このページのまとめ
- 群馬県では後継者不在率は改善傾向にあるものの、いまだ後継者問題に悩む企業は多い
- 群馬県のM&Aでは「M&A仲介会社」「事業承継・引継ぎ支援センター」が活用できる
- M&Aを成功させるには、M&A後の従業員の処遇やPMIの対策などを行うことが重要
- 群馬県でM&Aを行う際は、M&Aの専門家にアドバイスをもらうことが大切
「群馬県でM&Aを進めたいけれど、どこに相談すべきかわからない」と悩んでいる経営者もいるのではないでしょうか。群馬県では後継者不在率は改善傾向にあるものの、いまだに後継者不在問題を抱えている企業が多い実態があります。
群馬県でM&Aを成功させるためには、県の現状を知り、M&Aに向けた準備を進めることが大切です。本記事では、群馬県でM&Aを成功させるポイントやM＆A仲介会社の選び方などを解説します。
目次
群馬県の企業の現状
群馬県では、後継者問題を抱えている企業が多くみられるものの、近年は改善傾向にあります。帝国データバンクの調査によると、2017年から2023年において「後継者不在」と回答した企業の割合は、以下のとおりです。
| 年別 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
| 後継者不在と回答した企業の割合 | 65.6％ | 64.2％ | 62.2 ％ | 62.9％ | 62.3％ | 58.0% | 53.9％ |
改善傾向の背景には、経営者が自社の将来を真剣に考えるようになったことや地域の事業承継の相談窓口が増加していること、全国的に事業承継を支援するサービスが普及したことなどが考えられます。
なお、帝国データバンクによると「群馬県社長年齢分析」では、2021年1月時点での群馬県の企業における社長の平均年齢は60.4歳でした。
後継者不在率は改善しつつあるものの、経営者年齢の高齢化問題は依然として存在し、企業の廃業に影響を与えています。「群馬県内企業「休廃業・解散」動向調査（2021年）」によると、2021年に休業・廃業・解散を行った企業は901件で、休業・廃業・解散を行った企業の代表者年齢は、平均で70.3歳を記録しました。
群馬県全体では後継者不在率が下がってきているものの、いまだ後継者不足に悩む企業が多い実態がうかがえます。
参照元：帝国データバンク「群馬県社長年齢分析」、「全国・後継者不在企業動向調査（2023 年）」
参照元：帝国データバンク「群馬県内企業「休廃業・解散」動向調査（2021年）」、帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査（2021年）」、帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査（2019 年）」、帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査（2020 年）」、帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査（2021 年）」
群馬を含めた地方でもM&Aは可能
M&Aは、後継者不在の問題の解決策の1つとして挙げられます。M&Aという言葉は以前よりもかなり一般的になりつつあるものの、依然として都市部の大企業が行う、敵対的買収で会社を乗っ取るものだと勘違いしている方が多いのが実態です。
しかし、群馬を含めた地方でも、M&Aを行うことは可能です。もちろん、地方ではまだM&A件数が少なく、相談できるM&A仲介会社が近くにないケースも珍しくありません。しかし、高まりつつあるM&Aのニーズに応えるために、独自のネットワークやスキルを持つM&A仲介会社も増えてきています。
群馬県でのM＆Aには、M＆A仲介会社が必要
群馬県でM＆Aを行うためには、M＆A仲介会社の協力が欠かせません。M＆A仲介会社が必要な理由を確認しておきましょう。
自社に合ったM＆A案件を紹介してもらうため
自社に合ったM＆A案件を紹介してもらうためにも、M＆A仲介会社が欠かせません。M＆A仲介会社であれば、自社の状況や条件に合った案件を紹介してもらえるからです。また、M＆Aを成功させるためには、「シナジーの発生」「経営風土」などが合うことも大切です。多くの案件先を持っているM＆A仲介会社であれば、最適な交渉相手を紹介してもらえるでしょう。
M＆A成功に向けてアドバイスが受けられる
