事業譲渡などM&Aで債権者保護手続きは必要?手続きの流れも解説

2024年7月23日

事業譲渡などM&Aで債権者保護手続きは必要?手続きの流れも解説

このページのまとめ

  • 事業譲渡で債権者に不利益が生じる可能性がある場合、債権者保護手続きが推奨される
  • 株式譲渡や重畳的債務引受で債務が移転する場合、債権者を保護する手続きは不要
  • 組織再編行為である会社分割、合併では債権者保護手続きを行う法的義務がある
  • 株式交換、株式移転は、状況により債権者保護手続きが必要になる
  • 債権者保護手続きには時間がかかり、登記申請から逆算してスケジュール管理が必要

事業譲渡を行う際に債権者保護手続きは必要なのか、心配している方もいるのではないでしょうか。会社法では事業譲渡における債権者保護手続きを義務付けてはいませんが、事情によっては手続きを行う方がよい場合もあります。

本記事では、事業譲渡における債権者保護手続きの要否やした方がよいケース、手続きの方法について解説します。手続きを行う際の注意点も紹介しますので、参考にしてください。

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債権者保護手続きとは

債権者保護手続きとは、会社経営上での債権者に対し、会社が事業譲渡などのM&Aやその他の経営施策を行う際に、債権者が不利益を被らないように保護する手続きのことです。

具体的には、会社が行おうとする経営施策の内容を事前に通知し、一定の猶予期間中に債権者は異議を唱えられます。債権者が異議を表明した場合、会社は何らかの弁済措置を取らなければなりません。

債権者がいるということは、会社は債務を持っているということです。会社経営において存在し得る債務の具体例には、以下のようなものがあります。

  • 買掛金:仕入れ先や外注先に対し支払っていない対価
  • 借入金:金融機関などから借りた資金
  • 未払金:資産の購入費用で未払いのもの
  • 未払費用:定期契約のあるリース代などで未払いのもの
  • 社債:投資家や金融機関などから資金を借りるときに発行

未払金の対象となる資産とは、有価証券や固定資産などが該当します。

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事業譲渡では債権者保護手続きは不要?

会社の経営施策として、最も債権者保護手続きを考慮しなければならないのがM&Aです。ここでは、M&Aスキーム(手法)の中でも、事業譲渡にフォーカスして債権者保護手続きの要否を考えます。

事業譲渡とは、売り手企業が行っている事業とそれに関連する資産や権利義務を、選別して売買するM&A取引です。選別には売り手・買い手間の合意が必要ですが、売りたいもの・買いたいものを選べます。事業譲渡の主な特徴は以下のとおりです。

  • 個別承継
  • 買い手は包括承継のように簿外債務を引き継ぐリスクがない
  • 買い手は不要な資産や負債を引き継がなくて済む
  • 売り手の会社組織はそのまま残る
  • 許認可は引き継げない(許認可は申請した事業主に与えられるもの)
  • 取引先との契約は先方の同意を得て新たに締結することで引き継ぐ(買い手)
  • 従業員との労働契約は個別に同意を得て新たに締結する(買い手)
  • 全部の事業または会社にとって重要な一部の事業を譲渡するには株主総会の特別決議が必要(売り手)
  • 売り手の全事業を譲受する場合には株主総会の特別決議が必要(買い手)

個別承継とは、譲渡対象を個別に指定して決められることを指します。反対語は包括承継です。包括承継は、事業部門や会社全体をそのまま丸ごと承継する意味になります。

法的には定められていない

債権者保護手続きの必要なM&Aスキームは、会社法において定められています。事業譲渡は、その対象になっていません。理由は、事業譲渡が個別承継であるからです。事業譲渡では、売り手の債務が譲渡対象になって買い手に移転する場合、必ず債権者の同意が個別に必要になります。

つまり、事業譲渡は、取引の性格上、債権者の同意がなければ対象の債務が第三者に移転しません。債権者自身が、債務が移転しても不利益を被らないと判断し合意したときのみ、第三者に債務が移転します。

