20代でセミリタイア生活をする3ステップ!メリットやデメリットも解説
2023年5月11日
このページのまとめ
- セミリタイアとは、定年退職を迎える前に会社を辞めること
- セミリタイアでは完全に仕事を辞めるわけではなく、何らかの収入源を確保するのが特徴
- セミリタイアにはメリットもデメリットもある
- 必要な準備を整えれば、20代でもセミリタイアを実現できる
セミリタイアは、会社勤めのストレスから解放され、自由な生活を謳歌できる手段として注目されています。セミリタイアは、早期リタイアと異なり仕事を完全に辞めるわけではありません。一定の収入を確保しつつ、自由に過ごせる時間が増えるため、理想のライフスタイルを実現できます。
本コラムでは、20代でセミリタイアを検討している方に向けて、20代でセミリタイアをするために必要な準備やメリット・デメリット、成功のポイントなどを解説します。
目次
セミリタイアとは?
セミリタイアとは、定年退職を迎える前に会社を辞める早期退職の1種です。完全に仕事を辞めるわけではありません。一定の収入源は残しつつも、仕事量をセーブするため、自由に使える時間が増えるのが特徴です。会社勤めをしない分、悠々自適な生活を送れます。
セミリタイアを実現する方法はさまざまです。これまでは、正社員からパートやアルバイトに切り替えて、自由に使える時間を増やす、という方法が主流でした。最近では、インターネットを使っていつでもどこでも気軽に取り組める仕事が増えており、在宅で短時間の仕事をしながら、余暇を満喫する方も増えています。
セミリタイアでは、収入が減ってしまう場合もあります。仕事量を抑えても生きていけるよう、収入に応じてある程度の貯金や資産を保有する必要があるでしょう。とはいえ、完全に収入源がなくなるわけではないため、完全なリタイアに比べるとハードルが低いのがポイントです。
セミリタイアと似た「早期リタイア」「FIRE」とは
セミリタイアとよく似た言葉に、「早期リタイア」と「FIRE」があります。いずれも早期退職の1種であり、自由に使える時間が増える方法です。
ここでは、早期リタイアとFIREそれぞれの定義について解説します。
早期優遇退職制度を活用する「早期リタイア」
早期リタイアは、一般的には早期優遇退職制度を利用して、定年前に退職することです。「アーリーリタイア」とも呼ばれます。
早期優遇退職制度には、2つのパターンがあります。
- 選択定年制:一定の条件を満たす社員に対して、退職希望者を募る
- 希望退職:企業の財務状況が悪化した際に、人員整理を目的に退職希望者を募る
選択定年制は、年齢や勤続年数など、企業が定める一定の条件を満たす社員が対象です。年齢は会社の方針によって異なりますが、40〜60歳未満の社員が対象になるケースが多く見られます。
希望退職は、基本的には条件問わず退職者を募集するため、若い年代の社員も対象となります。
早期優遇退職制度を利用して早期リタイアした社員は、割増の退職金を受けられたり、再就職先を紹介してもらえたりと、制度を利用するインセンティブが用意されていることが多いです。
セミリタイアと早期リタイアの違いについては、次の章で詳しく解説します。
経済的自立と早期退職を意味する「FIRE」
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉で、日本語では経済的自立と早期退職を意味します。早期退職をし、資産を運用しながら運用益で生きていく、ということです。
FIREは、仕事やお金に縛られないライフスタイルとして注目されています。FIREを実現するためには、資産運用の元手と資産運用に関する知識が必要です。しかし、生活費をすべて貯蓄する必要はなく、運用の元手があれば始められるため、比較的ハードルが低いという特徴があります。
FIREとセミリタイアの共通点は、どちらも退職後に収入源を残すことです。セミリタイアのうち、収入源を運用益とするパターンのことをFIREと呼ぶ、と解釈できます。
セミリタイアとアーリーリタイアの3つの違い
セミリタイアとアーリーリタイア(早期リタイア)はよく似た概念ですが、リタイア後の収入源や生活などに違いがあります。ここでは、セミリタイアとアーリーリタイアの違いを、以下の3つの点から整理します。
- 仕事を辞める年齢の違い
- 収入の有無の違い