M＆A仲介会社が必要な理由は、M＆A成功に向けてアドバイスをもらうためです。法律や会計などの要素が絡むM＆Aでは、専門的な知識が求められます。M＆A仲介会社を活用すれば、経験豊富な担当者からサポートを受けられるでしょう。
交渉が成立しやすくなる
M＆A仲介会社の利用により、交渉が成立しやすくなります。買い手と売り手の間に立ち、中立の立場でM＆Aをサポートしてくれるからです。M＆Aの場合、「買い手は安く買収したい」「売り手は高く売却したい」と考えます。譲渡価格が合わず、交渉が決裂してしまうケースもあるでしょう。M＆A仲介会社を活用すれば、双方とコミュニケーションを取りながら、M＆A成立に向けて落としどころを探してもらえます。双方が納得する条件を出しやすく、交渉が成立するでしょう。
群馬県でM＆Aが難しいとされる3つの理由
群馬県でM＆Aが難しいとされる理由は、次の3つです。
- 地方は企業数が少ない
- 群馬県はM＆Aの実施件数が少ない
- M＆Aを相談できる場所が少ない
それぞれ解説します。
地方は企業数が少ない
群馬県でM＆Aが難しいとされる理由に、地方は企業数が少ないことが挙げられます。企業数が少ないと、M＆Aの対象になる企業も少なくなるからです。大都市圏であれば、企業数も多く、M＆Aを検討している企業も多くなります。しかし、大都市が近くにない都道府県では、M＆A対象の企業が少なく、M＆Aを実行できない要因になっています。
M＆Aに消極的な企業が多い
M＆Aに消極的な企業が多いことも、M＆Aが難しいとされる理由です。特に、社員が少ない中小企業や、古くから続いている企業は、M＆Aに消極的な傾向があります。地方企業の場合、自社に愛着があり、M＆Aで売却してしまうことをためらうことも多い状況です。そのため、都市圏に比べるとM＆Aの考え方が浸透しておらず、実施が難しい状況になっています。
M＆Aを相談できる場所が少ない
M＆Aを相談できる場所が少ないことも、M＆Aの実施が難しい理由です。大都市圏に比べて、M＆A仲介会社の数が少ないからです。M＆Aを相談できる場所が近くにあれば、業務の時間を割き、相談に行けるでしょう。しかし、地方ではM＆A仲介会社に向かう時間が掛かり、相談に行くことで、本業が行えないケースもあります。M＆Aを実施したくても、M＆Aを相談できる場所や環境がないことで、M＆Aの実行を進められない状況も抱えています。
関連記事：地方でのM&A動向と特有の難しさ、後継者問題や事例を解説
群馬県でM＆Aを行うための手段
群馬県でM＆Aを行うためには、次のような機関を活用できます。
- M＆A仲介会社
- M＆Aマッチングサービス
- 事業承継・引継ぎ支援センター
- 金融機関
それぞれの特徴を知っておき、自社に合う機関を使いましょう。
M＆A仲介会社
M＆A仲介会社は、M＆Aを行う企業同士の仲介を行う会社です。同じM＆A仲介会社が、買い手と売り手両方の間に立ち、M＆A成立のサポートを行います。M＆A仲介会社を活用するメリットは、買い手と売り手の両方にメリットが生まれるように、M＆Aを進めてくれる点です。そのため、両社が同意しているM＆Aを進める際には、M＆A仲介会社への依頼が一般的です。
M＆Aマッチングサイト
M＆Aマッチングサイトとは、M＆Aや事業承継の案件を探すことができるサイトのことです。多くの案件が紹介されているため、効率的に案件を探せるメリットがあります。また、マッチングサイトによっては、M＆Aの専門家からサポートを受けることも可能です。サイトごとに、「掲載されている案件数が多い」「小規模企業向けに運営している」などの特徴があるため、自社に合ったM＆Aマッチングサイトを選びましょう。
事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎセンターは、各都道府県ごとに設置されている、公的な相談窓口です。「第三者への引継ぎを目的にしたM＆A」「親族内での事業承継」などの相談を受け付けています。公的機関のため、無料で相談できる点がメリットになります。
参照元：群馬県産業支援機構「群馬県事業承継・引継ぎ支援センター」
金融機関
金融機関でも、M＆Aの案件や事業承継先を探すことができます。金融機関の場合は、M＆A専門の部署があるか確認してみましょう。買い手側でM＆Aを実施する場合、必要な融資を行ってもらえるケースもあります。売り手側に関しても、M＆A成約までサポートがもらえるため、活用してみましょう。ただし、メイン業務は融資になるため、対象の金融機関にM＆Aの知識があるか、確認が必要です。
