M&Aの契約書・記載項目をわかりやすく解説【ひな型あり】

2023年9月6日

M&Aの契約書・記載項目をわかりやすく解説【ひな型あり】

このページのまとめ

  • M&Aの契約書には、基本合意書や最終契約書などの種類がある
  • 秘密保持契約書には、秘密情報の定義や範囲などを盛り込む
  • アドバイザリー契約書には、業務内容の範囲や報酬体系などを盛り込む
  • 基本合意書には、今後のスケジュールや独占交渉権などを盛り込む
  • 最終契約書には、表明保証やクロージング条項などを盛り込む

M&Aで相手企業と締結する契約書には、秘密保持契約書や基本合意書、株式譲渡契約書などがあります。それぞれ記載する内容が異なるため、各契約書の構成を理解しておく必要があります。この記事では、M&Aにおける契約書の概要や記載内容、作成時の注意点を詳しく解説します。また、実際のM&Aで役立つひな型も添付しましたので、ぜひ活用してください。

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M&Aで利用する5つの契約書とは

M&Aで利用する契約書は主に以下の5種類です。

  • 秘密保持契約書(NDA)
  • アドバイザリー契約書
  • 意向表明書
  • 基本合意書
  • 最終契約書

各契約書の概要を簡潔に解説します。

秘密保持契約書(NDA)

秘密保持契約書とは、M&Aの相手側から受け取った秘密情報の取り扱い方を定める契約書です。機密保持契約書やNDA(Non Disclosure Agreement)とも呼ばれます。M&Aでは、主に「M&Aを行う当事者と仲介会社などの専門業者」や「売り手側と買い手側」の間で秘密保持契約が締結されます。

記載内容としては、秘密情報の定義や具体的な内容、範囲、有効期間などが盛り込まれ、M&Aプロセスの前半で締結されることが一般的です。

アドバイザリー契約書

アドバイザリー契約書とは、M&Aの実務(マッチングや交渉など)を依頼する専門家との間で締結する契約書です。具体的には、M&Aアドバイザーや仲介会社などが締結の対象となります。

アドバイザリー契約書は、M&Aの実務を実際に依頼することが決定したタイミングで締結します。記載内容としては、契約形態や業務内容の範囲、報酬体系などです。

意向表明書

意向表明書とは、買い手側が現時点で想定している買収の条件や内容を共有するために、売り手側に対して提出する資料です。LOI(Letter Of Intent)とも呼ばれています。厳密には契約書ではなく、売り手と買い手の間で交渉の前提となる考え方を共有する目的で作成・提出される書面です。ただし、意向表明書の作成は義務ではないため、提示されないケースもあります。

秘密保持契約を締結し、本格的に交渉を開始する前のタイミングで意向表明書の提出が行われます。主な記載内容は、買い手企業の紹介や希望するスキーム・条件・スケジュール、買収後の経営方針などです。

基本合意書

基本合意書とは、M&Aの交渉過程で合意された内容に関して、売り手と買い手の間で認識のズレを防ぐ目的で締結する契約書です。基本合意書の締結は必須ではないため、締結せずにM&Aのプロセスを進めるケースもあります。また、一部の項目を除いて法的拘束力は持ちません。

基本合意書は、交渉を行ったあと、デューデリジェンスを実施する前のタイミングで締結します。内容としては、合意した契約条件やスケジュール、独占交渉権などが盛り込まれます。

最終契約書

最終契約書とは、M&Aの条件に関して最終的に合意した内容を記載する契約書です。正式名称はM&Aのスキームによって異なり、株式譲渡契約書や事業譲渡契約書などがあります。

最終契約書は、M&Aのプロセスにおいて、最終的な段階で締結します。記載内容は、取引対象物や表明補償、誓約事項などです。

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M&Aの最終契約に至るまでの流れと契約書の関係

次に、M&Aの一般的なプロセスを紹介します。

1.M&Aの目標および戦略の決定

はじめに、M&Aの目標と戦略を明確にします。M&Aを通じて何を達成しようとしているのかを定義することが重要です。また、戦略的な視点から目標を達成するために、M&A相手の選定基準やスキーム、買収後の計画も決定します。

