個人M&Aとは?個人で会社や事業を買う方法や成功のポイントを紹介

2023年9月26日

個人M&Aとは?個人で会社や事業を買う方法や成功のポイントを紹介

このページのまとめ

  • M&Aは法人ではなく個人でも行うことができる
  • 個人M&Aでは300万~500万円程度までの超小規模案件の取り扱いが多い
  • 副業環境の整備やマッチングサイトの登場などが個人M&Aの追い風になっている
  • 個人M&Aでは飲食店、Webサービス、美容サービスなどの業種が人気を集めている
  • 個人M&Aをするときは目的を明確にし、買収後の運営方法なども検討するのが重要

副業・兼業に注目が集まっている昨今では、個人M&Aに興味がある人も多いのではないでしょうか。個人M&Aは通常の案件に比べて低価格ですが、それでも数百万円かかる場合もあります。そのため、失敗しないためにも個人M&Aのポイントを理解したうえで始めることが重要です。

本記事では、個人M&Aの特徴、メリット・デメリット、人気業種を解説します。個人M&Aの流れや成功のポイントを紹介するため、ぜひ参考にしてください。

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個人M&Aとは

個人M&Aとは、会社などの法人ではなく個人が行うM&Aのことを指します。

M&AとはMergers and Acquisitionsの略称であり、日本語で表すと会社の合併と買収となります。これまでは、M&Aは会社対会社で行うものが一般的でしたが、近年は小規模M&A案件を扱うマッチングプラットフォームなどが登場しており、個人が新しく事業を始めるにあたりマッチングプラットフォームが活用されることも増えてきています。

また、個人のビジネスの始め方には、起業という選択肢もあります。一からビジネスを立ち上げる起業の場合、事業戦略や取り扱い商品などを自由に設計することが可能です。しかし、黒字化までには時間がかかるため、M&Aですでに黒字化している企業を購入するほうが成功する確率は高いでしょう。個人M&Aと起業のメリット・デメリットの比較は、以下のとおりです。

メリットデメリット
個人M&A・少額で会社を購入できる可能性がある
・短時間・低リスクで事業を始められる
・事業に必要な許認可などを引き継げる
・従業員や取引先などを引き継げる
・簿外債務などを引き継ぐリスクがある
・従業員や取引先が離れるリスクがある
・成長性が乏しい事業の可能性もある
・希望のM&A案件がない場合がある
起業・自由にビジネスを設計・運営できる
・会社設立・経営について一から学べる
・事業によっては小規模から始められる
・初期費用が高額になるリスクがある
・顧客・取引先の開拓などが必要になる
・ノウハウ獲得や人材育成に時間がかかる
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個人M&Aの特徴

一般的な法人のM&Aと比べ、個人M&Aには以下のような特徴があります。

  1. 主にマイクロM&Aが行われている
  2. 副業・兼業で用いられることが多い
  3. マッチングサイトがよく使われている

それぞれについて詳しく確認しましょう。

1.主にマイクロM&Aが行われている

M&Aは、売上高に応じて以下のように分類することができます。

区分売上高
大規模M&A10億円超
中規模M&A1億円超
小規模M&A3,000万円超
マイクロM&A3,000万円以下 

このうち個人M&AではマイクロM&Aが主流であり、取引価格ベースでは300万~500万円の価格帯が多いとされています。この価格帯が多い理由は、すぐに予算を確保しやすいからでしょう。

実際、金融広報調査委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和4年調査結果」によると、日本人の平均預貯金額は739万円でした。このことから、自己資金だけでビジネスを始めることを考えると、300万~500万円程度のマイクロM&Aが妥当ということになります。

参考元:金融広報調査委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果

2.副業・兼業で用いられることが多い

個人M&Aでは、副業・兼業が目的の人も多いといわれています。このような背景には、2020年9月と2022年7月に厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定されるなど、労働者にとって副業・兼業がしやすい環境の整備が進んでいることが関係しています。

