和歌山県で事業承継を行うには?事業承継の流れや相談先を解説

2024年8月6日

和歌山県で事業承継を行うには?事業承継の流れや相談先を解説

このページのまとめ

  • 和歌山県の後継者不在率は43%と、全国平均より低い
  • 後継者不在率は改善傾向にあるものの、後継者不足は全体の半数近くにのぼる
  • 和歌山県で事業承継を行う方法は「親族内承継」「親族外承継」「第三者へのM&A」
  • 和歌山県で事業承継を成功させるためにはM&A仲介会社に相談するのがおすすめ

「和歌山県で事業承継を進めたいけれど、何から始めてよいかわからない」と悩む経営者の方もいるのではないでしょうか。後継者候補が見つからず、どこに相談すればいいのかという疑問もあるかと思います。本記事では、和歌山県で事業承継を行う方法や、相談できる公的機関などを解説します。事業承継の事例も紹介しますので、参考にしてください。

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和歌山県における事業承継の現状

和歌山県の後継者不在率は43%で、全体の平均から見ると低めですが、近年は後継者が見つからないことで廃業を選択する企業も増えています。

ここでは、和歌山県における事業承継の現状や、その前提として産業の現状についてみていきましょう。

産業の現状

和歌山県は「卸売・小売業」が盛んな地域で、全国平均と比較しても割合が多くなっています。特に従業員数が1人〜4人の小規模なお店の割合が全国では55.5%なのに対し、和歌山県は67.3%と多いのが特徴です。数の割合は全国と比べて大きいものの、事業所数は減少する傾向が続いており、1982年には2万4,000件だった事業所が2021年には1万1,400件にまで減少しています。

和歌山県は、伝統技術と温暖な気候がもたらす良質な原材料により、ものづくりが発展してきた地域でもあります。その製造業においても、事業所数はこの30年間で半数以下に減少しているという状況です。

事業所が減少する理由はさまざまですが、後継者不足も大きな要因のひとつとなっています。

参照元:和歌山県「和歌山県の商工業」

後継者不在の企業も半数近い

帝国データバンクの「和歌山県 後継者不在率動向調査(2023年)」では、和歌山県の後継者不在率は改善傾向にあります。以下は、過去3年における動向です。

調査年度

後継者不在率

2021年

47.5%

2022年

46.2%

2023年

43.0%

和歌山県の後継者不在率は全国平均の53.9%を下回る結果となっています。改善した理由としては、各自治体や地域金融機関をはじめとした事業承継の相談窓口が普及したことや、第三者へのM&Aや事業譲渡、ファンドを経由した経営再建併用の事業承継などの支援体制が整備・告知されたことがあげられます。

これらのアナウンス効果により、現経営者だけでなく、後継者候補にも事業承継の重要性が認知・浸透されてきたことが、不在率を低下させた要因のひとつと考えられています。

ただ、年々低下する傾向にはあるものの、半数近い企業で後継者が見つかっていない状況にあるのは確かであり、対策が必要であることには変わりありません。

和歌山県における事業承継における前経営者との関係は、身内の登用など「同族承継」が55.3%とトップではあるものの、数字は2年連続で低下しています。そのあとは血縁関係によらない役員・社員を登用する「内部昇格」によるものが 23.4%、買収や出向を中心とした「M&Aほか」が 12.8%と続いています。

和歌山県の事業承継の特徴としては、親族間承継の減少と内部昇格の増加傾向により、「脱ファミリー」の動きが続いている状況です。 

参照元:株式会社帝国データバンク「和歌山県「後継者不在率」動向調査(2023年)」「全国企業「後継者不在率」動向調査(2022年)」「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」

関連記事:地方でのM&A動向と特有の難しさ、後継者問題や事例を解説

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和歌山県で事業承継を行う3つの方法

和歌山県で事業承継を行う場合には、次の3つの方法があります。

  • 親族内承継
  • 親族外承継
  • 第三者へのM&A

それぞれの方法に関して、解説します。

親族内承継

親族内承継とは、子どもや配偶者などのように、親族に対して事業承継を行う方法です。
従業員や取引先などの関係者から、理解を得やすいメリットがあります。また、ほかの方法と比べて、事業承継が行いやすく、余裕をもって準備を進めやすい点も特徴です。
ただし、中小企業では、後継者が見つからないケースもあります。また、親族に経営者の素質が見受けられない場合もあるでしょう。親族だからといって後継者にしてしまうと、自社の経営に影響が出る恐れもあります。

