このページのまとめ
- 10億円以上で会社売却する方法は、事業譲渡や株式譲渡
- 企業価値が下回っていても、自社の強みがあれば10億円以上で売却できることがある
- 高値で会社売却するためには、タイミングを見極めることも大切
「自社を10億円以上で売却するのは難しいだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。一般的に、会社売却額は企業価値に関係します。ただし、他社にはない強みがあれば、相場以上の価格での売却も可能です。
本コラムでは、10億円以上で会社売却する方法や、企業価値の評価方法を解説します。そのほか、10億円以上で会社売却する5つのコツも紹介しているため、会社売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
10億円以上で会社売却する方法
一般的に、会社売却とは会社そのものや会社の資産・権利・契約などを第三者に売却することです。10億円以上で会社売却する方法として、事業譲渡や株式譲渡があります。
事業譲渡が会社の事業の一部を切り離して譲渡するのに対し、会社を丸ごと売却する点が主な違いです。また、事業譲渡では対価を売り手の会社側が受け取り、株式譲渡では株主が対価を受け取ります。
ここから、事業譲渡と株式譲渡の概要や、メリット・デメリットについて確認していきましょう。
事業譲渡
事業譲渡とは、会社が営む事業のすべて、もしくは一部を他の会社に譲渡する手法です。事業譲渡は、M&A(Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略で、会社の売買のこと)のひとつに分類されます。
事業譲渡の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 事業譲渡する側(売り手)と買い手が交渉する
- 交渉がまとまれば、基本合意書を締結する
- 買い手がデューデリジェンスを実施する
- 事業譲渡契約書を締結する
- 売り手が各機関へ届け出る
- 株主総会の特別決議で承認を得る
- 名義変更や許認可手続きを進める
- 事業譲渡の効力が発生する
引き継ぐ対象が限定されるため、望まぬ負債や債務を引き継ぐおそれがない点が、買い手にとってのメリットです。一方、対象事業に携わる従業員とあらためて雇用契約を締結しなければならない点や、手続きに時間や手間がかかる点が買い手のデメリットとして挙げられます。
売り手は、特定の事業のみを売却できる点、引き続き会社の経営を続けられる点がメリットです。事業規模や経営成績などによっては、売り手が事業譲渡で10億円以上得られることもあるでしょう。
ただし、事業譲渡すると競業避止義務の対象となる点が売り手のデメリットとして存在します。別途定めない限り、売り手は同一市町村区域内で譲渡後20年間は対象の事業を営めません(会社法第21条)。また、買い手と同様に手続きに時間や手間がかかる点もデメリットとして挙げられます。
参照元:e-Gov「会社法第二十一条」
関連記事:「事業譲渡のメリットとは?手続きや税務、他のM&A手法との違いを解説」
株式譲渡
株式譲渡とは、売却する会社の株主が株式を買い手に譲渡する手法です。売却する会社の事業譲渡と同様に、株式譲渡もM&Aのひとつに分類されます。
株式譲渡の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 買い手が株式取得にあたって株式譲渡承認請求をする(定款に譲渡制限が定められている場合)
- 取締役会もしくは株主総会を開催して譲渡承認を判断する(同上)
- 既存株主と買い手で株式譲渡契約を締結する
- 株主名義を書き換える
株式譲渡は、事業譲渡と比べて手続きが簡便な点が買い手と売り手に共通したメリットでしょう。
また、会社をそのまま引き継ぐため、スムーズに経営しやすい点が買い手のメリットです。一方、不採算事業も含めて引き継がなければならない点、全株式取得するまでに負担がかかる点などが買い手のデメリットと言えます。
売り手のメリットは、売却後も自社の従業員雇用が継続されやすい点です。ただし、不採算事業がある場合に、買い手から値下げ交渉される可能性がある点が、デメリットとして挙げられます。
なお、本記事で説明していく「会社売却」は、基本的に「株式譲渡」を用いる手法のことです。
関連記事:
「株式譲渡とは?手続きの流れや注意点・メリット・デメリットなどを解説」
「株式譲渡と事業譲渡の違いとは?M&A手法としてのメリット・デメリット」
自社を10億円以上で売却するために知っておくべきこと
