M&Aは互いに利益のある「経営同盟」。業績好調の中、譲渡を決意した背景とは
譲渡企業
事業内容
プロジェクトサポート(PM / PMO)、テクニカルサポート等のアウトソーシングサービス(BPO)、コンサルティング、システム開発、アプリケーション開発、インフラ構築
売上高
301百万円(23年/7期)
営業利益
32百万円(23年/7期)
譲受企業
事業内容
ソフトウェアに関わるコンサルティング、システム構築、サポートまでトータルで提供する総合システム会社
上場区分
スタンダード
譲渡金額
譲渡企業である株式会社レゾナントコミュニケーションズは2009年にシステムインテグレーション事業を生業として創業した企業です。その後、システム開発・アプリ開発のほか、PM/PMOのアウトソーシング事業やコンサルティング業務などの領域にも進出し、好業績を収めています。
譲受企業である株式会社SYSホールディングスは、鈴木様が創業し一代で上場を遂げたシステム開発会社であり、M&AをMergers(合併) and Acquisitions(買収)ではなく、Management Alliance(経営同盟)と捉え、積極的なM&Aを通じて成長されています。
今回のインタビューでは、業績が好調だった譲渡企業様が2021年にM&Aを実施するに至った背景や、ご成約に至る過程/心情の変化までの詳しいお話を、白浜様にお伺いしました。
また、鈴木様にも同席いただき、譲受を決断された背景や、譲受企業様としてのM&Aに対するお考え、今後の戦略についてお伺いいたしました。
「従業員の幸福」を考えた末に見えてきたM&Aという選択肢
── まずは、会社を設立した背景をお伺いしてもよろしいでしょうか?
株式会社レゾナント・コミュニケーションズ 代表取締役執行役員・白浜和俊様(以降「白浜様」):新卒で勤めていた会社の同期の独立に触発され、数年後に独立することになったのがレゾナント・コミュニケーションズ設立のきっかけです。創業は2009年、私が33歳の頃ですね。
── 業績好調のなか、M&Aをご検討された理由は何ですか?
白浜様:2019年頃にレバレジーズM&Aアドバイザリーではない別の仲介会社にお声がけいただいたことがきっかけで、M&Aを経営戦略の選択肢として意識し始めました。
当時はM&Aを実行するにはまだ早いと思い見送ったのですが、その後2020年の2月頃にレバレジーズからDM(ダイレクトメール)をいただき、あらためてM&Aについて検討することにしました。
設立当初は4名ほどだった従業員が、2020年には20名近くまで増えてきていて、今までの体制では組織として拡大をしていくことが難しくなってきていたんです。
私がいてその下に他のメンバーがいるという鍋蓋型の組織になっていまして、事業の成長や再現性を求めると、従業員をもっと増やしたい。その一方で、組織面での制度設計が難航していたり、管理や営業に回る人材が不足していたり……。
そのような状況下で「社員のみんなをどうしたら幸せにできるか?」と考えたとき、自分一人で担うのではない選択肢を考えることもみんなが幸せになれる可能性があるのではないかと思い、M&Aについて具体的な話を聞こうと決めました。当時は弊社の可能性を広げたいという思いでした。
──レバレジーズM&Aアドバイザリーへの依頼に至った決め手をお聞かせください。
白浜様:正式にレバレジーズM&Aアドバイザリーに依頼しようと決めたのは、1社目にお話を頂いた仲介会社よりも頼りがいがあり、信頼できる印象を受けたからですね。
実は最初にレバレジーズの内田さんや稲葉さんにお会いしたとき、目元に怪我をしていたためにやむを得ずサングラスをかけていたんですよ。
それにもかかわらず、私に対して非常に礼儀正しい態度で接してくれました。その真摯な姿勢に心が動き、レバレジーズに仲介を依頼しM&Aを実施することを前向きに検討しようと思いました。
ただ、正直始めは、これまで経験したビジネス上の通常の商談などとは異なり、経験のないことだったので、本当に会社を手放すことが正しい選択なのかも含めて悩んでいて。なかなか踏み出せずに半年ほど期間を空けてしまいました。
そんな中、内田さん、稲葉さんは急かすこともせず「分からないことがあれば全力でお手伝いいたします」と誠意のある姿勢で対応していただき、夏ごろから本格的にご支援いただくことになりました。
リーマンショックをきっかけにM&Aを始め、今では経営戦略の一柱に
── これまでに10社以上の会社を譲受なさっていますが、M&Aを始めたきっかけは何ですか?