2.M&Aの相手企業に対するアプローチ

M&Aの相手企業を選定するプロセスです。自力で選定することは難しいため、前述した仲介会社などにサポートを依頼するとよいでしょう。このタイミングで、仲介会社との間でアドバイザリー契約や秘密保持契約を締結します。

仲介会社と契約したら、自社の戦略や財務状況などをもとに最適な相手企業を探します。一般的には、買い手側から意向表明書を提示し、それをもとに売り手企業が交渉を進めるかどうかを検討します。

3.秘密保持契約の締結

売り手と買い手の双方が交渉を進める意向を示したら、秘密保持契約書を締結します。秘密保持契約書を締結することで、外部の第三者に顧客データや営業秘密が漏えいする事態を防げます。

4.トップ面談および交渉、基本合意書の締結

秘密保持契約の締結後、相手企業との間で本格的な条件交渉を開始します。必須ではありませんが、交渉に先立ってトップ面談を行うことがあります。トップ面談では、売り手と買い手双方の経営者が対面し、経営理念や価値観の理解を図ります。

トップ面談を終えたら、具体的な条件(売買価格やスキーム、従業員の処遇など)を交渉します。条件についてある程度双方が合意できた段階で、基本合意書の締結を行います。

5.デューデリジェンス

基本合意書の締結後、買い手側(または専門家)によってデューデリジェンス(DD)が実施されます。デューデリジェンスとは、売り手企業の財務や法務、ビジネスなどの分野を詳細に調査するプロセスです。

公認会計士などの専門家が調査することで、潜在的なリスクや買い手企業との間で想定されるシナジー効果などを洗い出せます。デューデリジェンスの結果を踏まえて、売買価格などの条件が修正される場合もあります。

6.最終契約書の締結・クロージング

デューデリジェンスが完了したら、その結果を踏まえて最終的な条件面の交渉が行われます。M&Aの実施が正式に決定すれば、最終契約書の締結です。

最終契約書の締結後、記載されている内容に沿ってクロージングが実施されます。具体的には、売り手側から譲渡対象物の引き渡し、買い手側から譲渡代金の支払いが行われます。

以上で、M&Aのプロセスは完了です。

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M&Aの契約書作成に関する注意点

各契約書を作成する際に注意するべきポイントを解説します。

秘密保持契約書の注意点

売り手・買い手に共通して、秘密情報の範囲を明確化することが重要です。範囲が曖昧だと、秘密保持の違反をめぐって相手企業とのトラブルが泥沼化するおそれがあるためです。

特に、売り手側に関しては、より多くの情報を秘密保持の対象とすることが求められます。書面だけではなく、口頭やメールで伝えた内容、売却交渉を行っていること事態も秘密保持義務の対象とすることで、情報漏えいによって損失を被るリスクを軽減できるでしょう。

アドバイザリー契約書の注意点

依頼する仲介会社によって、報酬体系が大幅に変わってくる点には注意が必要です。「成功報酬のみの仲介会社」もあれば、「着手金やリテイナーフィーも請求する仲介会社」もあるため、依頼先を間違えると想定外に多額の手数料が発生するおそれがあります。

意向表明書の注意点

意向表明書を作成する際には、売り手企業にM&Aを前向きに検討してもらえるような内容を記載することが重要です。熱意が伝わらなかったり、条件が他社と比較して不利であったりすると、M&Aの交渉がスムーズに進みません。

一方で、意向表明書を提出される売り手側は、買い手企業が提示した条件を精査することが重要です。

基本合意書の注意点

基本合意書に関しては、原則として法的拘束力を持たせない点に注意が必要です。たとえば、買収金額に法的拘束力を持たせると、デューデリジェンスで買収金額を減額するべきリスクが見つかっても反映できなくなるためです。

ただし、独占交渉権やデューデリジェンスへの協力義務など、法的拘束力を持たせたほうがよい条項もあります。トラブルを回避し、M&Aをスムーズに進めるためにも、法的拘束力を持たせるべき部分とそうでない部分を慎重に検討しましょう。

最終契約書の注意点

最終契約書の作成では、デューデリジェンスの結果に応じて基本合意書で定めた条件を修正することが重要です。たとえば、重大な財務上のリスクが発見されたにもかかわらず、譲渡金額を減額しなければ、買い手側は割高な金額で買収する事態となるおそれがあります。