親族外承継

親族外承継とは、親族以外に事業承継を行う方法です。基本的には、自社の従業員や役員を後継者にする場合を指します。

親族外承継では、自社をよく知る人物を後継者に選ぶことで、経営を安定させられるメリットがあります。また、従業員の支持を受けている人物であれば、事業承継後のトラブルも防ぎやすくなるでしょう。
注意点は、事業承継で使用する資金面のハードルが高い点です。株式を買い取ってもらうためには、多額の資金を用意する必要があります。資金が用意できず、事業承継できない可能性もあるでしょう。
また、個人保証があることで、後継者が辞退するケースもあるため、注意が必要です。

第三者へのM&A

第三者とM&Aを行い、事業承継を行ってもらう方法もあります。後継者不足に悩む企業の選択肢として、実施が増加しています。

M&Aで事業承継を行うメリットは、経営者に資金が残る点です。自社の売却資金を使い、経営者引退後の生活を送ることもできます。また、後継者探しの範囲が広がることもポイントです。
注意点は、経営の一体性が保てないケースが発生する点です。方針がM&Aの買い手企業に依存するため、自社の希望が通らない可能性もあります。

また、M&Aの相手が見つからないケースもあります。交渉相手が見つからず、事業承継実施に時間が掛かってしまうリスクにも注意しましょう。

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和歌山県で事業承継を行う際の問題点 

和歌山県で事業承継を行う際は、次の問題点に注意しましょう。

  • 経営者の事業承継に対する認識が甘い
  • 後継者はすぐに育たない
  • 事業承継に必要な資金が捻出できない

それぞれの課題に関して、解説します。

経営者の事業承継に対する認識が甘い

経営者が事業承継に対する認識が甘いことも、事業承継を行う際の問題点です。
事業承継は、すぐに実施できると考える経営者もいます。

事業承継を行うためには、計画の策定や後継者育成などで、5年以上が必要とされています。すぐに事業承継ができると認識を甘く持っていると、準備が間に合わず、失敗してしまうケースもあるでしょう。

事業承継の実施や準備には時間が掛かることを認識し、あらかじめ準備を進めておく必要があります。

後継者はすぐに育たない

後継者がすぐに育たないことも、事業承継の問題点です。経営者として経験を積ませるためには、5年から10年は考えておく必要があるでしょう。
安定した経営を行うためには、経営に必要なスキルや、自社の状況を把握しなければなりません。最初からできる後継者はおらず、育成しなければならないでしょう。
後継者の育成が必要なことを理解しておかなければ、事業承継がスムーズに進まなくなります。

事業承継に必要な資金が捻出できない

事業承継に必要な資金が捻出できないケースもあります。事業承継の方法によっても、資金が必要な理由が変わるため注意が必要です。

たとえば、親族内承継を行う場合、税金を支払うための資金が必要です。資産を譲渡したことで発生する贈与税を支払います。しかし、会社の資産は現金化できないものも多く、贈与税が払えない企業も発生しています。

また。親族外承継を行う場合は、後継者に株式を購入してもらうことが必要です。その際、株式購入に必要なだけの資金を所持している従業員は少ないでしょう。

事業承継に必要な資金を準備しておらず、いざというときに支払いができない点も問題です。

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和歌山県で事業承継の案件を探す機関・サイト 

和歌山県で事業承継の案件を探す機関・サイトには、次の3つがあります。

  • M&A仲介会社
  • M&Aマッチングサイト
  • 金融機関

それぞれの手段の特徴に関して、解説します。

M&A仲介会社

和歌山県で事業承継を行う場合、M&A仲介会社を活用しましょう。相手企業の選定から、M&Aで事業承継を行う場合のサポートを実施してくれます。

M&A仲介会社を活用するメリットには、次のようなものがあります。

  • 案件の紹介や選定をしてもらえる
  • M&Aがスムーズに進む
  • 取り決めで発生するリスクを踏まえて進行できる
  • 業務への支障を少なくして交渉ができる

M&Aで事業承継を行う場合は、M&Aに関する専門的な知識が必要になります。実績と経験を持つM&A仲介会社を選びましょう。

M&Aマッチングサイト

M&Aマッチングサイトとは、M&Aの買い手と売り手をマッチングしてくれるWebサイトのことです。幅広い地域から、多くの案件が紹介されているため、交渉相手を探しやすい特徴があります。
M&Aマッチングサイトのメリットは、次のとおりです。