株式会社SYSホールディングス 代表取締役 会長兼社長・鈴木裕紀様(以降「鈴木様」):最初のM&Aはリーマンショックがあった頃でしたね。
リーマンショックの影響で我々の業界は大きな打撃を受けて、倒産の危機に陥る会社も多数ありましたが、我々の会社は安定した経営を維持できていました。
そこで、倒産危機を迎えている会社を仲介会社から紹介されたことが始まりです。
最初は依頼があったから検討したという状態でしたが、今ではM&Aを大事な成長戦略として捉えています。「M&A」という言葉は本来「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」という意味ですが、我々は「Management Alliance(経営同盟)」と定義し、積極的に取り組んでいます。
── 数多くM&Aを実施されておりますが、最初からうまくいっていたのでしょうか。
今ではM&Aに対して絶対の自信がありますし、譲受させていただく上での考え方や、PMIにおける独自の仕組みも確立できています。ただ、M&Aを開始した当初から上手く行っていたわけではありません。
1社目は結果として物凄く成長し、グループ間でシナジーを出せていますが最初はあまりうまくいかず、「僕たちが一生懸命考えてやっているのになんで伝わらないんだ」と感じることもありました。今思えば、上手くいかないのは当たり前の話で、譲受企業としての考えや思いを押し付けてしまっていただけだったんだと思います。
そこから方針を転換し、会社として運営している事業や顧客、組織の文化・社風が異なるからこそ、違いを認め、尊重しようと考えるようになりました。
何もかも当社のやり方に合わせてもらうばかりでは、1つ1つの企業の個性が失われてしまい、譲受する意味がなくなってしまう。だからこそ、当社はあくまでグループとしての大きな方向性や手助けをする立場に徹し、グループ内の企業の自主性と独自性を重んじることを大切にしているんです。
──このたびのM&Aの経緯をお聞かせください。
鈴木様:僕たちのM&Aに対する考え方に共感していただき、ともに成長していける企業だと感じたからです。
情報技術・情報サービスが多種多様化する現代、1社のみですべてに対応することは難しいと私は考えています。顧客のニーズに対して最適なソリューションを提供するには、それぞれ異なる強みを持った会社が集まり、技術とサービスを融合させることが必要です。
譲渡企業様は、PM/PMOのアウトソーシングやBPO領域に強みがおありで、我々の会社にはない魅力を持っていました。
グループにご参加いただければ、お互いの価値を高めることができ、双方の利益につながると確信しました。
── M&Aのご検討を進めて行くうえで、不安や懸念はありましたか?
白浜様:あまり感じていませんでした。
話を聞いた当初はM&Aについて知らないことも多く、「本当にできるのだろうか?」という漠然とした不安はありましたが、内田さん、稲葉さんが丁寧に説明してくれたので、そういった不安は解消されていきました。お話を進めていく中で用語や段取りも徐々に具体的に理解できるようになりましたね。
また、我々は「病気や高齢のために早く譲渡しなければならない」といったタイムリミットがある状態ではなかったので、うまく行かなければやめてもいいという気持ちで、比較的ゆとりを持ってM&Aに取り組めていたのだと思います。
── 譲渡にあたっての条件や事前に考えていたことをお聞かせください。
白浜様:まずは従業員の雇用が守られることですね。「従業員たちを幸せにする」ということがM&Aを検討し始めた理由だったので、条件として重要視していました。
内田さん、稲葉さんに紹介頂いた企業様は、どの企業様も同じ業界に属しており、私たちのことを役に立つと期待してくださる企業様ばかりでした。条件としても適した企業様をご紹介くださっていたという印象です。
トップ面談時に伝わってきた鈴木会長の熱い想い
── 5社の譲受候補企業様とトップ面談をしていただきました。感想をお聞かせください。
白浜様:トップ面談をしてみて、こんなにも違いがあるんだと驚きました。
M&Aのスキームなどの希望条件が異なるのはもちろんですが、トップの方の経営に対する思考や熱量など、それぞれまったく違うものをお持ちでした。
実際にお会いしてお話を聞けたことは、非常に貴重な機会だったなと思います。
── 鈴木様とのトップ面談での印象はいかがでしたか?