また、最終契約書の記載内容によって、M&Aの取引自体が正式に成立する点にも注意が必要です。表明保証や解除条件、誓約事項など、記載内容によって効果が大きく変わる条項が多いため、弁護士などの専門家に契約書をチェックしてもらうことをおすすめします。

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秘密保持契約書の構成

秘密保持契約書の一般的な構成と各項目の記載内容を解説します。

秘密情報の定義

「何が秘密情報となるのか・ならないのか」を明確に定義します。

基本的には、情報を開示する側(主に売り手)が、漏えいを避けたいと考える情報が秘密情報となります。ただし、以下の内容は秘密情報から除外することが一般的です。

  • すでに公知であった情報
  • 開示以外で公知となった情報
  • 以前より受領当事者が知っていた情報
  • 秘密保持義務を負っていない第三者から正当に取得した情報
  • 法令で開示が義務付けられている情報
  • 情報を受け取る側が独自に開発した情報

秘密保持義務の内容と開示範囲

相手方に要求する義務の内容を盛り込みます。一般的には、「秘密情報を目的外使用すること」や「第三者に秘密情報を開示すること」が禁止事項として定められます。目的外使用とは、たとえば売り手側が開示した顧客情報や技術を、買い手側の事業で使用することです。

また、秘密情報の開示が許される範囲の明確化も必要です。基本的には、M&Aのプロセスを進める上で開示が必要となる相手(役員・従業員やM&A専門家、グループ企業の社員など)のみに範囲を絞ります。

秘密情報の返還・廃棄

情報漏えい防止の効果を高めるために、M&A交渉が終了した場合における秘密情報の返還・廃棄に関する内容も明記します。具体的には、契約終了時点で秘密情報を相手方に返還する旨や、紙の資料やデータなどを廃棄する旨を義務として盛り込みます。

なお、秘密情報を廃棄したことを証明する「廃棄証明書」の発行を義務とする旨を盛り込むケースもあります。

有効期間

秘密保持義務契約が有効となる期間を定めます。期間を明確化することで、情報を受け取った側が永久的に秘密保持義務を負う事態を回避できます。

秘密保持義務の有効期間は、業界・業種や機密情報の重要度などをもとに決定します。また、情報の陳腐化も期間を決定する要素の1つです。一般的には、1〜3年程度とするケースが多いでしょう。

その他

上記以外には、主に以下の項目が秘密保持契約書に盛り込まれます。

  • 契約違反時における損害賠償責任
  • 準拠法・管轄裁判所
  • 秘密情報を逆解析することの禁止
  • 情報漏えいが発生した場合の報告義務
  • 情報の正確性に関する免責
  • 従業員への接触および勧誘の禁止
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アドバイザリー契約書の構成

アドバイザリー契約書の一般的な構成と各項目の記載内容を解説します。

契約形態

M&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)との契約形態が明記されます。契約形態には、「専任契約」と非専任契約」の2種類があり、それぞれの概要は以下のとおりです。

  • 専任契約:依頼したM&A専門家(専門業者)のみとM&Aを進めることができる
  • 非専任契約:複数のM&A専門家と契約できる

売り手・買い手の視点で見ると、専任契約の場合は他のM&A仲介会社とは契約できなくなります。ただし、情報開示の対象が1社のみとなるため、情報漏えいのリスクを軽減できます。

業務内容の範囲

M&Aの専門業者が請け負う業務内容が記載されます。業務内容を記載することで、専門業者側の責任範囲を明確にできます。一般的には、以下の業務を請け負います。

  • マッチング(相手企業の選定)
  • 相手企業の情報収集
  • M&Aスキームや戦略の策定
  • バリュエーション・デューデリジェンス
  • 契約書や書類の作成支援
  • 交渉の支援、アドバイス

報酬体系

M&A専門業者に対して支払う報酬体系が記載されます。統一された報酬体系はなく、業者によって報酬の種類や計算方法が異なる点に注意が必要です。一般的には、以下の報酬を組み合わせる形式となります。