2020年9月の改定では、企業と労働者が安心して副業・兼業をできるよう、労働時間の通算・秘密保持義務・競業避止義務・安全配慮義務などのルールが明確化されました。また、2022年7月には、労働者が適切な職業選択をし、多様なキャリア形成を促進できるよう改定が行われています。

なお、副業がしやすい環境整備が整っているとはいえ、副業ができるかどうかの判断は勤務先によって異なります。勤務先ごとの副業の可否は、一般的に就業規則に規定されています。就業規則の「副業・兼業」に関する条項を確認し、適切な手続きを踏んでから副業を始めるようにしましょう。

参照元:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

3.マッチングサイトがよく使われている

M&A業界には、主に以下のような業態があります。

  • M&A仲介会社:売り手と買い手の中間に入り、M&Aの成立に向けてサポートする
  • FA(ファイナンシャル・アドバイザー):売り手または買い手のどちらかと契約し、M&Aの成立に向けてサポートする
  • M&Aマッチングサイト:オンライン上でM&Aのマッチングをサポートする

このうち個人M&Aでは、M&Aマッチングサイトを使うことが主流となっています。M&Aマッチングサイトは、マイクロM&Aの案件が充実していること、売り手と直接連絡や交渉などができること、仲介会社やFAに比べて手数料が安いことなどが特徴として挙げられます。このように個人M&Aとマッチングサイトの相性が良いことから、多くの個人がM&Aを行う際に利用しているのです。

なお、取引金額が1億円を超えるような中規模M&A案件の場合は仲介会社に依頼し、10億円を超えるような大規模M&Aの場合はFAに依頼する傾向があります。仲介会社やFAに依頼する場合は手数料が高額になりますので、個人M&Aで利用する機会は少ないでしょう。

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個人M&Aのメリットとデメリット

ここでは、個人M&Aのメリットとデメリットについて説明します。

メリット

個人M&Aを行うメリットは、以下のとおりです。

1.事業所得を得られるようになる

企業に勤める会社員の場合、収入は基本的に給与所得だけに限られます。しかし、個人M&Aによって会社や事業を買収すれば、そのビジネスから事業所得を得ることが可能です。さらに、ビジネスが好調で売上や利益が右肩上がりであれば、その分、オーナーの所得金額も増やせる可能性があります。

ビジネスモデルによって異なりますが、中には全く働かず不労所得を得られる事業もあります。また、最初は自分が働くビジネスでも、現場責任者の教育に力を注ぐことで、最終的に現場から離れられるケースもあるでしょう。このように個人M&Aは収入面でのメリットが大きいのです。

2.既存の設備や従業員などを引き継げる

個人M&Aの場合は起業と異なり、一から設備や従業員などを用意する必要がありません。すでにある程度形ができているビジネスを引き継ぐことになるため、買収後にすぐにビジネスを始めることができます。そのうえ、起業した場合に比べて開業資金を相対的に安く抑えられる傾向もあります。

また、一から事業をスタートする場合、従業員の確保が困難であったり、教育に時間がかかったりするケースもあります。その点、M&Aであれば、業界経験のある従業員をそのまま引き継げるため、安定した経営を実現できます。採用コスト・教育コストを抑えられる点もメリットということができます。

従業員だけでなく、既存の取引先・顧客リスト、ノウハウ、行政機関からの許認可などを引き継ぐことも可能です。加えて、M&A案件によっては買収後から一定期間、前オーナーから指導を受けられるケースもあります。このように、個人M&Aはビジネスを円滑にスタートできる環境を獲得することができるのです。

3.これまでの経験を活かしてビジネスができる

個人M&Aでは、さまざまな業態の事業が取引されており、これまでの経験を活かしてビジネスができるチャンスがあります。経験とはビジネスに限らず、趣味や学歴なども含まれます。たとえば、コーヒー好きの方が喫茶店を引き継ぎ、自分好みのコーヒーを提供することなども考えられるでしょう。

