赤字会社の売却・M&Aの可能性は?手法・事例・成功のコツなどを解説!

2024年8月5日

赤字会社の売却・M&Aの可能性は?手法・事例・成功のコツなどを解説!

このページのまとめ

  • 財務諸表の数字が赤字でも、価値のある無形の資産を保有する会社は売却が成立しやすい
  • 廃業でなく売却を選ぶことで、従業員や取引先を守り、技術やノウハウを継承できる
  • 売却成功のためには、買い手の選定や強み・見通しの明確化、経営状態の見直しが必要
  • 売却の主な相談先には、M&A仲介会社や金融機関、各方面の専門家、公的機関がある

赤字会社の継続が難しい場合は、売却と廃業の2つの選択肢があります。このうち、赤字状態の会社売却は難しいと考える方が多いのではないしょうか。しかし、財務諸表上は赤字であっても、目に見えない価値ある資産が魅力となり売却が成功することもあります。

本記事では、赤字会社の売却の可能性やメリット、成功させるためのコツ・ポイントを紹介します。売却価格の算定手法や相場、M&Aの主な相談先も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

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赤字会社でも売却は可能か?

近年では、後継者不足や事業の先行き不安から、会社売却を行う中小企業が増えているといわれます。売却は基本的には黒字企業が行うものですから、赤字会社でも売却できるのか不安だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

赤字会社でも売却の可能性はある

赤字会社の買い手を見つけるのは難しいと思われがちです。「自分たちの事業を引き継いでくれる第三者はいないだろう」と考えて、そもそも売却の検討すらしない場合もあるでしょう。しかし、赤字会社の経営陣が、第三者が高く評価する自社の要素に気付いていないことも多くあるものです。実際には、経営状態が悪い赤字会社でも売却できるケースはあります。

赤字会社を買収するメリットも多い

赤字会社の持つ、高い技術力や業界におけるシェア・知名度、店舗網、特許やノウハウなどを得られるのは買い手のメリットです。取引先や人材の獲得もできるでしょう。こうした要素は財務諸表に表れないものの、買収の十分なメリットとなりえます。

投資や設備の導入が赤字の原因である場合は、投資が成功したり導入した設備によって売上が増えたりすることで、将来利益が増大する可能性があります。含み資産を再評価することで、良好な資産状態が判明することもあります。まずは専門機関に相談してみましょう。

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赤字会社の買収・売却について

赤字会社は大きく2つに分類できます。
損益計算書上の赤字会社とキャッシュフロー計算書上の赤字会社です。

損益計算書は企業の1年間の営業成績を示すものなので、損益計算書上の赤字は業績不振を意味します。このような会社は将来性がないと判断され、売却価格が低くなったり、買収が成立しなかったりすることもあります。

キャッシュフローは現金の流れを示すもので、キャッシュフロー計算書上の赤字は手元に現金がないことを示しています。しかし、キャッシュはないが他社と競争できる技術力がある企業の場合、資本を投下することで成長が見込めるため、赤字でも売却が成立することがあります。

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赤字会社は売却と廃業のどちらがよい?

売却と廃業のどちらをすべきかは、会社によって異なります。以下を目安に会社の将来を考えてみてください。

売却の方がよいケース

赤字や債務超過の状態でも売却が成立することはあるため、基本的に売却の検討をおすすめします。ブランド力や技術・ノウハウ、将来的な成長の可能性など、無形の資産が評価される場合も多くあるためです。廃業してしまうとこうした資産も失われてしまいます。

廃業の方がよいケース

価値のある無形の資産に乏しい場合は、廃業を選ぶ方が賢明でしょう。M&Aには時間や手間がかかるため、売却に成功しなければ痛手となります。自社を見つめ直して買い手にアピールできる点があるかどうかを検討し、決断することが大切です。

