事業移管とは何か?混同されやすい事業譲渡との違いなど全体像を解説

2023年10月4日

事業移管とは何か?混同されやすい事業譲渡との違いなど全体像を解説

このページのまとめ

  • 事業移管とは特定の事業が担う業務を他事業部などに移す行為のこと
  • 事業移管と事業譲渡の違いは、対価が発生し取引と見なされるか否かにある
  • 事業移管の主な目的は、コスト削減や業務の最適化と効率化、人員の再配置など
  • 事業譲渡と比べて煩雑な手続きがなく、短期的に効果発現を期待できる点がメリット
  • 一方で中長期的に事業移管の結果がネガティブな影響をもたらす可能性があることに留意

事業移管という言葉は、事業譲渡とセットで用いられる場合と、事業移管単体で用いられる場合があり、これらの棲み分けを意識して使用することが重要です。

本稿では、事業移管の定義や、混同されやすい事業譲渡との違い、主な目的、メリット・デメリットなどを解説します。また、記事の最後では事業移管お知らせ時の例文も紹介しています。

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事業移管とは

まず、事業移管という言葉の定義について確認していきましょう。

事業移管の概要

事業移管とは、企業内のある事業部が担っている業務の全て、またはその一部を別の事業部へと移管する行為のことです。

移管先には、社内やグループ会社の事業部だけではなく、外部の事業者も含まれます。ただし、詳細は次章で解説しますが、事業移管という言葉で社外への移管が含まれるのは委託である外注のみが対象となります。外部へ事業そのものを移管することは、基本的に事業譲渡の範囲となり、事業移管とは異なることに留意してください。

業務移管やオフショアリングとの違い

事業移管とあわせて、業務移管やオフショアリングという言葉をよく耳にするかもしれません。この2つの言葉は、広義的に事業移管と同じ意味を持ちます。

業務移管とは

業務移管は、事業移管とほぼ同義であると言ってよいでしょう。文脈によっては、全体的な業務を移管する際に事業移管、より特定の業務を移管する際に業務移管、といった形で使い分けている場合もありますが、両者とも何らかの業務を移管するという本質的な点は変わりません。

オフショアリングとは

オフショアリングも意味としては事業移管と同じですが、基本的には業務を国内ではなく海外へと移管する場合に用いられます。つまり、海外のグループ会社または新たに設立した現地法人に移管するか、海外の現地事業者に委託する行為を指します。

例えば、製造工場やコールセンター業務を人件費が安い地域に移したり、法務や会計などの専門的な業務を、ビジネス展開を狙う現地に委託したりするケースが挙げられます。また、大規模な施設を要する研究開発業務を海外の広大な土地で実施する場合も、オフショアリングが適用される典型例の一つです。

事業移管との違いは、あくまで移管先が海外であるか否かという点であるため、こちらも業務移管と同様、本質的には同じ意味であることを理解しておきましょう。

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事業移管と混同されやすい事業譲渡

続いて、事業移管と混同されやすい事業譲渡について、その意味や事業移管との違いを解説します。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、M&Aで用いられるスキームの一つであり、企業が複数の事業のうち特定の事業の全て、または一部を第三者の企業へと売却することを指します。事業を売却する際に、従業員や工場の設備、負債などの権利義務関係といった対象を、個別に選択できる点が特徴です。

事業移管と事業譲渡の関係

冒頭で述べたとおり、事業譲渡と事業移管は、同一の内容として用いられる場合と、別のスキームとして用いられる場合があります。

同一の内容で用いられる場合とは、事業譲渡の結果として事業移管が行われる事象であり、「事業譲渡に伴って、特定の事業が別会社に移管される」ケースです。事業譲渡は、特定事業の第三者への売却、すなわち移管を行うスキームです。事業を移管すれば、そこで行われる業務も移管されるため、事業譲渡と事業移管が同一の文脈で用いられます。

一方で、別のスキームとして用いられる場合とは、業務を別の事業部に移管、または外部へ委託するケースです。事業譲渡のように、事業全体の第三者企業への譲渡とは、別の事象を指しています。