また、副業・兼業でビジネスを始めて、軌道に乗り始めたらセカンドキャリアとして本格的に事業に取り組む選択肢も考えられます。その際、自分の好きなことをビジネスにできた方が、人生の幸福度はより高まります。これまでの経験や趣味などを活かせることも個人M&Aのメリットでしょう。

デメリット

個人M&Aを行うデメリットは、以下のとおりです。

1.ビジネスが成功するとは限らない

個人M&Aの案件には黒字の会社・事業も多くあり、買収後に安定して売上を伸ばせるケースも多くあります。しかし、ビジネスである以上は必ずしも成功するとは限りません。特に買収前の売上予測よりも売上が下回ってしまい、赤字が発生してしまう可能性がある点には気を付けるべきでしょう。

赤字が発生してしまう理由はさまざまですが、主なものには売上予測が楽観的過ぎる、重要な従業員が退職してしまう、不要な財産を引き継いでしまう、予想していないトラブルに巻き込まれるなどが考えられます。「個人M&A=成功、安全」といった安易な考え方をしないように注意しましょう。

2.ビジネスに多くの時間がとられる

個人M&Aで会社・事業を買収しビジネスを始める場合、多くの時間が必要になります。会社・事業の譲受後は届出や契約などが必要になり、手続きを終えてからも自分が業務に携わるなら、ビジネスについて学んだり、実際に接客や営業などを行ったりする必要があるでしょう。

買収後の事業を専業で行う場合は時間の融通が利きやすいですが、副業・兼業で行う場合はスケジュール管理が重要になります。あまりに副業・兼業に時間を割きすぎると、本業がおろそかになってしまうリスクも考えられます。ある程度、時間を確保する必要があることも十分理解しておきましょう。

3.ランニングコストが発生する

個人M&Aでビジネスを始める場合は、会社・事業の買収資金(イニシャルコスト)だけでなく、運転資金(ランニングコスト)についても注意しましょう。十分な売上があり黒字化できているなら問題になりにくいですが、中にはランニングコストが高くて赤字になるケースもあります。

ビジネスでのランニングコストは数多くありますが、人件費・外注費用、商品の仕入代金、テナント料(家賃)、水道光熱費、広告費、消耗品費、雑費などが挙げられます。

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個人M&Aで人気の業種

個人M&Aでは、以下のような業種が人気となっています。

  1. 飲食店
  2. Webサービス
  3. 美容サービス
  4. 教育・学習サービス

それぞれについて詳しく確認しましょう。

1.飲食店

1つ目は、弁当屋・居酒屋・カフェなどの飲食店です。

飲食店が人気の理由は、地域を問わず事業が行われており案件数が多いこと、すでに設備や従業員などが整っており参入障壁が低いことなどが関係しています。また、現在のオーナーや店長が店仕舞を考えていることが多く、会社・事業の取引価格が比較的安いという傾向も見られるようです。

飲食店のM&A案件の場合、オーナーとして経営のみを行うか、店長(現場責任者)として実際に働く必要があるかなどに違いがあります。また、飲食店を経営するためには食品衛生管理者、防火管理者などの資格と、保健所からの営業許可が必要になるため、これらの引き継ぎにも注意しましょう。

2.Webサービス

2つ目は、ECサイト・仲介サイト・オンラインスクールなどのWebサービスです。

Webサービスが人気の理由には、実際の作業を自宅で行えること、すでにサービスが完成しており保守がメインであることなどが挙げられます。また、法人だけでなく個人事業主などの個人が運営しているケースも多く、比較的案件が安かったり、価格交渉に応じてくれたりする傾向があります。

Webサービスの事業形態にもよりますが、多くの場合は自分自身でサイトやサービスを運営することになります。そのため、Webに関する知識や技術が求められるでしょう。また、ECサイトを運営する場合、取り扱い商品によっては食品衛生責任者や古物商許可などの資格が必要になります。

3.美容サービス

3つ目は、エステサロン・ネイルサロンなどの美容サービスです。

エステサロン・ネイルサロンが人気の理由は、世間の美容に対する関心が高まっており需要が見込まれること、すでに設備や顧客が十分であり参入障壁が低いことなどが挙げられます。また、個人で運営している小規模な美容サービスもあり、500万円以下のM&A案件が多い傾向があります。