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赤字会社売却のメリット

赤字会社の売却によって、売り手はさまざまなメリットを得られます。以下で詳しく見ていきましょう。

従業員の雇用を守れる

会社を売却することで、従業員の雇用を継続できます。廃業するなら従業員は解雇せざるを得ませんが、売却すると雇用を守れるため、従業員や家族の生活を支えることにつながります。買い手の会社の規模や経営状況によっては、従業員の待遇や給与水準が向上することもあるでしょう。

取引先への影響を抑えられる

会社売却で事業を継続できれば、取引先への影響も少なくて済みます。自社の廃業が取引先の業績に影響を及ぼし、連鎖倒産を起こす場合も考えられます。会社を売却することで事業を継続できるため、取引先へのダメージを抑えられるでしょう。

技術やノウハウを遺すことができる

自社の事業とともに、技術やノウハウを遺せることもメリットの1つです。これまで年月をかけて培った技術やノウハウを引き継ぐことで、有効に活用したりさらに発展させたりできるでしょう。

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赤字会社の売却を成功させるコツ

赤字会社を売却する際に、売り手側がまず意識すべきコツを解説します。
主なポイントは以下の4点です。

  • シナジーが期待できる買い手企業を選定する
  • 他社にない強みを確立する
  • 赤字の理由と今後の見通しを明確化する
  • 専門家に相談する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.シナジーが期待できる買い手企業を選定する

あなたの会社が仮に赤字でも、魅力的な商品・技術ノウハウ・優秀な人材が存在している場合があります。それらを自分では生かせなくても、買い手がうまく活用すれば、相乗効果で赤字から黒字に転換できる可能性があります。

シナジーが期待できる会社を買い手として選ぶことで、赤字を黒字に変える可能性が高まるでしょう。

2.他社にない強みを確立する

赤字会社でも他社にない強みがあれば売却できる可能性があります。赤字でかつ魅力のない会社であれば、買い手は興味を示さないでしょう。他社にない強みを作ることは簡単ではありませんが、強みを作ることで会社を売却できる可能性が高まるうえ、売却できなくても会社の業績を復活させる手段になりえます。

3.赤字の理由と今後の見通しを明確化する

赤字だからといって、全ての会社が買収に不向きというわけではありません。収益性・キャッシュフロー・市場環境などを徹底的に調査し、赤字の原因を突き止めることが非常に重要です。

損益計算書は、企業の1年間の業績を示すものです。収益・費用・利益の3つの要素からなり、「どれだけの収益があったか」「どこに費用がかかったか」「結果としてどれだけの利益があったか」を示しています。これらの数字を精査することで、赤字の原因や好転の可能性が見えてくるでしょう。

例えば本業以外の異常な損失や経費が原因で、一時的に赤字になっただけかもしれません。「災害による損失がある」「減価償却費が大きい」「含み損のある資産が存在する」などが原因で、本業は黒字でも決算が赤字になるケースがあります。

先述の通り、損益計算書が黒字でキャッシュフローが赤字の会社は、手持ちの資金が不足しているので、お金を投入すれば成長する可能性が高いと言えます。将来の見通しを立てることが非常に重要です。また、他社にはない独自の技術やノウハウを持っている場合も、将来の可能性から買収する価値が高まると言えるでしょう。

4.専門家に相談する

適切なM&Aアドバイザーに相談することで、的確なアドバイスが得られます。赤字会社の売却は難易度が高く、場合によっては相手先が見つからないこともあります。また、過去に赤字会社の売却に関わったことがない場合、どのように進めていけばよいのかわからないという不安もあるでしょう。

よいアドバイザーに相談し、スムーズに売却を進めることができるよう準備するのがおすすめです。

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赤字会社が見直すべきポイント

続いて、売り手である赤字会社側が具体的に見直すべき項目を解説します。

  • キャッシュフロー
  • 含み試算
  • 簿外債務

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

1.キャッシュフロー

損益計算書が赤字でも、キャッシュフローがプラスであれば、赤字の問題は軽減されます。「減価償却費」や「貸倒引当金」などが存在する可能性があるからです。これらは、現金及び現金同等物を減らさない項目の内で金額が大きいものと言えます。例えば、多額の事業投資を行い、それに伴う減価償却費が増加した場合や、他社からの不良債権に対する貸し倒れリスクを厳密に計算した場合などが該当します。

