M&Aブティックとは?業務内容やメリット・注意点を解説

2024年8月16日

M&Aブティックとは?業務内容やメリット・注意点を解説

このページのまとめ

  • M&AブティックはM&Aのサポートを専門的に扱う組織のこと
  • M&Aブティックには、主に「M&A仲介会社」「メガバンク」「証券会社」などがある
  • M&Aブティックは、戦略のアドバイスや案件のマッチングなどを行う
  • M&Aブティックのメリットは、M&Aが効率よく進んで交渉が行いやすくなること

M&Aブティックにサポートを依頼したいが、具体的にどのようなことをしてくれるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。M&Aブティックにはさまざまな種類があり、得意な分野やサポート内容は異なります。

本記事では、M&Aブティックを利用するメリットや、業務内容・役割を解説します。選ぶポイントや依頼する際の注意点も紹介しますので、ぜひチェックしてください。

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M&Aブティックとは 

M&Aブティックとは、M&Aに特化した専門家やアドバイザリー集団のことです。個人ではなく、組織や集団になった場合に、ブティックと呼ばれます。

M&Aブティックは、「企業買収」「グループ統合」「組織再編」などをサポートする組織です。M&Aに精通しており、セルサイドとバイサイドの両面からアドバイスを行います。

また、M&Aブティックには、

  • M&A仲介会社
  • コンサルティングファーム
  • 銀行
  • 証券会社

などが含まれます。

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M&A仲介会社との違い

M&A仲介会社とは、M&Aを行う際に、売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場でサポートを行ってくれる会社です。M&A仲介会社はM&Aを専門的に扱うため、M&Aブティックのうちの1つに含まれます。

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M&Aアドバイザーとの違い

M&Aアドバイザーとは、M&Aを実施するサポートを行う専門家のことです。アドバイザーは個人を指すことが一般的であり、専門的な組織を示すM&Aブティックとは異なります。

M&Aアドバイザーが多く集まり、集団や組織になったものがコンサルティングファームです。コンサルティングファームであれば、M&Aを専門とする集団になるため、M&Aブティックに含まれます。

M&Aアドバイザーの場合は個人であることから、M&Aブティックには含まれないと覚えておきましょう。

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M&Aブティックの一覧

M&Aブティックの種類は多く、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。

M&Aブティック特徴
メガバンク・比較的規模の大きい案件を担当する
・みずほフィナンシャルグループなど
経営コンサルティングファーム・デューデリジェンスなどの専門性の高い業務に強みがある
・デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーなど
証券会社・金融サービスも含めた包括的サポートを行う
・野村證券など
外資系投資銀行・大規模案件に携わり、クロスボーダー案件が得意
・ゴールドマン・サックスなど
法律事務所・法的な側面からのM&Aをサポートする
・M&A総合法律事務所など
M&A仲介会社・中立的な立場でM&Aをサポートする
・レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社など

ここでは、代表的なM&Aブティックの特徴を紹介します。

メガバンク

メガバンクは金融業を主としていますが、豊富な経営資源を活用し、M&A業務を扱うケースも増えています。M&Aの専門部署を置くところも多く、大規模な案件をメインにM&Aをサポートしています。

主なメガバンクは、次のとおりです。

  • みずほフィナンシャルグループ
  • 三井住友フィナンシャルグループ
  • りそなホールディングス
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ

幅広い金融サービスとM&Aアドバイザリー業務を組み合わせて、包括的なサポートが可能です。

経営コンサルティングファーム

経営コンサルティングファームは、経営上の課題を解決するアドバイスや、M&Aも含めた幅広い経営上のサポートを行っています。

M&A戦略の策定や交渉の支援など、M&Aプロセス全体に関与します。とくに、専門性の高いデューデリジェンスの実施に強みがあるのが特徴です。

主な経営コンサルティングファームは、次のとおりです。

  • デロイトトーマツ
  • PwCアドバイザリー
  • アクセンチュア
  • KPMG FAS

経営コンサルティングファームは幅広い業界や専門分野に精通しているため、クライアントの目的に合わせた最適なM&A戦略の提案が期待できます。

証券会社

証券会社もM&Aを扱う会社は多く、専門部署を置くところもあります。M&A戦略の策定や企業価値の評価、交渉の支援など、幅広く対応しています。株式公開や資金調達などの金融サービスも含めた、総合的なサポートが可能です。

