滋賀県のM&A動向、事業承継や案件の探し方、売却・買収事例を解説

2024年7月29日

滋賀県のM&A動向、事業承継や案件の探し方、売却・買収事例を解説

このページのまとめ

  • 滋賀県では1事業所あたりの従業員数の多さが特徴的
  • 滋賀県では麻織物や医薬品製剤などの製造業が盛ん
  • 滋賀県では経営者の高齢化が進んでおり、事業承継を課題とする中小企業が多い
  • 滋賀県におけるM&Aの件数は近年増加傾向
  • 滋賀県のM&A案件は公的機関や仲介会社で探すことができる

滋賀県では、経営者の高齢化に伴い、事業承継を目的としたM&Aが活発です。また、大手企業による中小企業の買収や、事業の成長を目的としてM&Aを行う事例も見受けられます。滋賀県におけるM&Aの案件を探す際には、公的機関や金融機関、民間のM&A仲介会社などを利用する方法が効果的です。滋賀県における産業の現状やビジネスの利点を解説した上で、M&Aの動向や案件の探し方、各相談先の特徴、事例などを紹介します。

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滋賀県のM&A・事業承継に関する動向

滋賀県におけるM&A・事業承継に関する動向や支援制度を解説します。

滋賀県におけるM&A動向

滋賀県では、事業承継を目的とした中小企業によるM&A(株式・事業譲渡)が増加しています。

株式会社帝国データバンク「特別企画:滋賀県「後継者不在率」動向調査(2023 年)」によると、M&Aほか(買収や出向など)による事業承継の割合は、2023年の時点で2年連続で増加しています。

年次M&Aほかによる事業承継の割合
2022年21.0%
2023年28.8%

このデータから、滋賀県では、事業承継を目的としたM&Aが活発に行われていると言えます。

参照元:株式会社帝国データバンク「特別企画:滋賀県「後継者不在率」動向調査(2023 年)

事業承継を目的としたM&Aの増加

滋賀県で事業承継を主な目的としたM&Aが増加している背景には、経営者の高齢化や後継者不足の問題があります。

東京商工リサーチ「2023年「全国社長の年齢」調査」によると、滋賀県における社長の平均年齢は63.49歳であり、全国平均の63.76歳をわずかに下回っています。全国平均よりは低いものの、全国の傾向と同様に経営者の高齢化が進んでいると言えます。

東京商工リサーチの「「全国社長の年齢」調査(2021年2022年、2023年分)」によると、2021年〜2023年における滋賀県の社長の平均年齢は以下のとおり推移しており、このデータからも経営者の高齢化の進行が見て取れます。

年次滋賀県における社長の平均年齢
2021年61.84歳
2022年62.19歳
2023年63.49歳

経営者の高齢化が進んでいることに伴い、滋賀県内における中小企業の多くが事業承継を課題としています。

また、前述した帝国データバンクの調査では、滋賀県内における企業の後継者不在率は52.9%であり、経営者の高齢化が進んでいるにもかかわらず、過半数の企業では依然として後継者が見つかっていない状況を示しています。

以上を鑑みると、全国的にも滋賀県では事業承継を課題と考えている企業の割合が高く、その解決手段としてM&Aを活用するケースが増えていると言えます。

参照元:
株式会社東京商工リサーチ「2023年「全国社長の年齢」調査
株式会社東京商工リサーチ「2022年「全国社長の年齢」調査
株式会社東京商工リサーチ「2021年「全国社長の年齢」調査

滋賀県のM&Aに関連する支援制度

中小企業庁や滋賀県では、M&Aに役立つさまざまな支援制度を設けています。この章では、具体的な支援制度を2種類取り上げ、補助対象となる経費や対象者、補助金額・補助率を解説します。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業庁が実施している制度です。事業承継・M&Aをきっかけに経営革新等(事業再構築や販路開拓、設備投資等にチャレンジする費用を補助しています。