- リタイア後の生活の違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.仕事を辞める年齢の違い
セミリタイアは、早期優遇退職制度の対象となりうる45〜60歳未満の社員が実行するケースが多いです。一方、アーリーリタイアに踏み切るのは30〜50代の社員が多い、という違いがあります。アーリーリタイアを行う社員は、早期優遇退職制度を利用することもありますが、自分が決めたタイミングで会社を辞めることが多いのが特徴です。
ただし、セミリタイア、アーリーリタイアともに、何歳でなければ実現できない、という決まりがあるわけではありません。年齢に明確な違いがあるわけではなく、あくまでも傾向に若干の差があると理解しておきましょう。
2.収入の有無の違い
セミリタイアとアーリーリタイアは、退職後の収入の有無にも違いがあります。セミリタイアは、退職後もアルバイトや資産運用などで少なからず収入源があるのがポイントです。そのため、貯蓄と退職後に得る収入を使って、生活を維持します。
一方、アーリーリタイアの場合、基本的に退職後は仕事をしません。収入源は基本的に年金だけとなり、退職金や貯蓄を切り崩しながら、生活資金にします。
3.リタイア後の生活の違い
セミリタイアとアーリーリタイアは、どちらも退職によってゆとりのある生活を手に入れられます。しかし、セミリタイアでは、短時間労働したり、投資のための情報収集を行ったりと、収入を得るために少なからず時間を割かなければなりません。もちろん、現役時代よりは格段に負担の少ない生活を送れますが、仕事のことを一切考えなくてよい、というわけではない点に注意が必要です。
一方、アーリーリタイアでは、退職後の時間を完全に自由に使えます。趣味に没頭したり、田舎に引っ越してのんびり過ごしたりと、自分の望むライフスタイルを叶えやすいのが魅力です。ただし、仕事を一切しなくても生活できるよう、まとまった貯蓄や資産が必要になる点には留意しましょう。
資金500万円│20代でのセミリタイア3ステップ
自由気ままな生活を手に入れるため、セミリタイアに興味を持っている方も多いでしょう。セミリタイアには相応の準備が必要です。準備が整えば、20代でも実現できます。
ここでは、資金を500万円持っている20代がセミリタイアするために必要な3つのステップを解説します。
- 生活費を把握する
- 税金を把握する
- 500万円の運用方法を考える
具体的な手順について、順番に確認してみてください。
1.生活費を把握する
まずは、生活費を把握しましょう。生活費を理解することで、セミリタイアに踏み切るためにはどの程度の貯蓄があれば安心か、リタイア後は月にどの程度の収入があれば問題なく生活できるかを把握できます。
総務省統計局が2022年に発表した家計調査によると、36歳以下の単身世帯の月の支出は約16万円という結果でした。
生活費はライフスタイルによって大きく異なるため、データも参考にしつつ、自身で算出しましょう。生活費としては、以下のような支出が考えられます。
- 食費
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- 交通費
- 洋服代
- 交際費
- 理美容費
- 娯楽費
- 保険医療費
- 雑費
さらに、家具家電の買い替え費用や冠婚葬祭費、万が一の入院にかかる費用など、急な出費を考慮することが大切です。生活費は少々多めに見積もっておくことで、余裕を持って資金を準備できます。
2.税金を把握する
生活費以外に忘れてはならないのが、税金や年金、保険料などの公的制度にかかる費用です。会社に属しているうちは、基本的には給与から差し引かれ、会社が代わりに支払ってくれます。しかし、退職すると、すべてを自分で支払わなければなりません。
課税される金額は、前年度の年収によって決まります。セミリタイア翌年の税金は、リタイア前の所得を基準に算出されるため、ある程度高額になる点に注意が必要です。一方、セミリタイアの翌々年の税金については、退職して収入が減った状態での所得が基準となるため、税金の支払い金額は低くなります。
3.500万円の運用方法を考える
セミリタイア後の出費を把握できたら、手持ちの資金である500万円をどのように運用するかを考えましょう。運用方法としては、以下のような選択肢が考えられます。