主な証券会社は次のとおりです。

  • 野村證券
  • 大和証券
  • SMBC日興証券

豊富なネットワークと専門知識を活かし、幅広い業界の案件に対応しています。

外資系投資銀行

外資系投資銀行でも、M&A業務を扱うところがあります。M&Aの戦略立案や候補先企業へのアプローチ・交渉、デューデリジェンスやクロージングなど、M&Aの各段階でアドバイスを行います。

主な外資系投資銀行は、次のとおりです。

  • ゴールドマン・サックス
  • モルガン・スタンレー
  • ラザード

とくに大手企業や公的機関などの大規模な案件に対応し、海外企業とのクロスボーダーM&Aも得意としています。

法律事務所

法律事務所は、法的な側面からM&Aをサポートします。 法的な視点からのM&Aリスクの洗い出し、秘密保持契約や最終契約などの契約締結を支援します。法的な拘束力のある契約は、法律の専門家にアドバイスを受けることが重要です。

主な法律事務所は、次のとおりです。

  • M&A総合法律事務所
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所

とくに法務デューデリジェンスでは、法律・M&Aの専門知識が求められるため、M&Aに強い法律事務所への依頼が欠かせません。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、買い手と売り手の仲介役となり、中立的な立場でM&Aをサポートする機関です。豊富な専門知識と経験で、相談から交渉、M&A成立までM&A取引の全般に関わり、円滑に進めるためのサポートを行います。

主なM&A仲介会社は、次のとおりです。

  • レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社
  • 日本M&Aセンター
  • M&Aキャピタルパートナーズ

M&A仲介会社では、デューデリジェンスの手配や法的手続きのサポートも可能です。

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M&Aブティックを利用する4つのメリット 

M&Aブティックを利用するメリットは、次の4つです。

  • 案件を探しやすくなる
  • M&Aが効率よく進む
  • 交渉が行いやすくなる
  • トラブルに対応しやすい

利用にあたって、どのようなメリットがあるかを確認しておきましょう。

1.案件を探しやすくなる

専門家に依頼を行うことで、M&Aの案件が探しやすくなるメリットがあります。M&Aブティックは独自のネットワークを持っていることが多く、多彩な案件を紹介してくれるからです。

これまでの経験から、自社の利益になる案件を紹介してもらいやすい点もポイントでしょう。

2.M&Aが効率よく進む

専門家のサポートを受けることで、M&Aが効率的に進むメリットもあります。知識や経験を持つM&Aブティックの力を借りることで、自社の作業量を減らすことができるでしょう。

取引を行う際には、「交渉相手の選定」「契約書作成」「企業調査」などさまざまな作業や手続きが必要です。通常の業務と並行して進めることは大変でしょう。専門家のサポートを受けることができれば、業務への支障をきたさずに、M&Aを実施できます。

3.交渉が行いやすくなる

交渉相手との交渉が行いやすくなる点もメリットです。仲介の役割を果たしてもらうことで、スムーズなコミュニケーションが実現できるでしょう。

交渉の場面では、相手に直接伝えにくい内容もあります。M&Aブティックが間に入ることで、直接の話し合いでは難しい内容も、上手く折り合いをつけることができます。

4.トラブルに対応しやすい

トラブルが発生した場合に、対応しやすい点もメリットになります。自社だけでは対応が難しい内容でも、慌てずに対処してもらえるでしょう。

M&Aは複雑な手続きが多く、トラブル発生も想定されます。豊富な知識と経験を持つM&Aブティックの支援を受けることができれば、最適な対応策を提案してもらえます。

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M&Aブティックの業務内容や役割 

M&Aブティックがどのような業務や役割を持っているか知っておきましょう。基本的には、次のような業務や役割を行っています。

  • M&A戦略のアドバイス
  • 案件のマッチング
  • 交渉のサポート
  • デューデリジェンス
  • バリュエーション
  • 契約書の作成
  • クロージング
  • PMI