美容サービスの場合、アルバイトや外注スタッフに施術を依頼できるケースもありますが、自分自身が施術に携わるケースも多くあります。そのため、美容・施術に関する知識や技術などの習得が欠かせません。そのほか、集客スキルや法律知識などを身に付ける必要もあるでしょう。

4.教育・学習サービス

4つ目は、個別指導塾・学習塾・外国語スクールなどの教育・学習サービスです。

個人指導塾・学習塾・外国語スクールなどの個人M&Aが人気の理由は、開業に必要な資格・免許などが少ないこと、教室や学習机などの設備が整っていることなどが挙げられます。また、自身の学歴や経歴などを活かしやすく、ビジネス自体のハードルが低いことも人気の理由といえるでしょう。

教育・学習サービスのビジネスをする場合は、自分が教師・先生として指導することになることが多いです。そのため、生徒が前オーナーからの指導を希望している場合、M&Aに伴い退会してしまう可能性があります。また、指導方法の違いなどから生徒離れが進むケースなども考えられるでしょう。

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マッチングサイトでの個人M&Aの流れ

マッチングサイトを使った個人M&Aの大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. マッチングサイトに登録する
  2. 条件に合うM&A案件を探す
  3. 事業内容を確認する
  4. 条件面の交渉を行う
  5. 最終契約を締結する

それぞれについて詳しく確認しましょう。

1.マッチングサイトに登録する

まずは、マッチングサイトに登録しましょう。近年はさまざまな企業がマッチングサイトを運営しており、それぞれ特徴が異なります。以下のようなポイントを参考にサイトを選ぶようにしましょう。

  • 500万円以下のマイクロM&Aの案件が多く掲載されているか
  • 希望している業界・業種のM&A案件を取り扱っているか
  • 利用料金や手数料がわかりやすいか、安く抑えられるか
  • サポート体制が充実しているか、案件の掲載だけなのか
  • マッチングサイトでの成約数が多いか、口コミが良いか

マッチングサイトによって異なりますが、登録時に入力するものはメールアドレスや電話番号といった個人情報、パスワード、法人・個人の区分、利用目的などです。また、無料会員と有料会員を分けているサイトもあり、無料会員では機能やサービスが限定される場合があります。条件に該当するマッチングサイトをいくつか登録し、本格的に利用する場合に有料会員に移行するのも良いでしょう。

2.条件に合うM&A案件を探す

マッチングサイトに登録したら、実際に条件に当てはまるM&A案件を探しましょう。マッチングサイトによって異なりますが、多くのサイトでは以下のような条件で案件を絞り込むことが可能です。

  • 地域:全国、地方、都道府県などの条件で検索できる
  • 業種:飲食店、Webサービス、宿泊業などの条件で検索できる
  • 予算:買収予算の下限と上限を設定して案件を検索できる
  • 譲渡形式:株式譲渡、事業譲渡などの条件で検索できる
  • キーワード:任意のキーワードを入力して検索できる

マッチングサイトではこれらの条件で絞り込むことができるため、あらかじめ地域、業種、予算、譲渡形式などを決めておくとスムーズに案件を探すことができます。また、条件に該当する案件が見つからない場合でも、条件を保存しておくことで新着情報を受け取れるサイトもあります。M&Aは個人にしては高額な買い物になるため、納得のいく案件が出るまで焦らずに待つのがポイントです。

3.事業内容を確認する

候補となるM&A案件が見つかったら、売り主に事業内容の問い合わせを行います。マッチングサイトの案件一覧に掲載されている情報は、大まかな売上高・営業利益・地域・売却の背景などに限られています。そのため、実際に売り主に直前の売上や利益などを確認する作業が必要になります。

