このページのまとめ
- バイアウトとは、企業の株式を買収して経営権を手に入れる手法
- バイアウトは主に「MBO」「EBO」「MEBO」「LBO」という4種類がある
- バイアウトは社内の人間が、経営の立て直しや利益拡大を図るために行うことが多い
- バイアウトファンドとは、投資家から資金を集めて投資を行って収益を分配すること
- バイアウトを成功させるためには、企業価値や財務情報を把握することなどが大切
後継者不在や業績不振などから経営を立て直すため、バイアウトを行いたいと考えている方もいるのではないでしょうか。バイアウトは買い取る主体や目的によって4つの種類に分かれ、それぞれメリット・デメリットがあります。
本記事では、バイアウトの手法や成功させるポイント、イグジット・M&Aとの違いなどについて解説します。
目次
バイアウトに関する直近の動向
ベイン・アンド・カンパニー「2021年、日本のプライベート・エクイティ市場は過去最高水準を記録。取引額は約2.7兆円に」によると、2021年における日本国内のプライベート・エクイティ市場は、取引件数および取引額ともに過去最高を記録しています。取引額は前年比で160%増の約2.7兆円、取引件数は前年比45%増の134件となりました。
なお、プライベート・エクイティ(未公開株)投資とは、一般的に非上場企業に投資(≒バイアウト、買収)することを意味します。
さらに、経済産業省「公正な買収の在り方に関する研究会(第1回) 事務局説明資料」によると、国内におけるTOB(公開買付け)の件数および取引金額は、2008年から2014年にかけて減少傾向でしたが、2015年以降は再び増加に転じています。
上記より、上場企業を対象としたバイアウトは増加傾向であると言えます。
また、売り手側の視点に立つと、IPOの実現難易度が高いことから、「会社売却(≒バイアウトされること)」を選ぶ傾向が強くなっています。また、後継者不在の企業が事業承継の手段として会社売却を選ぶケースも増加傾向にあります。
上記より、売却ニーズの高まりに応じて、非上場企業を対象としたバイアウトも増加傾向であると言えます。
バイアウト増加の理由として、以下の2点が挙げられます。
- IPOの難易度上昇などを理由としたセルアウト需要の増大
- 経営状況の変化(スピード感のある意思決定の重要性の高まり)などを理由としたバイアウト需要の増大
また、「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、1995年から2015年の20年間において、経営者年齢の山は47歳から66歳に移動しており、経営者の高齢化が進んでいます。
それに伴い、事業引継ぎ支援センターの成約実績(≒M&Aのマッチング件数)も年々増加しています。
2025年までには、70歳を超える中小企業の経営者(小規模事業者を含む)がおよそ245万人となり、そのうち約半数は後継者未定になると予測されています。
上記により、事業承継を目的とした売却に対応する流れで、バイアウトはより一層活発化する可能性があると考えられます。
参照元:
Bain & Company「Japan Private Equity Transactions Reach Highest Level ever with Deal Value Hitting ~¥2.7T in 2021」
経済産業省「公正な買収の在り方に関する研究会(第1回) 事務局説明資料」P8
経済産業省「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」P1,P2
バイアウトとは
バイアウトは、主に業績の悪化や人材不足、後継者不在などの理由から事業の継続が難しくなった企業が、経営を立て直しや収益拡大のために利用される手法です。
ここでは、バイアウトの意味や実施される状況についてみていきましょう。
バイアウトの意味
バイアウト(Buy out)とは、日本語では「買収」や「買い占め」と訳されます。経営層が企業の経営権を獲得するため、議決権の過半数を占める株式を買収する手法のことです。
また、経営が悪化した場合に、経営者や従業員などが自社の経営権を買い取る目的で行われることもあります。他社が買い手となるM&Aに対し、バイアウトは主に社内の人物が買い手となる点が異なります。
投資家や起業家が利益を得る方法としても注目されており、株式を買い取り、親会社から独立することを指してバイアウトと呼ぶこともあります。
バイアウトの逆は?
