事業承継とは?書籍の選び方、おすすめの本を目的別にご紹介します

2023年9月14日

事業承継とは?書籍の選び方、おすすめの本を目的別にご紹介します

このページのまとめ

  • 事業承継に悩む経営者は数多く存在する
  • 事業承継の主な課題は、承継者の選定・M&A知識・税金問題である
  • 課題に対処するのに、参考になる書籍を読むことも有用

事業承継という言葉は、多くの経営者が1度は耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか。事業承継は日本の経営者の多くが直面する課題であるにもかかわらず、実際には検討を始めることすらできていないケースがたくさんあります。また、事業承継は非常に複雑で難しい経営課題であるため、検討しようにもどこから手をつければいいのかわからないという方がたくさんいらっしゃると思います。
この記事では、事業承継を理解するのに役立つおすすめの本を紹介します。

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事業承継とは

事業承継とは、経営者が引退する際に、その事業を次の世代に引き継ぐことを指します。これは、経営者が自身の事業を継続させるための重要なプロセスであり、経営の継続性、企業の持続的な成長、そして従業員の雇用の安定に寄与します。

事業承継の重要性は、中小企業や小規模事業者の経営者の高齢化という現状により一層高まっています。帝国データバンクの調査によると、経営者の2022年時点での平均年齢は60.4歳で、1990年の54.0歳から1990年から32年連続で上昇し、過去最高を更新しました。

また、独立行政法人 中小企業基盤整備機構「令和 4 年度 事業承継・引継ぎ支援事業の実績について」によると、事業承継の件数も増加傾向にあり、2022年度には22,361名が全国の事業承継・引継ぎセンターに相談しており、これは前年度比107%の増加で過去最高となっています。
このことから、多くの経営者にとって、事業承継は現在直面している、あるいは遠くない未来に直面する経営課題であることがわかります。

一方で、廃業の件数も増加しており、帝国データバンクの調査では、2022年の休廃業・解散件数は5万3426件となっています。事業承継の目処が立っていないために廃業を予定している経営者も多いことを考えると、事業承継の難しさと準備不足のために、事業を次代に残せない事例が多くあることを伺わせます。

しかし、事業承継は必ずしもネガティブな面だけではありません。事業承継を成功させることができれば、事業の成長を加速させられる可能性があります。新たな経営者が新しい視点やアイデアをもたらし、事業の革新や拡大を促すことができます。

また、経営者の交代は、組織の風土や働き方を見直す良い機会となり、組織の活性化や生産性の向上につながることがあります。これらの要素は、事業の競争力を高め、さらなる成長を促す可能性があります。

※参照元:
株式会社帝国データバンク『全国「社⻑年齢」分析調査(2022 年)』(2023年6月15日)
独立行政法人 中小企業基盤整備機構「令和 4 年度 事業承継・引継ぎ支援事業の実績について
株式会社帝国データバンク『全国企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)』(2023年1月16日)

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事業承継の課題

事業承継を行うに当たって、経営者は、承継者の選定、M&Aに関する知識の習得、そして複雑な税金問題への対策といったさまざまな課題に対処しなければなりません。この章では事業承継を考える経営者が直面する問題について解説します。

承継者の選定が難しい

事業を引き継ぐ人材を選ぶことは、事業承継における最も重要で難しい課題の一つです。承継者は、経営者の理念やビジョンを引き継ぎ、事業を成功させる責任を担う存在です。選定の際には、社内の人材の育成計画を立てたり、社外の人物を選定したりするなどの選択肢があります。

家族や親族に承継したいと考える経営者はたくさんいらっしゃると思います。ただ、様々な事情からそのような承継が叶わないということもあるでしょう。その場合、次に考えるのは社内の人材への承継です。

社内承継を実現するには、経営者としての資質や意思決定能力、リーダーシップなどをもつ社内人材が必要です。しかしそのような人材が社内に育成されていないのならば、社外の人物から選定することになりますが、安心して事業を託せるかどうかの判断は難しいものです。