  • ニーズに合った案件を探しやすい
  • 自社のタイミングで案件を探せる
  • 小規模案件も扱っている
  • 短期間で交渉を行いやすい

M&Aマッチングサイトを利用する場合は、得意な業種で選びましょう。マッチングサイトごとに得意業種があるため、同業を探す場合は特化型を選ぶことがポイントです。

また、案件数にも差があるため、選択肢を増やしたい場合は、案件数が多いサイトを選びましょう。

金融機関

銀行や信用金庫などの金融機関でも、事業承継の案件を探せます。幅広い取引先を持っているため、事業承継相手も見つけやすくなるでしょう。

金融機関では、次のようなメリットが期待できます。

  • 取引先が幅広い
  • 融資を受けられる可能性がある
  • M&A全体も相談できる

注意点は、金融機関によってM&Aに対応できる範囲が異なることです。M&A専門の部署を所持しているか、アドバイザリー業務を行っているかなどは確認するようにしましょう。

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事業承継の流れ 

事業承継は、次のような流れで進めることが一般的です。

  1. 事業承継に向けて準備を進める
  2. 経営状況を確認する
  3. 経営改善を行う
  4. 事業承継計画を作る
  5. 事業承継を実施する

ここでは、それぞれの工程に関して解説します。

1.事業承継に向けて準備を進める

まずは事業承継実施に向け、準備を進めましょう。
事業承継実施には、時間と手間が掛かります。
また、準備をせずに進めてしまうと、事業承継がうまく進まない可能性もあります。関係者に迷惑を掛けることにもつながるため、あらかじめ準備しておきましょう。
事業承継を進める準備として、まずは専門家に相談しましょう。具体的には、次のような専門家への相談がおすすめです。

  • M&A仲介会社
  • 商工会議所
  • 金融機関
  • 公的機関

まずは、事業承継の必要性から認識し、準備に取り掛かりましょう。

2.経営状況を確認する

事業承継後も想定して、経営状況を確認しましょう。事業承継後も企業を成長させるためには、自社の課題や状況を知っておくことが大切です。

まずは、事業の状況に関して把握しておきましょう。事業の状況を知ることで、事業承継に向けて必要な取り組みが分かります。自社の強みや課題を整理しましょう。
次に、財務状況の把握も必要です。財務管理が適当になっていないか、確認しましょう。管理ができていない場合、事業承継に必要な資金調達が実施できない可能性もあります。取引先との関係性にも影響するため、財務状況を確認しましょう。

最後に、資産状況も確認が必要です。後継者に対し、どれだけの資産が残せるか確認しましょう。経営者と会社の資産を区別し、整理しておくことも大切です。

3.経営改善を行う

事業承継実施に向けて、経営改善を行いましょう。後継者が引き継ぎやすいように、経営を整えておくことが大切です。
たとえば、次のようなポイントを意識しましょう。

  • コスト削減
  • 業績改善
  • 技術・ノウハウ
  • コンプライアンス
  • 従業員

経営に不安が残る場合、後継者が事業承継を拒否してしまう可能性もあります。安心して引き継いでもらうためにも、経営改善を進めましょう。

4.事業承継計画を作る

事業承継がスムーズに行えるように、事業承継計画を作りましょう。作成時のポイントは、長期的な視点で作ることです。10年は見据えておくと良いでしょう。

事業承継計画を作る際には、自社の中期・長期的目標から作成します。中期・長期的目標をもとに、現経営者や後継者が何を行うか、具体的な行動を定めましょう。

また、計画を作る際には、後継者と協力して作りましょう。一緒に計画を作ることで、具体的な行動を起こしやすくなります。

作成後は、関係者にも計画を伝えておくことが大切です。あらかじめ計画を伝えておくと、事業承継時に適切なサポートを受けられるでしょう。

5.事業承継を実施する

事業承継計画に沿って、事業承継を実施しましょう。
親族内・親族外承継の場合は、資産や経営権の移動を進めます。

もし、M&Aで第三者に事業承継する場合は、承継先探しからスタートします。M&Aを行う場合は、M&A仲介会社に相談しましょう。自社のニーズに合わせて、適切な企業を紹介してもらえます。
事業承継を行う際は、計画どおりに進むとは限りません。専門家に相談しながら、状況に応じて柔軟に対応できるようにしましょう。

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和歌山県でのM&A仲介会社の選び方 

和歌山県でM&A仲介会社を選ぶ場合のポイントは次の5つです。

  1. 和歌山県でのM&A実績がある
  2. M&Aの知識や経験が豊富
  3. 対象分野の専門知識がある
  4. 料金体系が分かりやすい
  5. 担当者との相性が良い