白浜様:鈴木会長は本当に熱い気持ちを持った方だと、お話させていただくなかで強く感じました。
私にとってはM&Aは初めての試みであり、グループイン後にどのようなスタンスで取り組めばよいのか分からない状態でした。しかし、鈴木会長はトップ面談の時点ですでに明確に道筋を示してくださったので、迷いなくともに歩んでいけると思いました。
── 鈴木様から見て、白浜様の印象はいかがでしたか。
鈴木様:その会社のトップに立つ方の人となりを見れば、その会社の従業員やお客様のことも伝わってきます。「会社に対して非常に真面目に取り組まれてきた方なのだろう」というのが、白浜様の第一印象です。
また、白浜様に、当グループの経営会議に参加いただいている姿が想像できたので、トップ面談の時点でぜひとも経営同盟を結びたいと思っていました。
── 「トップ面談をして良かった」と特に感じたことがあればお聞かせください。
白浜様:鈴木様とお話しできたことはもちろんですが、2回目のトップ面談の際に鈴木様が席を外して、私より先にM&Aをしグループインされた経営者の皆様からお話を伺う機会を作ってくださいました。鈴木様がいない中だったので、M&A実施後のよい面や苦労した面など、リアルなお話を聞けました。
鈴木様:僕はM&Aを進める上ではいつもそういった機会を設けるようにしています。
僕自身M&Aでやってきたことに自信があるので、僕がお話するだけではなく、実際にジョインしてくださった仲間から率直なお話を聞いていただいたうえで、譲渡オーナー様に最終的な判断してもらいたいと思っているからです。「鈴木がいい話だけをしている」と思われないように。
魅力を感じていたSYSホールディングス社に独占交渉権を付与
── 本件についてのご検討の流れや、意向表明書の提出に至った背景をお聞かせください。
鈴木様:当社グループでともに成長しご活躍いただけると感じ、意向表明書を提出しました。
意向表明書のなかには白浜様のご希望に沿う形で「当社からは常勤を送らない」「代表者・取締役の皆様には今後も末永く経営を担っていただきたい」という旨も伝えています。私たちは、参画してくださる各社が築いてきた歴史・文化を最大限に尊重しています。
── 計3社から意向表明書を提出された時のお気持ちはいかがでしたか?
白浜様:自分が創業した会社を必要としてくれる企業様がこんなにもいらっしゃるのだな、と。
長い目で会社の将来を考えたとき、私だけでは立ちはだかる壁を乗り越えられないかもしれないという危機感を覚えていたので、本当にありがたいことだと思いました。
── 複数ある候補先の中から、SYSホールディングス社様に独占交渉権を付与された背景をお聞かせください。
白浜様:先方から意向表明書が出る前からすでに、SYSホールディングス社様に最も魅力を感じていました。そのため、意向表明書を頂いたときにはもう迷いはありませんでした。
内田さんや稲葉さんとカフェでM&Aに関する話を聞いている段階ではまだ現実味を感じていない部分もありました。しかし譲受候補企業様をご紹介いただいたりトップ面談をさせていただいたりするうちに、「こうすれば会社を良い方向に導いていけるのかもしれない」とイメージがつくようになっており、そこに合致していたのがSYSホールディングス社様だったので、スムーズに決断ができたのだと思います。
── その後の面談やDD、契約締結などにおいて苦労した点はありますか?
白浜様:円滑に進められたと思います。
私は最初は経理も自分自身でやっていたので、普段から財務含めた経営周りの書面などを整理していたことが良かったのかもしれません。
鈴木様:ほかに類を見ないほど、綺麗に整理されていた印象です。デューデリジェンスは、一般的には苦労される企業様が多いんですよ。白浜様の場合は、資料の提出もスムーズで揃っていたため特段の問題もなく進みました。
── レバレジーズM&Aアドバイザリーの担当者の対応はいかがでしたか。
白浜様:お話が進むにつれて、譲受企業に直接聞きづらいことも増えていきます。内田さんには仲介として間に入っていただき、私の考えや意図が適切なタイミングで齟齬なく伝わるよう調整していただきました。
当時はかなり頻繁に連絡を取り合っていて、まるで恋人かのような頻度でお電話していました(笑)。
内田さんには我々の事情に寄り添い、とても丁寧に対応してくださったので、ありがたかったですね。
鈴木様:レバレジーズさんや内田さんとは付き合いが長いんですが、我々買い手側の会社だけでなく、売り手側の会社に対しても非常に真摯に向き合っているところが信頼できます。
我々が考えるM&Aは、どちらか片方にしかメリットがないようではダメなんです。当社にとっても参画してくださる企業様にとっても大きな利益があり、双方が幸せになれることが大切です。
レバレジーズはその点を理解してくれているので、安心して仲介を任せられます。本当の意味で、当社の利益を追求してくれていると感じています。
従業員への開示の際には鈴木会長が立会い、想いを伝えた
── M&Aの実行を開示した際、役員や従業員の反応はいかがでしたか?