このように承継者の選定は、経営者に難しい決断を迫る課題なのです。

M&Aの知識が必要になる

事業承継においてM&A(合併・買収)の知識が不可欠であることも、事業承継が困難である理由のひとつです。
M&Aとは、他の会社を買収したり合併したりする経営の手法です。事業承継は一般的にはM&Aが用いられることから、経営者はM&Aの手法についての知識を身につける必要があります。具体的には、M&Aの基本的な概念や法律手続き、企業価値の評価方法、相手との交渉のポイントなどを多くのことを理解することが重要です。さらに、M&Aを成功させるための戦略やリスク管理についても学ぶことが求められます。

複雑な税金処理の難易度が高い

事業承継に際して、経営者は税金の問題にも対処しなければなりません。会社の法人税だけでなく、家族の家計に影響する相続税や贈与税などにも注意が必要です。事業承継によって生じる税金の負担を最小限に抑えるためには、幅広く税の知識を身につけるべきだと考えられます。

具体的には、事業承継における税制優遇措置や相続税の財産評価方法や贈与税の控除枠などが影響します。また、税金に関する法律は頻繁に改正されるため、定期的な情報収集とアップデートも大切です。

事業承継に際しては、承継者の選定、M&Aの知識、税金の問題といった複雑で難易度の高い課題に経営者は向き合っていく必要があります。しかし多くの経営者にとってこのような課題は初めて直面するものであるため、事業承継はとても困難なものになっているのです。

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事業承継に関する本の5つのカテゴリ

事業承継には複雑で難易度の高い課題があるため、仲介会社や専門家に相談することが一般的です。しかし、相談するとしてもある程度知識を身につけておくのが望ましいでしょう。この章では、事業承継に関する本を選ぶ際に指針となる5つのカテゴリを解説します。

事業承継の概要理解

事業承継は複雑なプロセスであるため、まずは概要を理解する本をおすすめします。

全体像を把握することで、事業承継の多くの側面、例えば、後継者の選定と育成、承継計画の作成、事業価値の評価、税務や法的な手続き、そして実際の承継という各ステップをイメージできるようになるでしょう。それぞれのステップが事業承継全体にどのように影響を与えるのかを理解することで、より深い洞察を得ることが可能となります。

承継先の選定

事業承継において、承継先の選定は重要なステップであり、企業の将来に大きな影響を与えます。家族内承継、 社内の後継者による承継、 他の企業や投資家といった第三者への承継などのパターンがありますが、それぞれには特有の難しさが存在します。

そこで、承継先の選定に役立つ本を読むことを強く推奨します。自身の事業や状況に最適な承継先を見つけ出すためには、各パターンの利点と欠点、それぞれの難しさを把握することが不可欠です。

M&Aの理解

事業承継を検討する上で、M&Aに関する知識も重要です。M&Aは事業承継に用いられる一般的な手法ですが、ファイナンス・法務・交渉術などの幅広い知識から成り立っています。M&Aの基本的な概念や手法を身につけておくことで、いざ事業承継を始めた時に見慣れない専門用語や考え方に圧倒されてしまうような事態を避けられるでしょう。

事業承継の税金知識

事業承継には、多くの税務上の課題が伴います。これらは企業資産の評価、相続税、贈与税、法人税といったさまざまな種類の税金に関わり、事業だけでなく家族全体の財務状況にも深く影響します。そのため、税務知識を身につけるのに役立つ本を読むことが必要でしょう。

事業承継の実体験

事業承継は理論だけでなく実体験に基づく知識も有益です。事業の規模や業種や家族の状況などによって適切な戦略が変わる可能性があります。

また、事業承継は金銭的な損得だけでなく、経営者や家族や従業員の感情や人間関係にも関わるプロセスです。このため、具体的なケーススタディはそのような関係者の心情を理解する手助けとなります。

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事業承継の概要を理解するのにおすすめ本 

まずは事業承継の概要を理解するのにおすすめの本を3冊紹介します。

事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本

概要

秀和システム「事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本」は、事業承継の概要を理解するための一冊としておすすめできる本です。