群馬県でM＆Aを行う際に役立つ具体的な支援機関
群馬県でM＆Aを行う際に、役立つ支援も提供されています。国や群馬県主導で運営している機関もあるため、活用しましょう。それぞれの料金・対応範囲・特徴などについては、下表をご参照ください。
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料金 |
対応範囲 |
特徴 |
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群馬県事業承継・引継ぎ支援センター |
無料 |
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マッチングプラットフォーム「ミライマッチング」 |
成約時：買い手のみ2％（最低税込38.5万円）※バトンズの料金 |
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GUNMAアトツギ部 |
原則無料（マーケティングや商品化などにかかる費用、交通費などは事業者負担） |
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群馬県よろず支援拠点 |
相談無料（回数制限なし） |
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群馬県信用保証協会 |
― |
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群馬県後継者バンク |
無料 |
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群馬県事業承継・引継ぎセンター
群馬県事業承継・引継ぎ支援センターは、群馬県産業支援機構が、国からの委託を受けて運営している施設です。中小企業が抱える、「事業承継の相手がいない」「事業承継の実施に不安がある」などの悩み相談を受け付けています。親族内の事業承継はもちろん、第三者に対するM＆Aでの事業承継も対応可能です。
参照元：群馬県産業支援機構「群馬県事業承継・引継ぎ支援センター」
マッチングプラットフォーム「ミライマッチング」
群馬県が主催する「ミライマッチング」は、事業承継・引継ぎを支援する特設サイトです。M&A事業承継支援プラットフォーム、「BATONZ（バトンズ）」内に開設されています。
サイト内に経営者のメッセージや募集要件などを掲載し、全国から後継者を探すことが可能です。後継者候補が見つかったら、電話やWebを使用した非対面の形式で、M&A交渉を成約までサポートします。
GUNMAアトツギ部
GUNMAアトツギ部は、家業の経営資源を活用しながら、新規事業の立ち上げや新商品の開発を行う20～40代の若手経営者を支援する、群馬県の取り組みです。具体的には、若手経営者にメンターをマッチングし、早期の事業化や売上獲得をサポートします。
群馬県よろず支援拠点
群馬県よろず支援拠点とは、中小企業や小規模事業者の経営に関して、相談を受け付けている機関です。事業承継やM＆Aを行いたい場合でも、対応してもらえます。
参照元：「群馬県よろず支援拠点」
群馬県信用保証協会
群馬県信用保証協会とは、中小企業者が金融機関から借り入れを行う際、保証人になって対応してもらえる機関です。信用保証協会法に基づき、全国各地に設置されています。事業承継の促進に向けて、「経営承継関連保証」「事業承継サポート保証」などのサポートを実施しています。
群馬県後継者バンク
群馬県後継者バンクとは、後継者不在に悩む企業に対し、M＆Aのマッチング支援を行う事業です。群馬県事業承継・引継ぎ支援センターが運営を行っています。群馬県後継者バンクの活用により、起業家とのマッチングが実現され、スムーズな事業承継が期待できます。
群馬県でのM＆A仲介会社の選び方
群馬県でM＆A仲介会社を利用する場合、5つの選び方があります。
- 群馬県でのM＆A実績が豊富
- M＆Aへの知識を持っている
- 分野に対する専門知識が多い
- 料金体系がシンプル
- 担当者との相性が良い
自社に合った仲介会社を見つけるために、参考にしてください。
群馬県でのM＆A実績が豊富
M＆A仲介会社は、群馬県でのM＆A実績が豊富な会社を選びましょう。M＆Aは、地域によっても求められる知識が変わるからです。群馬県内でのM＆A実績が何件あるか、自社と同じ規模のM＆Aを行った経験があるかなどを確認しましょう。また、群馬県内の弁護士や税理士など、専門家とのつながりがあるかもポイントです。