それぞれの内容に関して解説するため、参考にしてください。

1.M&A戦略のアドバイス

M&Aを実施するためには、戦略を立てて進めることが大切です。M&Aブティックは専門的な知識を用いて、戦略のアドバイスを行ってくれます。

M&Aを初めて行う企業も多く、従業員もM&Aに関する知識や経験がないことがほとんどでしょう。専門家がいれば、知識や経験をもとにした最適なアドバイスを受けられます。

また、「事業譲渡」や「株式譲渡」のように、どの手法で実施するか決めることも必要になります。方法次第で関係する法律や発生する税金が変わるため、アドバイスをもらうことで最適な手法を選択できるようになるでしょう。

2.案件のマッチング

買い手や売り手が見つからなければ、M&Aは実施できません。M&Aブティックはネットワークを所持しており、最適な案件のマッチングを行ってくれます。

自社だけで案件を探しても、なかなか候補は見つかりません。案件はあっても、「シナジー効果が期待できない」「成長性が感じられない」などの理由で難しいこともあります。

M&Aブティックであれば、ノウハウや経験も豊富であり、自社の状況に合わせたマッチングを実施してもらえます。ただ案件を紹介するだけではなく、利益が出るように選定してもらえることもポイントです。

3.交渉のサポート

交渉をスムーズ進めるためのサポートも、M&Aブティックの役割です。当事者だけで交渉を進めてしまうと、議論が平行線になり、交渉が進まない場合があるからです。中立的な立場で交渉をサポートしてもらうことで、両社に利益が出るように交渉を行えるようになります。

また、交渉の場面では、相手企業に直接は伝えにくい内容も出てくるでしょう。自社が伝えにくい内容や要望も、M&Aブティックにお願いすると伝えやすくなる点もポイントです。

4.デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、売り手企業や事業の調査を行うことです。デューデリジェンスを行うことで、簿外債務や偶発債務を発見するなど、買収リスクを抑えることができます。

調査内容は専門的な内容が多く、自社だけでは実施が難しいプロセスです。調査範囲も広く、従業員に任せることはできないでしょう。

基本的には、法律面は弁護士、税金面は税理士のように各分野の専門家が対応します。M&Aブティックであれば、各種専門家が在籍していたり、連携をとっていたりする場合も多いため、依頼を行うことでデューデリジェンスが実施できます。

5.バリュエーション

バリュエーションとは、企業価値の算出を行うことです。買収金額を決めるためにも、正しい企業価値を算出する必要があります。

企業価値の算出方法は、一般的に次の3種類が使用されます。

  • コストアプローチ
  • マーケットアプローチ
  • インカムアプローチ

企業価値を適切に算出するためには、会計や財務に精通した専門家が欠かせません。また、より効果的にM&Aを行うためには、状況に応じて最適な算出方法を選ぶことも必要です。

自社では正確な企業価値算出が難しいことからも、M&Aブティックへの依頼が求められます。

6.契約書の作成

M&Aを行うためには、契約書の作成が必要です。契約書は法律にもとづいて作成する必要があり、弁護士のような専門家のアドバイスが求められます。

M&Aブティックは契約書作成の業務も行っており、自社で契約書が作成できないと不安になる必要はありません。誤った内容で契約書を作成してしまうリスクを下げる観点からも、M&Aブティックの役割が重要です。

7.クロージング

クロージングとは、経営権を移転させるために必要な手続きのことです。たとえば、株式譲渡でのクロージングは、「株券の引き渡し」「譲渡対価の支払い」「役員の改選」などが該当します。