白浜様:社内のキーマンへの開示のときは少し大変でした。
ともに会社を作り上げてきた間柄だったので「大手資本に参加する」という選択に抵抗感を覚えたのだと思います。
いろいろと話し合いましたが、当時は懸念が拭いきれず「描いている将来像が違うようだったら(今後について)考える」という話もありました。
鈴木様:会社のNo2にあたる方は、特に慎重になるものだと思います。社長を支える重要な立場にいるわけですから。
今までM&Aを実施した会社のなかでも、No.2のポジションにいらっしゃる方に強い反発を受けたことがあります。昔はドラマの影響もあって「M&A=乗っ取り」というイメージが強かったことも要因の一つだと思います。「鈴木に騙されている!」と猛烈に反対する人もいました。今ではゴルフコンペなどの交流の機会に自らすすんで出席してくれていますけどね(笑)。
白浜様:大半の従業員は大きな反発もなく、M&Aを好意的に受け止めていたように思います。
鈴木様:昔と比べるとM&A自体が普及してきていますよね。リーマンショック直後でM&Aをスタートしたばかりの頃はまるで悪者のような扱いを受けることもありましたが、現在は理解が得られやすくなったと感じています。
子会社になることが、譲渡会社にとってもポジティブな経営戦略の一つとして捉えられているのではないでしょうか。
── 開示にあたり、SYS社様と協力して取り組んだことはありますか。
白浜様:グループインの直前、当社のNo.2や管理職に対して直接お話しいただくことを、SYSホールディングスの鈴木会長にお願いしました。
鈴木様:
No.2の方が難色を示していることは事前に聞いていましたが、今までもキーマンや従業員に反対された経験があって慣れていたので、臆する気持ちはありませんでした。
また、我々は経営同盟を結んでくださる譲渡会社様に対し「労働環境を改善してより良い仕事につなげる」という信念を持って、M&Aに取り組んでいます。そのため、最終的にはご理解いただき、ともに歩んでいけるという自信がありました。
白浜様:その思いがしっかり伝わったのだと思います。
私からも説明をし、鈴木会長にも直接お話していただいて、3ヶ月ほど経った頃、「白浜さんの選択は正しかった」と言ってもらえました。グループ入りして3年が経過した今も、会社を一緒に支えてくれています。
──鈴木様が譲渡企業様をお迎えするにあたって気をつけていることをご教示ください。
鈴木様:「経営同盟を組んでくださる企業様を応援する」というスタンスを守ることです。
形式的には親会社と子会社の関係になりますが、我々は指揮・命令をするつもりはありません。創業者様・経営者様やプロパー社員の皆様に引き続き指揮を執っていただきます。
そして、当社グループのスケールメリットを最大限にご活用いただき、成長していってほしいと考えています。
グループ内の経営者と助け合い、励まし合いながら成長できる環境
── M&A実行から約3年が経過しました。グループインにより大きく変わったことは何ですか?
白浜様:経営者という同じ立場の仲間ができたことが、私にとって大きな変化ですね。
取引先の会社として関わっている限りはお互いに体裁を保とうとするので、本音まではなかなか話せないと思うんです。
しかし、同じグループに属する会社とは、いわば血のつながった家族のようなものです。普段はなかなか相談できない悩みや関心事についても、腹を割って話せる気がしています。仲間としてともに成長を目指していることで勇気が湧いてきて、自分もさらに頑張ろうと思えるんです。
グループ企業の経営者たちとは顔を合わせる機会が多く、週1回の報告会や毎月開催の役員会、年に一度の幹部会・幹部旅行などで集まっています。
特に月1回の役員会は、ビジネスにおける悩みを相談できる場になっています。仲間が困っていれば助けてあげたいと思うし、逆に自分が困っているときには「助けてください」と言えます。そういった関係性が築けていることが本当にありがたいです。
── SYSホールディングスとして、レゾナント・コミュニケーション社様のグループインがもたらしたシナジー効果についてお聞かせください。
鈴木様:白浜社長のところは、シニア採用の成功に大きく貢献してくださいました。現場で活躍していた人材を採用するという戦略を提案していただき、グループ全体の価値をさらに高められていると感じます。
それから、自社製品のERPパッケージのマニュアルを作成してくださったことですね。白浜社長が作ってくださったマニュアルは新たにグループに参画した企業様にも展開していて、スムーズな事業理解に寄与しています。
M&Aは双方にとって利益のある「経営同盟」
── グループイン後、業績に変化はありましたか?
