個人事業主による事業譲渡の手続き、税金、注意点、成功のポイント

2024年4月26日

個人事業主による事業譲渡の手続き、税金、注意点、成功のポイント

このページのまとめ

  • 個人事業主が事業譲渡する方法は「贈与」「相続」「M&A」の3つがある
  • 個人事業主の事業譲渡では、自己破産の時期や資産の引き継ぎなど注意すべき点がある
  • 事業譲渡の方法によって贈与税や相続税、所得税が発生する
  • 事業承継税制の活用により、所得税や贈与税の免除・猶予を受けられる
  • 事業譲渡では、事業価値を高めてからの譲渡が重要

個人事業主の方で、事業譲渡を考えている場合、どういった方法があるのか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。結論からいうと、個人事業主が事業譲渡を行う方法は「贈与」「相続」「M&A」の3つです。今回は個人事業主の事業譲渡について、方法や手続きの流れや注意点、税金、成功のポイントなどを解説していきます。

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個人事業主の事業譲渡とは

個人事業主の事業譲渡(事業売却)は法人とは異なります。

  • 事業売却とは
  • 事業売却の種類

この章では、上記の順に個人事業主の事業譲渡について説明します。

事業売却とは

事業売却とは、その名のとおり事業を売却することです。事業の一部、または全部を第三者に譲渡(売却)するため、事業譲渡とも言われます。売却する「事業」には、取引先、仕入先、販路といった経済価値があるものが含まれるケースもあります。

個人事業主が事業売却をするメリットとしては「まとまった売却益を得られる」、「跡継ぎ問題の解消」、「債務・債権からの解放」などが挙げられます。一方、「売却まで時間がかかる」、「従業員の雇用を継続できない」といったデメリットがある点は留意しておきましょう。

関連記事:M&Aにおける事業譲渡とは?メリット・デメリット、手続き・ポイントなどを解説

事業売却の種類

個人事業主が事業を売却する方法は主に次の3つです。

  • 相続
  • 贈与
  • M&A

相続は個人事業主の死後、親族や従業員が事業を引き継ぐケースです。相続の際には10~55%の相続税がかかるので、後継者の負担が大きくなる傾向にあります。

贈与は生前に事業を無償で譲渡する方法です。後継者の教育や成長を見守りたい場合に最適な選択です。相続と同じく贈与にも10~55%の税金がかかりますが、同じ金額を引き継ぐにしても相続税よりも税率が高くなりやすいことから、選択する人は少ないでしょう。

最後にM&Aとは、第三者の会社・個人に事業を譲渡する方法です。譲渡先を見つけるためにM&A仲介会社やM&A仲介サービスなどを利用する場合、仲介手数料はかかりますが、後継者に相続税や贈与税が課されない点は大きなメリットです。

参照元:
国税庁「相続税の税率
国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)

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個人事業主の事業譲渡の手続きの流れ

次に個人事業主が事業を譲渡する際に必要な手続きの流れを、譲渡側と譲受側に分けて見ていきましょう。

譲渡の場合

譲渡(売り手)側の手続きでは、次の書類を税務署に提出します。

書類提出先提出期限備考
廃業届出書管轄の税務署および都道府県税事務所事業廃止から1ヶ月以内書き方・期限は各都道府県によって異なる
青色申告の取りやめ届出書管轄の税務署青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日まで
事業廃止届出書管轄の税務署提出期限はないが、事業廃止後、早めに提出する
所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書管轄の税務署年2回の申請が必要
・7月1日~7月15日
・11月1日~11月15日
申告納税予定額がわかる書類を添付する

書き方や期限は都道府県によって異なるため注意しましょう。

必ず提出する書類

個人事業主の事業譲渡に際して「廃業届出書」の提出は原則必須となります。青色申告を行ってきた個人事業主は、廃業届と併せて所得税の「青色申告の取りやめ届出書」を所轄税務署に提出する必要があります。また、消費税の課税事業者であった場合には、消費税法57条に基づいて「事業廃止届出書」も提出します。

状況に応じて提出する書類

事業譲渡に伴って廃業すると、前年度と比べて納税額が減少し、予定納税していた金額が多い状態になり得ます。そのため、必要に応じて「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を提出することがおすすめです。提出内容に問題がなければ、予定納税の金額が減少し、負担が軽減されます。

予定納税は第1期と第2期の2回あり、どちらも減額申請したい場合には当年の7月1日から7月15日まで、第2期分のみ減額申請する場合には当年の11月1日から11月15日までに提出する必要があります。提出期限日が土日祝日である場合には、それらの日の翌日が期限となります。