クロージングを行うためには、契約書作成や契約書締結に向けた準備が必要です。その際にも、M&Aブティックのサポートが欠かせません。

8.PMI

PMIとは、M&Aの成立後に必要な、経営統合のプロセスのことです。M&Aで想定していたシナジー効果や売上増加などを実現するために、PMIを行います。

PMIの実施にもノウハウや経験が必要であり、M&Aを初めて行う企業の場合はPMIの実現が難しいでしょう。そのため、M&AブティックがPMIの実現に向けてサポートを行います。

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M&Aブティックを選ぶポイント

M&Aブティックを選ぶポイントは、主に次の2つです。

  • サービス内容が自社の目的と合っているか
  • 許容できる料金体系か

詳しくみていきましょう。

サービス内容が自社の目的と合っているか

M&Aブティックを選ぶときは、提供しているサービスが、M&Aを行う目的と合っているかの確認が必要です。

M&Aブティックは売り手側・買い手側のいずれかをサポートする、もしくは両者の間に立って仲介するといったスタンスの違いがあります。また、得意とする業界・業種、扱う規模、エリア、M&A手法など、あらゆる点で異なります。サポートの範囲や実績もさまざまです。

まずはどのような目的でM&Aを行うのかを明確にしてから、それに合致するM&Aブティックを探しましょう。

許容できる料金体系か

M&Aの手数料や成功報酬は高額になる傾向があり、自社で許容できる料金体系かどうかの確認が必要です。M&Aが成功しても、成功報酬が高額になれば、その後の経営に影響してくるでしょう。

M&A実施の各プロセスで必要になる手数料は、相談料や着手金、中間金、成功報酬などがあり、着手金・中間金はかからず成功報酬だけのM&Aブティックもあります。

契約前には必ず見積もりをとり、どのくらいの料金がかかるのかを把握しておきましょう。

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M&Aブティック利用時の2つの注意点 

M&Aブティックを利用する際は、次の2点に注意しましょう。

  • M&Aが成功するとは限らない
  • 多額の費用が掛かる

それぞれの注意点を解説します。

1.M&Aが成功するとは限らない

M&Aブティックを活用しても、必ずM&Aが成功するとは限らないため注意が必要です。一般的には、M&Aの成功確率は30%ほどとも言われています。もし、取引が失敗しても、責任を問うことができない点は覚えておきましょう。

ただし、M&Aブティックに依頼するほうが、M&Aの成功確率は上がります。過去の事例や失敗談などを参考に、アドバイスを行ってもらえるからです。必ず成功するわけではありませんが、成功させるためには専門家のアドバイスが必要になるでしょう。

2.多額の費用が掛かる

M&Aブティックに相談する場合、相談料が発生します。案件次第では、数百万から数千万が必要になるため覚えておきましょう。

具体的には、次のような費用が必要になります。

費用名内容金額相場
着手金依頼時に必要になる費用50万円から300万円
中間金交渉相手が見つかり、基本合意を行った時点で必要な費用予定している成功報酬の10%から20%
成功報酬取引成立時に支払う費用案件規模や算出方法によって異なる
リテイナーフィー月間報酬であり、毎月支払う費用月額10万から100万

M&Aブティックへの依頼には多額の費用が掛かるため、実施時には目的を明確にしてから行うようにしましょう。必要な資金を想定し、準備してからM&Aを行うことも大切です。

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まとめ

M&AブティックはM&Aを専門的に扱う組織です。M&A仲介会社や経営コンサルティングファームなど種類はさまざまで、提供するサービスは異なります。

M&Aの成功には専門的な知識が必要であり、自社の目的に合うM&Aブティックを見つけてサポートを依頼するとよいでしょう。

「どのM&Aブティックを選べばいいかよくわからない」「M&Aの一連の手続きをサポートしてもらいたい」という方は、レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社のご利用をご検討ください。各領域で実績を積み重ねたコンサルタントが在籍し、相談から成約まで一貫してサポートを行います。

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