バイアウトによく似た言葉として「セルアウト(Sell out)」というものがあります。
セルアウトとは、バイアウトとは反対の意味で「売却」を指します。
従業員や経営者が企業の株式を買い取りバイアウトする際には、株式の売り手である経営者や株主にとってはセルアウトを行ったといえるでしょう。
日本においては創業者が事業を売却する際も、株式の売買による取引を行うという意味合いで「バイアウト」と呼ばれることがあります。
バイアウトが実施される状況
バイアウトは、主に以下の状況で実施されます。
- 意思決定の迅速化が求められる場合
- 敵対的買収が仕掛けられた場合
- 従業員に事業承継を行う必要がある場合
- 経営方針や組織風土の刷新が必要な場合
- 自己資金を上回る規模での買収を行う必要がある場合
バイアウトには後述する4種類の手法があり、状況によって最適な手法は変わってきます。たとえば従業員への事業承継を行う場合には「EBO」、意思決定の迅速化を図る場合には「MBO」の手法が活用されます。状況に応じた各手法の目的に関しては、後ほど解説します。
バイアウト投資とは
バイアウトに関連した単語で「バイアウト投資」があります。
バイアウト投資とは、業績が悪化している企業や後継者不在の企業などを投資目的で買収する手法です。企業を安値で買収し、企業価値を向上させた後に売却することで、差額分の利益を得ます。
そのため、一般的には赤字や債務超過などの問題を抱えた企業が投資対象となります。買い手側としては、ポテンシャルの高い企業を安値で買収できるのがメリットです。
一方で売り手側としては、資金やノウハウの提供などを受けることで、自社のみでは実現できない業績改善を見込めるメリットがあります。また、一般的には需要がない企業でもイグジットのチャンスも得られます。
ただし、あくまで業績などに問題がある企業の買収であるため、買収後の経営再建が失敗する可能性も高くなります。経営再建が失敗した場合には、投資した資金が水の泡となり、多額の損失を被るリスクは否めません。
一方で売り手側としては、技術力やブランド力といった無形資産に強みがある場合でも、安値で買い叩かれるリスクがあります。また、経営に積極介入されてしまい、自由な経営を阻害される可能性もあります。
以上より、バイアウト投資はハイリスクハイリターンの手法と認識しておきましょう。
リスク軽減のためには、買い手側は、財務・ビジネスデューデリジェンスの実施によって妥当な買収金額を精査すること、買収後の経営戦略を慎重に検討することが重要です。
一方で売り手側は、事前にセルサイドデューデリジェンスを実施するなどして、自社が有する無形資産(ブランドや技術など)の価値を把握し、安値で買い叩かれる事態を防ぐことが欠かせません。
バイアウトの4つの種類とそれぞれの目的
バイアウトは企業の株式を誰が買い取るかにより、次の4種類に分けられます。
種類 | 特徴 | 目的 |
マネジメント・バイアウト (MBO) | 企業の経営陣が既存株主から株式を買い取り、経営権を取得する | 独立した経営権を取得するため |
エンプロイー・バイアウト (EBO) | 従業員が企業の株式を取得して経営権を獲得する | 後継者不在の場合に、従業員を後継者として指名して社内承継する |
マネジメント・エンプロイー・バイアウト (MEBO) | 経営陣と従業員が一緒に会社や事業の一部を買収する | 株主に左右されず、独立して経営を行う |
レバレッジド・バイアウト (LBO) | 買収企業が金融機関からの融資等を利用して買収を行う | 少ない投資で買収を実現する |
ここでは、それぞれの手法で誰が株式を買い取るか、何を目的にしているかを解説します。
1. マネジメント・バイアウト(MBO)
マネジメント・バイアウトは企業の経営者がバイアウトを行う形式で、MBOとも呼ばれます。英語表記は「Management Buy Out」です。
企業の経営陣がバイアウト資金を調達して、株式をオーナーから買い取ることで、経営者の権限を持つ手法です。
後継者問題の解決に対しても非常に効果的な手段であり、経営陣で株式を押さえているため、経営者から見て信頼のできる人物を後継者として指名できる副次的効果を得られます。
マネジメント・バイアウトに必要とされる資金は少なくとも数千万以上にのぼるため、金融機関やファンドからの資金調達をすることが一般的です。
マネジメント・バイアウトの目的
マネジメント・バイアウトは、自社にある一部の事業を経営陣が買い取り、独立した経営権を取得する目的で利用されます。
経営権を独立させる理由としては、迅速な意思決定が可能になることや、思い切った成長戦略・経営の効率化を図り、企業の成長・立て直しができるためです。
経営陣が経営権を得るため、一般の投資家から関与されることがなく、投資家の意見に左右されません。
また、経営権の争奪に関連する「敵対的買収」からの防衛処置としても使われています。
そのほか、上場企業では、経営者が株式を株主から買い戻して上場廃止をするために、バイアウトを選択することもあります。
2. エンプロイー・バイアウト(EBO)
エンプロイー・バイアウトは、従業員がバイアウトを行う形式で、略語でEBOとも呼ばれます。英語では「Employee Buy Out」と表記します。