中小企業の経営者を対象に、弁護士、税理士、公認会計士が事業承継のノウハウを易しく解説しています。事業承継における注意点、相続等の基本的な知識、税金の仕組みなどをわかりやすく解説しており、事業承継の悩みをQ&A形式でわかりやすく解説しています。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、一覧性とわかりやすさにあります。事業承継に際しては、法律や会計や税金の知識が必要となりますが、この本はどれかに偏ることなく、それらを易しく解説しています。

また、Q&A形式で書かれているため、読者は自分の疑問点を直接解決することができます。
さらに、著者は弁護士、税理士、公認会計士という専門家であり、その知識と経験をもとに具体的な事業承継のノウハウを提供しています。読者は信頼性の高い情報を得ることができます。

事業承継を考えている経営者にとって、この本はちょうどよい入り口となるでしょう。

※参照元:秀和システム「事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本

事業承継が0からわかる本

概要

中央経済社「事業承継が0からわかる本〈第2版〉」は、事業承継の基礎から具体的な手法までを網羅した一冊です。著者は、事業承継の専門家としてその知識と経験を活かし、読者が事業承継について深く理解できるように導いています。本書は360ページにわたり、事業承継の全体像を明確に描き出しています。

おすすめのポイント

この本のおすすめポイントは、専門用語の利用を極力避けた会話形式による読みやすさと、事業承継に関する基礎から具体的なケーススタディまでを網羅している点です。

「会話形式なので読みやすい」、「事業承継に関することが基礎から丁寧に書いてある」、「いろんな制度の説明と共にどんなケースで有効か具体例が書いてあるからイメージわきやすい」という感想が寄せられており、事業承継の概要を学ぶのに適していると考えられます。

また、本書は事業承継税制についての説明も含んでいます。事業承継税制については後述する税金に焦点を当てた本で学ぶことをおすすめしますが、難解な仕組みなので本書でイメージを得ておくことは今後の理解を促進することでしょう。

※参照元:中央経済社「事業承継が0からわかる本〈第2版〉

中小企業向け 会社を守る事業承継

概要

アルク「中小企業向け 会社を守る事業承継」は、事業承継の重要性と具体的な手法を解説した書籍です。著者は、M&Aマッチングプラットフォームを運営する会社の代表取締役であり、その豊富な経験と知識をもとに、事業承継の在り方を具体的に解説しています。

本書では、事業承継の手法として「親族につなぐ」「社内の人材につなぐ」「社外の人材につなぐ」等の方法があり、それぞれのメリットやデメリット、未来志向の事業承継を行うためのフレームワークについて解説しています。また、デジタル化が進む中で普及しつつある「M&Aプラットフォーム」についても詳しく紹介していることが特筆されます。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、事業承継の具体的な手法とそのメリット・デメリットを明確に理解できる点にあります。また、デジタル化が進む現代において、新たな事業承継の形として注目される「M&Aプラットフォーム」について詳しく解説している点も魅力です。

これから事業承継を検討している経営者が利用する可能性が高いものであり、うまく活用することで事業承継の選択肢を広げることができます。

さらに、本書は金融機関の事業承継支援に焦点を当てており、金融機関との協業を通じた事業承継支援の可能性についても探求しています。取引先の金融機関と事業承継を相談する際には、この本の内容を踏まえておけばより意義のある連携が可能になるかも知れません。

※参照元:アルク「中小企業向け 会社を守る事業承継

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承継先選びを考えるのにおすすめ本

事業承継の最も重要な課題である承継先選びに役立つ本を2冊紹介します。

後継者選びに迷ったときに読む 事業承継 実践ガイドブック

概要

清文社「後継者選びに迷ったときに読む 事業承継 実践ガイドブック」は、事業承継の実践的なアドバイスを提供する一方で、親族内承継、社内承継、第三者承継(M&A)の3つの選択肢について、それぞれの承継方法や承継金額、その他のポイント等をわかりやすく解説しています。