  • 着手金:M&A専門業者と契約した時点で発生する報酬
  • 中間報酬:基本合意時点などのタイミングで発生する報酬
  • リテイナーフィー:契約期間中、毎月一定額発生する報酬
  • 成功報酬:M&Aのクロージングが完了したタイミングで発生する報酬

有効期間

M&Aアドバイザリー契約の有効期間が明記されます。一般的には、数カ月から1年前後の期間が設定されます。

資金調達の優先権

金融機関などにM&A業務を依頼する際には、資金調達の優先権を契約書に盛り込む場合があります。

資金調達の優先権が盛り込まれると、買収資金の調達などを行う際に、M&Aアドバイザリーとして参画する金融機関が優先的に融資できるようになります。ただし、あくまで「優先的に」行えるだけで、「その金融機関からの資金調達しか行えない」という義務が課されるわけではありません。

その他

上記以外には、主に以下の項目がアドバイザリー契約書に盛り込まれます。

  • 契約解除の事項
  • 業務の再委託禁止に関する項目
  • 資料提供の事項
  • 費用負担(調査費などの各種費用を誰が負担するかを定めた項目)
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意向表明書の構成

意向表明書の一般的な構成と各項目の記載内容を解説します。

買い手企業の概要

買い手企業の紹介として、主に以下の内容が記載されます。

  • 会社名
  • 事業内容
  • 本社所在地
  • 従業員数
  • 直近の財務状況
  • グループ全体の概要(グループ企業の場合)

M&Aの目的

買い手企業がM&Aを行う目的が記載されます。具体的には、事業規模の拡大やシナジー効果の創出、新規事業領域への進出などに関する内容です。また、M&Aによって売り手・買い手それぞれが得られるメリットが記載されることもあります。

希望のスキーム

買い手側が希望するM&Aのスキーム(手法)が記載されます。具体的なスキームとしては、株式譲渡や事業譲渡、会社分割、合併、第三者割当増資などがあります。手法によっては、より詳細な内容が記載される場合もあります。たとえば、株式譲渡では希望する株式の取得割合、事業譲渡では譲り受けたい事業の範囲などが盛り込まれるでしょう。

条件に関する事項

買い手側が希望するM&Aの条件が記載されます。具体的には、買収金額やその根拠となった企業価値(事業価値)の算定プロセスなどが含まれます。また、従業員や役員に関する処遇など、買収金額以外の希望条件を盛り込むこともあります。

ただし、あくまで「意向」に過ぎないため、デューデリジェンスで発見されたリスクなどによっては変動する可能性がある旨を記載することが一般的です。

スケジュール

M&Aの大まかなスケジュールも記載されることが一般的です。具体的には、「いつまでに何を行うか」が示されます。売り手企業は、意向表明書によって最終契約書の締結予定日やクロージング予定日を把握することで、自社で行う手続きを調整しやすくなります。

買収後の経営方針

売り手企業にとって、買収されたあとにどのような経営方針によって運営されるかは気になる部分でしょう。経営方針が変わることで、従業員や取引先に良くも悪くも影響が及ぶためです。多くの場合、買い手企業は意向表明書の提出タイミングで、買収後における事業戦略や経営陣の体制などを伝えます。

その他

上記以外には、主に以下の項目が意向表明書に盛り込まれます。

  • デューデリジェンスの実施範囲や依頼先、費用負担に関する項目
  • 法的拘束力がない旨
  • 独占交渉権を希望する旨
  • 資金調達の方法
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基本合意書の構成

基本合意書の一般的な構成と各項目の記載内容を解説します。

契約条件

交渉過程で合意した契約条件を盛り込みます。具体的には、買収金額や用いるM&Aのスキーム、役員および従業員の処遇、譲渡する事業範囲や株式の割合などが記載されます。

ただし、基本合意書の締結段階では、最終的な買収金額や譲渡の範囲などは定まっていません。そのため、大まかな記載に留めるか、デューデリジェンスの結果によって変わる旨が明記されるのが一般的です。

また、買収金額に関しては、一定の幅を持たせる・具体的な金額を記載せずに算定根拠のみを記載するケースもあります。

スケジュール

基本合意書締結以降のスケジュールが盛り込まれます。具体的には、デューデリジェンスや最終交渉・最終契約書の締結、クロージングを「いつ頃行うか」を記載します。また、クロージングにあたって株主総会や取締役会の決議といった法的手続きが必要となるため、それらのスケジュールも盛り込まれる場合が多いです。