自社を10億円以上で売却したいと考えているなら、以下のことを理解しておくことが大切です。
- 年商10億でも企業価値は10億と限らない
- 自社の魅力が会社売却の価格を押し上げることがある
それぞれのポイントを解説します。
年商10億でも企業価値は10億と限らない
一般的に、会社売却の価格は企業価値に基づき算出します。ただし、自社の年商が10億円だからといって、企業価値も同額になるわけではない点に注意しましょう。
企業価値とは、会社全体の価値を数字で表したものです。日本公認会計士協会は、「企業価値評価ガイドライン」で、企業価値を形成する要素として以下の5つを挙げています。
- 一般的要因(社会的要因・政治状況・経済政策・景気対策・法令・景気動向)
- 業界要因(該当する業界のライフサイクルにおけるライフステージ、類似上場会社の株価動向など)
- 企業要因(業種・業態・取引規模、収益性など)
- 株主要因(株主構成・株主構成・取引数量など)
- 目的要因(取引目的・裁判目的など)
なお、何をベースに企業価値を算出するかによって、方法や金額が異なります。
参照元:日本公認会計士協会「企業価値評価ガイドライン」
自社の魅力が会社売却の価格を押し上げることがある
数字にはあらわれない自社の魅力が、会社売却の価格を押し上げることもあります。企業価値はあくまで参考で、最終的な価格決定は双方の合意のもとにおこなわれるためです。
数字以外で会社売却の価格押し上げにつながる要素として、以下が挙げられます。
- 従業員
- 技術・ノウハウ
- 市場シェア
- 取引先
企業価値が10億円以下だったとしても、独自のノウハウなどがあれば交渉次第で10億円超で売却できる可能性があるでしょう。
企業価値を評価する方法3つ
会社売却の価格判断に使う企業価値を評価する方法は、主に以下の3つです。
- コストアプローチ
- インカムアプローチ
- マーケットアプローチ
ここから、3つのアプローチの概要を紹介します。
1. コストアプローチ
コストアプローチとは、売却対象会社の貸借対照表の右下に記載されている純資産の額から企業価値を算出する方法です。ネットアセットアプローチと呼ばれることもあります。
コストアプローチは、具体的な数値をもとに判断するため、客観的な評価を得やすい点がメリットです。一方で、対象会社の将来性が反映されない点がデメリットとして指摘されています。
なお、コストアプローチは、簿価純資産価額法や時価純資産価額法などにさらに分類可能です。簿価純資産価額法は、貸借対照表上の帳簿額をそのまま取り入れるのに対し、時価純資産法では資産や負債の項目を時価に置き換えて計算します。
2. インカムアプローチ
インカムアプローチとは、売却対象会社から期待される収益や、キャッシュフロー(事業に関するお金の流れ)に注目して企業価値を算出する方法です。とくに、成長性が高い会社を算出する際に使われます。
インカムアプローチのメリットは、コストアプローチと異なり将来性を考慮できる点です。ただし、事業計画で将来を予測した数字を使うため、客観性に欠ける点がデメリットとして指摘されています。
インカムアプローチも、DCF法や配当還元法などに分類できます。DCF法は数年後のフリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)をもとに算出する方法で、配当還元法は株主への配当金を基準とする方法です。
3. マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、上場している同業他社や類似取引事例などの市場取引を参考に企業価値を算出する方法です。マーケットアプローチのうち、売却対象会社と類似する上場会社を比較する方法をマルチプル法(類似会社比較法)、売却する取引と類似するM&A事例を参考にする方法を類似取引比較法と呼びます。
マーケットアプローチのメリットは、実際の数値を用いるため客観性が高い点、市場取引を参考にするため市場環境を反映できる点などです。一方、特殊な事情で一時的に市場が大きく変動した際に、企業価値がゆらぐ点がデメリットとして挙げられます。
関連記事:会社売却の相場や税金はどれくらい?準備からクロージングまでの流れも解説
10億円以上の売却の目安となる財務指標
本章では、10億円以上での売却を目指す企業が参考にすべき財務指標について解説します。
- 10億円規模での売却:純資産と営業利益(コストアプローチ)
- 100億円規模での売却:EBITDA(マーケットアプローチ)
業種や企業によっても異なるため一概には言えませんが、上記の売却規模とそれに応じて重視すべき指標は1つの目安として挙げられます。また通常の売却では、このような財務指標での価値に加えて、従業員のスキルなどがプレミアムとして上乗せされることがある点にも留意しましょう。