EBOは、従業員がバイアウト資金を調達し、事業の継続を前提に株式を買い取ることで経営権を得る方法です。
ただし、従業員が自社の株式の全て、または半分以上を取得するだけの資金を用意しなければならないため、資金調達の準備ができるかが課題といえるでしょう。
これまで、基本的には金融機関からの融資を受ける形でEBOは行われていましたが、近年では、ファンドからの投資を受けてEBOを行う例も増えてきました。
エンプロイー・バイアウトの目的
エンプロイー・バイアウトは、企業に後継者がいない場合に、従業員を後継者として指名し、企業や事業を社内承継する目的で利用されます。
長年事業に携わってきた従業員を後継者にできるため、企業の経営や取引先との信頼関係も受け継がれ、取引先や社内からの反感を受けにくい方法といえるでしょう。
また、経営方針をこれまでのものから全く新しいものに変える際に、エンプロイー・バイアウトが利用されます。
3.マネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO)
マネジメント・エンプロイー・バイアウトは、企業の経営者と従業員が協力して行うバイアウトの形式で、MEBOと呼ばれます。MEBOは「Management & Employee Buy Out」の略称です。
MEBOでは、会社の経営権を得るために、経営陣が行動するだけでなく、従業員の自発的な行動が重要であるとされます。
MEBOに参加した従業員は経験を積むことができ、また、自発的に経営戦略に関わるようになるでしょう。
ただし、買収に必要な資金の調達が難しく、株式を購入する従業員の人数が少ないと成立しないなどの理由から、マネジメント・エンプロイー・バイアウトを成功させることは難しいといわれています。
マネジメント・エンプロイー・バイアウトの目的
マネジメント・エンプロイー・バイアウトでは、マネジメント・バイアウトと同じく、経営陣が経営権を得ます。
そのため一般の投資家から関与されることがなく、投資家の意見に左右されず、合理的な経営が可能です。
また、エンプロイー・バイアウトと同じように従業員も出資できるため、従業員は企業や事業の業績の向上に伴って資産を増やせます。
4. レバレッジド・バイアウト(LBO)
レバレッジド・バイアウトは、M&Aとしての手法の1つで、略語でLBOと呼ばれます。英語で省略せずに書くと「Leveraged Buy Out」です。「Leveraged」には、テコの作用という意味があります。
これは、買い手企業が譲渡対象企業の資産や収入から支出を差し引いた資金(キャッシュフロー)を担保にバイアウト資金を調達し、株式を買い取る手法です。
バイアウト後の借入金は、買収された企業の負債になり、キャッシュフローから返済します。
マネジメント・バイアウトやエンプロイー・バイアウトでは、自社内で経営者が代わっていました。一方で、レバレッジド・バイアウトでは、経営者は社外の人物に代わります。
レバレッジド・バイアウトの目的
レバレッジド・バイアウトの目的は、第三者(企業)の資金援助を受けて、少ない自己投資から大きな利益を得ることです。
今後の事業展開が期待できる場合には、レバレッジド・バイアウトでの支援が受けやすく、買い手企業へのリターンにも期待できます。
バイアウトの手続き・流れ
バイアウトには、前述のとおり「MBO」「EBO」「MEBO」「LBO」という4種類の手法があります。手法によって若干の違いはあるものの、大まかな手続きの流れは共通しています。具体的には、以下4ステップでバイアウトを実行します。
- SPCの設立
- バイアウトに必要な資金の調達
- バイアウト対象企業の株式を取得し、子会社化を実現
- SPCと対象企業の合併
手法ごとの具体的な流れは次章で解説します。
バイアウトの具体的な手法
ここからは、4種類あるバイアウトの手法について、誰が買い取ることで、どのようにして経営権が移るのか、詳しく紹介します。
マネジメント・バイアウトの手法
MBO(マネジメント バイアウト)では、自社の経営陣が株式の買い手です。
MBOの手順としては、SPCを設立することから始めます。
SPCとは、「Special Purpose Company」の頭文字を取った略語のことで、特別目的会社の意味を持つ、実体のない会社です。
SPCを設立したら、金融機関や投資ファンド、ビジネスローンからバイアウトに必要な資金を借り入れます。そして、対象会社の株式を買い取って子会社化した後、SPCと対象会社を合併します。
なお、MBOの株式価格は以下の企業価値で算出されます。
- 純資産を基にした、コストアプローチ
- 市場価格を参考にした、マーケットアプローチ
- 将来の収益を見込んだ、インカムアプローチ
エンプロイー・バイアウトの手法
EBOの手順は、初めに株主の人数や住所、誰がどの程度の株を保有しているかなど把握漏れがないように確認します。
これは、株主から株式を買い取る際に、一人ひとりと交渉をするためです。
株主を確認したら、従業員がSPCを設立します。SPCの設立後、金融機関や投資ファンド、ビジネスローンから必要な資金を借り入れます。そして全ての株主と譲渡交渉したうえで、対象会社の株式を買い取ります。
最後は、SPCが対象会社を子会社化した後、合併します。