マッチングサイトでの交渉プロセスは、基本的に匿名交渉と実名交渉に分かれています。サイトによって流れは異なりますが、基本的には匿名交渉では簡単な情報開示が行われ、そこで売り主と買い主の条件が合いそうなら、秘密保持契約を締結して当該案件に関する詳細情報が開示されます。

M&A案件に申し込みをしたからといって、必ずしも実名交渉が行われるわけではないため、買い主としては売り主に興味を持ってもらえる工夫が必要になります。希望譲渡価格、M&Aの動機、当該案件に興味を持った理由、買収後の展望などをしっかりと伝えられるようにしておきましょう。

4.条件面の交渉を行う

売り主に実名交渉の承諾がされたら、案件の詳細を確認しながら交渉を行うことになります。交渉事項は多岐にわたりますが、主に以下のような内容について交渉をすることになるでしょう。

  • 譲渡価格:買い主の予算と売り主の希望価格を調整する
  • 譲渡時期:いつまでに譲渡が完了させるかの調整をする
  • 従業員:従業員をそのまま引き継げるのかの調整をする
  • フォロー:譲渡後の前オーナーによるフォローの有無や内容を調整する
  • 譲渡形式:株式譲渡なのか、事業譲渡なのかなどについての調整をする

実際の交渉は、マッチングサイト上のチャットツール、電話、面談など、さまざまな方法で行われます。店舗があったり、取引相手が近くにいたりする場合は実際に面談することもありますが、Webサービスなどの場合はオンライン上だけで交渉が行われるケースもあります。なお、実名交渉に移行したとしても、条件面で折り合いが付かなければそのM&A案件の交渉は不成立となるでしょう。

5.最終契約を締結する

条件交渉が成立した場合は、最終契約を締結することになります。最終契約書(株式譲渡契約書や事業譲渡契約書の場合もある)には、譲渡価格や譲渡時期といった交渉時に取り決めた内容が盛り込まれています。重要な書類になるため、内容に間違いや不備がないかを正確に確認しましょう。

最終契約を締結したら、売り主と買い主はそれぞれマッチングサイトの運営会社に対して契約成立の報告を行います。そして、運営会社の案内に従って手数料・利用料を支払うことになります。手数料・利用料の支払いが遅れると、追加料金や遅延損害金を請求されるので注意しましょう。

そして、最終契約の締結と料金の支払いが完了したら、契約書で取り決めた時期までに株式や事業の譲渡手続きを行います。スムーズに譲渡手続きをするためには、売り主だけでなく、買い主の協力も欠かせません。できる限り迅速に譲渡を終えられるよう、協力して取り組むようにしましょう。

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個人M&Aを成功させるポイント

個人M&Aを成功させるための主なポイントは、以下のとおりです。

  1. 個人M&Aの目的を明確にする
  2. 売上データなどをよく確認する
  3. M&A後の運営方法も検討する
  4. 従業員との信頼関係を重視する
  5. 焦らずにM&Aを行うようにする

ここでは、M&Aの成功のポイントをそれぞれ詳しく確認しましょう。

1.個人M&Aの目的を明確にする

個人M&Aを行う場合は、目的を明確にすることが重要です。目的を明確にしておかないと買収自体がゴールになってしまい、M&Aによる恩恵を受けられなくなる可能性が高まります。個人M&Aの目的は人それぞれ異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 買収した会社・事業から不労所得を得る
  • 買収した会社・事業を成長させて事業売却をする
  • 買収した会社・事業を通じて経営ノウハウを学ぶ
  • 自分のやりたいことに携わり自己実現を達成する など

このような目的を明確にしておくことで、数多くあるM&A案件の中から自分の希望に合うビジネスを見つけ出しやすくなります。また、交渉段階において買い手に興味を持ってもらえる材料にもなりますし、買収してからも目的を見失うことなくビジネスに取り組むことができるでしょう。

2.売上データなどをよく確認する

個人M&Aを行う際は、売上やコストなどのデータをよく確認することが大切です。売り手の言葉だけを安易に信用するのではなく、帳簿や決算書などを正確に調べましょう。また、帳簿に記載されていない簿外債務の有無・内容などについても、できる限り確認しておくことをおすすめします。