それぞれの選び方に関して、解説します。

1.和歌山県でのM&A実績がある

和歌山県でM&A仲介会社を選ぶ際には、和歌山県でのM&A実績があるか確認しましょう。M&Aは、実施する地域や規模によって、必要な対応が変わります。和歌山県でのM&Aを成功させるためには、和歌山県の企業を支援し、実績を残している仲介会社を選びましょう。

2.M&Aの知識や経験が豊富

M&A仲介会社を選ぶ場合、M&Aの知識や経験が豊富なことも必要です。M&Aでは、法律・会計・税務などの専門的な知識も求められます。
M&Aに必要な知識を所持した担当が在籍していたり、専門家との連携ができている仲介会社を選びましょう。

3.対象分野の専門知識がある

M&Aを行う分野に対して、専門知識を持っていることも必要です。業界ごとでも、M&Aで必要な知識は変わります。
M&A仲介会社を選ぶ場合は、自社と同じ業界のM&A実績があるか確認しておきましょう。同じ業界のM&A実績を持つ仲介会社を選ぶことで、実績や経験をもとに、良いサポートが受けられるでしょう。

4.料金体系が分かりやすい

料金体系が分かりやすいことも、M&A仲介会社を選ぶ際には大切です。

完全成功報酬型のM&A仲介会社であれば、分かりやすく、利用しやすいでしょう。

料金が高過ぎたり、複雑だったりしてしまうと、予算を超えてしまい依頼が継続できなくなる可能性もあります。依頼できなくなることで、事業承継ができず、廃業するしかなくなるケースも想定できます。

完全成功報酬型のM&A仲介会社であれば、中間金や着手金が不要です。M&A成立後に料金を支払うため、M&A前には資金に余裕がない企業でも、安心して相談できます。

5.担当者との相性が良い

M&A仲介会社選びでは、担当者との相性も欠かせません。自社の今後を任せられる担当者を選びましょう。

多くのM&A仲介会社では、無料相談窓口も設置しています。まずは相談してみて、相性を確かめてみると良いでしょう。実際に相談しておくことで、信頼できる担当者か見極めやすくなります。

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和歌山県で事業承継を行う際に役立つ支援 

和歌山県で事業承継を行う際には、次のような支援が役立ちます。

  1. 和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター
  2. 和歌山県よろず支援拠点
  3. 和歌山県中小企業団体中央会
  4. 和歌山県商工会連合会
  5. わかやま産業施策
  6. 和歌山県信用保証協会

それぞれの支援内容に関して、詳しく解説します。

和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター

和歌山県事業承継・引継ぎ支援センターとは、事業承継に関するさまざまな相談を受け付けている公的機関です。国からの委託を受けて、運営されています。
中小企業や小規模事業者への対応を得意にしており、次のような支援を行っています。

  • 事業承継方法の支援
  • 事業承継計画作成
  • 専門家の派遣

事業承継で困っている場合は、相談してみましょう。

参照元:「和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター

和歌山県よろず支援拠点

和歌山県よろず支援経営拠点は、中小企業や小規模事業者を中心に対応する、経営無料相談所です。国によって、各都道府県に設置されています。

相談できる範囲は広く、経営に関する相談と合わせて、後継者問題の相談も可能です。親族内承継・親族外承継・M&Aなど、どの方法で事業承継を行う場合でも相談できます。

参照元:「和歌山県よろず支援拠点

和歌山県中小企業団体中央会

和歌山県中小企業団体中央会とは、中小企業等協同組合法により、中小企業の組合等を会員として設立された特別法人です。

専門的な知識が必要となる問題について、弁護士、税理士などによる個別専門指導を行っており、​​中小企業の経営全般について相談できます。事業承継についての疑問や不安についても相談できますので、ぜひ活用してみてください。

参照元:和歌山県中小企業団体中央会

和歌山県商工会連合会

和歌山県商工会連合会は、地域事業者が会員となり、ビジネスや街づくりのために活動する総合経済団体です。経済産業大臣の定める資格を持つ「経営指導員」が常駐しており、事業承継をはじめとするさまざまな経営の悩みについて相談に応じています。

商工会事務所や電話での相談のほか、経営指導員や職員が事業所を直接訪問する巡回相談も行っています。

参照元:和歌山県商工会連合会

わかやま産業施策

わかやま産業施策とは、和歌山県が行う事業承継支援の施策です。
「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」などの補助金で支援を行っています。

