M&Aでのオリジネーションとは?行われる業務や依頼時のポイントを解説

2023年2月24日

M&Aでのオリジネーションとは?行われる業務や依頼時のポイントを解説

このページのまとめ

  • オリジネーションとは買い手候補との交渉から基本合意書の締結までに行われる業務
  • オリジネーションの目的は最適なマッチング相手を探すこと
  • オリジネーションでは「M&Aの目標設定」や「戦略やスキームの提案」が行われる
  • オリジネーションを依頼する際は「目標の明確化」と「資料の準備」が重要
  • オリジネーションでは情報漏洩を防ぐために秘密保持契約を結んでおく

「M&Aで行われるオリジネーションとはどのようなプロセスだろう」と疑問に思う経営者も多いことでしょう。オリジネーションとは、買い手候補との交渉から、基本合意書締結までに行われる業務のことです。

M&Aを成立させるためには、M&A仲介会社にオリジネーションを依頼し、最適なマッチングを行ってもらうことが欠かせません。本コラムでは、依頼時のポイントや注意点を含めて、オリジネーションを解説します。

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M&Aでのオリジネーションとは 

オリジネーションとは、買い手候補との交渉から、基本合意書を締結するまでのプロセスで行われる、仲介会社が行う業務のことです。

具体的には、買い手との交渉で使用する資料の作成や、使用するM&A手法の選定、買い手との交渉などがオリジネーションに含まれます。

オリジネーションの実施前にはソーシング、実施後にはエグゼキューションと呼ばれるプロセスも存在します。

ソーシングとの違い

ソーシングとは、M&Aの案件探しとマッチングから、基本合意書締結までの業務のことです。オリジネーションもM&Aの初期段階の業務を指し、多少重複する箇所もあります。

ソーシングとオリジネーションを明確に分ける場合には、M&Aの案件を探す段階をソーシング、マッチングや条件提案の部分をオリジネーションに分類します。

ソーシングもオリジネーションも明確な定義はなく、一部重複すると覚えておきましょう。

エグゼキューションとの違い

エグゼキューションとは、基本合意書を締結したあとに行う業務のことです。具体的には、次のような業務がエグゼキューションに該当します。

  • デューデリジェンス
  • 最終条件の交渉
  • 最終契約書の締結
  • クロージングの実施

エグゼキューションには、契約書の締結やクロージングなど、企業の買収と売却を行う業務が含まれます。会社の買収などには専門的な知識が必要となり、弁護士や会計士のような専門家のサポートを受けながら実施します。

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オリジネーションを行う目的 

オリジネーションを行う目的は、売り手と買い手のマッチングです。売り手と買い手それぞれのニーズが合わなければ、交渉は成立しません。M&A仲介会社はマッチングを成立させるためにも、必要な準備を行います。

また、片方だけの利益を重視しても、M&Aは成功しません。売り手のメリットだけを追い求め、買い手の負担が大きくなってしまうと問題です。買い手にもメリットを与えられるように、M&A仲介会社は情報収集や資料作成を行い、M&A成立に向けて準備を行います。

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オリジネーションで行われる業務 

オリジネーションでは、次のような業務を実施します。

  1. M&Aの目標設定
  2. M&A仲介会社の選定
  3. 案件のマッチング
  4. ピッチング
  5. 企業調査と分析

それぞれの業務に関して、詳しく解説します。

1.M&Aの目標設定

オリジネーションでは、M&Aの目標設定を行います。目標を定めることで、プロセスをスムーズに進められるからです。

目標と合わせて、戦略も決めておくと良いでしょう。

2.M&A仲介会社の選定

M&Aをスムーズに進めるために、M&A仲介会社の選定も行います。M&A仲介会社にも、大手から中堅までさまざまな会社があるからです。

また、得意・不得意とする業種や業態も違うため、入念に確認しておきましょう。自社がこれから行う予定である案件の規模や業種に適したM&A仲介会社を選んでください。

3.案件のマッチング

買い手と売り手それぞれに最適な企業同士を探し出し、マッチングを行うことも求められます。片方だけのニーズや利益を求めてしまうと、良いマッチングではないため注意しましょう。