同一の内容で用いられる場合、事業移管は事業譲渡と本質的には全く同じ意味となるため、本稿では別のスキームとして用いられる場合の事業移管について解説していきます。

事業移管と事業譲渡のスキームとしての違い

事業移管と事業譲渡の違いについて、もう少し詳細に解説すると、その決定的な違いは「対価の受け取りが発生するか否か」にあります。事業譲渡では、事業を移管(譲渡)した結果、株式や現金といった対価を受け取るため、ビジネス上の取引として扱われます。

一方で、事業移管とは、特定の業務をただ移管することであり、対価の受け取りは発生しません。そのため、前章で触れたように、事業移管では社内やグループ会社の事業部が移管先として選ばれます。もし移管先が第三者の企業であれば、当然その企業は移管された業務を担うための対価を要求することになるため、事業移管とはいえません。

このように、事業移管は基本的に対価の受け取りがないものとして、事業譲渡と明確に区別できるでしょう。

ただし、注意するべきなのが、外注に関しては金銭などのやり取りが発生するビジネス取引ではないか、という点です。この点については、「対価の受け取り」ではなく、移管元の企業としてはむしろ「対価の支払い」を行っている形で説明が可能です。

したがって、事業譲渡と事業移管の違いは、厳密にいえば「対価のやり取りの有無」ではなく、「移管元における対価の受け取りの有無」となります。移管元に対価の受け取りがある場合は事業譲渡、対価の受け取りがない場合は事業移管になると覚えておきましょう。

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事業移管の目的

次に、事業移管を実施する目的について、事業譲渡とも比較しながら解説していきます。
事業移管の目的は、主に次の3つです。

  1. コスト削減
  2. 事業および業務の最適化と効率化
  3. 人員の再配置やモチベート

1.コスト削減

事業移管の目的として、コスト削減がしばしば挙げられます。該当の事業部の中で頻繁に行われていない、もしくは付加価値を創出していない業務が、移管対象として該当します。

例えば、以前は事業部ごとに新卒や中途入社メンバーの育成を行っていたが、それらを一括で人事がリードし、研修などを実施したあと、各事業部に配属する形に変更になったケースです。

ほかにも、数年前は経営戦略上M&Aを頻繁に行っていたため、M&Aの実務を担う専任の部署を設けていたが、オーガニック成長(M&Aに頼らない自社での成長)に力を入れる方針に変更したことにより、M&Aの専任部署を解体し、担当者には別業務をアサインする、といったケースも考えられます。この場合の移管先は、外部の専門業社への外注となり、M&Aが必要となった場合のみ活用されます。

上記2つの例では、どちらも人件費の削減を狙いとして事業移管が実施されます。また、オフショアリングとして工場を海外に移転することで、土地や建物の固定費を削減することも例として挙げられるでしょう。

このように、事業移管では、明確に何らかの費用の削減を期待して実施されるケースが多く見られます。

2.事業および業務の最適化と効率化

事業や業務の最適化と効率化も、事業移管の目的の一つです。いわゆるノンコア業務の移管といえるでしょう。

例えば、創業間もないクラウドサービス開発を手掛けるスタートアップ企業が、コア業務であるクラウドサービスの開発にリソースを集中させるために、それ以外の業務を移管する例が考えられます。
そのほかに、これまでは創業者らの人脈を中心として行ってきた採用活動を、外部のリクルートエージェントに委託したり、サービスの開発体制を開発チームと運用保守チームで明確に分業したりすることも例として挙げられます。

コスト削減も目的として含んでいるように見えますが、業務をいかにスムーズかつ効率的に運用していくかに主眼が置かれています。

上記の例でいえば、エージェントに外注すると、多くのコストが発生するかもしれません。しかし、本来であれば創業者らが開発や製品の販売にもっと時間をかけられていたはずが、採用活動に工数を取られてしまうことで、トップラインの低下を招いてしまうおそれがあります。
こうした事態を防ぐために、業務を最適な形で配置することが、事業移管の目的といえます。

3.人員の再配置とモチベート

3つ目の代表的な目的としては、人員の再配置やモチベートが挙げられます。特定の業務における専門性を高めることは極めて重要ですが、それによる弊害も当然ながら生まれてしまいます。

例えば、10年以上同じ業務を続けていることによる従業員のモチベーション低下や、新しい独創的なアイデアの出にくさ、組織ごとでの対立の深まりなどです。このようなケースでは、人員を再配置して新たな刺激を与えることが有効となる可能性があり、その手段として事業移管が用いられます。