そのほかにも、融資制度での支援や、セミナー開催などの支援も受けられます。

参照元:和歌山県「わかやま産業施策

和歌山県信用保証協会

和歌山県信用保証協会は、金融機関などから融資を受ける際に、公的な保証人として支援を行ってくれる機関です。信用保証協会法に基づき、設置されています。
保証人以外にも、事業承継セミナーや専門家の派遣などでの支援も行う機関です。

参照元:「和歌山県信用保証協会

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和歌山県で事業承継を成功させる5つのポイント 

和歌山県で事業承継を行う際には、次の5つのポイントを意識しましょう。

  1. 事業承継ガイドラインを参考にする
  2. 事業承継先を考える
  3. 資金繰りを準備しておく
  4. 自社株を集中させる
  5. 専門家に協力してもらう

それぞれのポイントに関して、解説します。

1.事業承継ガイドラインを参考にする

事業承継を行う際には、中小企業庁の「事業承継ガイドライン」を参考にしましょう。
事業承継ガイドラインには、次のような内容が記載されています。

  • 事業承継の重要性
  • 事業承継の準備の進め方
  • 事業承継の課題と対応策
  • 事業承継の支援体制や支援機関

また、中小企業庁が事業承継ガイドラインを分かりやすくまとめた「経営者のための事業承継マニュアル」もあります。
事業承継に対して取り組み方が分からない場合、まずは「事業承継ガイドライン」「経営者のための事業承継マニュアル」を確認しましょう。

参照元:中小企業庁「事業承継ガイドライン
参照元:中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル

2.事業承継先を考える

誰に事業承継を行うかは、余裕をもって決めておきましょう。後継者次第で、事業承継の準備や注意点が変わります。

たとえば、親族内承継や親族外承継では、後継者の素質を意識しておく必要があります。次のようなポイントが、後継者には求められるでしょう。

  • 事業の継続や成長ができる
  • 経営者になる意欲がある
  • 後継者になる覚悟を持っている
  • 自社に合った価値観がある
  • 関係者から信頼されている

M&Aで事業承継を行う場合は、次のようなポイントが大切です。

  • 自社の理念を尊重してもらえる
  • お互いの企業風土が合う
  • 経営者の同士の相性が良い
  • 自社に対して理解がある

どの事業承継方法であっても、後継者探しの準備は必要です。専門家のアドバイスを受けながら、準備を進めましょう。

3.資金繰りを準備しておく

事業承継時に必要な資金繰りを準備しておきましょう。現経営者が準備できる間に、動いておくことが大切です。

親族外承継の場合は、譲渡を行うための資金が必要です。後継者が十分な資金を用意できるように、金融機関にあらかじめ相談しておく必要があります。

また、親族内承継の場合は、贈与税や相続税などの税金が掛かります。納税の猶予や免除が受けられる要件もあるため、積極的に活用しましょう。

資金繰りが準備できていないと、税金が負担になり、後継者が事業承継を辞退するケースもあります。事業承継で必要な資金は、現経営者がいるうちに準備しましょう。

4.自社株を集中させる

事業承継に向けて、自社株を集中させておきましょう。
自社株が分散していることで、M&Aの実施が大変になるケースもあります。
また、少数株主がいることで、少数株主から要求が行われて大変になるリスクも考えられます。自社株の生前贈与や信託の活用など、対策をしておきましょう。

5.専門家に協力してもらう

事業承継を行う際は、専門家に協力してもらいましょう。
事業承継・引継ぎ支援センターのような公的機関では、事業承継を支援が受けられます。
また、M&Aで事業承継を行う場合は、M&A仲介会社に相談しましょう。M&Aの場合は、税務や法律なども絡み、自社だけで進めることは大変です。弁護士や税理士などが在籍・連携しているM&A仲介会社を選ぶと良いでしょう。

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事業承継の準備が大切な2つの理由 

事業承継の準備が大切な理由は、次の2つです。

  • 経営者がいつ引退するか分からない
  • 後継者が高齢化する前に引き継いだ方が良い

それぞれの理由に関して、解説します。

経営者がいつ引退するか分からない

事業承継の準備が大切な理由の1つが、経営者がいつ引退するか分からないからです。急に病気になってしまったり、高齢で引退してしまったりする恐れがあります。
事業承継の準備が行われないまま経営者が引退してしまうと、引継ぎがうまく実施できなくなります。引継ぎを進める後継者や関係者にも、負担が掛かるでしょう。
経営者が高齢になるほど、病気を含めて引退のリスクが増加します。現経営者が元気なうちに、事業承継の準備を進めましょう。