オリジネーションでは、買い手と売り手それぞれに対して交渉を持ちかけます。そのため、両者が納得できるポイントを探し出す能力や、妥協点で納得してもらう交渉力などが求められます。

4.ピッチング

ピッチングとは、買い手と売り手に対し、案件をどのようなM&Aスキームや戦略で進めるか提案し、納得してもらう業務です。

M&Aで多く用いられるM&Aスキームは、株式譲渡です。しかし、そのほかにも合併や分割、事業譲渡など異なるM&Aスキームもあります。

それぞれのスキームのメリットデメリットや、どのスキームが適しているかは専門家でなければ分かりません。M&Aを成功させるためにも、M&Aに精通している専門家が戦略を考え、提案を行います。

5.企業調査と分析

M&Aを成功させるためには、企業調査と分析が欠かせません。買い手と売り手それぞれの強みや弱み、業界の動向などを調べておく必要があります。

M&Aは手続きが終わった段階で成功するわけではありません。経営統合を行い、想定していたメリットを受けられることで成功になります。

メリットを享受し、継続させるためには、入念な調査と分析が必要です。特に、異業種での案件や、クロスボーダーM&Aを行う場合には、より入念な調査が必要になるでしょう。

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M&A仲介会社にオリジネーションを依頼する3つのポイント 

M&A仲介会社にオリジネーションを依頼する場合、次の3つのポイントを意識しましょう。

  1. M&Aの目的を明確にしておく
  2. 提示する資料をまとめておく
  3. 希望条件の優先順位を決める

それぞれのポイントに関して、解説します。

1.M&Aの目的を明確にしておく

M&A仲介会社に依頼する前に、M&Aの目的を明確にしておきましょう。目的が明確ではない場合、戦略を練ることができないからです。

たとえば、売却した利益の獲得が目的だとしましょう。その場合、より高く購入してもらえる、条件の良い企業と交渉するための戦略を考えることができます。

もし、M&Aを行う目的が不明瞭ではオリジネーションが実施できません。実施目的を明確にし、M&A仲介会社に伝えられるよう準備しておきましょう。

2.提示する資料をまとめておく

スムーズな準備ができるように、M&A仲介会社に提示する資料はまとめておきましょう。資料をまとめておくことで、戦略を決める際の判断材料にも活用できます。

たとえば、次のような資料を用意しておくと良いでしょう。

  • 自社の事業概要
  • 経営状況
  • M&A実施に至った経緯
  • 自社の強み
  • 自社の弱み

オリジネーションを行う際には、担当者が情報収集を行ったり、資料作成を行ったりします。提示できる情報はまとめて渡しておくと、スムーズに手続きが進むでしょう。

3.希望条件の優先順位を決める

交渉をスムーズに行うために、希望条件には優先順位を決めておきましょう。優先順位を決めておくことで、担当者が相手企業探しや交渉を行いやすくなるからです。

希望条件が増えれば増えるほど、すべての条件を満たす相手は見つかりにくくなります。また、交渉相手が見つかっても、交渉は難しくなるでしょう。

希望する条件と妥協点を決めておくと、相手探しはスムーズになります。すべての条件にこだわり過ぎず、優先順位は決めるようにしましょう。

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M&A仲介会社を選ぶ4つのポイント 

オリジネーションを行うためには、M&A仲介会社が欠かせません。M&A仲介会社を選ぶ際には、次のようなポイントを意識しましょう。

  1. 料金体系を確認する
  2. 担当者との相性を確認する
  3. 過去の実績で選ぶ
  4. 得意な業種を確認する

ここでは、それぞれのポイントに関して解説します。

1.料金体系を確認する

M&A仲介会社に依頼する際は、料金体系を確認するようにしましょう。完全報酬型であれば、手持ちの資金が不安な場合でも安心です。

もし、料金が高くて依頼料が払えなくなってしまうと、交渉中に契約を止めなければなりません。売り手でM&Aが中止になってしまうと、譲渡や事業承継ができずに、廃業を選ぶしかなくなる可能性もあります。