10億円規模での売却:純資産と営業利益(コストアプローチ)
10億円規模の売却を目指す場合は、コストアプローチを採用し企業価値を算出することが一般的です。コストアプローチでは、主に企業の資産に注目すると解説しましたが、代表的な計算式は下記のとおりになります。
企業価値 = 時価純資産 + 営業利益1~5年分
したがって、純資産と営業利益が重要な財務指標となり、この計算式に当てはめた結果が10億円以上であれば、10億円以上で売却できる可能性が高いと判断する目安となります。
100億円規模での売却:EBITDA(マーケットアプローチ)
10億円規模をさらに超え、100億円規模での売却となる場合は、一般的にコストアプローチよりもマーケットアプローチが採用されます。マーケットアプローチの中でもマルチプル法、特にEV/EBITDA倍率を用いた方法が代表的な計算式となります。
企業価値 = EBITDA × 類似企業のEV/EBITDA倍率 – 純有利子負債
EBITDAとはEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの略で、利払い・税引き・減価償却前利益を指します。目的によってEBITDAの計算方法は異なりますが、営業利益に減価償却費を足したものが代表的です。
EVとはEnterprise Valueの略で、企業価値そのものを示しています。このEV/EBITDA倍率を類似する企業から算出し、それを対象となる企業のEBITDAに掛けることで企業価値を算出します。
この計算式から、100億円規模での売却を目指す企業にとってはEBITDAが非常に重要であることがわかるでしょう。EBITDAは企業のキャッシュを生み出す力を測る指標として、M&Aのバリュエーションでは重要視される指標の1つです。
業種によってマルチプル(倍率)の値が異なるものの、一般的にEBITDAが20億円~30億円ほどあれば100億円以上での売却がしやすいと言えます。
上記の財務指標を高めることが10億円以上での売却を目指すコツの1つとなります。バリュエーションに関して、別の記事にてさらに詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
関連記事:
「EV/EBITDA倍率とは?計算方法や算出のメリット・デメリットも解説」
「事業売却の相場は?会社売却の金額・価値の査定方法も紹介」
10億円以上で会社売却するコツ5つ
前章で解説した財務指標を高めるだけでなく、M&Aの価格交渉においては、財務指標に表れないさまざまな要素も加味されます。このような「プレミアム」を高めることも10億円以上での売却のコツとなります。プレミアムの要素となり得る5つを本章では紹介します。
- 買い手に自社の強みをアピールする
- リスクとなり得る要素をなくす
- タイミングを見極める
- シナジー効果を期待できる会社と交渉する
- 専門家に相談する
それぞれ詳しく解説します。
1. 買い手に自社の強みをアピールする
自社の現状を整理した上で、強みをアピールすることが、より高値での売却につながります。競合他社にはない自社の強みが伝われば、買い手も無理な値下げ交渉をしようとはしないでしょう。
特にバリュエーションに影響しやすい強みとして、例えば特許や独自技術、ビジネスモデルの模倣困難性、優秀な人材、パートナー企業との関係性などが挙げられます。
2. リスクとなり得る要素をなくす
バリュエーションを高める強みを訴求するだけでなく、バリュエーションを下げる可能性があるリスクを事前に洗い出し、減らしておくことも重要なポイントの1つとなります。
財務的な観点では簿外債務や在庫過多などが挙げられ、それ以外の要素としては特定の人材や取引先への極度の依存、訴訟リスクなどが挙げられます。
3. タイミングを見極める
10億円以上の高値で会社を売却するためには、タイミングを見極めることが大切です。業界のトレンドや市場環境などを確認しておきましょう。
自社の業績が好調なタイミングで売却することもポイントです。業績が好調の方が魅力的な会社に見えるため、売却価格増加の可能性が高まります。
また、そもそも業績や財務状況がよい時の方が企業価値が高く算出されるでしょう。なぜなら、企業価値を算出する際の各アプローチで、営業利益や純資産額などの数字を用いることがあるためです。
交渉時の判断材料となる企業価値が高く算出されれば、より高値で会社を売却できます。
4. シナジー効果を期待できる会社と交渉する