また、自社の損益計算書が赤字であっても、キャッシュフローが黒字であれば、買い手は投資がしやすくなります。売り手が生み出すキャッシュフローで買収費用を回収することができるためです。自分の会社が赤字の場合は、まずキャッシュフローの状況を確認しましょう。

2.含み資産

会社に含み資産があれば、赤字であっても会社を売却できる可能性が高まります。含み資産とは取得時の価値よりも現在の価値(時価)の方が高いものを指し、土地や建物などの固定資産やゴルフ会員権などの投資資産があります。

例えば、あなたの会社がホテルを経営していてその事業が赤字であっても、そのホテルを不動産として所有していれば、土地について含み益があることが期待できます。特に代々受け継がれてきた土地を所有している場合、土地の含み益が過去に比べて思いの他増えているケースもあります。

所有している不動産などに含み益があるかどうかはしっかり確認しておくとよいでしょう。

3.簿外債務

簿外債務とは、貸借対照表に記載されておらず現時点では必ずしも債務ではないものの、将来、債務となる可能性があるものを指します。何らかの事態が発生した場合、当該会社の負担となる可能性がある事項のことで、例えば、債務保証・未払賃金・退職金・損害賠償請求などが挙げられます。

後々のトラブルを避けるためにも、売却前に簿外債務を認識しておき、買い手に対して十分な説明ができるようにしておくことが望ましいと言えます。

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買収・売却価格の算定方法

次に、買収・売却価格の一般的な算定方法について解説します。
一般的な価格算定の手法として、下記の3つがあります。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

コストアプローチ

コストアプローチとは、対象企業の純資産をもとに企業価値を決定し、売却価格を導き出す計算方法です。貸借対照表に基づいて計算するため、客観的なデータを活用できるというメリットはあるものの、将来性が加味できないというデメリットがあります。今回は、コストアプローチの中で「時価純資産法」と「簿価純資産法」の2種類を解説します。

時価純資産法

時価純資産法では、時価で純資産額を算出し、それに基づいて売却価格を決定します。企業が現在保有しているすべての資産を売却し、その代金を債務の返済に充当した場合に残る金額を計算するケースが想定されます。計算に時間や手間がかかることがデメリットです。

簿価純資産法

簿価純資産法とは、対象企業の貸借対照表から純資産を算出し、それに基づいて売却価格を決定する方法です。この算出方法は、老舗中小企業のM&Aでよく使われます。

その理由は、将来の成長が見込めないためわざわざ以下で説明するインカムアプローチを実施する必要がなく、また、株式の発行や売買が少ないため以下で説明するマーケットアプローチも利用できないからです。

インカムアプローチ

インカムアプローチは、M&Aにおける売却価格の算定に最もよく用いられる方法です。インカムアプローチは将来の収益を予測するものであるため、客観的なデータに基づいていることが必要です。今回は、インカムアプローチのうち、「DCF(Discounted Cash Flow)法」と「配当還元法」の2種類を解説します。

DCF法

DCF法とは、将来的に企業が生み出すと予想されるキャッシュフローを、加重平均資本コスト(WACC)で割り引いて現在価値に換算、企業価値を算出し、売却価格を算定する方法です。

ここでいう企業が生み出すキャッシュフローとは、フリーキャッシュフロー、すなわち、税金や投資を差し引いて企業が株主や債権者に分配できる金額のことです。一方、WACCは、株主の期待収益率と債権者期待収益率の加重平均値です。