3種類のタイプがあり、それぞれ対象者や対象経費、補助金額(上限)、補助率は以下のとおり異なります。

種類対象者補助対象経費補助金/補助率
経営革新枠事業承継・M&Aをきっかけに経営革新等(事業再構築や販路開拓、設備投資等)にチャレンジする中小企業・個人事業主を含む小規模事業者(以下、事業者等)設備投資費用、店舗や事務所の改築工事費用等上限額:600万円以内または800万円以内
補助率:2/3または1/2(600~800万円の場合は1/2)
専門家活用枠M&Aによって経営資源を承継する、または他者に引継ぐ予定の事業者等M&A支援業者に支払う手数料等上限額:600万円以内
補助率:2/3または1/2
廃業・再チャレンジ枠事業承継・M&Aに伴って事業を廃業し、新しい取り組みに挑戦する予定の事業者等在庫廃棄費、解体費等上限額:150万円以内
補助率:2/3または1/2

参照元:中小企業庁「中小企業生産性革命推進事業「事業承継・引継ぎ補助金」(九次公募)の公募要領を公表します

事業承継円滑化補助金

事業承継円滑化補助金は、滋賀県が実施している制度です。県内中小企業者による事業承継の促進を目的としており、その費用の一部を補助しています。

補助金額の上限は50万円(補助率2/3)であり、利用にあたっては以下2つの要件を両方満たす必要があります。

  1. 中小企業基本法第2条に規定されている中小企業者である
  2. 滋賀県事業承継ネットワークへの参加機関と連携し、事業計画を策定する

こちらも3タイプがあり、以下のとおり利用条件や経費の例が異なります。

種類利用条件対象経費
商品開発・サービス導入、設備投資等・現在の事業主が60歳以上
・交付が決まった後、3年以内に事業承継が完了する者
※後継者がすでに定まっている
・店舗改修費
・機器購入費
M&Aに関する仲介を受ける事業・県内に本社所在地があり、事業の一部または全部を売却する者
※現時点で後継者がいない
コンサルタント料等
※事業承継に関するものに限定
廃業に関する事業・現在の事業主が60歳以上
・直近2期で連続赤字決算でない
・交付申請後60日間以上にわたり、滋賀県事業承継・引継ぎ支援センターによる後継者候補を探すことに協力する
※現時点で後継者がいない
・退去を前提とした店舗改修費
・備品廃棄費用

参照元:滋賀県「事業承継円滑化補助金の募集について

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滋賀県の産業に関する現状 

滋賀県でのM&Aを検討する上では、滋賀県のビジネス環境を理解することも重要です。本章では、滋賀県の産業に関する現状を解説します。

滋賀県の人口動態

滋賀県「滋賀県の人口と世帯数(令和6年4月1日現在)」によると、令和6年4月1日現在、滋賀県の総人口は140万910人です。前年同月と比較して4,389人の減少となっています。

滋賀県「毎月人口推計調査」によると、過去3年で以下のとおり推移しており、連続して減少を見せています。

年次滋賀県の総人口
令和4年4月1,406,522
令和5年4月1,405,299
令和6年4月1,400,910

参照元:
滋賀県「滋賀県の人口と世帯数(令和6年4月1日現在)
滋賀県「毎月人口推計調査

滋賀県の主な産業

滋賀県の主な産業は製造業です。滋賀県ホームページの「滋賀県なんでも一番」によると、県内総生産に占める製造業の割合は44.4%であり、全国1位です。主に以下の製品に関する出荷額で全国1位となっています。

  • 麻織物:3億5,100万円
  • 医薬品製剤(医薬部外品製剤を含む):7,694億8,400万円
  • 強化プラスチック製板・棒・管・継手:199億2,400万円
  • ガラス工業用特殊機械:105億5,400万円

また、農林水産省「畜産統計(令和5年2月1日現在)」によると、肉用牛の飼養農家1戸あたり頭数が257.1頭で全国2位となっており、畜産業も盛んであると言えます。

参照元:
滋賀県「滋賀県なんでも一番
農林水産省「畜産統計(令和5年2月1日現在)」

滋賀県の事業所数・従業者数

政府統計「2022年経済構造実態調査(産業横断調査)」の四次集計によると、滋賀県の事業所数(個人経営を含む)は4万8,541事業所(全国32位)です。また、滋賀県「令和4年度(2022年度)統計書」の第4章 事業所・企業によると、全産業の従業者数は673,444人となっています。

ちなみに、滋賀県の「【参考資料3】滋賀県の経済・産業関係データ」によると、過去データは以下のとおり推移しています。事業所数は減少傾向である一方で、従業者数はやや増加傾向です。