デューデリジェンスへの協力義務

デューデリジェンスの実施にあたっては、売り手企業による協力(資料提出など)が必要となります。そのため、売り手企業に対してデューデリジェンスに協力する義務が基本合意書で定められることが一般的です。

また、場合によっては、デューデリジェンスの費用負担に関する内容も記載されます。基本的には、調査を実施する買い手側が負担しますが、一部の業務において売り手側が調査を実施するケースもあるため、その場合には費用の負担関係が盛り込まれます。

独占交渉権

独占交渉権とは、買い手側が売り手側とM&Aの交渉を独占的に行える権利です。

独占交渉権を有していると、買い手側は他の候補に案件を奪われるリスクを排除できます。しかし、売り手側にとっては、より良い条件を提示する買い手候補が現れても交渉できなくなるため、付与したくないと考えるのが一般的です。

独占交渉権を基本合意書に盛り込むかどうかは、取引条件や売り手と買い手のパワーバランスなどによって変わります。

その他

上記以外には、主に以下の項目が基本合意書に盛り込まれます。

  • 基本合意書の有効期間
  • 準拠法・管轄裁判所
  • 秘密保持
  • クロージングの前提条件
  • 法的拘束力を加える範囲
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最終契約書の構成

最終契約書の一般的な構成と各項目の記載内容を解説します。

定義

最初の項目として、契約書内で頻出する重要用語の意味を定義します。主に「クロージング」「本株式譲渡」「本計算書類等」「関連法令」などの単語が定義の対象です。

譲渡の基本事項

M&Aに関する基本的な事項が盛り込まれます。具体的な内容は以下のとおりです。

  • 譲渡対象物(譲渡する株式数や資産・負債等の詳細)
  • 譲渡金額(退職金の支払いがある場合はこちらも記載)
  • その他の条件(価格調整条項やエスクロー条項、アーンアウト条項など)

表明保証

表明保証とは、M&Aの相手方に対して「契約に関連する一定の事項が事実かつ正確であること」を表明・保証する項目です。具体的には、相手に対して伝えた財務諸表や契約関係、発行済株式数などの情報が真実かつ正確である旨を約束するための条項を記載します。

誓約事項

誓約事項とは、クロージング前および後において、一定の事項を実施する(または実施しない)ことを約束する条項です。主な項目として、以下が挙げられます。

  • クロージング日までにおいて、重大な資産の処分や組織再編行為などを行わない
  • クロージング日以降において、売り手側が競業を行わない

クロージング条項

クロージング条項とは、一定の条件が満たされた場合にのみクロージングを実行する旨を定めた条項です。つまり、最終契約書に記載された条件を満たさなかった場合、M&Aの取引は中止となります。たとえば、「M&Aによる引き継ぎに関して、重要な従業員からの同意を得られていること」などが該当します。

賠償・補償条項

賠償・補償条項とは、最終契約書に記載された義務や表明保証に違反が見られた際、違反によって生じる損害を補償することを定めた条項です。補償金額の上限や、請求が認められる期間、責任の範囲などが明記されます。

解除条件

クロージング日までに一定の事項が発生した場合に、契約を解除できる旨を定める条項です。たとえば、クロージング日までに売り手企業の経営状態が大幅に悪化するなど、想定外の事態に備える目的で盛り込みます。

その他

上記以外には、主に以下の項目が最終契約書に盛り込まれます。

  • 準拠法・管轄裁判所
  • 個人保証の解除に関する事項
  • 会社名義の個人資産に関する取り扱い
  • 秘密保持条項
  • 公表条項
  • 誠実協議条項
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まとめ

本稿では、M&Aにおける契約書の種類や記載項目、ひな型などを紹介しました。

M&Aの契約書には、秘密保持契約書や基本合意書などさまざまな種類があり、それぞれ記載項目や作成時の注意点が異なります。たとえば、最終契約書には合意した条件に加えて表明保証やクロージング条項などの項目を盛り込む必要があります。各契約書の記載内容や注意点を理解し、専門家の協力を得ながら作成することが重要です。

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