これらの手続きが終わったら、譲受側が事業を続けていくためにも取引先に事業を譲渡したことを説明しておきましょう。

事業譲渡契約書

また、法人による事業譲渡と同様に、各種資産や契約は個別に移転させる必要があります。

第三者とのM&Aを目的とした事業譲渡では、条件面の交渉や事業譲渡契約書の締結などの手続きも実施します(譲受側も同様)。事業譲渡契約書の内容は法的に決まっていませんが、「譲渡する事業内容」、「譲渡日」、「譲渡金額」など必要事項を記載しておきましょう。

参照元:国税庁「A1-3 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続

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譲受の場合

次に譲受(買い手)側の手続きを紹介します。個人が買い取った場合は、次の書類を各所に提出します。

書類提出先提出期限備考
開業届出書管轄の税務署事業を開始した日から1ヶ月以内に提出する屋号を引き継ぐ場合は、開業届に記載する
※商号登録されている場合は、法務局での手続きが必要
所得税の青色申告承認申告書管轄の税務署最初に青色申告をしようとする年の3月15日まで
青色事業専従者給与に関する届出書管轄の税務署給与を経費にする年の3月15日まで家族と事業を行っている場合のみ
雇用契約書従業員を雇用する場合のみ

個人事業主として事業を開始するため、管轄税務署への「開業届出書」の提出が不可欠です。また、必須ではないものの「所得税の青色申告承認申請書」の提出がおすすめです。書類によって青色申告が認められると、繰越控除や特別控除の活用により、白色申告と比較して税金面で多くの恩恵を得られます。

ほかにも、家族と一緒に事業を行う場合には税務署への「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出、事業譲渡で譲渡側から引き継いだ従業員を引き続き雇う場合には「雇用契約書」の締結が必要です。

なお、個人事業主のなかには、飲食業や不動産など許認可を必要とする事業を行っている場合があります。これらの事業を行っている場合、事業を譲渡したとしても許認可は引き継がれません。そのため、上記に加えて譲受側は許認可の再申請を行う必要があります。

また、事業用の資産や各種契約に関しては、法人間の事業譲渡と同様に個別での引き継ぎが求められます。

関連記事:「個人事業主の事業承継の手続きを紹介!かかる税金や節税方法も解説します」

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個人事業主の事業譲渡の注意点

個人事業主が事業譲渡を行う際には、次の点に注意が必要です。

  • 自己破産の時期
  • 資産の引き継ぎ
  • 従業員の雇用
  • 取引先

事業譲渡ではタイミングが悪いと損をすることになります。また、法律や税金に関することも多いため、可能であれば専門家を入れて進めるのが望ましいでしょう。

自己破産の時期

事業譲渡と自己破産を組み合わせる際には、自己破産を早めに申請しておく必要があります。なぜなら自己破産後、もしくは自己破産の直前に事業譲渡を行ってしまうと、制度濫用とみなされ事業譲渡が否認される可能性があるからです。

破産管財人(※)の判断にもよりますが、事業譲渡が否認された場合、事業に必要な資産を処分されるおそれが出てきます。後継者の負担が大きくなるため、自己破産と事業譲渡をセットで行う場合は、早めに自己破産申請をしておきましょう。その際、破産管財人には事業譲渡契約書の内容に沿って、事業譲渡の必要性を説明しておくことをおすすめします。

※破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者(破産法2条12項)

資産の引き継ぎ

事業の譲渡に伴い、資産を引き継ぐ場合は次の点に注意しておきましょう。

事業・資産の種類注意点
建物・車適切な減価償却処理をされているか確認しておく
有価証券基準日でいくらの価値があるのかを確認しておく
賃貸事業敷金・保証金の契約内容を確認しておく
不動産買取り資金があるか、なければ準備が必要
現金・預貯金帳簿の金額と合うかどうか確認しておく
負債借入金額・返済計画等を確認しておく

資産とひと言でいってもさまざまな種類があります。税金が関係してくるものが多々出てくることもあるので、のちのちトラブルにならないよう、専門家の力を借りて引き継ぎすることをおすすめします。

従業員の雇用

個人事業主で従業員を雇用していた場合、事業譲渡により従業員との雇用契約は一旦切れます。そのため、譲受側が従業員の引き継ぎを望み、従業員側も雇用を希望する場合は雇用契約書の締結が必要になります。

そのほか、条件に応じて社会保険の手続きが発生するので、速やかに対応しましょう。

取引先

個人事業主の場合は人間関係によって成り立っていた取引先もあるので、事業を譲渡し、社長が変わることで取引が終わることも珍しくありません。譲渡後に売上がガクッと落ちることも予想できるので、後継者のためにもできれば取引を継続させたいところです。

事業譲渡後も変わらず取引してもらうためには、譲渡前からの準備が必須。取引先への挨拶周りは当然として、事業を譲渡するまでの間にできるだけ取引を継続してもらえるよう関係構築を進めていきましょう。