- 株式投資
- FX
- 暗号資産投資
- 投資信託
- 不動産投資
ほかにも、WEBサイトを運営したり、動画投稿サイトに動画をアップして広告収入を得たりなど、収入を得る方法はさまざまです。セミリタイア後の生活費や、今後の運用資金を確保できる効果的な方法を検討しましょう。
20代でセミリタイア!5つのパターン
20代でセミリタイアを実現するためには、ある程度の資金を確保しておく必要があります。資金を得るための主な5つのパターンは、以下のとおりです。
- 投資による資産形成
- 起業
- WEBサイト、ブログサイトの運営
- 高収入の業種での就労
- アルバイトによる貯蓄
これらの方法は、セミリタイア後の収入源にもなります。自分にあった方法を見つけてセミリタイアの準備を進めましょう。
以下では、20代でセミリタイアをするための資金確保に関する5つのパターンを紹介します。
1.投資による資産形成
まずは、投資によってセミリタイアに必要な資産を形成するパターンです。一口に投資といっても、主なものだけでも以下のような種類があります。
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
扱う商品によって、難易度やリスク、リターンの度合いなどは大きく異なります。また、投資は損をして元本割れしてしまう可能性もあるため、あらかじめリスクを理解したうえで、自分に合った適切な方法を見極めることが大切です。
株式投資
株式投資とは、株の値動きに応じて売買を行い、売値と買値の差から利益を得る方法です。株式投資には、さらに短期間で株を売買する短期投資と、数年後の値動きを見据え、将来的に企業価値の上昇が見込まれる株を購入する長期投資があります。
セミリタイアに必要な資金を確保するためには、短期投資がおすすめです。ハイリスク・ハイリターンの傾向が強く、難易度は高いものの、成功すれば短期間で大きな利益を得られる可能性があります。
セミリタイア後に株式投資を行う場合は、長期投資に挑戦するとよいでしょう。今すぐに資金を獲得できるわけではありませんが、将来企業価値が向上すれば、株の売却益や配当金、株主優待などの利益を享受できます。
投資信託
投資信託とは、専門家にお金を預けて、株式や債券の運用を任せる方法です。運用成果が、投資金額に応じて分配されます。
投資信託には、株式投資信託と公社債投資信託の大きく2つがあります。株式投資信託は、株式を含めて資金を運用する方法です。一方、公社債投資信託は債券を中心とした投資信託であり、株の取引は含まれません。
投資信託は、投資先を専門家が選定し、運用をプロに任せられるのがメリットです。しかし、元本が保証されている金融商品ではありません。専門家によっては、運用に成功して利益を得られることもあれば、運用がうまくいかず、元本割れしてしまう可能性もあります。リスクも考慮したうえで、お金を預けることが必要です。
不動産投資
不動産投資は、不動産物件を購入して第三者に貸し出し、利益を得る方法です。主に、マンションやアパートを1棟購入して貸し出す1棟買い投資と、マンションの1室を購入して貸し出すワンルームマンション投資があります。
不動産投資は、レバレッジ効果が高いとされており、株式やFXなどの金融商品と比べると値動きが激しくないのが特長です。需要のある物件を見極められれば、安定して収入を得られます。
しかし、空室や家賃滞納が発生すれば、収入が減少してしまうのが難点です。また、自然災害の発生や金利上昇などの影響を受けて、収支が悪化してしまうリスクも否定できません。さらに、不動産投資を始めるためには一定の資金が必要であり、セミリタイア前に実行するのが難しいのもデメリットです。
不動産投資を少額から始めたい場合は、不動産小口化商品という選択肢があります。不動産小口化商品は、複数人で1つの物件に投資し、投資金額に応じて利益が分配されるものです。1口から投資できるため、気軽に始められます。
2.起業
数年で多額の収入を得るためには、起業がおすすめです。会社員が20代で重要なポストに就くことは難しく、収入にも限界があります。セミリタイアの前に起業し成功すれば、同年代の会社員よりも多くの収入を得られます。