マネジメント・エンプロイー・バイアウトの手法
MEBO(マネジメント エンプロイー バイアウト)では、自社の経営陣と従業員が株式の買い手です。
MEBOでは、まず初めに経営陣と従業員が合同で出資してSPCを設立します。金融機関や投資ファンド、ビジネスローンから資金を調達します。
資金調達ができたら、対象会社の株式を買収してSPCの100%子会社にした後、合併します。
レバレッジド・バイアウトの手法
LBOの手順は、まずは買い手となる第三者の企業がSPCを設立することからスタートします。
SPCを設立したら、対象会社を買収するための資金を調達します。投資家や金融機関などから、売り手企業の将来性や資産などを担保にして融資を受けます。
資金調達ができたら、対象会社の株式を買い取って子会社化しましょう。その後、SPCと対象会社を合併します。
レバレッジド・バイアウトを行うために借りたお金は、得られるキャッシュフローから中長期的に返済していきます。
4つのバイアウトのメリット・デメリット
ここでは、「マネジメント・バイアウト(MBO)」「エンプロイー・バイアウト(EBO)」「マネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO)」「レバレッジド・バイアウト(LBO)」の4つの手法、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
マネジメント・バイアウト(MBO)のメリット
マネジメント・バイアウトでは、元々の経営陣が事業を引き継ぐため企業形態を維持したまま、業務の引継ぎが可能です。
経営権が第三者に渡ることなく継続性が担保でき、後継者問題も解消できます。
また、マネジメント・バイアウトによって上場を廃止した場合は、一般の投資家や外部の株主からの要望や口出しなどの圧力がなくなることもメリットです。外部からの意見に左右されなくなります。そのため、長期的視点での経営が実現できます。
マネジメント・バイアウト(MBO)のデメリット
マネジメント・バイアウトをすると、経営者が株主として扱われます。そのため、経営に対する監視機能が低下してしまいます。
また、上場が廃止されて株式が非公開になり、資金の調達が困難になることもデメリットです。マネジメント・バイアウトをする前に資金調達の方法について検討しておきましょう。
また、経営者と少数株主の間で情報の非対称性が生じ、既存の株主から反発される可能性があります。
経営者個人が儲けるためにマネジメント・バイアウトをしようとしても、結果として企業が損害を受けることになりかねません。企業の利益や成長を目的に実施しましょう。
エンプロイー・バイアウト(EBO)のメリット
エンプロイー・バイアウトの最大のメリットは、従業員への事業承継が可能になることです。
経営者がリタイヤしようとしたとき、人材不足により事業を引き継ぐ後継者の不在で頭を悩ませている企業は少なくありません。
しかし、従業員が自社の株式を買い取って経営権を得るためにエンプロイー・バイアウトを利用すると、後継者問題を解決できます。
自社にいる優秀な従業員から後継者を選んで承継するため、企業・事業の再生を狙うことが可能です。
また、承継後も急に大きな経営方針の変化が起きにくく、混乱を最小限に抑えられます。
エンプロイー・バイアウト(EBO)のデメリット
エンプロイー・バイアウトでは、従業員が株式を買い取るため、資金調達の難易度が高いことがデメリットです。
自社の規模が大きれば大きいほど、多額の資金を準備しなければなりません。金融機関やファンドなどからの融資を受ける必要がありますが、借りるのが従業員であるため、審査は厳しめです。借入の難易度が高いため、株式を買い取るだけの資金に融資額が到達しない可能性があります。
マネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO)のメリット
マネジメント・エンプロイー・バイアウトのメリットは、経営者と従業員がともにバイアウトに参加するため、経営者と従業員の両方のモチベーションアップにつながることです。
経営陣と従業員が自社株を所有していると、企業の業績が向上した際にインセンティブ(報酬)が発生します。
また、外部の投資家や株主の要望に左右されないこともメリットの一つです。
マネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO)のデメリット
マネジメント・エンプロイー・バイアウトの最大のデメリットは、実現させるためのハードルが高いことです。
ハードルが高くなる理由には、経営陣だけではなく従業員も自社の株式を買い取ることにあります。
従業員の自己資産で株式を買い取るためには金融機関やファンドから融資を受けることになりますが、審査が厳しい傾向にあります。融資が受けられないこともあるでしょう。
また、自社の株式を買い取りたい従業員が少なければマネジメント・エンプロイー・バイアウトが成立しないことも、実施の難易度を上げている要因です。
レバレッジド・バイアウト(LBO)のメリット
レバレッジド・バイアウトは、売り手側の企業の信用情報を元に借り入れを行えるため、買い手側の企業は少ない資金で買収が可能です。