具体的には、長きにわたり営業活動に従事していた従業員を、製品開発の事業部に移管することで、より顧客目線の製品が生み出されるといった効果が期待できます。また、財務の専門性のある従業員を、現場の営業や販促活動に従事させることで、コスト意識が部門全体に醸成されるケースもあるでしょう。

これは単なる従業員の部署移動となる場合は、事業移管とは言い切れないですが、この人員の移管により移管先の業務範囲を変更することも合わせて必要となります。
上記の営業の例であれば、製品開発部にも一部営業の機能を持たせたい、財務の例では、現場事業部でも財務管理を一部担わせたい、といった戦略的な狙いがあった上で実施する必要があるでしょう。これらは先述の業務の最適化の目的も含んでいますが、業務変更を伴う形で人員を変えることで、従業員をモチベートすることも事業移管の重要な役割であり、目的としても位置付けられます。

事業譲渡の目的との主な違い

事業移管と事業譲渡の主な違いは、移管元における対価の受け取りの有無であると解説しましたが、両者の目的にも違いがあります。

事業譲渡の主な目的は、事業の選択と集中といえます。事業譲渡が行われるのは、主に不採算事業が発生した場合や、成長事業にリソースを集中させたい場合です。

したがって、事業譲渡はより事業戦略レベルでの判断が必要であり、中長期的に効果を狙う側面を持ち合わせていると考えられます。一方の事業移管では、上記で紹介したとおり、コスト削減や業務効率化、人員の再配置など、業務目線での短期的な効果を期待するケースが多くなります。

つまり、効果を狙う目線や時間軸が、事業移管と事業譲渡における目的の違いです。

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事業移管のメリットとデメリット

ここでは、事業譲渡と比較した際の、事業移管を行うメリットとデメリットを紹介します。

事業移管のメリット

事業譲渡との目的の違いとしても挙げたように、事業移管はスムーズに移管が行われれば、短期的に効果の発現を期待できる点がメリットです。
一方の事業譲渡は、その性質上工場や従業員などの経営資源の大幅な変更を伴うため、実際に効果を得られるまでには数年を要するケースも少なくないでしょう。

事業移管の場合、例えばコスト削減を期待して海外に工場などを移転した際に、その土地や建物などの支払いによる固定費の削減は、移転の翌年度から会計上に反映され効果が発現します。

また、もう一つのメリットとして、手続きのスムーズさも挙げられます。
事業譲渡の場合、譲渡する対象の資産を個別に選択する必要があるため、譲渡対象となった資産に関連するステークホルダーとの個別同意が不可欠です。
例えば、従業員を譲渡する場合は対象の従業員と、建物を譲渡する場合は建物のオーナー、取引上の売買契約を譲渡する場合は契約取引先というように、事業譲渡では各関係者から個別に同意を得なければなりません。

一方で、対価が発生しない事業移管では、基本的に個別同意は必要ありません。そのため、事業譲渡よりも簡潔かつスピーディーに移管を完了することが可能です。

ただし、個別同意は必要ないものの、事業移管においても、移管対象となる従業員らへの説明や理由付けは行うべきでしょう。事前に何の説明もなく自身の業務が削減されたり、別事業部へと移管されたりすれば、当然対象の従業員は不安や不信感を覚え、モチベーションの低下につながります。個別に行う必要はなくとも、きちんと納得のいく説明を事前にしておくことは、事業移管を円滑に進める上で重要です。

事業移管のデメリット

一方、事業移管によって期待した効果が本当に得られるかどうかは、慎重な判断が必要です。上記で述べたように、事業移管を進めることで、かえって従業員のモチベーション低下などによる人材流出が起こったり、業務の最適化を狙ったはずが上手く業務移管および統合できなかったりするおそれがあるためです。

また、長期的な視点で見た際に、コスト削減などの事業移管の施策がかえって足枷となる可能性もあります。例えば、コスト削減のために不必要だと思われるものを削ぎ落とした結果、従業員の日々の業務が圧迫されて突然の繁忙期に対応できなったり、従業員の再配置を繰り返した結果、専門性の低下を招いたりするケースが考えられます。