自社業界の案件に強い
自社が属する業界に強い、M＆A仲介会社を選びましょう。業界に特化しているM＆A仲介会社であれば、業界ならではの細かい部分まで対応してもらえます。特定の業界に強いM＆A仲介会社であれば、成功事例も多く持っています。自社がM＆Aを行う際に、適切なサポートを実施してもらえるでしょう。
自社の規模に合ったM＆Aが得意
自社の規模に合わせて、M＆A仲介会社を選ぶことも大切です。M＆Aは、数百万円の案件から、数百億円を超える案件など、幅広い種類があるからです。たとえば、大手投資銀行の場合、数十億円規模の案件を得意にしています。また、近年では、数百万から数千万円の規模を得意にする仲介会社も増加しています。M＆Aの規模によって、担当者に必要なスキルも変わるため、自社の規模に合ったM＆Aが得意か確かめておきましょう。
料金体系がシンプル
料金体系がシンプルな点も、M＆A仲介会社を選ぶポイントです。料金体系が複雑な場合、想定外の費用が掛かってしまうケースがあるからです。M＆A仲介会社によっては、「成功報酬のみの場合」「着手金や中間金が必要な場合」などと料金体系が違います。完全成功報酬型のM＆A仲介会社であれば、料金体系が分かりやすいでしょう。
担当者との相性が良い
M＆A仲介会社は、担当者との相性でも選びましょう。担当者との相性が良いことで、コミュニケーションが取りやすく、相談しやすくなります。満足いくM＆Aを行うためには、M＆A仲介会社の担当者が信頼できること、M＆Aの結果が良いことが必要です。M＆Aの仲介を任せられる担当者かどうか、相性を確かめておきましょう。
群馬県のM&Aで活用できる補助金
ここからは、群馬県のM&Aで活用できる補助金「事業承継・引継ぎ補助金」「桐生市まちなか店舗リニューアル・事業承継支援事業補助金」をご紹介します。それぞれの制度の概要を確認しましょう。
事業承継・引継ぎ補助金
「事業継承・引継ぎ補助金」は、中小企業庁による、事業承継を契機に新しいビジネスを始める中小企業や、事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業などを支援する補助金制度です。補助金のため、返済不要である点が大きなメリットです。
補助の対象となる取り組み内容や経費の種類によって、「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3事業で補助を行います。上限額や補助率は、申請枠や類型によって異なります。具体的には以下のとおりです。
- 経営革新枠：補助上限額は600万円または800万円以内（補助率は2/3または1/2以内）
- 専門家活用枠：補助上限額は600万円以内（補助率は2/3以内または1/2）
- 廃業・再チャレンジ枠：補助上限額は150万円以内（補助率は2/3以内または1/2）
上記の内容は9次公募に基づくものです。最新の公募要領については中小企業庁の公式サイトをご確認ください。
桐生市まちなか店舗リニューアル・事業承継支援事業補助金
「桐生市まちなか店舗リニューアル・事業承継支援事業補助金」は、中心市街地にある店舗の事業承継を行おうとする事業者などに対して、店舗の改修工事にかかる費用の一部を補助する制度です。令和6年度の補助金額は、補助対象経費の2分の1以内の金額で、上限額は50万円です。
参照元：群馬県桐生市「令和6年度 桐生市まちなか店舗リニューアル・事業承継支援事業補助金」
群馬県でM＆Aを成功させるポイント
群馬県でM＆Aを成功させるためには、次のようなポイントがあります。
- タイミングを逃さないように動く
- 交渉先からの質問に答えられるようにする
- 金融機関との協力関係を築く
- 従業員や取引先とコミュニケーションをとる
- M＆Aの適正価格を把握する
- 専門家にアドバイスをもらう
M＆A成功に向けて、意識するポイントを知っておきましょう。
タイミングを逃さないように動く
M＆Aでは、タイミングを逃さないように動きましょう。M＆Aは業界や経済の影響を受けやすく、交渉相手を探しやすいタイミングがあるからです。タイミングを逃してしまうと、案件数が減ってしまい、自社が損する条件で交渉を行わなければならないケースも出てきます。M＆Aのタイミングを逃さないように、早めの相談や準備を心掛けましょう。
交渉相手からの質問に答えられるようにする