債権者へ配慮は必要

売り手は、事業譲渡における個別同意対象とは別の債権者に対しても、一定の配慮をする必要があります。事業譲渡を実施しても、この債権者への債務は売り手側に残るため、個別同意を得る必要がありません。つまり、売り手としては、同意対象とは別の債権者には、何らの通告をせず事業譲渡の実施が可能です。

しかし、以下のようなケースでは、同意対象とは別の債権者も不利益を被る可能性があります。

  • 売り手が主力事業を譲渡して経営状況が悪化し債務履行が滞る
  • 売り手が安価で事業譲渡を実施し十分な対価を得ていないため債務履行に支障が出る

上記のような場合、この債権者は民法で認められている権利である詐害行為取消権に基づいて、裁判所に対し事業譲渡の無効を訴えることが可能です。そのような事態になることを避けるため、売り手としては、事業譲渡と直接関係のない債権者に対しても、債権者保護手続きに準じた対応をするべきでしょう。

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【M&A手法別】債権者保護手続きの要否

債権者保護手続きが必要かどうかは、M&Aの手法ごとに異なります。ここでは、事業譲渡のほかに、必要になるケースと不要なケース、例外的に必要なケースを紹介します。

債権者保護手続きが必要になるケース

以下のM&Aスキームでは、債権者保護手続きが必要です。

  • 会社分割
  • 合併

それぞれの場合に債権者保護手続きが必要となる理由を説明します。

会社分割を行う場合

会社分割とは、売り手の事業部門を丸ごと買い手に移転させるM&Aスキームです。既存企業間で行われる吸収分割と、新設企業が承継会社となる新設分割の2種類があります。会社分割は包括承継であるため、事業譲渡のように債権者から個別同意を得る方法では進めません。

会社分割では、不利益が生じる可能性のある債権者が、異議を述べられる機会を持てるよう、債権者保護手続きが必要となります。会社分割の場合、具体的には以下のような債権者の不利益が考えられます。

  • 分割される事業が主力事業・黒字事業の場合に、当該事業とは紐づいていない債務の債権者(分割会社側)
  • 事業部門の減少により、多角経営が縮小することで会社のリスクヘッジ機能の低下が危ぶまれる分割
  • 会社側の債権者
  • 分割会社が対価を受け取った後に行う人的分割は無制限であるため、資産状況変動が危ぶまれる分割会社の債権者
  • 不採算事業や負債・不良資産などを引き取る承継会社側に従来からいる債権者

分割会社とは売り手、承継会社とは買い手のことを指します。

合併を行う場合

合併とは、複数の企業を1社に統合するM&Aスキームです。吸収され法人格がなくなる企業を消滅会社、法人格が残る企業を存続会社といいます。

既存の企業間で行われる吸収合併と、新設企業が存続会社となる新設合併の2種類がありますが、いずれも包括承継です。したがって、会社分割同様に債権者保護手続きが必要となります。

合併の場合、債権者の不利益の具体例は以下のとおりです。

  • 合併契約の内容次第では、資本金および資本準備金の額が消滅会社のそれよりも減少する場合があり、消滅会社側の債権者にとっては財産減少と捉えられる場合
  • 消滅会社に不採算事業や負債がある場合、存続会社側に従来からいる債権者にとって不利益となる可能性がある場合(吸収合併)
  • 存続会社の経営状況が消滅会社よりも悪い場合、消滅会社側の債権者にとって不利益となる場合(吸収合併)