このように、事業移管には、施策を進めることで予期していなかった失敗や、中長期的なマイナスの影響が起こり得るデメリットが存在します。したがって、事業移管を実施する際は、スムーズに実行可能な点などのメリットと合わせて、失敗やトラブルが起こり得ることも念頭においた上で、慎重に判断を行うことが重要です。

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事業移管と事業譲渡の比較まとめ

ここまでの解説を踏まえて、混同されやすい事業移管と事業譲渡の違いを下記の表にまとめました。

比較項目

事業移管

事業譲渡

概要

  • 当該事業が担う業務を他事業部などへと移すまたは、外部へ委託する行為。
  • 事業移管と同様の意味を持つ、業務移管や特に海外への移管を意味するオフショアリングも存在。
  • 移管元における対価の受け取りは発生せず、あくまでグループ内の事業部への移管もしくは、外部への委託が対象。
  • 複数の事業を営む企業が、そのうちの特定の事業を外部の第三者企業へと譲渡する行為。
  • 移管元企業は、当該事業を譲渡した対価として、現金または株式などを受け取る。

目的

  • 主に短期的な効果発現を期待する、事業内における特定の業務に関する下記のような施策。
    • コスト削減
    • 事業および業務の最適化と効率化
    • 人員の再配置とモチベート
  • 主に中長期的な効果発現を期待する、事業戦略レベルでの取引であり、下記のような選択と集中に主眼を置いている。
    • 不採算事業の再生
    • 成長事業への注力およびリソース強化
    • 後継者不足の解消

メリット

  • 移管がスムーズに進めば、短期的な効果発現が期待できる。
  • 個別同意などの煩雑な手続きが不要で、速やかに実施可能。
  • 譲渡対象の個別選択および、中長期的な取り組みであることから、人材流出などのリスクを最小化することが可能。

デメリット

  • 人材流出リスクや従業員の業務圧迫など、事業移管の施策によるマイナスの影響を包含。
  • 基本的に効果発現には中長期的な期間が必要。
  • 従業員や取引先など、各関係者との個別の同意が必須であり、多大な時間と手間が必要。

表1:事業移管と事業譲渡の比較まとめ

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事業移管の代表的な例

ここからは、事業移管の対象となる代表的な例を紹介します。

定型業務

事業移管の対象とされやすい代表例として、まず定型的な業務が挙げられます。ルーティーン化された業務は、効率化やコスト削減につながりやすいためです。

具体的には、工場などにおける生産性の高い業務が該当するでしょう。自動車の組み立てプロセスは、その最たる例といえます。自動車を製造するには、さまざまな部品の組み立てと統合が必要です。一方で、このような業務は定型的な側面が強いため、生産ラインを明確化して分業化することで、効率的かつスムーズな製造が可能となります。

例えば、企業Aが製造する特定の車種の製造に関して、その車種の規格に沿うタイヤは下請け企業Bが担い、ハンドルは企業C、エンジンは企業D……と分業し、最終的に企業Aが各部品を統合して完成させるケースです。企業Aが全てのプロセスを自社で行うよりも、分業したほうが生産性向上につながると判断された場合は、該当する定型業務を移管します。

単純業務

いわゆるデスクワークと呼ばれる業務の中で、比較的単純な業務も事業移管の対象となりやすいです。マニュアル化や業務の一部をデジタル化することで、より人件費の低い地域へと移管したり、外注したりすることが可能となるためです。

単純業務の例としては、会計伝票などのデータ入力や、コールセンターにおける電話対応などが挙げられます。

コールセンターの場合、対応すべき内容をマニュアル化し、より簡易に応対できるようにすることで、正社員ではなく人件費の低い派遣社員や契約社員、または海外の人員へと業務を移管できます。また、問い合わせ電話の初期対応を自動音声によってデジタル化し、オペレーターが対応する時間を短縮することも典型的な例です。

このように単純な業務は、事業移管として実施するハードルが低く効果も得やすいため、移管対象として適しています。

専門業務

上記2つの業務の移管が、主に効率化やコスト削減を目的としているのに対して、専門的な業務の移管は、コスト削減に加えて付加価値の向上も狙って実施されます。

専門業務がコスト削減の対象となる場合は、その専門性を維持していくことが困難となり、外部へと委託せざるを得ないケースが挙げられます。

例えば、M&Aの実施にあたっては、幅広く専門的な知識を要しますが、企業の事業戦略によってM&A業務が必要となるシーンは大きく変動します。したがって、M&Aを今後は頻繁に実施しないと判断した場合、専門的な人材を雇用し続けるよりも、必要な場合のみ外部へと委託するほうがコストを削減できるため、事業移管がなされる場合があります。