年次事業所数従業者数
平成21年60,746665,373
平成26年58,749657,735
令和3年54,878671,105

特徴として、1事業所あたり従業者数の多さが挙げられます。政府統計「令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計」によると、滋賀県の1事業所あたり従業者数は12.1人、製造業における1事業所あたり従業者数は32.3人であり、こちらは全国1位となっています。

参照元:
e-Stat「2022年経済構造実態調査(産業横断調査)
滋賀県「令和4年度(2022年度)統計書
滋賀県「【参考資料3】滋賀県の経済・産業関係データ
e-Stat「令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計

滋賀県の経済動向

財務省の「法人企業景気予測調査 (令和 6 年 1-3 月期調査)滋賀県分」によると、令和5年度(2023年度)における滋賀県企業の売上高は、全産業で10.1%の増収見込みです。内訳は、製造業で15.9%の増収見込み、非製造業で2.5%の増収見込みとなっており、製造業が好調であると言えます。

また、経常利益に関しては、全産業で29.0%の増益見込み、製造業で41.9%の増益見込みとなっています。ただし、大企業は増益見込みである一方で、中堅企業および中小企業では減益見込みとなっており、中堅・中小企業と大企業で明暗が分かれる形となっています。

なお、令和6年度(2024年度)の設備投資は全産業で15.0%の増加見込みであるため、今後はアフターコロナの流れのなか、経済はさらに拡大基調になると考えられます。

参照元:財務省 近畿財務局 大津財務事務所「法人企業景気予測調査 (令和 6 年 1-3 月期調査)滋賀県分

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滋賀県でビジネスを行う利点

滋賀県内でビジネスを行う利点を知っておくことは、M&Aの実施判断や経営戦略の策定に役立ちます。本章では、滋賀県でビジネスを行う利点を5つ紹介します。

1.第二次産業の割合が高い

先ほど取り上げた「滋賀県なんでも一番」によると、滋賀県は第二次産業の割合が49.6%と全国1位です。そうした背景から、日本を代表するメーカーの工場や研究拠点、大学などの学術機関が数多く存在し、知的資源の集積も活発に行われています。

競争優位性の高い技術を有する企業との協働や、学術機関とのオープンイノベーションなどを図りたい企業にとっては、最適な環境であると言えます。

2.交通の利便性や立地が良い

滋賀県は、関西の大都市圏(大阪、京都など)や名古屋、北陸経済圏に囲まれています。また、神戸港や名古屋港といった国際港湾、中部国際空港や関西国際空港をはじめとした国際空港が100km圏内に位置しています。

主要な大都市や港湾・空港へのアクセスが良いことから、大規模にビジネスを展開したい企業にとっては非常に有利な立地であると言えます。

3.豊富な水資源が産業を支えている

滋賀ならではの優位性として琵琶湖の存在が挙げられます。琵琶湖の豊富な水資源は、工業・農業用水、発電などあらゆる需要に対応しています。

そのため、製造業や農業など、水を資源として活用するビジネスを行う上で滋賀県は最適な土地と言えます。また、琵琶湖およびその周辺の自然を活用して、観光業や飲食業を展開することもできるでしょう。

4.自然災害が少ない

滋賀県「滋賀の3つの魅力」によると、滋賀県は2003年〜2012年における平均年間水害被害額が全国で最少でした。また、震度4を超える地震の回数も関西地域で最も少ない水準です。

上記のとおり、滋賀県は自然災害が非常に少ない地域です。そのため、自然災害に伴う被害額を少なく抑えやすい上に、事業が停止するリスクも低いと言えます。安定的に事業を運営しやすい点は、ビジネスを展開する上で大きなメリットです。

参照元:滋賀県「滋賀の3つの魅力

5.製造業を支援する助成制度が豊富

滋賀県には、主に製造業を支援する多くの助成制度があります。

たとえば、「滋賀県産業立地促進資金融資制度」では、要件を満たした中小企業に対して最大2億円の融資を行なっています。また、新たな設備投資を行う製造業者に対する「滋賀県企業立地促進補助金」や、技術開発にかかる経費の一部を助成する「滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補助金」など、さまざまな制度が実施されています。

ビジネスの成長を加速させやすくなることから、製造業を営む企業にとって滋賀県は有力な土地の1つと言えます。

参照元:
滋賀県「滋賀県産業立地促進資金融資制度
滋賀県「滋賀県企業立地促進補助金
滋賀県「滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補助金