売り手でM＆Aを行う場合、交渉相手からの質問に答えられるように、準備しておきましょう。「自社の強み」「売上高」「従業員」「債務」など、自社の情報をまとめておくことが大切です。質問に答えられる体制ができていると、交渉相手から信頼されやすく、買い手も見つかりやすくなります。
金融機関との協力関係を築く
M＆A成功に向けて、金融機関との協力関係も築きましょう。中小企業の場合、金融機関からの融資が必要になるケースが多いからです。融資が通らないことで、M＆Aに失敗してしまうこともあるでしょう。金融機関の協力を得るためには、普段から経営戦略に関して相談し、M＆Aも視野に入れていることを伝えるのが大切です。実際にM＆Aを行う場面で、融資に対応してもらえるように準備しておきましょう。
従業員や取引先とコミュニケーションをとる
経営統合を進めるために、従業員や取引先とコミュニケーションをとることも大切です。M＆A成約が開示されたらすぐに、コミュニケーションをとりに行きましょう。従業員の場合は、ほかの従業員から信頼されているキーパーソンにアプローチを掛けましょう。キーパーソンがほかの従業員に説明を行い、安心させることで、M＆Aに対する従業員の不安を抑えることもできるからです。
また、取引先に関しても、買い手と売り手、両方の経営者で挨拶に行きましょう。M＆A後も取引を続けてもらえるように、話しておくことが大切になります。M＆Aを行う際、取引先との基本契約書にて、M＆Aの事前了解が必要になる条項を載せているケースもあるため、確認しておきましょう。
M＆Aの適正価格を把握する
交渉で損をしないように、M＆Aの適正価格を把握しておきましょう。適正価格を知るための方法には、「コストアプローチ」「インカムアプローチ」「マーケットアプローチ」などがあります。たとえば、コストアプローチの場合、時価純資産に営業利益の3年から5年分を足して、適正価格を算出します。ただし、より正確な適正価格を知るためには、専門的な知識が必要です。M＆A仲介会社に相談し、適正価格を出してもらいましょう。
専門家にアドバイスをもらう
M＆Aを成功させるために、専門家にアドバイスをもらいましょう。専門家はM＆Aに対する知識や経験を持っているため、交渉が成功しやすくなります。また、自社だけで交渉を進めるよりも、スムーズにM＆Aを進められるでしょう。法的なリスクや交渉でのトラブルを避けるためにも、M＆A仲介会社のような専門家が欠かせません。
群馬県でM＆Aを行う際の4つの注意点
群馬県でM＆Aを行う際は、次の4つの注意点を意識しましょう。
- M＆Aの目的を明確にする
- M＆A後の従業員の処遇を決めておく
- デューデリジェンスが不十分なままM＆Aを進めない
- PMIを大切にM＆Aを行う
それぞれ解説するため、参考にしてください。
M＆Aの目的を明確にする
群馬県でM＆Aを行う際は、次の4つの注意点を意識しましょう。
- M＆Aの目的を明確にする
- M＆A後の従業員の処遇を決めておく
- デューデリジェンスが不十分なままM＆Aを進めない
- PMIを大切にM＆Aを行う
それぞれ解説するため、参考にしてください。
M＆Aを行う際には、目的を明確にしてから行いましょう。目的を決めずにM＆Aを進めてしまうと、経営統合がうまく進まなくなるからです。実施目的は、「後継者問題を解決するため」「事業規模を拡大するため」など、企業によって変わります。目的を定め、途中でぶれないように気を付けましょう。
M＆A後の従業員の処遇を決めておく
M＆A後に、従業員をどうするか処遇を決めておきましょう。処遇が決まらないことで、従業員が離職してしまう恐れがあるからです。従業員が離職してしまうと、「ノウハウが継承されない」「想定していたシナジーが発揮されない」などの問題が発生します。当初の目的を達成できず、M＆Aが失敗に終わることもあるでしょう。交渉時に従業員の処遇を決めておき、離職しないように備えておくことが大切です。
デューデリジェンスが不十分なままM＆Aを進めない
デューデリジェンスが不十分なままM＆Aを進めると、トラブルにつながりやすいため注意しましょう。デューデリジェンスとは、買い手が売り手企業の調査を行うことです。法的なリスクを調べる「法務デューデリジェンス」、税務リスクや会計処理を調べる「財務デューデリジェンス」などがあります。デューデリジェンスを怠ると、売り手企業が抱えるリスクを見落とし、M＆A後に訴訟問題に発展する可能性もあります。リスクを見落とさないためにも、専門家にデューデリジェンスを依頼しましょう。
PMIを大切にM＆Aを行う