一方で、付加価値の向上を期待するパターンとしては、専門的な業務を複数の部門に分けるのではなく、特定の部門に集約させたり、より高い効果をもたらす業務と近接させたりすることが挙げられます。

複数のブランドを展開するファッション企業を例に見てみましょう。これまでは、各ブランドが独立して、製品の企画や製造、マーケティングを行っていたとします。このうち、マーケティング機能を全社的に強化したい場合、マーケティング部門を新設し、ブランド横断で業務を集約させるような施策が考えられます。

また、複数のファッションブランドのうち、中高年代をターゲットとするブランドと、子供向けのブランドがあったとします。ファミリー層を新たに取り込むために、これらのブランドを相互に連携させ、それぞれの強みを活かしてファミリー向けブランドとして強化することも、例として挙げられるでしょう。

このように、専門的な機能を集約したり、近接させたりすることで、より付加価値を生む業務へと変換することも事業移管の方法の一つです。

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事業移管におけるお知らせの雛形

最後に、事業移管を関係各所へ通達する際のポイントと雛形を紹介します。

お知らせ文作成におけるポイント

事業移管のお知らせ自体は必須ではなく、あくまで任意での通達となります。しかし、顧客や取引先など移管対象の業務に関係があるステークホルダーには、メールなどでお知らせしておくことで、今後の円滑な取引につながるでしょう。

影響範囲が大きい場合は、メールなどで個別にやり取りするのではなく、プレスリリースでアナウンスを行うことも有効な手段となります。

以下は、お知らせ文に含めるべき基本的な項目です。

  • 挨拶文
  • 移管対象となる事業および業務
  • 移管の目的
  • 移管実施日
  • 移管先の企業および事業
  • 移管に関する連絡先

お知らせ文の雛形

実際に事業移管を実施した際に移管元企業が通達するお知らせ文の一例を紹介します。上記の基本的な項目を含めた一般的な内容であるため、活用の際は企業や取引の特性に応じて、柔軟に変更することを心がけてください。

(お知らせ文の雛形 – 一例)

事業移管のお知らせ

お客様および関係者各位

拝啓 貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、この度、XXXX株式会社は業務効率化、サービス向上を目的とし、△△△△事業の〇〇〇〇に係わる業務一切を、グループ会社である株式会社XXXXへ事業移管することに相成りました。

お客様にはご迷惑とならない様できる限り円滑に業務の引継ぎを行って参ります。事情ご賢察いただき、ご理解賜ります様お願い申し上げます。

なお、この度の事業移管に際しましては、XXXX株式会社の従業員の転籍も含んでおりますので、お取引条件の詳細につきましても、これまでと代わりなく、担当者と打ち合わせをお願いいたします。

本件につきましては、ご不明な点やご質問等ございましたら、下記担当窓口へご連絡よろしくお願い申し上げます。

永年にわたるXXXX株式会社のご芳情に深く感謝いたしますと共に、今後とも、株式会社XXXX共々、今まで以上のお引き立てを賜りたく、謹んでお願い申し上げます。

まずは、略儀ながら書中をもって、ご案内、ご挨拶申し上げます。

敬具

令和 YY年 MM月 吉日

XXXX株式会社
代表取締役社長 XX XX

移管日:令和 YY年 MM月 DD日より、株式会社XXXXでの業務開始

株式会社XXXX担当窓口:〇〇〇〇
住所:〇〇〇〇
TEL:00-0000-0000
FAX:00-0000-0000

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まとめ

本稿では、事業移管について、混同されやすい事業譲渡との違いを中心に、目的やメリット・デメリット、代表的な例などを解説しました。

事業移管は短期的に効果を創出しやすい反面、強引に推し進めすぎると、中長期的にはかえってリスクとなる可能性も含んでいます。自社の状況や事業環境を踏まえて、慎重な判断を心がけ、事業移管の効果を最大限享受できるよう意識しましょう。

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