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滋賀県のM&A・事業承継案件の例

この章では、日本政策金融公庫の「事業承継マッチング支援」で公開されていたM&A・事業承継案件の一部を紹介します。

参照元:日本政策金融公庫「事業承継マッチング支援

ラーメン店

1つ目は、ラーメン店部門のM&Aです。従業員数は0人(経営者除く)、売上高は1,000万円未満と小規模な案件となっています。

譲渡の対象は、カウンター9席で8種類のラーメンを提供する店舗です。テイクアウトに対応している点や、商業エリアの中心に位置している点が特徴です。

希望の譲渡金額は550万円であり、これ以外の条件(交渉相手に対する希望など)は記載されていません。

鮮魚販売・飲食業

2つ目は、鮮魚販売・飲食業のM&Aです。従業員数は3〜4人、売上高は1,000万円未満、経常利益は赤字となっています。

事業内容は、現地より仕入れた活魚の販売や食堂での提供であり、食堂は約40席と比較的広めです。事業別に見た売上の割合は、鮮魚販売が60%、通販と食堂がそれぞれ20%でした。

希望の譲渡金額は200万円であり、これ以外の条件は記載されていません。

葬儀場

3つ目は地域密着型の葬儀場に関するM&Aです。従業員数は1〜2人、売上高は1,000万〜2,000万円です。譲渡対象には、法人名義の建物だけでなく、代表者の個人名義である底地も含まれています。

経常利益は赤字、純資産は債務超過と業績に課題はあるものの、地域で唯一の葬儀場として、小規模〜大型葬まで幅広く対応できる点が強みです。

譲渡金額は応相談であり、M&Aの希望条件として交渉相手を法人のみとしています。

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滋賀県のM&A・売却案件を探す方法

滋賀県でM&A・会社売却の案件を探す方法は、主に「公的機関」、「金融機関」、「仲介会社・マッチングサイト」の3つに大別されます。この章では、各方法の概要や利用するメリットを解説します。

1.公的機関

1つ目は、公的機関で案件を紹介してもらう方法です。滋賀県内の経済や産業に詳しいため、地域に根付いたサポートやアドバイスを得られる点がメリットです。また、無料で信頼性の高い公的機関に相談できる点もメリットと言えます。

主な公的機関は以下のとおりです。

  • 滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター
  • 商工会議所・商工会
  • 滋賀県よろず支援拠点
  • 滋賀県中小企業団体中央会

それぞれの特徴を解説していきます。

滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター

滋賀県事業承継・引継ぎ支援センターは、滋賀県内にある中小企業および個人事業主の事業承継・M&Aを支援する公的機関です。具体的には、中小企業診断士などの専門家による事業承継のアドバイスや、M&Aのマッチング支援などを行なっています。

参照元:滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター「支援内容

商工会議所・商工会

滋賀県内の商工会議所や商工会では、担当地域内の中小企業および個人事業主に対して、事業承継の支援を行っています。たとえば近江八幡商工会議所では、事業承継に関する無料の個別相談会を開催し、相談者の現状を踏まえた対策を提案しています。

参照元:近江八幡商工会議所「事業承継相談会

滋賀県よろず支援拠点

滋賀県よろず支援拠点は、経営改善や売上拡大といった課題の解決に向けて、専門的な提案を行う公的機関です。無料かつ回数制限なく相談できるため、困った時にその都度サポートしてもらえます。

また、事業承継の手続きに関する相談だけでなく、事業承継後の事業展開や経営戦略に関するアドバイスを受けられることも嬉しいポイントです。

参照元:滋賀県よろず支援拠点「よろず支援拠点について

滋賀県中小企業団体中央会

滋賀県中小企業団体中央会は、会員組合や組合員企業を対象に、事業承継をサポートしています。同団体では、同じ業種の中小企業が組織化されている組合を活用し、モデルケースとなる事業承継支援の事例を作り出し、そのノウハウや内容を波及させる活動をしています。

ホームページ内では、事業承継計画書の策定や廃業防止策などに関する周知動画が公開されており、事業承継を実施する上で参考となるでしょう。

参照元:滋賀県中小企業団体中央会「組合で取り組む事業承継

2.銀行などの金融機関

2つ目は、金融機関で案件を探す方法です。銀行は地元の企業との幅広いネットワークを持っているため、自社にとって最適な案件を紹介してもらえる可能性が高いでしょう。また、買収などに必要な資金調達の相談をできる点もメリットとして挙げられます。