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個人事業主による事業譲渡の税金

個人事業主が事業を譲渡する際には税金がかかります。課される税金は相続・贈与の場合とM&Aの場合で異なります。

  • 相続と贈与の場合
  • M&Aの場合

相続・贈与とM&Aに分けて、事業譲渡で主に課される税金や、状況次第で課される税金を解説します。

相続と贈与の場合

相続もしくは贈与により、事業を譲渡する場合は、それぞれ次の税金が課されます。

譲渡方法課される税金税率
相続相続税10~55%
贈与税贈与税10~55%

税率は事業資産の金額に応じて変動しますが、相続税と贈与税では金額による税率が異なります。たとえば事業資産が3,000万円ある場合、相続時の税率は15%で控除額が50万円なので、400万円の相続税が発生します。

■相続税の税率

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

一方、贈与税の場合は贈与する人とされる人の関係性によって税率が異なります。贈与される人が18歳以上の場合は、45%の税率が適用されるので1,085万円を税金として支払うことになります。

兄弟間・夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が18歳未満の場合など

基礎控除後の課税価格税 率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

参照元:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

祖父母から孫への贈与、親から子への贈与で子が18歳以上の場合など

基礎控除後の課税価格税 率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

参照元:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

M&Aの場合

譲渡側に所得税、譲受側に消費税が課されます。

所得税

売却益に対して所得税が課されます。譲渡の対象物によって所得区分は異なり、総合課税か分離課税のどちらで所得税を計算するかが変わってきます。

譲渡の対象物所得区分・課税方式
土地・建物譲渡所得・分離課税
棚卸資産事業所得・総合課税
少額減価償却資産事業所得・総合課税
営業権譲渡所得・総合課税
その他資産(備品や車両運搬具など)譲渡所得・総合課税

土地・建物は分離課税となるため、譲渡所得を計算し、ほかの所得とは合算せずに税金を計算します。譲渡所得は、「譲渡価格 – ( 取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額の計算式で算出します。課税額の計算は、土地・建物の所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)と、5年以下の場合(短期譲渡所得)によって、以下のとおり異なります。

  • 長期譲渡所得:譲渡所得×15%
  • 短期譲渡所得:譲渡所得×30%

土地・建物以外の資産は総合課税となるため、ほかの所得と合算した上で税金(税率は最大45%)を計算します。ただし、所得区分が異なると、以下のとおり所得の計算方法が変わってくる点に注意です。

所得区分所得の計算式
事業所得総収入金額-必要経費
譲渡所得(総合課税)長期譲渡所得:譲渡価格  -(取得費 + 譲渡費用) -特別控除額×1/2
短期譲渡所得:譲渡価格 -( 取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額
※特別控除額は最大50万円

なお、本記事では割愛していますが、住民税や特別復興所得税も課されます。

消費税

事業譲渡では消費税も課されます。譲渡対象物のうち、課税資産に対してその時点での消費税率をかけることで、納税する金額を算出します。土地や株式等の有価証券、売掛金等の債権には消費税が課されません。

参照元:
国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
国税庁「No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
国税庁「No.6201 非課税となる取引

その他の税金

上記以外では、M&Aにおいて「償却資産税」、「固定資産税」、「都市計画税」の対象となる資産が含まれている場合は、譲渡後に譲受側に支払い義務が生じます。贈与やM&A(場合によっては相続も含む)によって不動産を引き継いだ場合は、原則として「不動産取得税」の支払いも忘れてはいけません。また、相続・贈与およびM&Aに共通して、不動産の登記に伴い、登録免許税の支払いが発生する場合もあります。

関連記事:「M&Aにおける事業譲渡とは?メリット・デメリット、手続き・ポイントなどを解説

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個人事業主の事業譲渡で役立つ事業承継税制とは?

税制改正により、2019年4月1日から個人事業主向けの事業承継税制が創設されました。制度の概要や利用条件、注意点を解説します。

事業承継税制とは

2019年から2028年までに贈与・相続等で特定事業用資産(以下、事業用資産)を承継した場合に、一定要件を満たすことで贈与税・相続税の全額が猶予または免除される制度です。

制度活用により、後継者は納税資金を確保する必要がなくなるため、事業承継が円滑に実現しやすくなります。また、納税ではなく事業に資金を回すことで、事業の成長にもつながるでしょう。

個人事業主が事業承継税制を利用する要件

贈与税・相続税の猶予または免除を受ける要件を解説します。

後継者(受贈者・相続人等)の要件

贈与の場合、受贈者は以下の要件を満たす必要があります。

  • 贈与日に18歳以上である
  • 円滑化法の認定を受けている(※1)
  • 贈与日まで3年以上にわたって、事業用資産に関係する事業に従事していた
  • 贈与税の申告期限において、青色申告の承認を受けている
  • 一定の事業(資産管理事業など)に該当しない(※2)

