紹介

具体的には、M&Aマッチングの支援や事業承継実施に向けた各種手続きなどのサポート、支援機関や専門家の紹介です。

福井県事業承継・引継ぎ支援センターへの相談や各種支援は無料ですが、支援機関・専門家に業務を依頼する場合には料金がかかります。

福井県内各商工会・各商工会議所

商工会・商工会議所は、各地域の商工業の発達と振興を図るための自由会員制の公益経済団体です。福井県には、13の商工会と7つの商工会議所があります。

  • わかさ東商工会
  • あわら市商工会
  • 福井西商工会
  • 永平寺町商工会
  • 南越前町商工会
  • 池田町商工会
  • 高浜町商工会
  • 越前市商工会
  • 福井東商工会
  • 坂井市商工会
  • あおい町商工会
  • 越前町商工会
  • 福井北商工会

7つの商工会議所は、次のとおりです。

  • 福井商工会議所
  • 大野商工会議所
  • 鯖江商工会議所
  • 敦賀商工会議所
  • 勝山商工会議所
  • 武生商工会議所
  • 小浜商工会議所

主な活動内容は、次のとおりです。

  • 経営全般に関する相談受付
  • 経営改善等の支援活動
  • 事業継承の相談
  • M&Aの相談

ただし会員制の団体のため、非会員の場合は相談内容が限られるケースもあります。

福井県よろず支援拠点

福井県よろず支援拠点は、創業希望者や中小企業・小規模事業者NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人等のために国が設置している経営相談窓口です。
経営に関するあらゆる相談を受け付けています。

弁護士や中小企業診断士などの専門家も在籍しているため、専門的なアドバイスを受けられます。
無料で何度でも利用できるうえ、オンライン相談も行っているため、気軽に相談できるのがメリットです。

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まとめ

福井県の後継者不足問題は深刻で、代表者の高齢化が進むなか、事業承継が上手くいかない企業が多くあります。さらに人手不足問題も、大きな課題の一つです。
福井県や国ではさまざまな制度で、企業の事業承継や人手不足の解消に努めていますが、状況を打破するまでにはまだ時間がかかるでしょう。

事業承継や人材獲得については、M&Aもひとつの解決策として挙げられます。
福井県でM&Aを行う際には、M&A仲介会社などの専門家、商工会などの公的機関を上手に活用することが大切です。

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