シナジー効果を期待できる会社と交渉することも、高値で会社売却するためのコツです。
ビジネスにおけるシナジー効果とは、複数の会社が連携することで1社で活動した以上の力を発揮する「相乗効果」を指します。買い手からシナジー効果が認められれば、相場以上の価格で売却できる可能性も高まるでしょう。
また、同業者を相手に交渉することも大切です。同業者であれば、自社の強みを十分に理解してくれるでしょう。ただし、その分弱みに対してもシビアに見られる可能性はあります。
5. 専門家に相談する
客観的に自社の魅力を見つけてもらうために、専門家に相談することも大切です。会社売却の専門家として、以下が挙げられます。
- 公認会計士
- 税理士
- 弁護士
- 金融機関
- M&A仲介会社
M&A仲介会社に相談すれば、客観的な企業価値算出方法や、企業価値を高めるための方法がわかります。また、シナジー効果を発揮しやすい買い手も見つけやすいでしょう。
会社売却・バイアウトが10億円〜100億円の事例
10億円で会社売却やバイアウト(買収)が実行された事例はいくつもあります。その中で、今回は以下の6つの事例をご紹介します。
売却企業 | 買収企業 | バリュエーション | 要点 |
dely株式会社 | ヤフー株式会社 | 約93億円 | 中長期のシナジー創出の実現のために売買が成立 |
株式会社3ミニッツ | グリー株式会社 | 約43億円 | 動画広告という急成長市場の将来性を加味し売買が成立 |
株式会社BAKE | ポラリス・キャピタル・グループ株式会社 | 約100億円 | BAKE自体の急成長による今後への期待がプレミアムとなり、高価格で売却 |
株式会社バンク | 合同会社DMM.com | 約70億円 | ビジネスモデルのユニークさや創業者光本氏の魅力などによる高値での売却 |
株式会社Fablic | 楽天グループ株式会社 | 数十億円 | 同一市場で展開する買い手とのシナジーの生み出しやすさによって高値で売却 |
株式会社DeNAトラベル | 株式会社エボラブルアジア | 約12億円 | 売上規模や市場の成長性にもかかわらず、タイミングによって安値で売却 |
ここから、10億円以上で会社売却した事例を詳しく解説します。
事例1.ヤフーへの会社売却(dely)
delyは、2016年2月からレシピ動画サービス「クラシル」を提供している会社です。2018年7月に、ヤフーと株式譲渡契約を締結し、同社の連結子会社になりました。
ヤフーのプレスリリースによると、子会社化に伴うdely株式の取得価額は約93億円です。delyの設立年は2014年のため、創業からわずか4年で100億円近い価値を生み出したことになります。
ヤフーの発表によると、中長期にわたってシナジー創出を実現していくために、本件締結に至ったとのことです。
参照元:ヤフー「dely株式会社への資本参加および戦略的パートナーシップの構築について dely株式会社の連結子会社化に関するお知らせ(2018年7月11日発表)」
事例2.グリーへの会社売却(3ミニッツ)
3ミニッツは、ファッション動画マガジン「MINE BY 3M(マインバイスリーエム)」や動画マーケティングなどを手がける会社です。2017年2月に、主にゲーム事業を展開するグリーに株式譲渡して子会社化することが決まりました。
グリーのプレスリリースによると、子会社化による3ミニッツ株式の取得価額は約43億円(アドバイザリー費用額など含む)です。3ミニッツも2014年設立で比較的若い会社にもかかわらず、3年で数十億円の価値を生み出しました。
グリーによると、動画広告市場で更なる成長を実現できると判断したことが、3ミニッツを子会社化したきっかけとのことです。
参照元:グリー「株式会社3ミニッツの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
事例3.ポラリス・キャピタルへの会社売却(BAKE)
2017年にチーズタルト専門店を展開するBAKEが、PEファンドのポラリス・キャピタル・グループへ100億円超で売却されました。
当初のBAKEは売上が70億円、利益が5億円程度でしたが、急成長の結果、将来性がプレミアムとして上乗せされ、高値での売却が実現した事例となります。
参照元:日本経済新聞「投資ファンドのポラリス、チーズタルト店展開BAKEを買収」
事例4.DMMへの会社売却(バンク)
2017年にアイテムを即時で現金化できるサービス「CASH」などを手掛けるバンクを、DMMが70億円で買収しました。
直後の2018年、BANK経営者光本氏による5億円のMBO(マネジメントバイアウト)でDMMグループから再独立してしまったものの、このMBOの金額からもわかるように、2017年当時の売却額70億円はかなりのプレミアムが乗せられた形と推測することができます。
