キャピタルゲインとインカムゲインの意味の違いを解説
2024年6月21日
このページのまとめ
- キャピタルゲインとは資産を売却した際に得られる利益のこと
- インカムゲインとは金融商品を保有している間に得られる利益のこと
- キャピタルゲインでは、短期間で大きな利益を得られる可能性がある
- インカムゲインでは、長期的に安定した収益を見込める
- 運用資金の金額やリスク許容度を考慮して運用方法を決める
資産運用をする場合、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを狙うべきだろうかと、悩む方もいることでしょう。それぞれの運用方法には、異なるメリットとデメリットがあるため、その違いを理解することが先決です。
本記事では、キャピタルゲインとインカムゲインについて、メリットやデメリット、またそれぞれの資産運用に向いている人の特徴について解説しています。さらに、税金についてもお伝えしますので参考にしてください。
目次
キャピタルゲインとインカムゲインの違い
ここでは、キャピタルゲインとインカムゲインの違いをお伝えします。大まかな違いは、次のとおりです。
投資方法 | キャピタルゲイン | インカムゲイン |
特徴 | 資産を売却する際に得られる利益 | 資産を保有している際に得られる利益 |
メリット | 短期的に大きな利益を得られる可能性がある | 安定的に利益を得られる |
デメリット | 損失を出すこともある | 短期間で大きな利益は得られない |
次に、それぞれの違いについて詳しく解説します。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、資産を売却した際に得られる利益のことです。たとえば、株式などの金融商品を安いときに購入し、価格が上がったところを見計らって売却すれば売却益を得られます。この際に得られる売却益が、キャピタルゲインです。
キャピタルゲインの特徴は、短期的に大きな利益を得られる可能性があることです。しかし購入したときよりも値段が下がる場合もあり、下がったときに売却せざるをえないと損失が生じます。これをキャピタルロスといいます。
キャピタルゲインを得る主な方法は、株式投資や不動産投資、暗号資産、FX取引などです。
メリット
キャピタルゲインのメリットは、短期的かつ効率的に大きな利益を得られることです。株式投資や暗号資産、FX取引などは、1年で数倍になる場合もあります。
デメリット
キャピタルゲインのデメリットは、購入したときよりも値段が下がり、損失を招く可能性があることです。売却のタイミングが遅れてしまうと、想定以上の損失が生じる場合があります。
キャピタルゲインを狙う場合は、売買のタイミングを逃さないように、こまめな値動きのチェックが必要です。
また、経済危機や戦争などの地政学的問題が生じた場合に、価格が暴落することは珍しくありません。一旦、暴落し始めると、売却したくても売却できないといった状況に陥り、損失が大きく膨らむこともあります。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、金融商品を保有している間に得られる利益のことです。株式の配当金や投資信託の分配金、債権の利息、不動産投資の家賃収入などを指します。
メリット
インカムゲインのメリットは、資産を保有している間は利益を安定的に得られることです。一般的に、配当金や分配金、利息などが大きく変動することはありません。年間で得られる利益を予想しやすく、資産管理をしやすいのが特徴です。
また、価格変動に応じて売り時を考慮しなくてもよいため、落ち着いて運用できるのもポイントでしょう。こまめな値動きのチェックも基本的には必要ありません。
デメリット
インカムゲインのデメリットは、それほど大きな利益を見込めないことです。たとえば、株式の配当金は株価の数%ほどです。投資金額が数億円と大きい場合は、ある程度の利益を見込めますが、まとまった資金がない場合は得られる利益も小さくなります。
比較的、安定した収入が期待できますが、リスクがないわけではありません。たとえば株式の配当金は、株式を発行している会社の業績により廃止される場合があります。
また不動産の家賃収入は、入居者の状況にかなり影響を受けます。空き室が多くなると、家賃収入よりもローンの支払いのほうが大きくなり、赤字になることもあるでしょう。
どちらの資産運用が向いている?