フリーキャッシュフローの金額が大きいほど、企業価値は高くなります。

配当還元法

配当還元法では、売り手企業が最近分配した配当金の総額を株主への期待収益率で還元して企業価値を算出し、それをもとに売却価格を算定する方法です。配当金は企業の業績に連動しており、株主に還元されるものなので、配当金をもとに企業価値を算出できるという考えに基づいています。

この方法のメリットは、配当総額に基づいて計算するため、インカムアプローチの中では比較的客観性が高いということです。

対して、デメリットは、正確な企業価値を算出できない可能性があることです。配当金の額は一般的に株主総会で決定されますが、取締役会で決定されるケースもあります。そうなると、企業価値を高めるために、意図的に配当額を増やす可能性があることは否めません。

配当還元法は、正確な企業価値を算出できない可能性があるため、特定の条件下以外ではあまり利用されていないようです。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、市場で決定された数値に基づいて企業価値を算出し、売却価格を算定する方法です。同規模の同業他社の株価・企業価値に基づいて計算するため、比較的客観的な数値を得られることが大きなメリットです。今回は、市場原理を利用した方法のうち、「市場株価法」と「類似会社比準法」の2種類を解説します。

市場株価法

市場株価法とは、同規模・同業種の上場企業の株価をもとに企業価値を算出する方法です。株価は企業の業績によって変動するため、これを元に算定する際に市場株価法が用いられます。通常は過去3ヶ月間の平均株価を用います。

類似会社比準法

類似会社比準法とは、対象会社と類似した会社の財務内容を比較することで、企業価値を出し、売却価格を算定する方法です。類似会社比準法も株価を元に算定を行います。具体的にはPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などの財務指標をもとに企業価値を決定します。

赤字会社の買収・売却の相場

赤字会社の買収や売却について、相場を端的に示すことはできません。しかし、売却価格は売却時の資産状態を考慮して計算されるため、同規模の同業他社より低くなることが多いと言えます。ただし、例外もあります。

1つ目は、その会社に将来性が見込まれる場合です。赤字の会社でも将来の成長が期待できる場合、売却価格は高くなる可能性があります。

2つ目は、その企業がコア・コンピタンスを有している場合です。コア・コンピタンスとは企業の中核となる強みのことです。例えば、技術やブランドなどの無形資産を有している場合、売却価格に加え、のれん代が考慮される可能性があります。

ただし、この2つの項目については、買収者がどのように判断するかによって大きく左右されます。

関連記事:会社売却の相場や税金はどれくらい?準備からクロージングまでの流れも解説

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赤字会社の売却スキーム

この章では、赤字会社を売却する主なスキーム・手法について説明します。
具体的なスキームとして下記の3つを紹介します。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • 合併

株式譲渡

株式譲渡は、売り手の株主が発行済株式を買い手に譲渡する方法です。赤字会社は買い手の子会社となります。売り手会社は株主が変わるだけで、会社の資産・負債・従業員・第三者との契約・許認可などは原則として存続します。手続きも他の方法と比較して簡便です。ただし、先述した簿外債務を引き継ぐ可能性があることは買い手にとって大きなデメリットです。

事業譲渡

事業譲渡とは、売り手が所有する事業の全部または一部を譲渡することです。資産・負債・契約は債権者および従業員の同意のもと、個別に譲渡されます。多くの場合、ライセンスや許認可は買い手に譲渡されず、買い手は新たにライセンスや許可証を取得する必要があります。

個々の事業・物件単位での譲渡が可能であるため、売り手は事業の一部を手元に残すことが可能です。買い手にとっては、特定の事業や資産のみを買収できるため、簿外債務のリスクを切り離すことができるのは大きなメリットです。

ただし、繰越欠損金などの税制上の優遇措置はないため、赤字会社の事業を引き継いでもメリットがないと想定されます。

合併

合併とは、会社法に定められた組織再編手続きの1つで、売り手会社の権利と義務(会社のすべての資産、負債、契約など)を他の会社(または合併の結果、設立された新しい会社)が完全に引き継ぎ、売り手会社が消滅する手続きのことです。