著者は、大手会計事務所に入所後、中小企業の事業承継に取り組んできた経験を持つ公認会計士・税理士で、多くの事業承継に実際に携わった経験者です。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、後継者選びに迷っている方や、事業承継の適齢期を迎えている方にとって役立つであろう、具体的な進め方が著者の豊富な経験と知識を元に紹介されているからです。後継者選びの進捗に応じたアクションが提案されており、読者が自身の状況に応じて適切な承継方法を選択するための参考になります。

後継者選びの重要性はわかっていても、進め方がわからなかったり、様々な事情に伴う複雑さに圧倒されたりで、なかなか着手できないでいる経営者の方は多いと思います。事例豊富なこの本を手に取れば、具体的な行動を起こすための一助となることでしょう。

※参照元:清文社「後継者選びに迷ったときに読む 事業承継 実践ガイドブック

事業承継の経営学 企業はいかに後継者を育成するか

概要

白桃書房「事業承継の経営学 企業はいかに後継者を育成するか」は、後継者の選定と育成について深く掘り下げた一冊です。

著者は、経営学の専門家としての深い知識と経験をもとに、事業承継の現実的な課題と解決策を明確に解説しています。本書は、具体的な事例を交えながら、後継者の選定基準、育成方法、そして承継者が直面する可能性のある問題とその対処法を詳細に説明しています。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由として、その実践的な内容と理論的な背景のバランスが取れている点にあります。著者の経営学の専門家としての理論的な理解に裏付けされたものながらも、よく知られている老舗企業の事例やオンライン連載の記事をベースに書かれた本で、後継者を決めるということを大局的にも具体的にも理解することができます。

この本を読めば、事業承継は単なる経営の交代ではなく、企業の持続的な成長と発展を可能にするための重要なプロセスであること、そしてそれ故に、後継者の選定と育成は経営としての重要な課題であることがわかるでしょう。

事業承継を考えている経営者や後継者候補にとって有益な知識と洞察を提供します。

※参照元:白桃書房「事業承継の経営学 企業はいかに後継者を育成するか

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M&Aの基本を理解するのにおすすめ本

以下では、事業承継に必要となるM&Aの知識を得られる本を2冊紹介します。

M&Aがわかる

概要

日本経済新聞出版「M&Aがわかる」は、M&Aの基本から実務までを解説した一冊です。著者は、多くのM&A案件を手がけてきた経験豊富な専門家で、その知識と経験をもとに、M&Aの全体像をわかりやすく説明しています。

この本は、M&Aの基本的な概念から、その手続き、戦略、そして実際の事例まで、幅広くカバーしています。また、M&Aを成功させるためのポイントや、失敗を避けるための注意点も詳しく解説されています。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、その実践的な内容と、わかりやすい解説にあります。M&Aは複雑なプロセスであり、専門的な知識がないと理解が難しいことも多いです。その点、「M&Aがわかる」は、専門的な知識を必要とせずにM&Aの基本を理解できるように作られています。

また、実際の事例を通じて、M&Aの理論だけでなく、その実践的な側面も学べます。事業承継だけを取り扱う本ではありませんが、この本を読むことで、M&Aの基本的な知識を身につけ、事業承継に役立てることができることでしょう。

※参照元:日本経済新聞出版「M&Aがわかる

初めてでも分かる・使える 株式交換・株式移転・株式交付の実務ハンドブック

概要

中央経済社「初めてでも分かる・使える 株式交換・株式移転・株式交付の実務ハンドブック」は、税理士法人によって執筆され、株式交換、株式移転、株式交付といったM&Aの基本的な手法を初心者でも理解できるように解説しています。具体的な事例を交えながら、これらの手法がどのように事業承継に活用され、どのような影響をもたらすのかを詳細に説明しています。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、株式交換・株式移転・株式交付といったM&Aの手法を具体的に扱っていることです。事業承継を実際に進めていくと、単なる株式譲渡ではなく株式交換・株式移転・株式交付を用いた方がよいという話を専門家や相手方から提案されることがあります。

しかしその際に、全くこれらの手法に関する知識がないと、是非を判断できなかったり、あるいは経済的には望ましくない手法を選択してしまったりなど思わぬ税負担が生じてしまうなどの罠に陥ることがあります。