相続の場合、相続人等は以下の要件を満たす必要があります。

  • 円滑化法の認定を受けている(※1と同様)
  • 相続開始直前の時点で、事業用資産に関係する事業に従事していた(先代事業者等が60歳未満で死亡したケースを除く)
  • 相続税申告期限までに青色申告の承認を受けている(見込み含む)
  • 一定の事業(資産管理事業など)に該当しない(※2と同様)
  • 相続などで財産を取得した者が、事業用宅地等に関して小規模宅地等の特例適用を受けていない

贈与人・被相続人の要件

贈与では、贈与人が誰かによって以下のとおり要件が異なります。

贈与人要件
先代事業者・廃業届出書を提出している、または贈与税申告期限までに提出する見込みである
・贈与日が属する年、その前年および前々年の確定申告が青色申告である
先代事業者以外・先代事業者の相続開始または贈与直前において、先代事業者と生計を共にしている親族である(※3)
・先代事業者からの贈与または相続後に、事業用資産の贈与を行っている

相続でも同様に、被相続人が誰かによって以下のとおり要件が異なります。

被相続人要件
先代事業者・相続開始日が属する年、その前年および前々年の確定申告が青色申告である
先代事業者以外・先代事業者の相続開始または贈与直前において、先代事業者と生計を共にしている親族である(※3と同様)
・先代事業者からの贈与または相続後に始まった相続に関する被相続人である

猶予に関するその他要件

上記以外では、主に下記要件を満たす必要があります。

  • 個人事業承継計画の策定・提出・確認を済ませる(2026年3月31日まで)
  • 「特定事業用資産」が対象である
  • 担保を税務署に提供する
  • 申告後も事業を継続し、事業用資産を保有し続ける

免除の要件

主に、以下の要件を満たした場合に猶予されていた税金の納付が免除されます。

  • 先代事業者や後継者が死亡する
  • 特定申告期限の翌日から5年経過した日よりも後に、全事業用資産の「免除対象贈与」を実施する
  • やむを得ない理由によって事業継続ができなくなる
  • 破産手続開始の決定などがある
  • 事業継続が困難な一定理由が生じた際に、全事業用資産の譲渡または事業廃止を行う

事業承継税制を利用する際の注意点

主に以下の点に注意が必要です。

  • 不動産取得税や登録免許税は対象外となる
  • 贈与の場合、事業用資産の「全て」を対象とする必要がある
  • 小規模宅地等の特例を活用する場合、事業承継税制の適用に制限がかかる

特に、事業承継税制と小規模宅地等の特例の選択に当たっては、後継者以外の相続人との間でトラブルに発展するおそれがあるため、同意形成に向けた協議などを慎重に行うことが重要です。

参照元:国税庁「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし

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個人事業主が事業譲渡を行う際のポイント

最後に、個人事業主が事業譲渡を成功させるポイントを3つ紹介します。

1.事業価値を高めてから譲渡する

事業価値(事業の稼ぐ力)を高めることで、買収対象としての魅力が高まります。そのため、高い価格で譲渡したり、自社の希望条件を満たす買い手が見つかりやすくなります。また、親族への事業承継を目的とする場合も、後継者になることを引き受けてもらいやすくなります。

事業価値を高めるには、事業が有する強みを確立することが効果的です。たとえば、大手企業との取引を拡充したり、優秀な従業員を育成することが考えられます。

2.シナジーが最大化される譲渡先を選定する

想定されるシナジーが大きいほど、譲渡側と譲受側の双方にとって売上拡大やコスト削減の効果が大きいと考えられます。シナジー効果が大きいと考えられる候補と交渉することで、高値で事業売却したり、スムーズな交渉が成立する可能性が高まります。

また、M&A後に自社事業の成長性が高まり、従業員や取引先にも恩恵(待遇向上や売上増加など)がもたらされることも期待できるでしょう。

3.自社の強みを整理・アピールする

事業譲渡を成功させる(有利な条件で売却するなど)には、譲受側に強みや事業の価値を理解してもらう必要があります。そのためにも、まずは事業のビジネスモデルや外部環境を分析し、自社の強み(競争優位性)を整理することがおすすめです。

また、自社の強みが明確になったら、それを相手企業にアピールすることも不可欠です。客観的なデータや実績などの根拠があると説得力が増すでしょう。

関連記事:「廃業にかかる費用はいくら?法人と個人事業主の違いや手続きの流れを解説」

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まとめ

個人事業主が事業譲渡する場合は、贈与や相続、M&A等の方法があります。いずれの方法にしても法律や税金が絡んでくるので、各専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。

しかし、そもそも後継者が見つからない場合は、事業譲渡が進められません。その際には、M&Aが最適解だと言えます。M&Aを活用すれば後継者を探すことはもちろん、売却益により多額の資産を得られる可能性があるなどのメリットを享受できます。

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