一般に、親子会社関係になる株式譲渡などよりも、合併の方が対等な関係でのM&Aをアピールできるとされています。

債権者保護手続きが不要なケース

M&Aにおいて、以下の2つのケースでは債権者保護手続きが要りません。

  • 株式譲渡
  • 併存的債務引受・重畳的債務引受での債務移転

それぞれの債権者保護手続き不要の理由を説明します。

株式譲渡を行う場合

株式譲渡の場合も、会社法で債権者保護手続きは義務付けられていません。株式譲渡は、対象企業の株式を売買することで経営権が移転するM&A取引です。

株主が代わるだけで、事業の運営や会社の財産状態は何も変わりません。つまり、債権者に不利益が生じる余地がないため、債権者保護手続きは不要なのです。

併存的債務引受・重畳的債務引受で債務が移転する場合

併存的債務引受・重畳(ちょうじょう)的債務引受は、同じ意味の言葉です。通常、M&Aで債務が移転すれば買い手が債務者になります。しかし、併存的債務引受・重畳的債務引受の場合、売り手も従来どおり債務者となり、売り手と買い手は連帯債務者の関係になるのです。

このケースでは、債権者は売り手・買い手のどちらにも債権の請求ができます。債権者は不利益どころか有利な立場となるため、債権者保護手続きの対象になりません。なお、併存的債務引受・重畳的債務引受は、添加的債務引受とも呼ばれます。

関連記事:M&Aにおける事業譲渡とは?メリット・デメリット、手続き・ポイントなどを解説

債権者保護手続きが例外的に必要になるケース

次のM&Aスキームでは、例外的に債権者保護手続きが必要です。

  • 株式交換
  • 株式移転

それぞれのケースについて、詳しく解説します。

株式交換を行う場合

株式交換とは、完全親子会社関係になることを前提に買い手(親会社)が売り手(子会社)の全株式を取得するM&Aスキームです。以前は親会社が支払う対価は親会社の株式に限定されていましたが、法改正により現在は現金や社債も可能となっています(ただし追加手続きは必要)。

会社法では株式交換を債権者保護手続きの対象としていません。ただし、以下のようなケースでは、株式交換でも債権者保護手続きが必要です。

  • 株式交換を行ったときに、資本剰余金を増加させて資金の流出可能性を高めた場合(親会社)
  • 親会社の支払う対価が株式およびそれに準ずるもの以外だった場合(株式以外での対価の支払いは親会社の財産状況悪化につながる)
  • 子会社が新株予約権付社債を発行していて、その債務を親会社が引き継ぐ場合は、親会社・子会社ともにそれぞれの債権者に保護手続きが必要

親会社が自社株式を対価とする場合、株主構成も変化することに注意が必要です。

株式移転を行う場合

株式移転とは、親会社となるために新設された企業が、既存企業の全株式を取得して完全子会社とするM&Aスキームです。主に、持株会社体制構築の際に活用されます。親会社が新設企業である点を除けば、株式交換と類似するスキームです。

株式交換も株式移転も、合併のように消滅する企業はありません。また、親子会社関係ということは、会社間で権利義務の移転がないため、会社法では債権者保護手続きの対象としていません。ただし、株式移転でも、以下のケースでは債権者保護手続きが必要となります。

子会社が新株予約権付社債を発行していて、その債務を親会社が引き継ぐ場合

株式移転の場合、対価に現金は選べません。それは、新設企業には余剰資金がないためです。

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債権者保護手続きが必要な会社分割と事業譲渡との違い

事業譲渡と会社分割は事業を承継させるという点で共通しており、混同されやすいM&A手法です。事業譲渡は会社法上、債権者手続きが求められないのに対し、会社分割はなぜ必要なのか、両者の違いを見てみましょう。

会社分割事業譲渡
会社法上の違い株式の移転・変動を伴う組織再編行為譲渡会社と譲受会社との間の取引行為
譲渡対価の内容組織再編のため、対価は基本的に株式取引行為のため、対価は金銭
権利・義務や契約上の地位の移転包括承継個別承継
承認手続き株主総会の特別決議株主総会の特別決議
略式手続き吸収分割:あり新設分割:なしあり
株主などへの事前開示あり定めなし
反対株主の買取請求権ありあり
消費税課税対象外課税対象

事業譲渡は、譲渡会社と譲受会社との間の取引行為であり、権利・義務や契約上の地位の移転も個別承継になります。資産や負債の引き継ぎも個別に行い、買い手企業は必要なもののみ引き継ぐことが可能です。