したがって、このような基本的なM&Aの知識を身につけておくことは重要だと思われます。本書は、基本的な手法を網羅しながらも、難解さを取り払い初心者でも理解できるように配慮されており、M&Aについて学びたいと考えている方におすすめできる本です。

※参照元:中央経済社「初めてでも分かる・使える 株式交換・株式移転・株式交付の実務ハンドブック

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事業承継の税金知識を身につけるのにおすすめの本 

次は事業承継にとって避けられない税金に関するおすすめの本を2冊紹介します。

いちばんわかりやすい! 新事業承継税制のかしこい使い方 ――事業承継にかかる相続税や贈与税をゼロまたは少額に抑えられる

概要

インプレス「いちばんわかりやすい! 新事業承継税制のかしこい使い方 ――事業承継にかかる相続税や贈与税をゼロまたは少額に抑えられる」は、資産税専門の税理士として20年以上の経験を持つ著者が、事業承継にかかる相続税や贈与税をゼロまたは少額に抑える方法を詳しく説明しています。

特に、2009年にスタートした「事業承継税制」について、その基本的な仕組みから具体的な手続き、さらには活用ケースまで、幅広く解説しています。また、2018年に改善された「特例措置」についても詳しく説明しており、これらの制度を活用することで、通常はかかる相続税や贈与税を大幅に軽減することが可能になります。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、その実践的な内容と著者の豊富な経験に基づく具体的なアドバイスにあります。事業承継は個人の遺産相続と一体となることが多く、自社の株式を相続税・贈与税を踏まえてどのように取り扱うかについての解決方法を把握していることは、事業承継をビジネス・家計双方の観点から役に立ちます。

また、具体的なケーススタディやQ&Aも含んでいるため、事業承継を考えている経営者にとって、自らの状況を踏まえて考えることができます。この本は事業承継の伴う問題を知ること、またその解決策を知ることできる、価値ある一冊です。

※参照元:インプレス「いちばんわかりやすい! 新事業承継税制のかしこい使い方 ――事業承継にかかる相続税や贈与税をゼロまたは少額に抑えられる

まだ間に合う! 最新 事業承継税制—特例承継計画と納税猶予の申請

概要

ロギカ書房「まだ間に合う! 最新 事業承継税制—特例承継計画と納税猶予の申請」は、事業承継における税金問題を解決するための一冊です。著者は、税理士としての豊富な経験を活かし、事業承継に関する最新の税制をわかりやすく解説しています。

本書は、特例承継計画と納税猶予の申請について詳しく説明しており、事業承継を考えている経営者や後継者にとって、税金問題を解決するための重要なガイドブックとなるでしょう。

おすすめのポイント

この本がおすすめな理由は、最新の事業承継税制を取り扱っていることです。事業承継における税金問題は非常に複雑であり、専門的な知識を必要としますが、その上度々改正されます。そのため、古い本では役に立たないことがあります。

本書では経営承継円滑化法の説明を行いながら、非上場株式の贈与税・相続税額の全額を猶予できる期間限定の措置である特例措置について丁寧な説明を行っています。

本書は最新の法制を踏まえながら、筆者の豊富な経験に基づく具体的な事例やアドバイスがたくさん紹介されており、税務問題に関する実践的な本としておすすめするものです。

※参照元:ロギカ書房「まだ間に合う! 最新 事業承継税制—特例承継計画と納税猶予の申請

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事業承継の実体験を知るのにおすすめの本

以下では、事業承継の実体験を知るのに役立つ本を3冊紹介します。

アトツギが日本を救う 事業承継は最高のベンチャーだ

概要

幻冬舎「アトツギが日本を救う ――事業承継は最高のベンチャーだ――」は、著者自身の事業承継の経験を基に、事業承継の現実とその重要性を語った一冊です。著者は、東証マザーズ最年少社長(2014年当時)で、住宅設備・建築資材をインターネット通信販売で扱うサンワカンパニーの代表取締役社長として、事業承継の現場で直面した課題や成功の秘訣を自身の実体験として綴っています。