完全報酬型であれば、着手金や中間金が不要です。M&Aが成立した時点で支払いを行えるため、交渉成立まで資金が不安な場合でも依頼できます。

2.担当者との相性を確認する

依頼する担当者との相性が良いこともポイントです。実際に面談を行い、相性を確かめておきましょう。最近では、無料相談が実施できるM&A仲介会社も増加しています。

また、依頼しやすい位置にオフィスを構えていることも大切です。担当者との相性と合わせて、相談しやすい場所にあるか確認しておきましょう。

3.過去の実績で選ぶ

信頼できるM&A仲介会社を選ぶためには、過去の実績を確かめておくことも大切です。M&A仲介会社の経験はもちろん、担当者の経験や実績も確認しておきましょう。

M&Aでは必要になる業務が多く、専門的な知識も求められます。無料相談を行う際に、担当者にこれまで成約させてきた案件に関して聞いておきましょう。

4.得意な業種を確認する

M&A仲介会社が得意とする業種も確認しておきましょう。特定の業種を得意にしている場合、ネットワークが広く成功率を高められます。

また、M&A仲介会社のなかには、幅広い業種を得意とし、それぞれのネットワークを所持している場合もあります。

専門に扱っている業種はなにか、自社の案件に該当する分野は得意としているかなどを確認しておきましょう。

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オリジネーション依頼時の2つの注意点 

オリジネーションを依頼する際は、次の2つに注意しましょう。

  1. 情報漏洩が起きないようにする
  2. 秘密保持契約を結ぶ

それぞれの注意点に関して、解説します。

1.情報漏洩が起きないようにする

従業員や取引先などに、M&Aの情報漏洩が起きないようにしましょう。もし、従業員に知られてしまうと、会社が売却されてしまうかもしれないと混乱が起きます。会社の将来に不安を感じ、離職してしまう従業員も出てくるでしょう。

また、取引先に知られてしまうと、取引内容の変更や取引停止につながる恐れがあります。金融機関に知られてしまった場合には、資金調達ができなくなる恐れもあるでしょう。

情報漏洩が発生すると、従業員をはじめとする各所に影響を与えます。情報漏洩が起きないように、慎重に動くようにしましょう。

2.秘密保持契約を結ぶ

仲介会社に依頼する際は、秘密保持契約を結んでおきましょう。仲介会社に対して、自社の機密情報を伝える場合もあるからです。

秘密保持契約を結んでおけば、第三者に対しての情報漏洩を防ぐことができます。もし、情報流出が起きてしまった場合には、責任を問うことができるため、必ず秘密保持契約を締結しましょう。

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まとめ

M&Aを成功させるためには、オリジネーションで入念な準備を行うことが欠かせません。オリジネーションを行うことで、ふさわしいM&A相手を探せるようになるでしょう。

オリジネーションを行う際は、M&A仲介会社に依頼します。依頼前には、自社の情報を整理し、M&Aの目的を明確にしておきましょう。M&A仲介会社に伝えられる情報が増えるほど、オリジネーションが行いやすくなります。

依頼するM&A仲介会社を選ぶ際には、実績や相性で選ぶようにしましょう。自社で行うM&Aと同じ規模や業種の成約実績を持っていることが大切です。また、担当者との相性が良いと、コミュニケーションがスムーズになり、手続きも行いやすくなります。無料相談を実施しているM&A仲介会社も多いため、活用してください。

レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社は、各領域に特化したM&Aサービスを提供する仲介会社です。実績を積み重ねたコンサルタントが、相談から成約まで一貫してサポートを行っています。

オリジネーションに関するご相談もお待ちしています。

料金に関しては、M&Aの成約時に料金が発生する、完全成功報酬型です。

M&A成約まで、無料でご利用いただけます(譲受側のみ中間金あり)。

M&A実施に向けた、無料相談も実施しています。

オリジネーションを検討している際には、お気軽にお問い合わせください。