一方、会社分割は株式の移転、変動を伴う組織再編であり、包括承継となるため、分割を受ける会社は不要な資産や負債、簿外債務などもまとめて引き継ぐ必要があります。

個別承継の事業譲渡では債権者を害する可能性が低いため、原則的に債権者保護手続きは法定されていません。例外的に、譲渡内容が債権者を害する場合には、詐害行為取消が認められます。

一方、包括承継の会社分割は債権者を害する可能性が高く、債権者保護手続きが法定されています。

なお、事業譲渡は売買契約であるため、買い手企業には消費税が課税される点も注意してください。不動産の譲渡を行う場合には、不動産取得税や登録免許税も必要です。また、売り手企業も、売却益がある場合には法人税が課されます。

一方、会社分割は取引行為ではないため、消費税の課税はありません。また、要件を満たせば、不動産取得税なども軽減措置の適用が可能です。

事業譲渡が選ばれるのは、主に次のようなケースです。

  • 売り手企業が資金調達を急いでいる
  • 引き継ぐもの、引き継がないものを選びたい
  • 買い手企業において簿外債務の引き継ぎなどのリスクを避けたい
  • 売り手企業の後継者不在問題を解消したい

一方、会社分割は、次のような場合に選ばれます。

  • 資金の準備や税金のコストを抑えたい
  • 取引関係や従業員などの引き継ぎもまとめて行いたい
  • 財産の移転手続を簡易に済ませたい

どちらを選ぶかは会社の具体的な事情を考え、慎重な判断が必要です。迷う場合は、M&Aの経験と実績が豊富なM&A仲介会社などの専門家に相談をしながら進めるとよいでしょう。

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債権者保護手続きの方法・流れ

ここでは、実際の債権者保護手続きの方法を説明します。主な債権者保護手続きは以下のとおりです。

  • 官報への公告
  • 債権者への個別催告
  • 債権者からの異議への対応

上記のうち、債権者への個別催告は省略できる場合があります。それぞれの内容を確認しましょう。

官報への公告

会社法では、債権者保護手続きとして、まず官報に公告を掲載することが決められています。官報とは、内閣府の管理のもと、独立行政法人国立印刷局が発行している国の機関紙です(日刊ただし行政機関の休日を除く)。

公告を掲載するには、各都道府県にある官報販売所に申し込みます。債権者保護手続きにおける公告の掲載内容は以下のとおりです。

事業譲渡、合併、会社分割、株式交換、株式移転などのうち実際に行うM&Aスキームの表明
当事会社(相手方)の会社名・住所
当事会社の計算書類(法務省令で定められたもの)
債権者が異議を述べられる期間(1ヶ月以上)
公告の掲載料金は、普通1枠の場合、37,165円(税込)です(2023年5月時点)。

債権者への個別催告を行う

債権者保護手続きでは、官報への公告と同時に債権者への個別催告も行わなくてはいけません。具体的には、官報公告と同一内容の書類を郵送します。

なお、定款で「債権者保護手続きの公告は、官報以外に電子公告または日刊新聞紙で行う」と定めている場合は、そのとおり電子公告または日刊新聞紙への掲載を行うことで、個別催告を省略可能です。

債権者から異議を唱えられた場合

官報公告および個別催告で示した異議の受付期間内に、債権者から異議が申し立てられた場合、会社側は以下の対応のいずれかを行わなければなりません。

  • 債務の弁済
  • 債務と同等の担保の提供
  • 債務と同等の財産の信託

債権者からの異議に対し、債権者に不利益は生じないことを立証できれば、債務の弁済を行わずにすみます。また、異議の受付期間内に債権者から何も連絡がなければ、異議はないとみなして事業譲渡などのM&Aの実行となります。