起業はハードルが高い、というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、ネットショップ運営やせどりなど、インターネットがあれば気軽に取り組みやすいネットビジネスでの起業も可能です。セミリタイア後も無理なく続けられるビジネスであれば、長い間収入源にできます。
ゼロから起業することも可能ですが、より効率的に稼ぎたい場合は、M&Aの活用がおすすめです。最近では、小規模な事業1つや店舗の1つなど、小さい案件も増えています。その企業がもともと持つ設備や販路、ノウハウなどを活かせるため、ゼロから起業するよりも早く軌道に乗せられるでしょう。
3.WEBサイト、ブログサイトの運営
WEBサイトやブログサイトを運営して収入を得る方法もあります。サイト運営のマネタイズ方法は、主に以下の2つです。
- 成果報酬型広告(アフィリエイト)
- クリック報酬型広告(アドセンス)
成果報酬型広告は、サイトに掲載した商品が購入されると報酬が発生する仕組みです。単価は商品によって異なり、中には1件購入されるごとに数万円の報酬がもらえる、高単価な案件も存在します。ただし、商品の購入や申し込みが完了しないと報酬が発生しないため、ハードルが高い方法です。
クリック報酬型広告は、サイトに掲載した広告がクリックされると報酬が発生するものです。1クリックあたりの報酬は少ないものの、クリックされるだけで報酬が発生するため、気軽に取り組めます。
いずれも、稼ぐためにはブログの集客が重要です。ユーザーの検索ニーズに合った記事を作成したり、定期的に更新してファンを獲得したりと、ユーザー数を増やす努力が求められます。
サイトのマネタイズに成功すれば、セミリタイア後の収入源にもなります。
4.高収入の業種での就労
医師・弁護士・公認会計士・税理士など、高収入が期待される業種で働き、セミリタイアに必要な資金を短期間で確保するのも効果的です。
基本的に、高収入とされる業種には高い専門性が求められます。資格が必要な場合がほとんどで、資格取得のために時間がかかる点には注意しましょう。
資格や専門的な知識が必要な仕事は、退職後もその専門性を活かして収入源にできるのがメリットです。たとえば、弁護士や公認会計士などの士業であれば、専門知識を活かしてブログを立ち上げたり、高単価なライティング案件を引き受けられたりします。
効率的に収入を得られるため、ゆとりのある生活を送りながら生活資金を確保できるのが魅力です。
5.アルバイトによる貯蓄
アルバイトに励み、セミリタイアに必要な資金を貯めるのも1つの方法です。空き時間を見つけて地道にアルバイトを行い、貯蓄を増やしましょう。アルバイトをしながら株式や債券といった金融商品を購入し、運用益を獲得するのもおすすめです。
アルバイトは、セミリタイア後の収入源にもなります。短期のアルバイトであれば、月の数日間でまとまった金額を稼ぎ、残りは悠々自適に生活する、というライフスタイルも可能です。ただし、居住地によってはアルバイトの募集先を見つけるのが難しい場合があります。特に地方は、物価が安い一方で、働き口が少ないのが難点です。セミリタイア後にアルバイトで生活資金を得たい場合は、居住地の雇用状況をチェックしておきましょう。
20代でセミリタイアする4つのメリット
20代でセミリタイアすることには、以下のようなメリットがあります。
- 仕事のストレスから解放されやすい
- 人生を再スタートできる
- 人生を満喫できる
- リタイア後も再就職しやすい
若いうちに会社から離れることに、不安や抵抗がある方も多いでしょう。しかし、20代のうちにセミリタイアをすることには、残りの長い人生を謳歌できたり、時間がなくてできなかったことにチャレンジできたりなど、さまざまな魅力があります。失敗しても、再就職して元の生活に戻りやすいのもメリットです。
ここでは、20代でセミリタイアをする4つのメリットについて解説します。
1.仕事のストレスから解放されやすい
セミリタイアの大きなメリットは、仕事のストレスから解放されることです。セミリタイア後は、自分の好きな仕事を好きなペースで進められます。やりたくない仕事や職場の人間関係にストレスを抱えたり、満員電車に毎朝揺られながら通勤したりする必要がなくなるため、穏やかに過ごせるでしょう。
仕事を辞めることは、逃げではありません。自身の健康を第一に考え、20代のうちにセミリタイアを選択してストレスの少ない人生を送ることも、1つの賢明な選択肢です。