M＆Aでは、成約後のPMIも意識して進めましょう。PMIとは、M＆A後の経営統合効果を最大にするためのプロセスを指します。PMIをおろそかにしてしまうと、「引継ぎができずに社内が混乱する」「経営陣の変化で従業員が不安を持つ」などの問題が発生します。M＆A成功で安心せず、PMIの実施にも注力しましょう。
群馬県で行われたM＆Aの事例
ここからは、群馬県で行われたM&Aの事例をご紹介します。
事業拡大に向けたM＆A事例
クリエイト・レストランツによるいっちょうのM&A
飲食店を運営する企業グループの持株会社である株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングスが、和風レストランを展開する、株式会社いっちょう（以下、いっちょう）を完全子会社化した事例です。いっちょうは、群馬県太田市に本社を構える、北関東を中心に和食レストランや焼き肉店を経営する企業です。M&Aが実施された時期やスキーム、目的などは以下をご参照ください。
- 取得時期：2019年10月
- M&Aのスキーム：株式譲渡
- 取得価額：70億円
- 目的：いっちょうの独自のビジネスモデルの獲得、セントラルキッチンの運用ノウハウの取り込みによるグループ内シナジーの発揮
参照元：株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「株式会社いっちょうの株式取得に関するお知らせ 」
JESグループによる関東エレベーターシステムのM&A
ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社は、株式会社関東エレベーターシステム（以下、関東エレベーターシステム）の株式を取得し、完全子会社化しました。関東エレベーターシステムは、群馬県館林市が本社の、エレベーターの保守点検を手掛ける企業です。
- 実行時期：2022年1月
- スキーム：株式譲渡
- 取引価額：非公開
- 目的：北関東地区における事業基盤の強化、技術ノウハウの提供によるサービス品質の向上
参照元：ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社「関東エレベーターシステムの株式取得（子会社化）に関するお知らせ」
群馬銀行によるJOETSUのM&A
株式会社群馬銀行は、100%出資子会社であるぐんま地域共創パートナーズが運営するぐんま地域共創ファンドを通じ、株式会社JOETSU（以下、JOETSU）の全株式を取得、完全子会社化しました。JOETSUは、本社が群馬県前橋市にある、マーケティング業を営む企業です。
- 実行時期：2022年10月
- スキーム：株式譲渡
- 目的：地域のデジタル化や活性化への貢献
参照元：株式会社群馬銀行「ぐんま地域共創ファンドによる株式会社JOETSUの株式取得について」
まとめ
群馬県の後継者不在率は、近年は改善傾向にあります。改善した背景としては、経営者が後継者問題に本腰を入れて取り組み始めたことや、地域の事業承継の相談窓口が増加していること、全国的に事業承継を支援するサービスが普及したことなどが考えられます。
しかし、2021年に休業・廃業・解散を行った群馬県の企業は901件で、休業・廃業・解散を行った企業の代表者年齢は平均で70.3歳を記録しました。全体的には減少しているものの、後継者問題を抱えている企業は依然として多いことが実態です。
M&Aは、後継者不在の問題の解決策の1つとして挙げられます。群馬を含めた地方ではまだM&A件数が少なく、相談できるM&A仲介会社が近くにないケースも珍しくありません。しかし、高まりつつあるM&Aのニーズに応えるために、独自のネットワークやスキルを持つM&A仲介会社も増えてきています。
M&A仲介会社を利用すれば、自社に合ったM＆A案件を紹介してもらえる、交渉が成立しやすくなるといったメリットを得られます。群馬県でM&Aの実績を持つ仲介会社であれば、自社のM&Aも安心して任せられるでしょう。
M&AならレバレジーズM&Aアドバイザリーにご相談を
レバレジーズM＆Aアドバイザリー株式会社は、M&A全般をサポートする仲介会社です。幅広い領域に精通したコンサルタントが、相談から成約まで一貫してサポートを行います。
料金に関しては、M&Aの成約時に料金が発生する、完全成功報酬型です。M&A成約まで、無料でご利用いただけます（譲受側のみ中間金あり）。
ご相談も無料で実施しているため、群馬県でM&Aを検討している際には、お気軽にお問い合わせください。