後継者が高齢化する前に引き継いだ方が良い

後継者も高齢化してしまうため、高齢化する前に引き継ぎましょう。現経営者が長く経営に携わった結果、後継者も高齢化してしまう場合があるからです。後継者も高齢化してしまえば、病気や年齢のリスクが増加します。
また、後継者が高齢の場合、すぐに次の事業承継を始める必要があります。事業承継を繰り返してしまうと、企業の負担も増大するでしょう。高齢化で経営力が低下する恐れもあるため、事業承継の準備を行い、早めに後を継いでもらうことが大切です。

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和歌山の事業承継で利用できる補助金

和歌山県で事業承継する際、利用できる補助金があります。事業承継にかかる資金の一部を補助し、資金不足で事業承継がうまくできないという悩みを解決する制度です。

ここでは、2つの制度について、詳細をみていきましょう。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、経済産業省が運営する事業承継を促進するための制度です。事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業や、事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業を支援しています。事業承継にかかる費用の一部を補助することで、経済の活性化を目的としています。

補助の対象となる取組内容や経費の種類に応じて、「経営革新枠」、「専門家活用枠」、「廃業・再チャレンジ枠」の3事業に対して補助金を支給するという内容です。

参照元:経済産業省「事業承継・引継ぎ補助金」

わかやま地域課題解決型起業支援補助金

わかやま地域課題解決型起業支援補助金とは、公益財団法人わかやま産業振興財団が運営する制度です。和歌山県内における地域課題の解決を目的とした起業等に対して、必要な経費の一部を補助しています。

 和歌山県が地域再生計画において定める分野において、デジタル技術を活用して地域の課題解決を目的とした起業を行うことが支給要件です。ただし、事業承継等の場合は、Society5.0関連業種など、付加価値の高い産業分野でなければなりません。

参照元:わかやま産業振興財団「令和6年度わかやま地域課題解決型起業支援補助金」募集のお知らせ

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和歌山で行われた事業承継の事例

ここでは、和歌山県内で行われた事業承継の事例を2つ紹介します。

取引先に迷惑をかけない事業承継

創業70年という歴史のある製造業のN商店では、事業主の高齢により廃業も検討していました。しかし、長い歴史のなかで数多くの取引先と信頼関係を築いており、大切な取引先に迷惑をかけたくないという思いから、事業を同業者に引き継ぐこと考えることになります。

譲渡先候補にとして取引先のひとつである近隣のメーカーを選び、交渉を行いました。その結果、社員を受け入れて技術を伝承し、顧客も引き継ぐ事業承継を成功させています。

参照元:事業承継・引継ぎ支援センター「事業承継・引継ぎ」 事例紹介

ベンチャー型事業承継を実現

経済産業省の近畿経済産業局では、若手後継者が先代から受け継いだ有形・無形の経営資源を活用し、永続的な経営を実現するベンチャー型事業承継を推進しています。事業承継を契機に、新しい領域に挑戦する若手後継者を応援する取り組みです。

1953年に創業し、和歌山県で製造業を営むK製作所は、このベンチャー型事業承継を実現させています。大学卒業と同時に家業を引き継いだK氏は、事業承継を機に、自社の技術力・製品をより多くの人に知ってもらう取り組みを開始しました。

国内販売のみだった製品を米国でも販売することになり、米国における業界のコンベンションにも参加して日本の製造技術の高さをアピールしました。日本国内ではSNSも活用し、若い世代への知名度向上を図るなど、新しい顧客獲得に向けての活動を行っています。

参照元:経済産業省近畿経済産業局「家業で起業!地域の新しいベンチャーのかたち「ベンチャー型事業承継」のススメ

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まとめ

和歌山県の後継者不在率は改善傾向にあり、全国的な割合では低い順位にあります。それでも半数近くの事業所が後継者不在という現実があり、事業承継の対策を求められています。

事業承継を行う方法には、「親族内承継」「親族外承継」「第三者へのM&A」の3つがあり、どの方法で行うにしても、早めの準備が必要です。

事業承継を行う場合は、専門家のサポートが欠かせません。和歌山県には「和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター」や「和歌山県よろず支援拠点」など、事業承継の相談ができる公的機関が複数あります。後継者が見つからず悩んでいる方は、まず相談してみるとよいでしょう。

M&Aで事業承継を行う場合は、M&A仲介会社に相談してみてください。M&Aは法律や税金など専門的な知識が必要であり、安心して任せられるM&A仲介会社を選ぶことが大切です。

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