M&A・事業承継支援に積極的な銀行として「滋賀銀行」が挙げられます。滋賀銀行では、M&A戦略の策定からM&Aのマッチング、契約書作成の支援など幅広いサービスを提供しています。滋賀銀行は、その積極的な支援が評価され、株式会社日本M&Aセンターの主催する「第10回M&Aバンクオブザイヤー」における最高賞と地域貢献大賞を受賞しています。

参照元:
滋賀銀行「M&Aアドバイザリー業務
滋賀銀行「最高賞「バンクオブザイヤー」を2年連続受賞

3.M&A仲介会社・マッチングサイト

3つ目は、民間のM&A仲介会社やマッチングサイトを利用する方法です。

仲介会社の場合はM&Aの専門家であるアドバイザーから価格算定やデューデリジェンスに関して手厚いサポートを得られる点、マッチングサイトの場合は手軽にご自身の目で案件を探せる点がメリットです。

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滋賀県のM&A・事業承継・会社売却に関する事例

最後に、滋賀県の企業がM&Aを実施した事例を4件紹介します。

日本電産による三菱重工工作機械の買収

買い手の日本電産(現ニデック)は小型モータなどの製造・販売、売り手の三菱重工工作機械は滋賀県栗東市に本社を置き工作機械などの製造・販売事業を展開しています。

日本電産は、工作機械事業のさらなる拡大を図る目的で三菱重工工作機械を買収しました。2021年8月に実施されたM&Aでは、三菱重工工作機械の株式を取得、社名を変更し同社を子会社化しました。買収金額は約300億円と見られています。

参照元:
ニデック株式会社「三菱重工工作機械株式会社の株式取得に関する譲渡契約締結のお知らせ
ニデック株式会社「三菱重工工作機械株式会社の株式取得等の完了と新子会社概要
日本経済新聞「日本電産、EV技術取得 三菱重工から300億円で買収

ビジョナリーホールディングスによる大塚メガネの買収

買い手のビジョナリーホールディングスは眼鏡やコンタクトレンズ等の販売、売り手の大塚メガネ(滋賀県草津市)も同様の事業を展開しています。

2019年10月には、ビジョナリーホールディングスは事業の成長、大塚メガネは買い手企業とのシナジー効果による収益力の増強を図る目的でM&Aを行いました。ビジョナリーホールディングスが大塚メガネの全株式を取得。買収金額は非公表です。

参照元:株式会社ビジョナリーホールディングス「連結子会社の異動(株式取得)に関するお知らせ

ワキタによる大喜産業の買収

買い手のワキタは土木・建設機械の販売・賃貸等、売り手の大喜産業(滋賀県守山市)は土木・建築機械の賃貸事業等を展開しています。

ワキタは滋賀県南部における建機事業の既存拠点とのシナジー効果を期待し、大喜産業を買収しました。2023年2月に行われたM&Aでは、ワキタが大喜産業の全株式を取得し、連結子会社化。買収金額は非公表です。

参照元:株式会社ワキタ「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

コンドーテックによる中央技研の買収

買い手のコンドーテックは建築金物や土木資材などを扱う商社です。一方で売り手の中央技研(滋賀県犬上郡)は各種機械装置等の設計および製造事業を展開しています。

コンドーテックは両社の技術融合によって製品の高効率生産を実現する目的で、中央技研を買収しました。2014年8月に行われたM&Aでは、コンドーテックが中央技研の全株式を取得。買収金額は1,000万円です。

参照元:コンドーテック株式会社「中央技研株式会社の株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結及び同社役員人事のお知らせ

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滋賀県のM&Aに関するまとめ

本稿では、滋賀県におけるM&Aの動向や案件の探し方、事例などを解説しました。

後継者不在に伴う事業承継を課題とする滋賀県において、第三者への承継を実現するM&Aは有用であると考えられます。公的機関や銀行などで案件を探すことができ、依頼する対象機関によってメリットは異なります。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社には、経験豊富なコンサルタントが在籍しています。案件探しやデューデリジェンスにも対応しており、M&Aのご成約まで一貫したサポートを提供しています。安心かつ円滑なM&Aを実現します。ぜひレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社のご利用をご検討ください。