2.人生を再スタートできる
セミリタイアすることで、やりたかったことにチャレンジし、人生を再スタートできるのもメリットです。
自由に使える時間が増えるため、大好きな趣味に没頭する、興味のある分野を勉強するために学校に通う、資格を取得するなど、これまで時間がなくてできなかったことに挑戦できます。
自身のセミリタイアの経験をブログやSNS、動画投稿サイトなどで発信し、ファンを獲得するのも1つの手です。自身の生き方をコンテンツ化することで、そこから新たな人とのつながりを持てたり、多くの人に応援してもらったりと、会社にいるときには経験できなかった刺激的な生活を送れる可能性があります。
3.人生を満喫できる
セミリタイアによって、20代以降の長い人生を充実させられるのもメリットです。もちろん、会社に属して仕事をすることから得られる経験ややりがいもあります。しかし、セミリタイアでは、自分で人生の過ごし方を考え、好きなように生活できるのです。
趣味や特技を極める、まとまった時間を使って世界各国を旅行する、田舎に引っ越して農業に挑戦する、家族との時間を思う存分大切にするなど、自分の理想的な生き方を実現し、長い人生を満喫できます。
4.リタイア後も再就職しやすい
20代でセミリタイアを実行するメリットとして、リタイア後も再就職しやすいというポイントが挙げられます。
セミリタイアが、必ずしもうまくいくとは限りません。自由な生活を手にしたものの、忙しい生活に戻りたくなる可能性もあります。20代であれば働き口が多いため、元の生活にも比較的簡単に戻れるのがメリットです。
40代・50代になると、残念ながら受け入れてくれる求人が減るのが現実です。高いスキルや専門性がない限り、再就職に苦労することが想定されます。「セミリタイアに興味があるがなかなか勇気が出せない」という方は、失敗しても元の生活に戻りやすい20代のうちに一度挑戦してみるのがおすすめです。
20代のセミリタイアの3つのデメリット
上記のとおり、多くのメリットがあるセミリタイアですが、もちろん良い面だけではありません。セミリタイアに失敗しないためには、あらかじめデメリットについて理解しておきましょう。
20代でセミリタイアをするデメリットは、以下の3つです。
- 社会的信用が得づらくなる
- 会社員のような福利厚生がなくなる
- 日々を退屈に感じる可能性がある
メリット・デメリットをよく勘案したうえで、セミリタイアを実行するかどうか選択しましょう。ここでは、20代でセミリタイアをするデメリットについて解説します。
1.社会的信用が得づらくなる
セミリタイアで所属先を失うことで、社会的信用を得るのが難しくなります。クレジットカードの審査や賃貸契約の入居審査、ローン審査など、会社員時代であれば問題なく通っていた審査に通りにくくなるケースは少なくありません。特に、多額のお金が関係する審査の際に、社会的信用の低下を痛感するでしょう。
十分な貯蓄があったとしても、会社員に比べると社会的信用が低くなってしまう点は、見逃せないデメリットです。
2.会社員のような福利厚生がなくなる
セミリタイアをすると、会社員時代のような福利厚生や保障を受けられなくなる点に注意が必要です。
会社に所属していれば、基本的には社会保険料が労使折半(従業員と会社で半額ずつ負担すること)となったり、病気やけがで入院した際に手当を受け取れたりなど、手厚い保障を受けられます。
セミリタイアをすると、福利厚生や保障は一切受けられません。体調不良で稼働できない月があれば、収入はゼロになってしまいます。このように、誰からも守ってもらえない点は理解しておきましょう。保障や福利厚生を受けられない分、万が一の事態に備えて資金を多めに確保しておくことが大切です。
3.日々を退屈に感じる可能性がある
セミリタイアをしたからといって、必ずしも充実した生活を送れるとは限りません。はじめは自由な生活に満足していても、次第に暇な時間が増え、前の生活が恋しくなる可能性もあります。目標ややりがいのない生活に嫌気がさし、忙しく働いている友人が羨ましくなるかもしれません。時間がすぎるのをただ待つだけの生活になれば、かえってストレスが溜まってしまいます。
セミリタイアに失敗しないためには、セミリタイアで実現したい生活や明確な目標を持ったうえで、セミリタイアを実現することが大切です。