結果として、2つ以上の法人が1つの法人となり、結合は強固なものとなります。さらに、許認可などがそのまま引き継がれるケースもあります。一方、組織内の雇用条件の調整・事務手続きの一本化など煩雑な手続きが必要となるケースがあり、また、簿外債務にも留意する必要があります。

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赤字会社の買収・売却の成功事例

ここでは赤字会社の買収・売却の成功事例を紹介します。

鴻海精密工業股份有限公司によるシャープ株式会社のM&A

このM&Aは、譲渡会社が電機メーカーのシャープ株式会社で、買収会社はスマートフォンや薄型テレビなどの電子機器の受託生産を行う鴻海精密工業股份有限公司です。実行時期は2016年8月で、第三者割当のスキームで実施されました。

鴻海精密工業股份有限公司は、シャープ株式会社と液晶事業において相互補完的な関係にあり、シャープ株式会社の競争力を強化するための協力関係を構築できると考えていたとされています。
また、鴻海精密工業股份有限公司のEMSとしての製造技術を他の事業にも活用することで、シャープ株式会社の生産性やコスト競争力をさらに向上させることが見込まれていました。

事業面でのシナジー効果が大きく期待されたことで、鴻海精密工業股份有限公司は赤字会社であったシャープ株式会社からの第三者割当を受けることを決定したのだと考えられます。

結果として鴻海精密工業股份有限公司がシャープを子会社化しました。

参照元:シャープ株式会社「第三者割当による新株式の発行並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ

株式会社ディー・エヌ・エーによる株式会社横浜ベイスターズのM&A

このM&Aは、譲渡会社はプロ野球の興行他の株式会社横浜ベイスターズで、買収会社はゲーム事業などの株式会社ディー・エヌ・エーです。

実行時期は2011年12月で、株式譲渡のスキームを用いて実行されました。譲渡価格は95億円です。

株式会社ディー・エヌ・エーは日本のプロ野球界の発展に貢献し、地域社会に寄与することで、青少年の健全な成長やスポーツ文化の促進、地域経済の発展を実現したいと考えていました。そしてそれにより、企業のブランド価値と知名度が向上することを期待していたため、株式会社横浜ベイスターズが赤字会社でも株式を譲り受けたのだと考えられます。

結果としてディー・エヌ・エーが横浜ベイスターズを子会社化しました。

参照元:株式会社ディー・エヌ・エー「株式会社横浜ベイスターズの株式取得に関するお知らせ

楽天株式会社によるイーバンク銀行株式会社のM&A

このM&Aは譲渡会社は銀行業などのイーバンク銀行株式会社で、買収会社はインターネット関連サービスなどの楽天株式会社です。
実行時期は2009年2月で、優先株式を普通株式へ転換するという手法で実施されました。

楽天グループは、イーバンク銀行を子会社化することで、ネット専業銀行であるイーバンク銀行の顧客基盤(300万口座)にアクセスできるようになりました。また、楽天グループのユーザーにとっても、イーバンク銀行の先進的な決済サービスを利用することができるようになりました。

このような相互によい影響をもたらすこのようなシナジー効果が期待されていたため、楽天株式会社はイーバンク銀行株式会社が赤字会社でも子会社化したのだと考えられます。

参考:楽天銀行株式会社「沿革

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会社の買収・売却に関する相談先

M&Aに関する相談先や、それぞれに相談するメリット・デメリットは、以下の通りです。

相談先メリットデメリット
M&A仲介会社・豊富な知識や実績
・全面的なサポート
・マッチングも可能
・費用がかかる
・着手金や相談料が必要な場合も
弁護士・公認会計士・税理士・専門家によるアドバイスやデューデリジェンスのサポート・M&Aの専門家ではない
金融機関・資金調達や融資の相談が可能
・専門家や他企業との連携
・対象は主に大企業のM&A
商工会議所・制度を利用した支援
・地域密着のサービス
・会費を支払って会員となる必要がある
事業承継・引継ぎ支援センター・中小規模の事業者も相談可能
・全国にある無料の相談窓口
・M&A全般に対応しているわけではない
・実績が比較的少ない