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債権者保護手続きを行う場合の注意点

最後に、債権者保護手続きの際の注意点を述べます。

  • 債権者への説明
  • スケジュール管理
  • 債権者への個別催告手配
  • 異議受付期間の設定

以上の4点で間違いが発生しないよう注意が必要です。

債権者へしっかり説明する

M&Aの実施で債権者には債権回収のリスクが発生する可能性があるため、異議を述べる機会を与えなければなりません。そのためには、組織再編の内容についてしっかりと説明することが大切です。債権者の合意を得るためには、なぜ会社を再編する必要があるのか、再編によりどのような状況になる見通しがあるのかを説明し、債権者の納得を得ることが重要です。

事業譲渡の場合は、事業を売却することで売り手企業にはまとまった資金が入り、資金を元手に事業を拡大して企業を成長させることができます。

会社の売却や廃業ではなく、会社自体は存続し、従業員や取引先も引き継げる点もメリットです。会社を存続させながら立て直しできるという事業譲渡のメリットを押し出すとよいでしょう。

スケジュール管理を適切に行う

債権者保護手続きは、官報掲載や個別催告に時間がかかるため、適切なスケジュール管理が不可欠です。官報は、申し込んでから掲載までに1週間〜2週間ほどかかります。官報公告は最低でも1ヶ月は掲載する必要があり、登記申請日に間に合うよう、余裕をもってスケジュールを組まなければなりません。

組織再編の登記申請では、債権者保護手続きを行ったことを証明する書面の提出が必要です。債権者保護手続きが完了していないにもかかわらず登記を申請すれば、組織再編そのものがやり直しになる可能性があるため、スケジュール管理には十分注意してください。

債権者への個別催告に漏れがないか確認する

仮に債権者への個別催告に抜けがあった場合、後になってそれが発覚すれば、債権者保護手続きが不適正だとみなされてしまいます。

そして、事業譲渡などのM&Aの実施が無効とされてしまっては一大事です。債権者が多いケースでは、特に少額の債権者を見落としてしまう傾向があります。念入りに管理・チェック体制を敷く必要があるでしょう。

また、この問題を未然に防ぐ最大の対策は定款の定めです。先述したように、電子公告または日刊新聞紙で債権者保護手続きの公告を行う旨を定めておけば、債権者への個別催告を省略できます。

定款の変更には株主総会決議が必要ですが、債権者保護手続きでの間違いを予防するためには、機会を見て株主総会の議案に加えることをおすすめします。

官報公告へ通知後に1カ月以上の異議受付期間を確保する

会社法では、債権者保護手続きにおける異議の受付期間は、官報公告および個別催告から1ヶ月以上と定められています。この期間設定を間違い、1ヶ月未満だったりした場合、債権者保護手続きは不適正とみなされるでしょう。

もう一度、適正に債権者保護手続きのやり直しになるか、実行してしまった事業譲渡などは無効扱いとなるでしょう。

期間設定で注意したいのは、まず、官報公告の掲載日を確認してから、期間設定をすることです。次に、個別催告で郵送に費やす日にちを換算しなければなりません。

個別催告は、書類が債権者の手元に届いたときから受付期間の開始となります。その分も換算した受付期間になるよう注意が必要です。

結局のところ、異議受付期間の問題も踏まえると、個別催告を省略できる定款の変更は必要性が高いといえるでしょう。

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まとめ

事業譲渡では、債権者保護手続きを行う会社法上の義務はありません。ただし、債権者に何らかの不利益が生じる可能性のある場合は、事業譲渡でも債権者保護手続きを行った方が間違いないでしょう。

株式交換と株式移転も債権者保護手続きを行う法的義務はありませんが、事業譲渡と同じく、債権者の不利益が予想される場合には債権者保護手続きが必要になります。一方、組織再編行為である会社分割と合併は、債権者保護手続きが必須です。

債権者保護手続きを行う際には、官報への公告や債権者への個別催告、債権者からの異議への対応などの手続きが必要であり、時間がかかります。債権者保護手続きを行った書類がないと登記申請ができないため、スケジュール管理をしっかり行わなければなりません。

債権者保護手続きには他にも注意点があるため、M&A仲介会社など専門家のアドバイスを受けながら進めるのが得策といえるでしょう。

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