小さな資金で大きなリターンを得られる可能性があることがメリットです。
また、株式の買い取りに伴う利息の返済は損金算入が可能であるため、節税効果が見込めることもメリットの一つだといえます。
レバレッジド・バイアウト(LBO)のデメリット
レバレッジド・バイアウトのデメリットは、リターンを得られないリスクがあることです。
レバレッジド・バイアウトを利用して企業を合併した後、経営が上手くいかずに事業の再建ができなかったとき、買い手側企業は投資額以上のリターンは得られません。
企業の収益が低下すると当然リターンにも期待できず、この場合レバレッジド・バイアウトは失敗したといえます。
また、受ける融資の額が大きいため、利息が高額になることもデメリットです。
万が一再建が上手くいかずに収益が低下してしまうと、企業を倒産に追い込む危険性があります。
バイアウトとイグジットの違い
ここでは、バイアウトとイグジットの違いについて解説します。
結論から述べると、バイアウトとイグジットは意味が完全に一致する用語ではありません。
バイアウトは、数あるイグジットの方法のうちの一つにあたります。
それでは、以下でイグジットについて詳しくみていきましょう。
イグジットとは
「イグジット(EXIT・エグジット)」とは、新規事業への取り組みや企業再生などを目的に、創業者やファンドなどが株式を売却し、収益を得て投資金を回収することです。
イグジットは、M&Aやバイアウトも含め、株式を売却して投資金を回収すること全般を指します。
イグジットは「ハーベスティング(Harvesting)」と呼ばれることもあります。
上場していない企業や企業再生を狙う企業、人材不足や後継者問題を抱えた企業が問題を解決させるために、イグジットを利用します。
企業や事業が成長すると企業価値も上昇するため、株式を売却することで高額の利益を得られる可能性があるでしょう。
イグジットの3つの種類
株式を売却して投資金を回収するイグジットの種類は、大きく「IPO」「M&A」「バイアウト」の3つに分けられます。
IPOは「Initial Public Offering」の略語で、株式公開を指します。証券取引所に株式を上場させる方法です。日本においてよく採用されています。
創業者は株式公開のタイミングで自分の持つ株式を売却することにより、多額の利益を得ることができます。
M&Aは、「Mergers and Acquisitions」の略で、M&Aの意味は「合併・買収」のことです。他の企業に対して株式や事業を売却する方法です。M&Aにはいくつかの種類があり、株式譲渡や事業譲渡などがあります。
また、MBO(マネジメントバイアウト)などのバイアウトの手法を用いて、イグジットを実行することもあります。
バイアウトとM&Aの違い
ここでは、バイアウトとM&Aの違いについて解説します。
バイアウトは、M&Aの手法の一つであり、両社の違いは買い手にあります。
バイアウトではLBOを除くほとんどの場合で社内の人間が買い手になりますが、M&Aでは社外の人間が買い手になることが多いです。
それでは、以下でM&Aについて詳しくみていきましょう。
M&Aとは
M&Aとは、エムアンドエーと読み、「Mergers and Acquisitions」の頭文字を取った略語です。
日本語では、「合併と買収」と訳され、2つ以上の会社が合併したり、買い手側企業が売り手側企業を買収したりすることを指します。
M&Aは企業の経営権や事業自体を移す取引で、企業の成長及び経営戦略の手段です。後継者問題解決の手段としても活用されています。
M&Aの種類
M&Aの種類は、株式や事業の譲渡や合併などさまざまな種類があり、バイアウトで利用される際には「株式譲渡」や「事業譲渡」が採用されます。
株式譲渡とは、対象企業の株式を保有する株主が、持っている株式の全て、もしくは一部を買い手側企業に売却する方法です。株式の過半数が譲渡されると、買い手企業に経営権が移行します。
資産や取引上の契約が引き継がれるほか、手続きが比較的簡単であることがメリットです。
事業譲渡とは、売り手側の企業全体ではなく事業の全て(全部譲渡)もしくは一部(一部譲渡)を買い手側企業に売却する方法です。
その際、売り手側企業はどの事業を売却するのかを選択でき、買い手側企業は譲受したい事業を選択できます。
バイアウトを成功させるポイント
ここからは、バイアウトを成功させるためのポイントについて4つ紹介します。
1. バイアウトファンドを活用する
バイアウトファンドには、企業再生や事業承継などに特化したファンドがあるため、実施予定のバイアウトに適したバイアウトファンドを利用しましょう。バイアウトファンドの仕組みや利用するメリットなどについては、後ほど解説します。
2. 自社の価値を把握しておく
株式の買い取り価格は、企業価値次第で大きく変わります。
そのため、自社の適正な企業価値を把握しておくことが、バイアウトの成功につながります。
価値算定をするためには専門的な知識が必要です。自社の評価を自力で算出することは難しいため、専門家にさまざまな角度や方法で評価をしてもらい、客観的な指標である相場を知りましょう。
3. 財務情報を準備しておく
バイアウトを成功させるためには、スピーディーに動くことが肝要です。