それぞれの相談先について、以下で詳しく見ていきましょう。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、自社を売却したい会社と他社を買収したい会社を仲介しています。M&Aに関する豊富な知識や実績があり、相談やM&A先の選定から契約成立まで、幅広くサポートしてもらえることが一般的です。M&Aを希望する企業の情報が集まるため、条件に合致する企業同士のマッチングも可能で、満足度の高いM&Aとなりやすいでしょう。

一方で、他の相談先と比較して費用が高額になりやすい点には注意が必要です。一般的には、売却金額の5~10%を成功報酬として請求されます。加えて、着手金や相談料が求められることもあります。

弁護士・公認会計士・税理士

弁護士や公認会計士、税理士にM&Aの相談をすることも可能です。弁護士は法律、公認会計士や税理士は会計・財務・税務の専門家です。いずれもM&Aに欠かせない知識であるため、相談することで的確なアドバイスやサポートを受けられます。デューデリジェンスについてのサポートも受けられるでしょう。

ただし、M&Aの専門家ではないため、相談先によってはM&Aの経験やノウハウがない場合もあります。売却における全面的なサポートは受けられない可能性が高いです。

金融機関

近年はM&Aに関する相談ができる金融機関も増えています。とくに買い手は、M&Aに必要な資金調達や融資に関する専門的なアドバイスを受けられます。他業種との結びつきも強いため、必要に応じて専門家の紹介を受けられることもあるでしょう。

ただし、大手の金融機関が取り扱うのは大企業のM&A案件が多くを占めます。そのため、中小企業やスタートアップが相談できない可能性は考慮しておきましょう。

商工会議所

商工会議所は、地域の商工業の発展をサポートする団体であり、M&Aに関しては主に事業承継の支援を行っています。地域の中小企業との結びつきが強く、内情を理解している場合もあるため、中小企業同士のM&Aを検討している場合に相談するとよいでしょう。豊富な支援の経験やノウハウから、中小企業の経営者に寄り添う的確なアドバイスが期待できます。

商工会議所に相談するには、会費を支払って会員にならなければなりません。公的な機関であるため、他の相談先と比べるとサービスの内容や迅速さが劣る場合もあります。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者に関する問題を抱える中小規模の事業者を支援する公的な機関です。M&Aを含む事業継承や引継ぎについてのアドバイスや情報の提供、事業を引き継いでほしい事業者と引き継ぎたい事業者のマッチングなどを行っています。国の運営する機関であり、無料で相談できます。47都道府県に相談窓口があるため、地域を問わず相談しやすい点もメリットです。M&A仲介会社や金融機関では対応の難しい、中小企業や個人事業主の相談もできます。

ただし、事業承継をメインとした相談先であるため、サポートやサービスの範囲が限定されます。比較的新しい機関であるため、実績はまだあまり多くありません。民間の相談先に比べるとスピード感に欠ける傾向にもあります。

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まとめ

赤字会社であっても、売却できる可能性はあります。自社の持つ技術やノウハウ、ブランド力といった目に見えない資産が、売却の決め手となることも考えられるためです。売却前に赤字を軽減したり、買い手に対して説明できるよう状況を把握したりすることも大切です。自社に合った相談先を見つけ、早めに相談して売却を目指しましょう。

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レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、赤字会社の売却に関する支援を行っております。各領域のに精通し、豊富な経験を持つコンサルタントが的確なアドバイスを提供します。赤字の要因を考えたり、売却価格を決めるためのデューデリジェンスを行ったりと、細やかで専門的なサポートを提供することが可能です。

会社売却をご検討の際には、ぜひレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にお問い合わせください。