なお、売り主の提示する情報が虚偽である可能性もゼロではありません。そこでおすすめなのが、ビジネス上のリスクを調査・評価するデューデリジェンスを行うことです。マッチングサイトによってはデューデリジェンス代行サービスの提供も行っているため、利用を検討してみるとよいでしょう。

3.M&A後の運営方法も検討する

個人M&Aを行う場合、事前に会社や事業を買収したあとの運営方法についてもよく検討しておく必要があります。運営方法は大きく「オーナーとして経営のみを行うケース」と「現場で仕事に携わるケース」に分けられます。それぞれ必要な時間、資金、スキルが異なるため、事前に決めておくのが重要でしょう。

たとえば、経営だけを行う場合は、現場責任者を採用したり従業員をマネジメントする必要があるでしょう。また、現場で仕事に携わる場合は、商品に関する知識を蓄えたり、営業や接客のスキルを身に付けたりする必要があります。買収後の事業の運営方法についてもよく検討しておきましょう。

4.従業員との信頼関係を重視する

M&Aの案件によっては、従業員や取引先が重要になる場合も多くあります。そのようなビジネスを買収する場合は、従業員や取引先との信頼関係の構築に注力するのが重要です。十分に信頼関係が構築できないと、従業員のモチベーションが下がったり、取引先が離れたりするリスクに繋がります。

従業員や取引先との信頼関係を構築するには、できる限り前オーナーの考え方ややり方などを踏襲することがポイントです。従業員に対しては、自分のビジネスプランを共有したり、従業員の意見に耳を傾けたりすることも大切になります。そのほか、必要に応じて待遇などの見直しも行うようにしましょう。取引先に対しては、M&A実施前と同じ取引を継続し、ミーティングなども行って取引先の不安を解消することに努めることが大切です。

5.焦らずにM&Aを行うようにする

個人M&Aを行う場合は、できる限り慎重に行うことが重要になります。M&A案件は一点物となるため、条件に合う優良案件が公開されたら、ほかの買い手よりも早く交渉を行いたくなる気持ちに駆られるかもしれません。しかし、焦ってM&Aを行うと思わぬトラブルに巻き込まれるリスクもあります。

焦らずにM&Aをするためには、日頃の準備が重要です。特に簿外債務のリスク、従業員の退職リスク、ノウハウの引き継ぎ条件など、個人M&Aにおける失敗要因を理解しておくことはポイントになります。これらを正しく把握できれば、案件が本当に優良かどうか見抜けるようになるでしょう。

また、買収後もできる限り欲張らずに、堅実なビジネスを続けることが大切です。個人M&Aの場合は基本的には従来のビジネスモデルを踏襲するため、売上高や利益率が急に改善するという可能性は低いです。少しずつ広告を増やしたり、従業員を雇ったりしてビジネスを大きくしましょう。

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まとめ

従来のM&Aといえば法人によって行われるものでしたが、副業や兼業がしやすい環境が整い、マッチングサイトが登場したことで、現在は個人でもM&Aが行えるようになっています。そのため、これからビジネスを始めたい人にとって、今後、個人M&Aは選択肢のひとつとなりえるでしょう。

個人M&Aの場合、「マイクロM&A」と呼ばれる取引価格が1,000万円以下のM&Aが主流です。中でも参入障壁が低くて未経験でも始めやすい飲食店、Webサービス、美容サービス、飲食・学習サービスなどは人気が高く、ほかにも宿泊業やショップ運営などの案件数は多くなっています。

マッチングサイトを使って個人M&Aをする場合は、まずは条件に合うマッチングサイトに登録をします。それから実際に案件を探し、売り主との交渉を重ねながら契約成立を目指します。なお、M&Aはあくまでもスタートなので、買収後のビジネスプランなども具体的に考えておきましょう。また、もしも中規模以上のM&A案件を考えている場合は、マッチングサイトではなく、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

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