そのため、買い手が現れてから資料を作成するのではなく、売却を決めたタイミングでキャッシュフローや節税対策についての情報を準備しておきましょう。
財務面が整理されていることは、相手企業に好印象を与えることにもつながります。
4. 専門家に依頼する
バイアウトを利用する際には、バイアウトファンドやM&A仲介会社などの専門家に相談・依頼をしましょう。
バイアウトを成功させるためには、士業とのやりとりや相手企業との交渉、複雑な契約書の作成などの過程があり、専門的な知識が不可欠です。
また、M&A仲介会社に相談すれば、専門家のネットワークを利用して相手を探してくれます。
バイアウトの注意点
ここからは、バイアウトを行う際の注意点を3つ紹介します。
1. 従業員の労働環境や待遇
バイアウトの後、従業員や役員の処遇が変わる可能性があります。
株式譲渡でバイアウトを行った場合、基本的に待遇は変わりません。事業譲渡の場合は新たに契約しなおすことになりますが、多くの場合は条件が引き継がれます。
しかし、稀に待遇を変えられてしまうことがあります。そうならないためにも、交渉の時点で従業員の雇用について確認しておきましょう。
また、役員は雇用契約がないため、買い手側の都合で解雇されたり別会社の役員になったりする恐れがあります。役員がバイアウト後も同じ環境で業務に当たれるよう、買い手と交渉しましょう。
2. 買い手企業からの要望
バイアウトは、事業再生や収益を上げる目的で実施されます。
そのため、買い手側から事業の拡大や商品・サービスの向上など、改善に向けた要望が寄せられるでしょう。
買い手側の要求によって、従業員や役員から反発が起こる可能性があります。
事前に買い手側からどのような要望があるかを想定し、従業員や取引先などに説明をして反発が起こらないように準備をしておきましょう。
そのほか、買い手側の要望により、希望通りの金額で売却できない恐れがあります。M&A仲介業者のサポートを受けて交渉に入ってもらい、できるかぎり希望価格で売却できるようにしましょう。
また、妥協できる最低価格をあらかじめ決めておくことも大切です。
3. 株式の保有者
バイアウトでは買い手側に全ての株式が譲渡され、売り手側企業を完全子会社化することが一般的です。しかし、100%譲渡以外の選択肢もあります。
手元に株式の一部を残しておく際には、買い手側と交渉が必要です。ただし、持ち株の比率は買い手側の意見が優先される傾向にあります。
バイアウトの有名事例
国内企業における有名なバイアウト事例を5件取り上げ、バイアウトに至った背景や手続き、結果を解説します。
すかいらーくのMBOの事例
すかいらーく(株式会社すかいらーくホールディングス)は、外食産業において国内最大級の事業規模を誇る会社です。
すかいらーくの経営陣(当時)は、外食産業における収益環境が厳しくなっている状況下において、中長期的な視野に立った経営戦略を遂行できる体制を整える目的でMBOに踏み切りました。
2006年に実施されたMBOは、TOB(公開買付け)と金銭交付による株式交換を組み合わせたスキームが活用されました。具体的にとられた手続きは以下のとおりです。
- 野村プリンシパル・ファイナンスとCVCキャピタル・パートナーズがSPCを設立
- SPCのSNCインベストメントがすかいらーくにTOBを実施
- 買いきれなかった残りの全株式を現金による株式交換により取得
- TOB成立後に、すかいらーく経営陣(創業者一族)がSPCに出資
バイアウトにかかった費用は約2,700億円に上りました。
MBOから8年後に、すかいらーくは再上場を果たします。上場日の終値で計算した株式の時価総額は2,219億円となり、上場廃止直前の時価総額(2,944億円)には及ばない金額となりました。
市場の動向が違うため一概には比較できないものの、時価総額が下がっていることから、MBOによる効果は十分に発揮されなかったと言えます。
参照元:
日本経済新聞「すかいらーく再上場、時価総額2219億円 MBO前には届かず」
Bloomberg「すかいらーく:株式非公開へ、最大2720億円でMBO」
昭和電工による日立化成に対するLBOの事例
買い手は、グループ全体で石油化学事業や化学品事業、エレクトロニクス事業などを展開している昭和電工株式会社(現株式会社レゾナック・ホールディングス)です。一方で売り手は、機能材料および先端部品・システムの製造・加工・販売事業を展開する日立化成株式会社です。
当時、買い手側は、2025年までに少なくとも既存事業の半数以上を、収益性と安定性を高レベルで維持できる「個性派事業」とすることを中長期的な経営目標としていました。その手段の一環として日立化成のバイアウトを実施しました。
本件のバイアウト(LBO)の流れは以下のとおりです。
- SPC(HCホールディングス株式会社)を設立
- 売り手企業の株式や資産などを担保に、みずほ銀行などからの借入などによって買収資金を調達
- TOBなどの手法を用いたバイアウトの実施
本件では、買い手側における株式希薄化による資本効率性低下の回避、および財務健全性の維持を図る目的で、日立化成の信用力をもとに資金調達を行うLBOの形式がとられました。
2020年に実施されたTOBの買収総額は約9,600億円。昭和電工が設立したSPCによる日立化成の子会社化は完了しました。なお、2023年時点ではバイアウトから十分な時間が経過していないため、成功したかどうかの判断は時期尚早であると考えられます。