そのプレミアムの要因としては、ビジネスモデルのユニークさ、創業者光本氏の魅力などがあったと言えるでしょう。
参照元:
DMM Group「DMM、目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるアプリ「CASH」運営のバンクを買収」
NewsPicks「DMM亀山会長・独占告白。「CASH」70億円買収の真意」
事例5.楽天への会社売却(Fablic)
楽天は、2016年にフリマアプリ「フリル」を運営するFablicの全株式を取得しました。買収額は非公開ですが、数十億円規模と報じられています。
楽天はすでにフリマアプリ「ラクマ」を運営しており、フリマ市場シェア1位であるメルカリに追いつくために、Fablicを買収したと推察できるでしょう。
このように、シナジーを生み出しやすい企業への売却も、高値がつく可能性のあるポイントの1つです。
参照元:日本経済新聞「楽天、個人間取引狙う フリマアプリ大手買収」
事例6.エボラブルアジアへの会社売却(DeNAトラベル)
2018年に「エアトリ」などのオンライン旅行事業を行うエボラブルアジア(現エアトリ)が、DeNAよりDeNAトラベルを12億円で買収しました。
10億円を超えているものの、本件は上記の他の事例と異なり、高値というよりは同業界では比較的安値で売却された例となります。
当時はDeNAが事業の選択と集中を行っていたタイミングであり、DeNAトラベルの営業利益がマイナス19億円だったことで売却に至ったとされています。
譲受会社は買収から4ヶ月ほどでエアトリ事業の黒字化を実現しました。DeNAにとってはタイミング次第ではもう少し高値での売却が見込めたかも知れず、売却のタイミングの重要性を示唆する事例と言えるかもしれません。
参照元:
日本経済新聞「DeNA、旅行事業を売却 エボラブルアジアに」
株式会社エアトリ「エアトリ社(旧DeNAトラベル)買収後の営業黒字化のお知らせ」
買い手は10億で買える会社をどのように探す?
買い手がどのように10億で買える会社を探しているのか理解しておけば、自社で対策を立てやすいでしょう。金融機関や知り合いからの紹介以外で、買い手が「会社売却」を検討している会社を探す主な方法は、主に以下のとおりです。
- M&Aのマッチングサイトを利用する
- M&A仲介会社に依頼する
それぞれ確認していきましょう。
M&Aのマッチングサイトを利用する
買い手は、M&Aのマッチングサイトを利用して買収先を探すことがあります。M&Aマッチングサイトとは、オンライン上でM&Aの相手先を見つけられるサービスのことです。
会社売却を検討している側(売り手)も、M&Aのマッチングサイトに登録できます。一般的に買い手は利用に手数料がかかるのに対し、売り手は条件次第で無料のことがある点がメリットです。
ただし、会社売却に関するアドバイスやサポートは受けにくい点に注意しましょう。
M&A仲介会社に依頼する
買い手はM&A仲介会社に依頼して、買収先を探すこともあります。デューデリジェンス(売り手の調査)のサポートを受けられる点が、買い手がM&A仲介会社に依頼するメリットです。
会社を売却する側も、M&A仲介会社に依頼できます。M&A仲介会社に依頼すれば、アドバイスやサポートを受けられる点がメリットです。
ただし、M&A仲介会社に依頼する際は、手数料がわかりにくいことがある点に注意しましょう。完全成功報酬制のM&A仲介会社を選択すれば、コストが明確でわかりやすいです。
まとめ
10億円以上で会社売却する方法は、事業譲渡や株式譲渡などです。企業価値が売却価格の参考になります。
主な企業価値算定方法は、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチです。ただし、企業価値が10億円未満でも、自社の強みをアピールしたり、シナジー効果を見出すことで相場以上の価格で売却できることはあります。
会社売却する際は、M&A仲介会社などの専門家に相談することも大切です。料金体系がわかりにくければ、完全成功報酬型の会社に注目しましょう。
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社の料金体系は、M&Aご成約時に料金が発生する完全成功報酬型です。M&Aご成約まで無料でサポートするため、会社売却で悩んでいる際は、ぜひレバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社にご相談ください。