鈴木様:レゾナント・コミュニケーションズ様の業績はずっと伸びていますよね。非常に頑張ってくださっていて。
白浜様:ありがたいことに、売上はグループ参画前の倍近くまで成長することができました。また、市場環境の変化や取引先、商流に関わる変化にも対応すべく準備を進めております。
この「準備」というのも、グループインしたからこそできていることだと思います。自分の会社だけで立ち向かっていた場合、おそらく準備できることは限られていたでしょう。特に営業面や商流改善の部分は、グループインしたからこそ強化できていると思います。
また、今は頼れる経営者仲間が身近にいて、さまざまな視点からアドバイスをくださるので、前向きに対処できていると感じています。
── 今後の組織について、どのような展望を描かれていますか?
鈴木様:私は、社長は生え抜きであるべきだという考え方を持っています。グループインしてくださる会社の創業者様には原則引き続き経営を担っていただくつもりです。もし退任を希望される場合は顧問として携わり、次世代を育てていってほしいと考えています。
「社内で2代目を輩出したいが、経験値が足りない」という場合には、後継者の育成をサポートしています。経験を積んでもらうために、グループ外の企業に出向させることもあります。
── M&Aに対する想いや、今後のM&A戦略についてお聞かせください。
鈴木様:これまでに何度もM&Aを実施してきて、各社の自主性と独立性を重んじるやり方が我々のグループに合っていると思いました。
会社によって事業内容も違えば、お客様も違う。当然、築いてきた歴史も根付いている文化も異なります。そして、その「違い」にこそ価値があるのだと思い至りました。
私が創業した当時には10個ほどだったサービスも、今は数千個にのぼります。それぞれの強みを持った会社が集まることで、非常に幅広いサービスを提供できるグループ企業に成長できています。
我々の色に染めてしまうのでは、せっかくの個性がなくなってしまう。まずは参画してくださる企業様を心から歓迎して受け入れて、各社の良さを生かし合うことが大切だと考えています。
── M&Aを検討されている企業様に向けて、メッセージをお願いします。
白浜様:自分たちに寄り添ってくださる仲介業者を選ぶことをおすすめしたいですね。
レバレジーズM&Aアドバイザリーのご担当者は、我々の立場に立って考えてくださっていたと感じます。ときには私よりも熱くなってしまうほどです。それだけ親身になってくれていたのだなと思います。
それからもう一つ伝えたいのは、リアルな情報をキャッチアップすること。M&Aの検討から実施までの一連の流れを経験して身に染みたことは、実際に触れて有益性を自ら考えることの大切さです。
世の中には情報があふれていますが、一つとして同じ会社は存在せず、選択すべき戦略は会社によって千差万別です。情報のみで判断せず、候補企業様の話を実際に聞き、「何が会社にとって良いのか」「どうしたら従業員を幸せにできるのか」という目的と照らし合わせて考えるのが良いと思います。
鈴木様:我々は絶対に支配しませんし、強制もしません。
グループに加わってくださった企業様が自ら伸びようとするのを応援する。これが我々のやり方です。
我々が「経営同盟」と定義するM&Aは、参画いただいた創業者様およびすべての役員・従業員の皆様にご満足いただけているという自負があります。ぜひ当グループにご参画いただき、ともに大きく躍進していきましょう。
──本日はありがとうございました。
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社 担当者コメント
M&A事業部 内田 涼介
レゾナント・コミュニケーションズ社の白浜社長は、「従業員が輝く場を作りたい」という目的のもと、組織力や体制の強化を求めM&Aという手段を選ばれました。
譲渡から約3年が経過し、売上/従業員数いずれも約3倍と、相乗効果を発揮し企業成長されております。
譲受をされたSYSホールディングス社鈴木会長は、M&Aに対する確固たる信念とやり方を持ってお取り組みをされております。
私個人としても何度も連携させていただいており、信頼と自信を持って譲渡企業にご紹介をできる企業でございます。M&Aをご検討されるオーナー様にはぜひ一度、鈴木会長や白浜社長と情報交換をして頂ければと考えております。
今後ともSYSホールディングス全体の更なる発展をご支援を通じて応援いたします。