参照元:
株式会社レゾナック・ホールディングス「HCホールディングスによる当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」
株式会社レゾナック・ホールディングス「日立化成株式会社(証券コード 4217)に対する公開買付けの結果及び子会社(孫会社)の異動に関するお知らせ」
カルチュア・コンビニエンス・クラブのMBOの事例
「TSUTAYA」チェーンを運営する映像・音響レンタルの最大手カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は、2011年、創業者の増田宗昭社長がMBOを実施し、約700億円で全株式を取得し、東証第1部(当時)の上場を廃止しました。
コンテンツのデジタル化やネットインフラの普及、グローバル競争など時代は激変しており、新規事業への積極投資が必要と判断した増田社長は、非上場化で経営の自由度を高めるためにMBOの決断をしたということです。
バイアウトでは、社長が全額出資したMMホールディングスを通じて公開買付け(TOB)を行い、全株式を保有しました。普通株式1株当たりの買付価格は600円で、総額696億円は銀行からの借り入れで賄っています。
MBOをしたことで、株主は増田社長1人になりました。株主のことを気にしなくて良い状況になり、社員には顧客価値の創出に専念すべきことを伝えているということです。
参照元:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社「MBO の実施及び当社株式等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」
大日本印刷の社内ベンチャーによるMBOの事例
大日本印刷のグループ会社・株式会社エムズコミュニケイトは、2018年にMBOを実施し、グループから独立しました。
エムズコミュニケイトは2003年、DNPの社内ベンチャー制度により設立した、ポイントサービスのコンサルティング事業を行う会社です。国内で唯一のポイントサービス専門のコンサルティング会社として、ポイントサービスを軸にしたBtoC・BtoB両分野の顧客マーケティング支援などの事業を展開してきました。
事業活動ではエムズコミュニケイトが独自で開拓した顧客も増え、さらに事業を拡大していくためには自立した事業展開が必要であると判断した結果、MBOの実施を決定しています。
バイアウト(MBO)によって大日本印刷から全株式を譲り受け、独立会社となりました。
参照元:大日本印刷株式会社「大日本印刷の社内ベンチャー エムズコミュニケイトがマネジメント・バイアウト(MBO)を実施」
シックス・アパートによるEBOの事例
ソフトウェア企業のシックス・アパート株式会社は、2016年、EBOを実施しました。経営陣と社員が設立したシックス・アパート・ホールディングス株式会社が、親会社のインフォコム株式会社よりシックス・アパートの全株式を取得しています。これにより、シックス・アパートはシックス・アパート・ホールディングスの100%子会社となりました。
2003年に創業したシックス・アパートは、ブログ、CMS関連のソリューションを提供しており、今回のEBOは経営・組織をスリム化し、より迅速な意思決定と製品開発を実現することを目的に行われています。
新体制ではインフォコムから派遣されていた役員が退任し、役員が一部入れ替わってスタートしています。
参照元:シックス・アパート株式会社「【重要発表】シックス・アパートはEBOにより再スタートを切りました」
バイアウトの失敗事例
バイアウトには失敗に終わった事例もあります。ここでは、失敗事例を2つ紹介します。
東栄リーファーラインによるMBOの事例
冷凍マグロ運搬業の株式会社東栄リーファーラインは、2017年、自社の役員で設立した株式会社オーシャンによる株式公開買い付け(TOB)を実施しました。
東栄リーファーラインは新規事業への参入を計画し、一時的に業績が落ち込む可能性があることから経営陣5人がMBOを計画し、買収会社としてオーシャンを設立したという経緯があります。
1株600円でTOBを実施したところ、応募した株数が買い付け株数の下限に届かず、失敗に終わりました。買い取り価格への不満や、大株主の賛同を得られなかったことが原因です。
翌年、株主からの賛同を得て、株式の買い付け価格を前回から200円引き上げ、800円としてMBO再開しました。結果として、発行済み株式の約8割に相当する株主が応募し、上場廃止が決定しました。
参照元:株式会社東栄リーファーライン「MBO応募手続きについて」
廣済堂によるMBOの事例
印刷業を営む株式会社廣済堂(現・株式会社広済堂ホールディングス)は、2019年、米投資ファンドと組んで非上場化を目指し、MBOを実施しました。上場を維持したままで、中長期的な企業価値を向上させるのが難しいというのがMBO実施の理由です。
しかし、株式会社南青山不動産と資産運用会社がMBOに異議を唱え、敵対的買収を仕掛ける形になりました。南青山不動産が高い買い付け価格を提示したことで、MBOは失敗に終わっています。