20代のセミリタイア成功のための4つのポイント
セミリタイアに無計画に踏み切ってしまうと、期待どおりの収入を得られずに生活が苦しくなってしまったり、想定外のリスクに見舞われて後悔したりする可能性があります。
「セミリタイアなんてしなければよかった」という結末にならないよう、20代のセミリタイアに成功するための4つのポイントを理解しましょう。
- 安定した収入源を確保しておく
- セミリタイア後のライフプランを明確にしておく
- 居住地についてしっかりリサーチしておく
- セミリタイアのリスクを理解しておく
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
1.安定した収入源を確保しておく
セミリタイアでは、退職前にすべての生活資金を賄える貯蓄や資産を用意するわけではありません。セミリタイアを継続するためには、収入を得続ける必要があります。退職後も生活を維持できるよう、セミリタイアを実行する前に、何かしらの収入源を確保しておきましょう。
退職してからいきなり資産運用に挑戦しても、失敗してしまうリスクが高いです。ネットビジネスを始めても、はじめから軌道に乗るとは限りません。案件を獲得できず、初月は収入がゼロだった、というケースも想定されます。
セミリタイア前に収入源を確保しておけば、収入に対する不安が軽減された状態で、安心してセミリタイアを実行できます。
2.セミリタイア後のライフプランを明確にしておく
セミリタイア後のライフプランを明確にしておくことは、生活費の想定や収入源の検討に役立つだけでなく、自身の理想を実現するためにも重要です。
まずは「なぜセミリタイアをしたいのか」を考え、セミリタイアの目的を実現するためにはどのような生活を送るべきかを検討しましょう。会社の規則や人間関係に疲れたのであれば、自身の強みを活かして起業したり、フリーランスになったりして収入を得るのも1つの方法です。趣味に没頭したいのであれば、働く時間をなるべく減らせるよう投資運用に専念する、趣味に関するブログ運営や動画投稿を始める、などの選択肢が考えられます。
セミリタイアはゴールではありません。第二の人生を謳歌できるよう、事前にライフプランを明確にし、やるべきことを整理しましょう。
3.居住地についてしっかりリサーチしておく
セミリタイア後の生活を具体的にイメージするために、居住地についてのリサーチは欠かせません。今住んでいる場所に住み続ける以外にも、収入が減ることを考慮して郊外に引っ越したり、悠々自適な生活を求めて田舎に移住したりといった選択肢があります。
居住地によって物価は大きく異なり、一般的には都心よりも地方の方が物価が安いです。しかし、地方に居住する場合は車が必要になったり、働く場所が少なかったりと、一概に地方がよいとはいえません。
住みたかったエリアでの暮らしが、必ずしも理想どおりになるとは限らない点にも注意が必要です。憧れの土地に引っ越したものの、その地域ならではの慣習や人間関係についていけなかったり、予想以上に不便だったりして、後悔するケースもあります。
満足のいく生活を叶えるためには、住みたいエリアの家賃相場や主な交通手段、求人情報、雰囲気などをしっかりリサーチしておきましょう。
4.セミリタイアのリスクを理解しておく
セミリタイアに成功するためには、セミリタイアのリスクを想定し、入念に備えることが大切です。投資に失敗して損をしてしまったり、けがや病気をしてしまったりと、さまざまなリスクが考えられます。リスクを考慮し、余裕のある資金を用意したり、普段から節約に取り組んで無駄な支出を削減したりすることで、万全の状態でセミリタイアに踏み切れます。
まとめ
セミリタイアとは、早いうちに会社を退職し、何らかの方法で収入を得ながら、空いた時間を自由に過ごすことです。会社勤めよりも自由に使える時間が格段に増えるため、理想の生活を手に入れられます。
セミリタイアは、完全に仕事を辞めるわけではないため、20代でも実現しやすいのが特徴です。20代でセミリタイアを実行したい場合は、セミリタイアのメリットだけでなくリスクも理解したうえで、必要な準備を入念に行いましょう。
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