この本は、事業承継についての理論だけでなく、実際の経験から得た知見やエピソードが豊富で、読者にとっては事業承継の現実を理解する上で有益なガイドとなります。著者が経験してきたエピソードを通じて、「社長になってまず取り組んだことは凡事徹底」、「社長になるのに満を持してというタイミングはない」、「帳簿を読めない社長はアウト」、「社長が変人でいられるために信頼できるナンバー2を持つ」など、後継ぎ社長に必要なキーワードを理解することができます。

おすすめのポイント

本書では本書は承継を受けた側の視点で語られています。事業承継を考えている経営者や後継者は、この本を読むことにより、両方の視点から事業承継の現実を理解することができるようになるのではないでしょうか。後継者の選定や育成計画を立てる際に役立つことでしょう。

※参照元:幻冬舎「アトツギが日本を救う ――事業承継は最高のベンチャーだ――

新 事業承継・相続の教科書~オーナー経営者が節税よりも大切にしたいこと

概要

翔泳社「新 事業承継・相続の教科書~オーナー経営者が節税よりも大切にしたいこと」も、事業承継に関する実体験を知るためにおすすめできる本です。この本は、事業承継を考えるオーナー経営者が節税よりも大切にすべき要点に焦点を当てています。

おすすめのポイント

具体的な事例を交えながら、節税に重点を置くだけでなく、事業の継続性や家族の関係性などにも十分な配慮を行うように伝えています。

さらに、一般的なビジネス書ではカバーしきれない事業承継の複雑な問題を取り上げており、実践的なアドバイスや具体的な手続きについても詳細に解説しています。事業承継に関する法律や税制の知識も網羅しており、後継者や後継候補にとって非常に役立つ情報源となるでしょう。

事業承継の成功には、節税だけでなく、事業の継続性や社員の福利厚生、地域への貢献など、経営者が大切にすべき多くの要素が関わっています。この本は、それらの要素をバランス良く考慮することの重要性を教えてくれます。事業承継の様々な関係者の多くに満足してもらい、事業承継を成功させたい方にとって価値ある一冊と言えるでしょう。

※参照元:翔泳社「新 事業承継・相続の教科書~オーナー経営者が節税よりも大切にしたいこと

会社の相続: 事業承継のトラブル解決

概要

小学館「会社の相続: 事業承継のトラブル解決」は、中小企業の事業承継を数多く手掛けてきた弁護士が執筆したものです。中小企業の事業承継のあらゆる悩みの解決策が、わかりやすい物語形式で解説されています。

おすすめのポイント

本書では事業承継のトラブルが紹介されており、事業承継の難しさを理解することに役立ちます。たとえば、「後継者がいない」、「廃業かM&Aか」、「株式の相続税が払えない」、「名義株」、「赤字の事業」といったものです。

事業承継のトラブルは金銭や法律的な原因に由来することもあれば、家族関係が遠因となるものもあります。そして、原因も様々であれば、その解決策もまた様々です。本書ではトラブル事例を多数紹介しており、読者はそれらの事例を通じて、事業承継の実際の問題とその解決策を理解することができます。

事業承継はそれぞれの事例で状況が千差万別です。そのため教科書通りには進められないこともしばしばあります。そのような場合、トラブルとその解決へのアプローチを実体験として紹介する本書は心強い支えとなるでしょう。

※参照元:小学館「会社の相続: 事業承継のトラブル解決

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まとめ

事業承継は、会社経営者や後継者にとって重要な課題です。承継者の選定やM&Aや税金など、様々な問題を解決していかなければなりません。そのため事業承継を成功させるためには、多くのことを理解する必要があります。この記事では5つの観点で事業承継に関するおすすめの本を紹介させていただきました。これらの本は経営者のみなさまが知識を身につけ事業承継に取り組んでいく際にきっと役立つものとなるでしょう。

事業承継はケースバイケースですので、本を読むだけでは十分に対処できない問題も生じます。そのような場合には専門家へ相談してみてください。事業承継の成功に役立つ、豊富な経験に裏付けされた助言やサポートを得られることでしょう。

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