参照元:株式会社廣済堂「株式会社南青山不動産による株式会社廣済堂株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」
バイアウトファンドの概要
バイアウトファンドは、投資家から集めた資金を使って企業に投資し、企業価値を向上させた後に株式を売却して収益を得る活動を行うファンドです。この章では、バイアウトされる側(会社を売却する側)の視点に立って、バイアウトファンドの投資対象や活用するメリット・デメリットを解説します。
バイアウトファンドの投資対象
バイアウトファンドの対象は、主に経営改善によって安定的な収益の獲得が見込まれる成熟企業となります。そのため、創業から間もない成長性の高い企業を投資対象とする「ベンチャーキャピタル」や、倒産した(または倒産寸前の)企業に投資する「ディストレスファンド」などとは根本的に対象が異なります。
バイアウトファンドに買収されるメリット
バイアウトファンドに対して会社を売却すると、主に以下のメリットが期待できます。
- 経営の実績や専門知識が豊富なプロから手厚いサポートを受けながら事業を運営できる
- 上記のサポートや豊富な資金提供により、事業の再生や成長を見込める
- 経営陣が会社の支配権を獲得できる(MBOを実現できる)
- 後継者が不在の企業でも事業承継を実現できる
- 不採算事業からの撤退、それに伴う主力事業への集中を見込める
- 子会社として独立した不採算事業も、ファンドによる支援の下で企業価値向上を目指せる
- プロの投資家から支援してもらったという事実により、信用力の向上を見込める
- 一般的に、経営者が個人保証から解放される
以上のメリットにより、会社の成長や意思決定、事業承継などに課題を抱えており、自力での解決が難しいと考えている方にはバイアウトファンドへの売却がおすすめです。
バイアウトファンドに買収されるデメリット
バイアウトファンドに対して会社を売却する際には、主に以下のデメリットに注意が必要です。
- 持株比率の低下や支配権を失うリスクがある
- 経営の自由度が低下するおそれがある
- 経営方針の大規模な変更により、従業員の離職やモチベーション低下を招くおそれがある
- 業績改善に向けた従業員のリストラが生じ得る
- 「身売りした」というネガティブな印象を抱かれる場合がある
以上のデメリットにより、今後も自由に会社経営を続けたい方や、組織や従業員への影響を最小限に抑えたい方には別の選択肢(同業他社への売却や提携など)を検討することがおすすめです。
バイアウトを検討する際の簡易チェックリスト
バイアウトには多大なコストや労力を要するため、リスク回避の観点から、事前に「バイアウト(買収)を実施して問題がないか」を検討することが重要です。そこでこの章では、バイアウトを検討する際に役立つ簡易チェックリストを紹介します。
各項目の点数を算出し、その合計点数をもとにバイアウトを実行するかどうかを判断します。
項目 | 2点 | 1点 | 0点 |
バイアウトを選ぶ上で最適な状況か | MBOやLBOなどを行う目的が明確(前述した目的の部分を参照) | バイアウトを実施する目的がすぐに思い浮かばない | バイアウトの必要性がなく、かつバイアウト後の資金や経営資源に余裕がない |
バイアウト後における経営戦略の明確さ、強みの有無 | 収益向上などのメリット実現が期待できる戦略を描けて、かつビジネスモデルも優れている | 経営戦略は不明確であるものの、買収先のビジネスモデルやポジショニングなどに強みがある | 経営戦略が不明確であり、かつ買収先のビジネスモデルなどに強みがない |
成長性および収益性 | 大幅な向上が定量的に期待できる | ある程度期待できる | 期待できない |
新たな経営陣の資質や実績 | 買収対象が展開する事業分野における実績や経験が豊富にある | 目に見える実績や経験はないものの、明確なビジョンや強力なリーダーシップがある | 実績や経験がなく、かつビジョンやリーダーシップも見込めない |
合計点に基づく判断の指針は以下のとおりです。
- 7〜8点:自信を持ってバイアウトを行えます。
- 5〜6点:可能な限り点数が低い項目の改善に努め、買収を実行する際には専門家の協力を得ることを検討しましょう。
- 4点以下:準備を万全にしてからバイアウトすることをおすすめします。もしくは別の手段を検討するのも良いでしょう。
ただし、実際にバイアウトをすべきかどうかはケースバイケースです。上記のチェックリストは初期段階の参考に留め、最終的にはM&Aアドバイザーなどの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
バイアウトは、会社の経営が悪化しているときや後継者不在の場合などに、経営の立て直しを主な目的に行われる手法です。
株式を買い取る対象や目的によって4つの種類に分けられ、実現の難易度は異なります。
実施にあたっては自社の企業価値やキャッシュフローなどの情報をまとめて準備する必要があり、事前に専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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