キャピタルゲインとインカムゲインでは、利益を得る方法が異なります。またメリットやデメリットも違うため、目的にあった資産方法を選ぶことが大切です。
ここでは、それぞれの資産運用に向いている人を詳しくお伝えします。
キャピタルゲインでの運用が向いている人
キャピタルゲインでの資産運用が向いているのは、短期間に利益を出したい人です。さらに、株価や為替取引の情報、暗号資産の値動きなど、頻繁に値動きをチェックする時間が取れる人のほうが適しているでしょう。
また、どちらの運用が向いているのか、資産状況によっても異なります。キャピタルゲインはリスクの大きい運用方法のため、資産に余裕があり、ある程度のリスクを取れる人におすすめです。
リスクを負ってでも短期的に資産を増やしたい人は、運用方法についてしっかりと学ぶ必要があります。
インカムゲインでの運用に向いている人
インカムゲインでの運用が向いているのは、安定的に利益を得たい人です。配当金や分配金は、価格の変動がほとんどなく安定した利益を見込めるため、落ち着いて資産運用したい人にぴったりです。また、売買のための値動きを頻繁にチェックする必要もないため、忙しい社会人にも適しています。
ただし、それなりの利益を得るには、ある程度まとまった投資金額が必要です。そのため、大きな資金を準備できる人におすすめの方法といえるでしょう。
なお、実際に資産運用する場合は、どちらかに偏るのではなく、キャピタルゲインとインカムゲインの両方をバランスよく活用するのが賢いやり方です。たとえば、資産の3割程度でキャピタルゲインを狙い、残りの7割程度で安定したインカムゲインを得るといった方法です。
キャピタルゲインにかかる税金
資産運用でキャピタルゲインを得た場合、確定申告をして、納税する必要があります。利益を得たからといってすべて使ってしまうのではなく、税金分は使わずに取っておかなければなりません。そのためにも、税金について理解しておくことが大切です。
ここでは、運用方法による主な税率を説明します。以下に、税率の違いを表にまとめました。
運用方法 | 収益の方法 | 税率(%) | |
株式投資 | 株式の売却 | 20.315 | |
投資信託 | 投資信託の売却 | 20.315 | |
不動産投資 | 短期譲渡所得 (所有期間5年以下) | 39.630 | |
長期譲渡所得 (所有期間5年超) | 20.315 | ||
暗号資産 | 暗号資産の売却 | 15.105〜55.95 | |
FX取引 | 外貨の売却 | 20.315 |
参照元:国税庁「株式・配当・利子と税」
参照元:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
参照元:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
参照元:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和5年12月)」
参照元:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
キャピタルゲインにかかる税率は、ほとんどが20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。ただし暗号資産は、得られた利益によっては最大55.95%の税率(所得税45%+住民税10%+復興特別所得税0.95%)がかかるため注意しましょう。
不動産投資は、所有している期間によって税率が異なります。5年を超えて保有しておくことで、節税が可能です。
ほかにも、キャピタルゲインを得る方法として、M&Aによる会社売却があります。会社のオーナーであれば、自社を売却することで、大きな利益を得られる可能性があります。会社売却にはさまざまな手続きが必要なため、実際に会社売却をする際は、M&A仲介会社のような専門家に相談するほうが安心です。
インカムゲインにかかる税金
インカムゲインにおいても、キャピタルゲインと同様に税金を収める必要があります。主なインカムゲインにかかる税率は、次のとおりです。
運用方法 | 収益の方法 | 税率(%) |
株式投資 | 配当金 | 20.315 |
投資信託 | 普通分配金 | 20.315 |
特別分配金 | 非課税 | |
不動産投資 | 不動産所得 | 総合課税 |
FX取引 | スワップポイント | 20.315 |
参照元:国税庁「株式・配当・利子と税」
参照元:国税庁「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
参照元:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
インカムゲインでは、確定申告が必要なものと、そうでないものがあるため注意が必要です。
株式投資における配当金には所得税がかかりますが、源泉徴収されて支払われるため、確定申告は不要です。投資信託では、普通配当金は確定申告が必要ですが、特別分配金は非課税で必要ありません。特別分配金とは、元本割れが起きたときに元本を切り崩して分配されるお金のことです。
不動産投資においても、家賃収入があれば、確定申告をして納税しなければなりません。また、FX取引のスワップポイントで利益を得た場合も確定申告が必要です。スワップポイントとは、通貨を保有している間につく利息のことです。
まとめ
資産運用で得られる利益は、キャピタルゲインとインカムゲインに分けられます。キャピタルゲインは、短期間で大きな利益を得る可能性がありますが、損失を抱えることもあるため注意が必要です。一方、インカムゲインは安定的に得られる利益ですが、短期的に資産を大きくしたいという方には向いていません。
どちらの運用方法についても、それぞれメリットとデメリットがあるため、投資金額や許容リスク、運用にかける時間などを考慮し、目的にあった方法を選択することが大切です。
ほかにも、会社のオーナーであれば、自社を売却することでキャピタルゲインを得られる可能性があります。M&Aで自社を売却する場合は、専門家への相談が欠かせません。
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